【ベッドサイズの選び方】暮らしや習慣に合わせたベッドを睡眠のプロが教えます

目次

ベッドは、日々の睡眠の質を左右する重要な家具です。しかしベッドには複数のサイズがあり、どれを選べば良いのか迷う人も多いのではないでしょうか。ベッドの選び方は単に好みだけではなく、睡眠の質や生活環境、部屋の広さ、さらには同居人数や体格など様々な要素を考慮する必要があります。

今回は睡眠健康指導士の視点を交えながら、ベッドサイズごとの特徴や選び方のポイントを徹底解説。ベッド選びで失敗しないために、暮らしや習慣に合ったサイズを見つけて、毎日の生活をもっと快適にしましょう。

主要なベッドのサイズとメリット・注意点

ベッドのサイズは、大きく分けてシングル、セミシングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キングの6種類が一般的です。それぞれのサイズには異なる特徴があり、用途やライフスタイルによって適した選択が変わります。

さらに、ベッドフレームやマットレスはサイズに応じた規格が定められており、選び方を誤ると部屋に収まりきらなかったり、快適性を損なったりするリスクがあります。こちらでは各サイズの特徴や注意点を詳しく解説します。

シングルサイズ

シングルサイズのベッドは、幅97cm×長さ195cmが標準的な寸法です。一人暮らしをしている方に最も選ばれているサイズで、手軽な価格で購入できる点がメリットです。

また、部屋の面積が狭い場合にも配置しやすく、省スペースで済むのが特徴となります。しかし、ひとりだからシングルサイズを選べばいいわけでなく、特に寝返りを多く打つ人や体格が大きい人には、若干窮屈に感じることがあるため注意が必要です。ゆったり広く使いたい方も、セミダブルサイズ以上を使うのがおすすめです。

セミシングルサイズ

セミシングルサイズは幅85cm〜90cmと、シングルサイズよりもさらにコンパクトな設計です。主に小柄な女性や子ども向けに選ばれることが多く、また、部屋が狭い場合でも設置しやすい点が魅力となってます。

一方で、体格の大きい方には不向きであり、一般的なマットレスや布団などの寝具がシングルサイズや他サイズよりも限られている点には注意が必要です。

セミダブルサイズ

セミダブルサイズは幅120cm×長さ195cmが一般的な寸法です。一人でゆったり寝たい人に最適なサイズであり、寝返りを打つスペースにも余裕があります。

また、パートナーが一緒に寝る場合でも対応できる点が人気の理由となってます。ただし、二人で長期間使うには寝返りが打ちにくいなど狭く感じることが多いため、睡眠の質にも影響しがちです。二人用にはダブルサイズ以上を選ぶことを推奨します。

ダブルサイズ

ダブルサイズのベッドは、幅140cm×長さ195cm程度の広さがあり、二人で使うことを想定したサイズです。同棲中のカップルや新婚の夫婦に人気があります。

ただし、体格や睡眠中の動きによっては、広さが不十分と感じる場合がある点には注意が必要です。快適な二人用ベッドを選びたい場合は、クイーンサイズ以上も検討しましょう。

クイーンサイズ

クイーンサイズのベッドは幅160cm×長さ200cmと、ダブルサイズよりもさらに広く、二人で寝るのに十分快適に感じる広さを持っています。特に体格が大きいカップルや、ペットと一緒に寝る場合にも適しています。

一方で、設置には広めのスペースが必要なため、部屋の寸法をしっかり測った上で検討することが重要です。

キングサイズ

キングサイズは幅180cm〜200cm程度の広さを持ち、家族で寝ることも可能な最大サイズのベッドです。十分なスペースが確保できるので、家族が増えても安心して使えます。

一方で、広い寝室空間が必要となり、価格も他のサイズに比べて高価です。また搬入時のスペースや搬入経路にも注意が必要。重さも他のサイズより重い傾向にあるため、床へのダメージも考慮すべきでしょう。

上記以外のサイズ

上記以外にも特注サイズのベッドや、ロフトベッド、ラックや収納付きベッドなど用途に特化した選択肢があります。例えば、超大型ベッドや狭い部屋で活躍する折りたたみベッドなどです。

特注サイズの場合、マットレスなど寝具の選択肢が少ないことがあるため、購入前に確認することをおすすめします。

睡眠健康指導士が教える、ベッドの広さと睡眠の質の関係性

睡眠健康指導士の視点から見ると、ベッドの広さは睡眠の質を大きく左右する要素の一つです。

特に寝返りを打つスペースが十分に確保されていなければ、身体が無意識に緊張し、深い睡眠に入りづらくなったり、中途覚醒が起きたりします。夫婦やカップルでひとつのベッドを共有する場合は、動きの干渉を避けるためにもワンサイズ広めのベッドを選ぶことも選択肢として考える必要があるでしょう。

また、適切な広さを確保することで、腰や肩への負担も軽減され、睡眠による疲労回復がスムーズになります。

同居人数・体格・部屋の広さから見る適切なベッドサイズの選び方

ベッド選びでは、同居人数、体格、部屋の広さなど複数の要素を考慮する必要があります。それぞれの視点から最適なサイズを選ぶことで、快適さを最大限に引き出すことができます。

同居する人数からベッドサイズを選ぶ場合

以下のように、同居する人数によって適切なベッドサイズを選びましょう。

〈同居する人数によるベッドサイズ選び〉

・一人暮らしをするならシングルかセミダブルサイズ

・同棲するならシングルサイズ2台のツインベッドスタイル

・3人以上の家族構成ならクイーンサイズ以上かシングルサイズ2台

一人暮らしをする人向けのベッドサイズ

一人暮らしにはシングルまたはセミダブルサイズが適しています。広めのサイズを選ぶと、ゆったりとした睡眠を楽しむことができるのでおすすめです。

また、収納スペースを有効活用するために収納付きベッドを選んだり、収納スペースが豊富な物件を選ぶのもおすすめです。たとえばウォークインクローゼット付きなど収納スペースが豊富な住まいを選べば、広めのベッドサイズにしても部屋の圧迫感を感じにくいでしょう。

同棲をする人向けのベッドサイズ

同棲カップルには、シングルベッドを2台並べて使用する「ツインベッドスタイル」がおすすめです。それぞれの好みの寝心地を選べるだけでなく、動きが干渉しないため質の高い睡眠が期待できます。将来的なライフスタイルの変化にも対応しやすい点もポイントです。

2台並べて使用する際は、マットレスの厚みを同じくらいにするとより快適。接続部分の溝が気になると睡眠の質が下がる可能性もあるため注意しましょう。

3人以上の家族構成向けのベッドサイズ

3人以上の家族構成では、クイーンサイズ以上、もしくはシングルサイズを2台並べるのがおすすめです。キングサイズであれば、子どもが小学生にあがるまでは同じベッドで寝られます。

ただし、子どもの成長を視野に入れると、シングルサイズ2台の方が使い勝手がいい場合があります。お子様のいるご家庭は、将来のことも踏まえたサイズ選びをしましょう。

体格からベッドサイズを選ぶ場合

体格からベッドサイズを選ぶ場合、以下のように選ぶのがおすすめです。

〈体格からベッドサイズを選ぶなら〉

・BMIが18.5未満はシングルかセミシングルサイズ

・BMIが18.5~25(普通体重)はセミダブルかダブルサイズ

・BMIが25~はダブルサイズ以上

・体格が極度に大きい人(BMIが35~)はクイーンサイズ

BMIが18.5未満の人向けのベッドサイズ

細身の方には、シングルまたはセミシングルサイズで十分な場合が多いです。ただし、寝返りの頻度や好みに応じて広めのセミダブルを選ぶのも良いでしょう。

BMIが18.5~25(普通体重)の人向けのベッドサイズ

標準的な体格の方には、シングルサイズからダブルサイズまでのサイズ感が快適に感じられることが多いです。自身の睡眠中の動きを考慮するのはもちろん、後述する部屋の広さも併せて検討しましょう。

BMIが25~の人向けのベッドサイズ

体格がある程度大きい方には、ダブルサイズ以上をおすすめします。クイーンサイズやキングサイズなら、体全体を余裕を持って支えることができます。

体格が極度に大きい人(BMIが35~)向けのベッドサイズ

BMIが35以上の方、または極度に体格が大きい方には、クイーンサイズのベッドをおすすめします。幅約160cmのクイーンサイズであれば、体全体をゆったりと支えることができ、睡眠中のストレスを軽減することが可能です。

特に寝返りを頻繁に打つ方や、広いスペースが必要な方にとっては、このサイズが最適です。また、マットレスの種類にも注意が必要で、体重をしっかり支えるための高密度フォームやコイルが使われたものを選ぶと良いでしょう。

部屋の大きさからベッドサイズを選ぶ場合

部屋の大きさ次第では、ベッドサイズが限定される場合もあります。以下に間取りごとのおすすめサイズをまとめます。

〈寝るスペースの広さを考慮したベッドサイズの選び方〉

・6畳以下ならシングルかセミシングルサイズ

・6畳~8畳以下ならセミダブルやダブルサイズ

・8畳以上ならダブルやクイーンサイズ

【~6畳】リビングと寝室が一緒の場合

寝室がない間取りでは、リビングにベッドを置くことになります。そのため、寝るスペースとして確保できる面積が6畳以下になるような部屋のパターンでは、シングルサイズやセミシングルサイズが最適です。省スペースで設置でき、他の家具とのバランスも取りやすくなります。

【6畳~8畳】寝室としてベッドを置く場合

寝室がある場合、6畳から8畳が寝るスペースとして確保できるでしょう。この場合、セミダブルやダブルサイズが快適に設置可能です。一般的なワンルームだとこのサイズとなります。収納付きベッドを選ぶことで、スペースに余裕が生まれ、部屋を効率よく活用できます。

【8畳~】広めの寝室でベッドを置く場合

寝室が8畳以上の場合、ダブルサイズやクイーンサイズのベッドを設置できます。この広さなら、家具の配置に余裕を持たせることができるため、ベッド周りにサイドテーブルや照明を置いたり、ゆったりとした動線を確保することが可能です。

さらに、広い寝室ではベッドのデザインにもこだわることができ、贅沢な睡眠環境を楽しむことができます。空間に圧迫感がでるようであればローベッドもおすすめ。収納スペースやインテリアのバランスを考えた家具の配置にすれば、生活の利便性も大きく向上します。

しかし、大きいサイズのベッドは価格もそれなりに高くなります。そこで、家具付きの住まいを選ぶことで、ベッド以外の家具の準備を省略でき、かつ費用を少しでも抑えることが可能です。

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「部屋や環境に合ったベッドサイズ」の考え方

ベッド選びでは、収納スペースの有無や部屋の湿気など、環境に合わせた選択も重要です。これらの要素を考慮することで、より快適な生活を送ることができます。

部屋の収納の多さ

収納付きベッドやベッド下に収納スペースがある商品だと、部屋が狭い場合に便利ですが、収納スペースが豊富にある部屋では必ずしも必要ありません。たとえば、ウォークインクローゼットが付いた物件なら、ベッドフレームの予算を抑えることができます。

ウォークインクローゼット付き、もしくは全居室収納付きの住まいを探してみると、選択肢が広がるでしょう。

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部屋(地域)の湿気の多さ

湿気が多い地域では、通気性に優れたすのこベッドやスチール製ベッドが適しています。これらのベッドは湿気を逃がしやすく、カビの発生を抑える効果があります。

一方、ファブリックや革製のベッドは湿気を吸いやすい素材のため、湿度の高い部屋では避けるべきです。

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【補足】主要なベッドフレームの種類

主なベッドフレームの種類には、木製やスチール製、布製の3つがあります。以下では、その3種類の特徴を紹介しています。

すのこベッド(木製)

すのこベッドは、通気性が良く、湿気が多い日本の気候に適しています。特に、寝汗が多い方や湿度の高い地域ではおすすめです。

ひとくちに木製といっても、オーク材やパイン材、ウォールナット材など木材の種類はさまざま。耐久性や湿気への強さが変わるため、地域や寝室環境に合った選択が必要です。さらに木製ベッドは小物を置くのにちょうどいい棚付きが多く、便利な点もメリットです。

パイプベッド(スチール製)

パイプベッドは軽量で移動が簡単な点が特徴です。デザインがシンプルなものが多く、モダンな部屋に馴染みます。

ただし、耐久性は強いものの強度は低めで、使用しているうちにギシギシと音が鳴りやすい点がデメリットです。

ファブリックベッド(布製)

ファブリックベッドは、布地を使用したおしゃれなデザインが特徴です。ファブリックベッドを設置することでお部屋の雰囲気が一段階あがるなど、寝室のインテリアにこだわる方に人気です。また、ヘッドボードが柔らかい当たりのタイプが多いので、寝る前のリラックスタイムに最適です。

一方で、湿気や汚れへの対策が必要になります。飲み物をこぼすと二度と取れないようなシミになる可能性があります。

ベッドサイズの選び方を知って後悔のないベッド選びをしよう!

自分や住まいに合った適切なベッドサイズを選ぶことで、快適な睡眠環境にできます。また、睡眠環境を整えれば、暮らし全体の満足度を高めることができるでしょう。

お部屋選びの際は、ぜひ本記事を参考に、家具付きの住まいやウォークインクローゼット付きの住まいなど、快適な生活をサポートする物件もあわせてチェックしてみてください。