ソファは家族の団らんの中心として、また日々の疲れを癒す安らぎの場所として、私たちの生活に彩りを添える家具です。毎日使うからこそ汚れやすく、大切に使い続けるためにはお手入れが必要です。しかし、「汚れが気になるけど正しい掃除方法がわからない」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、素材別のソファ掃除方法や、子ども・ペットがいる家庭向けの汚れ対策について紹介します。ソファを大切に使いたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ソファが汚れる主な原因

ソファは私たちの生活の中で多くの時間を過ごす場所です。くつろぎの空間を演出する一方で、さまざまな汚れが付着しやすい家具でもあります。
効果的なお手入れを行うためには、まずソファがどのように汚れるのかを理解しておきましょう。
汗や皮脂の蓄積
ソファの汚れの主な原因として挙げられるのが、私たちの体から出る汗や皮脂です。
ソファに直接肌が触れると、汗や皮脂が繊維や素材に染み込みやすくなります。とくに頭や腕を置く部分、背もたれなどは肌と接触するため、気づかないうちに汚れが蓄積していきます。皮脂汚れを放置すると黄ばみやニオイの原因となることもあり、対策が必要です。
食べこぼし・飲みこぼし
くつろぎの時間にソファでドリンクや軽食を楽しむ方も多いでしょう。そのためソファには、食べこぼしや飲みこぼしによる汚れもつきやすくなります。
とくに小さな子どもがいる家庭では、汚れの頻度が高くなりがちです。ジュースやソース・ケチャップなどの色の濃いものは、すぐに対処しないと繊維に浸透し、頑固なシミになってしまうことがあります。
ホコリ・ハウスダスト・髪の毛
ソファの座面やクッション、背もたれの隙間などには、髪の毛や衣服の繊維、目に見えないハウスダストなどが溜まっていきます。細かなゴミや汚れは時間が経つとソファの隙間に入り込み、取り除くのがむずかしくなることがあります。
ハウスダストはアレルギーの原因にもなる物質です。定期的に対策を行いましょう。
子どもの落書き
小さな子どもがいる家庭では、クレヨンやペン、マーカーなどによる落書きでソファが汚れることもあります。とくに油性マジックがソファについてしまうと、素材によっては完全に落とすことがむずかしくなってしまいます。
ペット関連
ペットと暮らす家庭では、動物の毛が気になる方も多いでしょう。
ペットの体臭がソファに移ったり、爪とぎによって生地が傷んだりする場合もあります。ペットのいる環境でソファを清潔に使い続けるためには、専用のカバーを設置する、ペットを乗せないルールを作るなど、何らかの対策が必要です。
ソファを清潔に保つ日常のメンテナンス方法(素材共通)

ソファを長く美しく使い続けるためには、日常的なメンテナンスが欠かせません。ここでは素材を問わず実践できる基本的なお手入れ方法をご紹介します。
掃除機をかける
ソファの基本的なお手入れとして、週に1〜2回を目安に掃除機をかけることをおすすめします。お部屋の掃除をするタイミングで、ソファにも掃除機をかけるとよいでしょう。
狭い隙間には、細いノズルやブラシ付きノズルを使うとより効果的に汚れやホコリを取り除けます。ペットを飼っている家庭では、毛を効率的に取り除くために、ゴム手袋で表面をなでてから掃除機をかけるという方法も有効です。
粘着ローラー・ブラシを使う
急な来客前や、丁寧に掃除をする時間がないときには、粘着ローラーやブラシが活躍します。サッと表面を転がしたり撫でたりするだけで、ソファについた髪の毛やホコリ、衣類の繊維などを簡単に取り除くことができます。
ソファカバーを洗濯する
取り外し可能なカバーがあるソファは、定期的な洗濯で清潔さを保てます。洗濯の際は必ず洗濯表示を確認し、素材に合った方法で洗いましょう。洗濯機で洗えるタイプのカバーを使用すれば、お手入れがぐっと楽になります。
替えのカバーを用意しておくと、急な汚れにも対応できたり、季節や気分に合わせて部屋の雰囲気を変えられたりと便利です。
素材別ソファの掃除方法と注意点
ソファの素材によって、最適なお手入れ方法は異なります。ここでは、代表的な3種類の素材別に、効果的な掃除方法と注意点をご紹介します。
布製ソファ(ファブリック)

座り心地のよさとデザイン性から多くの家庭に人気がある布製ソファ。通気性がよい反面、液体が染み込みやすいという特徴があります。
清潔さを保つためには、汚れたらすぐに対処することが大切です。
素材を傷めない掃除方法・アイテム
布製ソファの掃除方法を紹介します。
■重曹による掃除
重曹は、子どもやペットがいても安心して使える自然由来の成分です。アルカリ性のため、汗や皮脂などの酸性の汚れを中和して落とす効果があります。重曹を使った掃除の方法は以下のとおりです。
①ソファ全体に重曹を満遍なく振りかる
②数時間から一晩放置する
③掃除機で重曹をしっかり吸い取る
■中性洗剤を使った掃除
頑固なシミや汚れには、中性洗剤が効果的です。掃除の手順を紹介します。
①中性洗剤をぬるま湯で薄め、洗剤液を作る
②柔らかい布に洗剤液を含ませ、汚れた部分を叩くように優しく拭く
③水で濡らして固く絞った布で洗剤を拭き取り、最後に乾いた布で水分を取り除く
布製ソファを掃除する際の注意点
布製ソファを洗剤を使って掃除する際は、目立たない部分で色落ちテストを行いましょう。洗剤を含ませたティッシュペーパーや布をソファの目立たない箇所につけて10分間放置し、色移りがないか確認します。
またシミ取りの際は、こするとシミが広がる恐れがあるため、叩くように優しく拭きましょう。汚れは外側から内側に向かって拭くと効果的です。
合皮ソファ(フェイクレザー)

合皮ソファは見た目の高級感と手入れのしやすさから、多くの家庭で人気があります。
水分に強く汚れが定着しづらいという特性がありますが、お手入れをしないと徐々に汚れが蓄積します。
素材を傷めない掃除方法・アイテム
合皮ソファの掃除方法について紹介します。
■乾拭き
合皮ソファは、掃除機を頻繁にかけすぎると表面に傷がつくことがあるため、乾拭きが基本の掃除となります。
柔らかい布を使って表面のホコリや汚れを軽く拭き取ります。隙間部分は、布を指に巻きつけて拭き取るとよいでしょう。
■中性洗剤での拭き掃除
目に見える汚れがある場合は、中性洗剤を薄めた洗剤液で拭き掃除をします。掃除方法は以下のとおりです。
①中性洗剤をぬるま湯で3~5%程度に薄める
②柔らかい布に洗剤液を含ませ、固く絞る
③ソファ全体を優しく拭く
④水で濡らして固く絞った布で洗剤を拭き取る
⑤乾いた布でしっかりと水分を拭き取る
■部分的な汚れへの対処法
ボールペンのインクなど部分的な頑固な汚れには、集中的なケアを行ってみましょう。
①洗剤液を含ませたキッチンペーパーを汚れた部分に当てる
②数分間放置して汚れを浮かせる
③柔らかい布で優しく拭き取る
④水拭き・乾拭きで仕上げる
合皮ソファを掃除する際の注意点
合皮ソファを掃除する際も、洗剤を使用する前に目立たない部分でテストし、変色や変質がないか確認しましょう。
また、ブラシや固い布での強いこすり洗いは、表面にキズをつける恐れがあります。柔らかい布を使用し、優しく拭くことを心がけましょう。
洗剤や水分を使った後は、必ず乾いた布でしっかり拭き取り、水分が残らないようにします。水分が残ると、合皮の劣化を早める原因となることがあります。
本革ソファ

本革ソファは高級感があり、使えば使うほど味わいが増す素材です。適切にケアすれば一生もののアイテムになることでしょう。長く大切に使うためにも、日常的なメンテナンスが非常に重要です。
素材を傷めない掃除方法・アイテム
本革ソファの掃除方法について紹介します。
■乾拭き
本革ソファの基本的なお手入れは、週に1回程度の乾拭きです。柔らかい布で全体を優しく拭くことで、表面のホコリや皮脂汚れを取り除きます。とくに頭や腕など肌が触れる部分は、念入りに拭きましょう。
■専用クリーナーの使用
汚れが目立つ場合は、市販の本革専用のクリーナーを使用します。専用クリーナーを使うことで、革を傷めずに汚れを落とせます。クリーナーを使った掃除方法の手順を紹介します。
①乾いた布でまず表面のホコリを拭き取る
②革専用クリーナーを柔らかい布につける
③目立たない部分でテストした後、汚れた部分を円を描くように優しく拭く
④皮用保護クリームを全体に塗る
⑤乾拭き後、自然乾燥させる
皮用の保護クリームには、皮の潤いを保持し、ひび割れを防ぐ役割があります。掃除後にソファ全体に塗布しておきましょう。
本革ソファを掃除する際の注意点
本革ソファに掃除機を使う場合は、柔らかいブラシアタッチメントを使い、軽く表面のホコリを取る程度にしましょう。吸引力が強いと革を傷める恐れがあります。
また頑固なシミや広範囲の汚れ、カビが発生した場合は、専門のクリーニング業者に相談することをおすすめします。
家庭環境別ソファの汚れを防ぐ工夫
家族構成や生活スタイルによって、ソファの汚れ方や傷み方は大きく変わります。ここからは、代表的な3つの家庭環境に合わせた、ソファの汚れを予防するための工夫をご紹介します。
ペットがいる家庭
愛らしいペットとの暮らしは楽しいものですが、抜け毛やひっかき傷、よだれなどによるソファの汚れは避けられません。
ペットが好んで座る場所には、洗濯可能な専用カバーやブランケットを敷きましょう。ペットが特定の場所を気に入っている場合にとくに効果的です。ペットの毛が抜ける時期には、定期的にブラッシングをすることで、抜け毛の量を減らせます。
可能であれば、ペットがソファに上がらないようしつけるか、特定の場所だけ上がれるようにするなど、ルールを設けることもひとつの方法です。
子どもがいる家庭
子育て中は、洗濯機で丸洗いできるカバー付きのソファが強い味方になります。汚れたらすぐに洗えるので、常に清潔な状態を保てます。予備のカバーを用意しておくと、洗濯中も快適に使用できて便利です。
とくに食べこぼしや飲みこぼしは時間が経つほど落ちにくくなるため、素早い対応が大切です。リビングに拭き取り用の布やウェットティッシュを常備しておくと、汚れにすぐ対応できます。
来客が多い家庭
頻繁に人が集まるご家庭では、ソファの使用頻度が高く、さまざまな汚れや傷みが発生します。日々のお手入れのしやすさを重視した素材選びが大切です。
合皮タイプは水拭きだけで汚れが落ちるため実用的です。また、本革タイプも専用クリーナーで定期的にケアすれば高級感を保ちながら長く使えるでしょう。
また、液体や食べ物のこぼれを防ぐため、飲み物用のコースターやお菓子用のトレイを常備しておくとよいでしょう。デザイン性の高いコースターやトレイを選べば、インテリアのアクセントにもなります。
ソファの汚れがどうしても落ちない時は?

日常のお手入れや自宅でのケアを続けていても、長年の使用による全体的な汚れや、頑固なシミがどうしても落ちない場合があります。
そんなときは、プロのクリーニング業者に依頼することもひとつの選択肢です。クリーニングの業者は、ソファの素材や汚れの種類に合わせた最適な洗浄方法、家庭では導入がむずかしい高性能な機材を使用します。自宅では対処が難しい染み込んだ汚れや頑固なシミも、専門的な技術できれいに落とせる可能性が高まります。
ソファクリーニングの費用は、ソファのサイズや素材、汚れの程度、業者によって異なりますが、一般的な相場は2人掛けソファで5,000円〜25,000円程度です。サービス内容や質を見定めて、自宅のソファの汚れや素材に合ったクリーニング業者を選びましょう。
ソファの掃除方法を知って清潔な状態でリラックスしよう
この記事では、素材別のソファ掃除方法や、子ども・ペットがいる家庭向けの汚れ対策について紹介しました。
ソファは家族の団らんや、くつろぎの時間を過ごす大切な家具です。素材に合った掃除方法を実践し、いつでも清潔なソファでリラックスタイムを楽しみましょう。