【睡眠のプロ監修】羽毛布団の寿命はどれぐらい?買い替え時期・長持ちさせるコツも

目次

羽毛布団は寒い季節に欠かせない寝具のひとつですが、どれくらいの寿命があるかご存じでしょうか?また、寿命を迎えた羽毛布団は買い替えるべきなのか、それともリフォームして使い続けるべきなのか迷うこともあるでしょう。

今回は、羽毛布団の寿命の目安や買い替えのサインを詳しく解説し、ニトリや西川などの主要メーカーの羽毛布団にも触れながら、長く快適に使うための収納・洗濯方法を紹介します。さらに、買い替え前に検討したい羽毛布団のリフォームについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

一般的な羽毛布団の寿命

羽毛布団の寿命は、一般的に10〜15年とされています。ただし、使い方やお手入れ方法によっては、より長持ちさせることも可能です。

一部では「羽毛布団は50年使える」といった話もありますが、これは適切なメンテナンスを続け、定期的にリフォームを行った場合の話です。羽毛自体は長持ちする素材ですが、側生地の劣化や羽毛のへたりなどが進むと、快適な使い心地を維持するのはむずかしくなります。

羽毛布団の寿命を縮めてしまう使い方

羽毛布団の寿命を短くする原因はいくつかあります。以下のような使い方をしていると、寿命が大幅に短くなってしまうので注意しましょう。

・布団カバーを使用しない

汚れや汗が直接布団に付着し、羽毛が傷む原因になる。

・湿気が多い環境で使用・収納する

カビや臭いの発生を招き、羽毛の品質が低下する。

・頻繁に布団を強く叩く

羽毛が壊れ、ボリュームがなくなる。

・圧縮袋で長期間保管する

羽毛がつぶれてしまい、元のふんわり感が戻らなくなる。

特に、布団カバーを使わないことや湿気対策を怠ることは、羽毛布団の寿命を大きく縮める要因になります。

羽毛布団の寿命サイン(買い替えのタイミング)

羽毛布団が寿命を迎えると、いくつかのサインが現れます。次の項目に当てはまる場合は、買い替えを検討しましょう。

ふくらみがなくなってきた

新品の羽毛布団は空気をたっぷり含み、ふんわりとした厚みがあります。しかし、長年使っていると羽毛がへたり、布団が薄くなります。

温かさを感じなくなってきた

羽毛布団の保温性が低下している場合、羽毛が劣化している可能性があります。以前より寒く感じる場合は、寿命を迎えているサインです。

羽毛が飛び出してくる

側生地が摩耗すると、小さな穴が開いて羽毛が飛び出すことがあります。このような状態になったら、寿命が近づいている証拠です。

布団の中で偏りが生じる

羽毛布団を長年使用すると、内部の羽毛が移動しやすくなり、一部に固まってしまうことがあります。特に中央部分が薄くなり、端のほうに羽毛が寄ってしまう状態は、寿命が近づいているサインです。

以前より重みを感じる

羽毛布団が重く感じるのは、湿気や汗を吸収し、内部の羽毛が劣化している証拠です。湿気はカビやダニの発生リスクを高めるため、適切に対処する必要があります。

羽毛布団を長く使うために気をつけたい習慣・お手入れ方法

羽毛布団の寿命を延ばすためには、日常的なお手入れが重要です。

日常的なメンテナンス

日常的なメンテナンスは、毎日意識して習慣化させるようにしてください。これだけで高価な羽毛布団をより長持ちさせることにつなげられます。

毎日布団を整える

羽毛の偏りを防ぐため、寝た後は軽く振って羽毛の偏りを防ぎましょう。

①布団を軽く持ち上げ、上下に数回振る

②角を持って優しく叩く(強く叩かないことが重要)

このひと手間で、布団の形が整い、空気を含んでふんわり感が復活します。

布団カバーを常に使用する

布団カバーは、汗や皮脂汚れ、ホコリの付着を防ぎ、羽毛布団本体を清潔に保つ役割を果たします。カバーを適切に使うことで、羽毛布団の劣化を遅らせ、長期間快適に使用できます。

布団を軽く叩く程度にする

羽毛布団のメンテナンスとして「布団を叩く」ことをイメージする人も多いですが、 強く叩くのはNGです。羽毛布団はデリケートな素材でできており、 間違ったお手入れ方法をすると寿命を縮めてしまう可能性があります。

室内での軽いホコリ払いをする

羽毛布団は ホコリやダニが付きやすく、放置するとアレルギーや肌トラブルの原因になります。そのため、 室内での軽いホコリ払いを日常的におこなうことで、布団を清潔に保ち、快適な睡眠環境を維持することができます。

収納時の注意点

収納時にカビや虫食いを防ぐためのひと工夫をすることで、長期間の保存も安心です。

収納時は完全に乾燥させる

羽毛布団を収納する際、しっかり乾燥させることが最も重要です。湿気が残ったまま収納すると、 カビの発生、悪臭、羽毛の劣化につながるため、適切な乾燥方法を実践しましょう。

通気性の良い収納袋を使用する

羽毛布団を収納する際、完全に乾燥させてから収納しないと、カビや嫌な臭いの原因になる ため注意が必要です。特に湿気がこもりやすい押入れやクローゼットに収納する場合は、収納前の乾燥を徹底し、適切な環境で保管することが重要です。

圧縮袋の使用は避ける

羽毛布団を収納する際に 圧縮袋を使用すると、羽毛のダメージが大きくなり、寿命を縮める 可能性があります。「かさばるから」と圧縮袋を使いたくなる気持ちは分かりますが、羽毛布団を長持ちさせるためには通気性の良い収納方法を選ぶことが重要です。

定期的に収納場所を換気する

羽毛布団を長持ちさせるためには、収納場所の湿気対策が非常に重要。クローゼットや押し入れは密閉されやすく、湿気がこもりやすいため、適切な換気をおこなわないと、カビやダニの発生、羽毛の劣化につながります。

羽毛布団の寿命と汚れを考慮した正しい洗濯方法

正しい洗濯をすることで、羽毛布団を清潔に保ちつつ、寿命を延ばすことができます。洗濯表示を確認し、自宅で洗えるか、クリーニングが必要かチェックしたあと適切な洗濯方法を選びましょう。

自宅で洗濯できる場合

羽毛布団を自宅で洗濯する際は、洗濯表示を確認し、適切な方法で洗うことが重要です。間違った洗濯方法は、羽毛の偏りやボリュームの低下、臭いの原因になるため、以下のポイントを守りましょう。

<洗濯表示を確認>

・水洗い可(洗濯機マーク)

→自宅で洗濯OK

・手洗いマーク

→洗濯機の「手洗いコース」または「おしゃれ着洗いコース」で洗う

・ドライクリーニングのみ

→自宅洗濯NG(クリーニング推奨)

<布団のサイズを確認>

・洗濯機の容量が10kg以上ならシングル布団可

・ダブル以上はコインランドリー推奨

<部分汚れを先に落とす>

・汚れがひどい部分は中性洗剤を薄めた液で叩き洗いしておく

羽毛布団を自宅で洗う際は、洗濯表示の確認・中性洗剤の使用・短時間脱水・低温乾燥を徹底することで、ふんわり感を維持できます。また、しっかり乾燥させることが重要なため、浴室乾燥機や広めのバルコニーがある住まいなら、自宅でも効率よく乾かせます。

ルーフバルコニー付きの物件なら、十分なスペースで風通し良く干せるため、羽毛布団のお手入れがさらに快適になりますよ。

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コインランドリーを使用する場合

羽毛布団をコインランドリーで洗う際は、 洗濯機の選び方や乾燥方法を間違えると羽毛が偏ったり、ダメージを受けたりする可能性があります。以下のポイントを押さえて洗濯しましょう。

<洗濯前の準備や注意点>

・「水洗い可」のマークがあるかチェック(NGの場合はクリーニング推奨)

・羽毛が偏らないよう、 布団を折りたたんでゆるめに十字に縛るのがコツ

・洗剤は羽毛布団専用or中性洗剤を使用漂白剤や柔軟剤はNG

<洗濯機の選び方と洗い方>

・容量17kg以上のドラム式洗濯機を使用

→10kg以下の小型機は羽毛布団が膨らみすぎて洗えない

・「毛布コース」または「羽毛布団コース」を選択

→強い水流で洗うと羽毛が片寄るため、 やさしく洗えるコースを選ぶ

・すすぎはしっかり2回以上おこなう

→洗剤が残ると羽毛のふんわり感が失われるため、完全にすすぐ

羽毛布団を乾燥させる際は、60℃以上の乾燥機で1時間以上回し、ダニを除去しながらふんわり感を復活させましょう。乾燥時にテニスボールや専用ボールを一緒に入れると、羽毛が均等に膨らみやすくなります。

さらに、仕上げに布団を取り出し、手で軽くほぐして空気を含ませることで、よりふんわりとした仕上がりになりますよ。

クリーニング店に依頼する場合

プロの技術で適切に洗浄してもらえるので、定期的に依頼するのもおすすめです。特に自宅で洗えない布団や、汚れが気になる場合はプロに任せるのが安心です。

羽毛布団のクリーニングは、通常3~5年に1回が目安ですが、汗をかきやすい人やアレルギーがある人は2~3年に1回の頻度でおこなうのが理想です。また、汚れやふんわり感の低下を感じたときがクリーニングのタイミングです。

クリーニング店を選ぶ際は、羽毛布団専門の洗浄技術を持つ店舗を選びましょう。

買い替える前に検討したい「羽毛布団のリフォーム」とは

羽毛布団は、新しく買い替えるだけでなくリフォーム(仕立て直し)して再利用することもできます。長年使った布団でも、リフォームすればふんわり感が復活し、より快適に使えるため、環境にもお財布にも優しい方法です。

羽毛布団リフォームのメリットとデメリット

<メリット>

・新品よりコストを抑えられる

・愛着のある布団を長く使える

・環境に優しい

・羽毛の洗浄・補充でふんわり感が復活

・サイズ変更が可能

<デメリット>

・羽毛の状態によってはリフォームできない

・費用が高くなるケースもある

・側生地の選択肢が限られる

・リフォームには時間がかかる

メリットは、愛着のある布団を長く使えること、買い替えよりもコストを抑えられること などがあります。一方で、羽毛の状態によってはリフォームできない場合があるため、事前に状態を確認する必要がある点などに注意してください。

羽毛布団リフォームの価格相場

リフォーム費用は、1万円~5万円程度が相場です。リフォーム内容や羽毛の質によって変動しますが、新品を購入するよりも安く抑えられる場合が多いでしょう。

羽毛布団リフォームの流れ

リフォームは、布団の解体→羽毛の洗浄・補充→新しい側生地への入れ替え→仕立て直し という流れでおこなわれます。高品質な羽毛を補充するとより長持ちします。

羽毛布団の買い替えとリフォーム、どちらが良い?

布団の状態や予算によって最適な選択が異なります。羽毛がへたっていない場合はリフォーム、羽毛が傷んでいる場合は買い替えがおすすめです。

また、リフォームによって羽毛布団を新品同様に生まれ変わらせることができますが、睡眠環境全体を見直すなら、マットレスの交換も検討するのがおすすめです。羽毛布団とマットレスの両方が適切な状態であれば、より快適な睡眠が得られます。

現在の睡眠環境をあらためて確認し、最適な方法を選びましょう。

羽毛布団の寿命を理解し、長く賢く使おう

羽毛布団の寿命は約10~15年ですが、適切なメンテナンスを行えば、より長く快適に使用できます。買い替えを検討する前に、ふくらみの減少・保温性の低下・羽毛の飛び出しなどの寿命サインを確認しましょう。

寿命を延ばすためには、布団カバーの使用・定期的な乾燥・優しく整える習慣が重要です。洗濯方法も適切に選び、自宅・コインランドリー・クリーニング店など状況に応じたメンテナンスをおこなってみてください。

また、リフォームを活用すれば、羽毛の洗浄・補充で新品同様のふんわり感を取り戻すことも可能ですよ。買い替えとリフォームのコストを比較し、あなたにとって最適な選択をしてくださいね。