新しい住まいを探す際、タウンハウスという種類の物件を見たことがあるかと思います。「タウンハウスって何?」「テラスハウスとどう違うの?」などの疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか。
タウンハウスとは、隣の家と壁がつながった連棟式の集合住宅を指します。マンションやアパート、一戸建てとは異なる外観・構造となっているので、お部屋探しをする際に選択肢のひとつとして検討してみても良いでしょう。
今回は、タウンハウスの概要やメリット・デメリットについて解説します。また、タウンハウスがおすすめの人の特徴も紹介していきますので、これからお部屋探しをするという方はぜひ参考にしてみてください。
タウンハウスとは
![](https://www.housecom.jp/kurashiate/images/2022/11/pixta_23114951_M-1.jpg)
冒頭でも説明した通り、タウンハウスとは隣の家と壁がつながって住まいが連立する低層集合住宅のことを指します。「複数の一戸建てが隣の家と壁を共有している住宅」とイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
タウンハウスの庭や駐車場は全住戸で共有しますが、各居室は専有面積に応じた区分所有として登記されます。そのため、不動産の分類ではマンションとして扱われるケースが多いようです。
テラスハウスとの違い
テラスハウスも隣の家と壁がつながっているため、タウンハウスと同じ建物と思う方も少なくありませんが、大きく違う点は「敷地が分かれている」ことです。テラスハウスは敷地を一つひとつ分けて登記しているため、居住空間だけでなく駐車場や庭なども各住戸専用です。
タウンハウスの場合、居住空間は分かれているものの、駐車場や庭などの敷地は全住戸で共有します。敷地が共有のものはタウンハウス、敷地が各住戸で分けられているのがテラスハウスとなります。このような背景があることから、テラスハウスは自分だけの庭や駐車場がほしいと考えている方におすすめできる物件といえるでしょう。
タウンハウスに住むメリット
![](https://www.housecom.jp/kurashiate/images/2022/11/pixta_68044714_M.jpg)
ここからは、タウンハウスに住むことで得られるメリットについて解説していきます。
- 一戸建てと同じような住み心地が得られる
- セキュリティ面で安心しやすい
- 共有スペースにゆとりのある物件が多い
上記3つのメリットに魅力を感じる人は、タウンハウスを候補のひとつに入れて見ても良いかもしれません。
メリット①:一戸建てと同じような住み心地が得られる
タウンハウスに住む場合、上下階に居住者がいないため、小さなお子様が走ったり飛んだりしたときの気遣いの負担が軽減されます。一戸建てに近い生活を送れるため、主に家族連れの方におすすめです。
また、メゾネット構造で上下階に分かれているため、プライベートスペースを確保しやすく、入居者によってさまざまな使い方ができます。たとえば、「1階を居住スペース、2階は寝室にして生活する」、「1階を居住スペース、2階は仕事部屋として利用する」など、入居者に合わせた暮らし方が可能です。
コロナ禍以降、自宅で仕事をする機会が増えたこともあり、住まいの中に独立性の高い空間を求める需要も高まっています。このような理由から、タウンハウスは時代にマッチした住まいの形のひとつといえるでしょう。
メリット②:セキュリティ面で安心しやすい
タウンハウスでは、同じ建物内に多くの居住者が生活しています。一戸建てとは異なり、建物敷地内に他の誰かがいることが多いので、セキュリティ面で安心しやすい環境といえるでしょう。
物件によっては、敷地の入り口にオートロックを設置して外部から安易に敷地内に入らせないよう工夫しているところもあります。自分以外にも他の誰かがいる状況は、安全やセキュリティ面において大きなメリットになるでしょう。
メリット③:共有スペースにゆとりのある物件が多い
構造上、タウンハウスの各住戸の玄関を出ると共有通路が見えます。この共有通路のデザインを工夫したり、植栽にこだわったりする物件が多く、共有スペースにゆとりのある物件も少なくありません。比較的広い共有スペースは居住者同士のコミュニケーションの場としても機能しており、心地良い距離感をもたらしてくれるでしょう。
タウンハウスに住むデメリットや注意点
タウンハウスに住むことでさまざまなメリットが得られますが、押さえておかなければならないデメリット・注意点もあります。タウンハウスに住むデメリット・注意点は以下のとおりです。
- 修繕やリフォームに制約がある
- 窓が少ない部屋もある
- 壁を共有するので音漏れの心配がある
- 階段の勾配が急な物件がある
入居後に後悔しないよう、1つずつ見ていきましょう。
デメリット①:修繕やリフォームに制約がある
一戸建ての感覚で住めるといっても、修繕やリフォームが自由にできるわけではありません。一戸建てであれば、大家さんや不動産会社に相談し、許可を得ることができれば修繕やリフォームは可能ですが、タウンハウスの場合は少々異なります。
特に、壁や柱に影響が出る規模になると、他の居住者との兼ね合いもあり制約が生じます。小規模であれば許可が下りることもあるので、修繕やリフォームを行う際には必ず確認しましょう。
デメリット②:窓が少ない部屋もある
タウンハウスは一戸建てがつながった構造をしているため、中部屋になると窓が少なくなる点がデメリットです。マンションやアパートの中部屋と同様に、玄関のある面とその対面の2面にしか窓を設けられません。
窓が少ないと、部屋に日が入りにくくなり、風通しも悪くなるケースもあります。ただし、これを補うために天窓を設けている物件もあるので、採光が気になる方は天窓のついている物件を探しましょう。
デメリット③:壁を共有するので音漏れの心配がある
先述したように、タウンハウスは一戸建ての感覚で住むことができます。タウンハウスは上下階がセットの造りになっているため、階下への騒音を気にする心配も軽減されます。
ただし、隣人と壁を共有しているため、お隣への音漏れは気になるところです。さらに、一般的なタウンハウスは木造であることが多いので、なおさら注意しなければなりません。隣の家との間に廊下スペースや階段スペース、物入れなどがあるなら多少は軽減されますが、音漏れをゼロにするのは難しいでしょう。
タウンハウスだけに限りませんが、集合住宅で生活する場合は音漏れの心配があります。テレビの音量を低めに設定する、夜中や早朝に大きな音を出さないなどの配慮が必要です。
デメリット④:階段の勾配が急な物件がある
居室内に内階段が設置されていますが、急勾配な物件もあるので注意が必要です。限られた敷地を有効活用するために、階段の傾斜がきつくなってしまうことが多いのです。
傾斜がきつい階段の場合、踏み外すと一気に転落してしまうおそれがあり、場合によっては大ケガをする危険性があります。ご家族に小さいお子様がいたり、ご年配の方がいたりする場合は、転落防止の柵やゲートを設置するなどの工夫が必要でしょう。
タウンハウスの内見に行く場合、階段に手すりがあるかどうか確認しておきましょう。勾配が急な階段だとしても、手すりがあるのとないのとでは安全性が大きく変わります。階段の手すりの有無は、今後の暮らしやすさを左右する大事なポイントのひとつです。
タウンハウスがおすすめの人
![](https://www.housecom.jp/kurashiate/images/2022/11/pixta_82303800_M.jpg)
ここまで見てきたように、タウンハウスにはメリットだけでなくデメリットも存在します。これらを踏まえたうえで、以下のような考え方を持っている人ならタウンハウスへの入居はおすすめといえます。
- 1階と2階を分けて生活したい人
- 階下への音を気にせずに暮らしたい人
それぞれ詳しく解説していきます。
1階と2階を分けて生活したい人
タウンハウスの造りは2階建て、もしくは3階建ての物件がほとんどです。居室内に階段を設けてメゾネット構造にしているため、上下階のスペースを分けて生活できるのが特徴です。たとえば、1階は食事スペース、2階は寝室・プライベートスペースといったように、用途を使い分けて生活したい人に適した造りといえます。
階下への音を気にせずに暮らしたい人
先述したように、タウンハウスは居室内で上下階に分かれているため、階下への音を気にすることなく生活できます。マンションやアパートで2階以上であれば、階下(他人の住まい)のことを考慮して足音や生活音を抑える必要がありますが、タウンハウスではそのような気遣いは不要です。小さなお子様のいるファミリー層や、生活音を気にせずに暮らしたいと考えている方におすすめの住まいといえます。
タウンハウスの賃貸物件はどのくらいある?
タウンハウスの賃貸物件は、一般のマンションやアパートと比べると供給数は少ないのが現状です。なぜなら、日本の住宅は主に建替えを前提にして建てられていることが多いからです。
タウンハウスのように壁がつながっている建物の場合、1世帯のみを建て替えることができません。そのため、一戸建てや共同住宅を建築するケースがほとんど。このような背景から、タウンハウスは他の賃貸物件よりもレアだと言えるでしょう。
また上記記載の賃貸物件以外にも、タウンハウスの物件は全国各地に点在しているので、「タウンハウスに興味がある」「タウンハウスを内見したい」という方は以下の物件リクエストからご連絡ください。
一戸建てのように暮らせるタウンハウスも検討してみよう
タウンハウスは「長屋」に近い形態の連棟式の建物で、数は比較的少ないものの、部屋探しの際に現れる物件のひとつといわれています。各住戸が独立しており、一戸建て感覚で生活できるため、マンションやアパートとは違う住み心地が得られます。
通気性や階段の傾斜などいくつか注意しておきたい点もあるので、これからお部屋探しをする方はメリット・デメリットを比較したうえでタウンハウスへの入居を検討してみてください。