「北欧モダン」ってどういうレイアウト?インテリアのプロが教える、理想の部屋を作るコツ

目次

北欧の温かみとモダンな洗練を融合させた「北欧モダン」インテリアは、心地よさとスタイリッシュさを兼ね備えた空間づくりが魅力です。

無駄をそぎ落としたシンプルなデザインの中に、自然素材のぬくもりやニュアンスカラーを取り入れることで、落ち着きのある居心地の良いお部屋を演出できますよ。

この記事では、「北欧モダンとは何か?」という基本から理想の部屋をつくるレイアウト術、インテリアの選び方のポイント、さらに北欧モダンが実現しやすい物件の条件まで、初心者にもわかりやすく解説します。自分らしく快適な空間を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

北欧モダンとは?

北欧モダンは、シャープでクールな印象の「モダンスタイル」に、北欧インテリアならではの自然素材のぬくもりや柔らかな雰囲気を組み合わせた、より暮らしやすい印象のインテリアスタイルのことを指します。

白や黒を基調とした直線的なデザイン、ガラス・スチールといった無機質な素材を取り入れつつも、柔らかな中間色や木材、曲線的なフォルム、そして暖かみのある照明をバランスよく組み合わせることで、冷たくなりすぎず、モダンで心地よい印象を与えてくれます。

「北欧ナチュラル」との違い

「北欧ナチュラル」は、温かみのある木材やホワイトを基調とした、自然光を活かした優しい雰囲気のインテリアが特徴です。

一方の「北欧モダン」は、北欧デザインのシンプルさに加えて、グレーやブラックなどのモノトーンカラー、鮮やかなカラーもアクセントに使用し、明度や色彩のコントラスを巧に加え、洗練されたモダンな印象を作ります。また、金属・ガラス素材を取り入れることで、洗練された都会的な雰囲気を演出しています。

「ミニマルモダン」との違い

北欧モダンとミニマルモダンは、どちらもシンプルで洗練されたデザインを特徴としていますが、異なる文化や美学からインスピレーションを受けています。

北欧モダンは、モダンの中にも「温かさ」と「自然」を感じさせるのに対し、ミニマムモダンは無駄な要素をそぎ落とし「シャープさ」と「洗練」を追求したスタイルです。

「ジャパンディ」との違い

北欧モダンは、柔らかな色合いや木などの自然素材を取り入れていますが、鉄や石素材などモダンな要素も含まれています。

一方のジャパンディは、北欧の洗練された温かみのあるデザインを取り入れながらも「静」の美しさや空間の余白が印象的で、より控えめで落ち着いた雰囲気のインテリアテイストです。

またジャパンディは、低い家具で空間を広く感じさせるほか、陶器や手作りの装飾品、和紙などの日本の伝統的な要素も加えられます。

北欧モダンを作り出す要素・レイアウト術

北欧モダンの魅力を最大限に活かすためには、レイアウトがとても大切です。これから解説するポイントを意識すると、空間がすっきりとして機能的でありながら美しい北欧モダンスタイルを実現できます。動線を意識しながら、快適で洗練された空間を作りましょう。

家具の配置

北欧モダンの部屋作りでは、広々とした開放感やすっきりとした印象を持たせるために家具の配置が重要になります。

ソファやテーブルはシンプルなデザインのものを選び、余白を意識して配置しましょう。空間の中央部分に家具を置く場合には、十分な余裕を持たせ配置することで、圧迫感をなくし、開放感を演出できます。

また視線の抜けを作ることで、より広く感じられる空間に仕上げることができます。家具は最小限にとどめ、必要なアイテムだけを配置することで、シンプルな空間を作ることができます。  

ゾーニング

ゾーニングは目的・用途別に分けることを指しますが、北欧インテリアにおいても部屋をゾーニングすることは、効率的で居心地のよい空間を作るためにも欠かせません。LDKなど広いスペースの中に、一部ワークスペースを作ることで、家事の合間に仕事がしやすい空間を作ることができます。

ゾーニングの際には、ラグや観葉植物を使ってリビングとダイニングなど用途の違うエリアをゆるやかに分けましょう。また、それぞれのエリアにあった最適なインテリアを配置することで、解放感や動線を広く取り、ゆとりを持たせることができます。ゾーニングを意識することで、空間に自然な調和が生まれます。

壁や天井を活用して立体感を出す

壁や天井を上手に活用することで、部屋に奥行きや高さを持たせることができます。

高い場所からカーテンを吊るしたり、壁に高さのある壁面収納を設けると、高さ方向を強調することができ、天井が高く感じられます。また、シンプルな棚にお気に入りの小物や植物をディスプレイすることで、洗練された印象を作ることができます。

さらに、照明で天井面を照らすことで、天井を高く感じさせ、壁を照らすことで奥行き感を演出する効果もあります。

部屋に北欧モダンの雰囲気を取り入れるポイント

ここからは、北欧モダンの雰囲気を日常のお部屋に取り入れるポイントを絞って解説します。どれも難しいテクニックは必要なく、ちょっとした工夫で心地よい空間をつくることができますので、お部屋づくりのヒントにしてみてください。

テーマカラー

まずテーマカラーを決めると、お部屋作りの計画がしやすくなります。北欧モダンの色合いは、自然素材と調和し、落ち着きや温かみを感じられることが特徴です。部屋やお好みに応じて、自分が心地よいカラーを選定するとよいでしょう。

白とアイボリー

白やアイボリーは、北欧モダンインテリアのベースになるカラーです。空間を明るく保ち、清潔感を演出するカラーです。

壁や天井などの面積が広い場所に白を使用すると、広がり感が生まれるでしょう。アイボリーを加えると上品かつ少し柔らかい雰囲気を演出できます。

アクセントカラーとしてブラック、イエローなどモダンな色彩

アクセントカラーは、分量を抑えてバランスよく使うことで、空間全体を引き締める効果があります。

例えばテーブルの脚や照明、フレームやアートなどの小物などに少し取り入れることで、モダンな印象を演出しつつ、全体のモダンなイメージを損なうことなく北欧モダンの洗練された雰囲気をさらに引き立てることができます。

木の温かみを感じるブラウン

木の温かみを感じるブラウンは、木材特有の色味によって空間に暖かさを添え、落ち着きのある雰囲気を作り出します。

床や家具にブラウンを使用することで、自然との調和が強調され、北欧モダンな空間にふさわしい心地よさを引き立てます。また、木材の種類によって異なる風合いを持つため、選ぶ素材によっては、空間の印象が変わります。

例えばオークやウォールナットは、それぞれ色みだけでなく異なる表情を持ちますので、好みや空間の用途に合わせて選ぶのがおすすめ。色と素材を意識しながら取り入れることで、温かみのある自然な空間を作り上げることができます。

グレーのニュアンス

グレーは、明るいグレーからスモーキーなグレーまで幅広く活用でき、北欧モダンには欠かせないカラーです。家具やファブリックにグレーを取り入れることで、シックで落ち着いた印象を作り出します。一方でグレーは、使い方によっては単調になってしまうため、空間全体のバランスを考えることが大切です。

例えば、グレーを主役とする場合でも、濃淡や質感を混ぜることで単調さを防ぐことができます。また、グレー色が多すぎると空間が冷たい印象になりがちなので、温かみのあるアクセントカラーや自然素材を組み合わせると効果的です。パステルトーンを加えると柔らかさや親しみやすさがプラスされ、よりリラックスした雰囲気に仕上がります。

照明の種類や部屋の自然光の具合によってグレーの見え方が変わりますので、実際の使用環境で色を確認することが理想的です。

家具

ここでは、北欧モダンの特徴を取り入れた家具選びのポイントをご紹介します。家具選びは、北欧モダンのインテリアを作る上で重要な要素です。空間の雰囲気を左右しますので、これから解説するポイントを参考に、自分のライフスタイルに合った家具を選びましょう。

洗練されたミニマルデザイン

北欧モダンでは、無駄を削ぎ落とした直線的なフォルムや幾何学パターンを取り入れたミニマルなデザインが使われています。装飾が控えめで、シンプルながらもデザインされた存在感のある家具を選ぶことで、余白が美しい空間を作ることができます。

また、ミニマルデザインを強調するためにシンプルな質感の素材を選びましょう。例えば、マットな仕上げの金属や透明感のあるガラス、滑らかな木材が効果的です。質感にもこだわることで、洗練された印象がさらに強まります。

機能性とデザイン性を兼ね備えた家具選び

北欧モダンのインテリアでは、見た目の美しさだけでなく、機能的な家具が使用されています。使わない時は積み重ねられる椅子や、大人数で食事する時に長さを伸ばすことができるエクステンションテーブルなど、日々の生活を豊かに過ごせるよう実用的に作られています。用途に合わせて機能的な家具を選びましょう。

快適さを重視する

北欧モダンスタイルの基本には、毎日の暮らしを心地よくするという考えがあります。家具選びにおいても、見た目の美しさだけでなく、居心地の良さが追及されているのが特徴です。

たとえば、ソファや椅子は長時間座っても疲れにくいよう、クッション材の質や座面の奥行き、背もたれの角度などが丁寧に設計されています。深くゆったりと腰掛けられるデザインや、身体を優しく支えるエルゴノミクス(人間工学)に基づいた設計が多く、見た目以上にリラックスできるのが魅力です。

家具を選ぶときには、見た目だけでなく使い心地のよさに目を向けることが大切です。

インテリア・小物・植物

空間に心地よさや個性を加えるためには、素材感の選び方や、アート・グリーンの使い方が重要なポイントになります。ここでは、北欧モダンのインテリアをさらに魅力的に仕上げるための、小物や植物の取り入れ方についてご紹介します。

心地よいテクスチャーを選ぶ

北欧モダンの空間では、視覚的にも触感的にも心地よさを感じられる素材選びが大切です。ナチュラルな風合いのファブリックを取り入れることで、自然を感じるあたたかな雰囲気を演出することができます。

テキスタイルには、シンプルなデザインのウールやコットン素材のラグやクッション、リネンやコットンのカーテンなどを取り入れると、素材の持つやさしさが空間全体に広がります。洗練された印象の中に、北欧らしい素朴でぬくもりのある要素を加えることができますよ。

アートを取り入れる

北欧モダンのシンプルな空間に、アクセントとしてアートを取り入れると効果的です。無駄をそぎ落とした空間だからこそ、絵画やポスター、オブジェといったアートが個性を際立たせてくれます。

特に、抽象的なモチーフや自然をテーマにしたアートは、北欧デザインと相性が抜群です。シンプルなフレームに収めて壁に飾ることで、空間にほどよいアクセントが生まれ、視覚的にも心地よいバランスを保つことができます。

グリーンで自然の要素を取り入れる

観葉植物などのグリーンは、北欧モダンの空間に欠かせないアイテムです。自然とのつながりを大切にする北欧の暮らしのように、植物を取り入れることで、室内に生命力とやさしさを感じさせることができます。

グリーンは、空間に生き生きとした彩りを加えるだけでなく、リラックス効果もあります。選ぶ際には、日当たりや風通しなど、自分の暮らしに合った育てやすい植物を選ぶのがポイントです。

また、ハンギングプランターやプラントスタンドなどを活用して高さに変化をつけると、空間にリズムが生まれ、シンプルなインテリアに動きとおしゃれな印象をプラスできます。

照明

寒く長い冬を快適に過ごすために発展した北欧の照明文化は、単なる明るさではなく心地よさを大切にしています。照明を上手に使うことで、空間に奥行きとぬくもりが生まれ、洗練された落ち着きのある雰囲気を演出できます。

複数の光源を使ったライティング

北欧モダンの照明計画では、ひとつの天井照明だけで空間を明るくするのではなく、ペンダントライトやフロアランプ、テーブルランプなど、複数の光源を組み合わせることが基本です。

間接照明を取り入れて、壁や床を照らすような配置にすると、やわらかい光が部屋全体を包み込み、居心地の良い空間が生まれます。光の重なりが、北欧らしいやさしさと奥行きを感じさせてくれます。

照明器具や電球の色を用途によって使い分ける

空間の用途に応じて、照明のデザインや光の色を使い分けることも大切です。たとえば、家族や友人と過ごす食卓には、あたたかみのある電球色のペンダントライトを選ぶと会話も弾みやすくなります。

読書や作業には、手元をしっかり照らすスタンドライトやデスクライトを配置し、白色系の光にすると文字や物が見えやすくなります。

リラックスタイムには柔らかいオレンジの光、日中や集中したいときには青白い明るい光と、電球の色もシーンに応じて切り替えるのがポイントです。

明るくし過ぎない

北欧モダンの空間では、全体を過度に明るくしないことも重要なポイントです。必要以上に明るい照明は、光と影のコントラストを消してしまい、北欧独特の陰影の美しさが失われてしまいます。

場所やシーンに適切な明るさで照明計画を意識しながら、陰影が残るやわらかい配灯を心がけることで、落ち着きと深みのある空間を作ることができます。

収納

機能性を重視する北欧デザインの考え方は、収納においてもしっかりと反映されています。見た目がすっきり整っているだけでなく、日常の暮らしを快適にするための機能性が備わっていることが大切です。

ここでは、北欧モダンらしい収納の考え方と、実際に取り入れやすいポイントについて解説します。

シンプルなデザインの収納家具

北欧モダンのお部屋をすっきりと見せるには、シンプルなデザインの収納家具を選ぶのが基本です。オープンシェルフや木目の美しいキャビネットなど、空間になじむデザインの家具を選ぶことで、部屋全体の統一感が生まれます。

収納は「見せる収納」と「隠す収納」をバランスよく使い分けることがポイントになります。お気に入りの雑貨や本は見せてディスプレイに、生活感の出るアイテムは扉付き収納で隠すなど、メリハリをつけて整理すると、北欧モダンらしい洗練された空間になります。

収納しやすい工夫

日々の暮らしを快適にするには、日々の暮らしがスムースに過ごせるための、片づけやすい収納のしくみを作るとよいです。

たとえば、中身が見える透明ケースを使ったり、使用頻度の高いものを取り出しやすい位置に配置するなど、物の整理にちょっとした工夫を取り入れることで快適な収納が実現します。また、動線を意識した収納設計をすることで、片付けや出し入れの手間が減り、空間がいつも整った状態を保ちやすくなります。

フレキシブルな収納システム

フレキシブルな収納にしておくと、暮らし方やライフステージに応じて変化することができます。可動式の棚や組み合わせ自由な収納ユニットを取り入れておくと、必要に応じてレイアウトを変えたり、収納量を増やすことができます。

無駄のない設計で、変化する暮らしに長く対応できるのが魅力です。デザイン性と機能性を両立させた収納システムで、いつでも快適で美しい住空間を保ちましょう。

北欧モダンの雰囲気を作りやすい物件条件

北欧モダンの魅力を最大限に活かすには、インテリアだけでなく、住まいそのものの条件も重要なポイントです。お部屋探しの際に、これからご紹介する条件を意識することで、より自然に北欧モダンのスタイルを取り入れやすくなります。

窓が大きく、自然光が取り込める

北欧モダンでは、光をどう取り込むかがインテリア全体の印象を左右します。自然光をたっぷりと室内に取り込むことで、明るく心地よい空間が生まれます。そのため、大きな窓があることや、日当たりの良い立地であることが理想的です。

特に2面採光の部屋は、時間帯によって異なる光を楽しめるため、より豊かな空間演出が可能になります。

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広々とした間取り

北欧モダンのインテリアスタイルには、ゆとりある空間設計がよく合います。家具と家具の間に十分なスペースを設けたり、視線が抜けるレイアウトにすることで、開放感とリラックス感のある空間をつくることができます。

広々とした間取りの住まいは、家具選びや配置の自由度も高く、北欧らしい余白を活かした美しいインテリアを実現しやすくなります。

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自然光がたっぷり入る大きな窓

明るくやわらかな自然光が差し込む空間は、北欧モダンのナチュラルな色合いや素材感を美しく引き立てます。

特に南向きの窓は、一日を通して安定した光が入り、植物のグリーンや木目の家具、アートなどがより鮮やかに映えるためおすすめです。光と調和する北欧モダンの魅力を、最大限に引き出してくれます。

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床や天井に木材が使われている

北欧インテリアの大きな魅力のひとつが、木のぬくもりを感じる素材使いです。中でも、床や天井に無垢材や突板を用いた物件は、ナチュラルで、温かみのある空間を自然と演出してくれます。

こうした木材の質感を活かした内装は、機能性と美しさを兼ね備えたデザイナーズ物件に多く見られ、北欧モダンのスタイルのインテリアをさらに引き立てます。

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収納スペースの充実

北欧モダンは、すっきりとした見た目を重視します。生活感を抑えた整えられた空間をつくるには、十分な収納スペースが欠かせません。

とくにウォークインクローゼットなどの大きな収納があると、モノを隠してすっきりと収納できて、北欧らしい洗練された印象を保ちやすくなります。

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バルコニーや庭がある

北欧の暮らしでは、自然との調和が大切にされています。バルコニーや専用庭がある物件なら、外の景色を楽しんだり、植物を育てたりと、自然を身近に感じるライフスタイルを楽しめます。

部屋の中に観葉植物を取り入れるだけでなく、外のスペースでも四季を感じられると、より北欧らしい暮らしに近づけます。

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北欧モダンの雰囲気を部屋に取り入れよう

北欧モダンは、スタイリッシュでありながら温かみがあるバランスのとれたインテリアスタイルです。記事で解説したレイアウト、家具の選び方や照明、収納の工夫、小物使いにいたるまで、ちょっとしたポイントを意識することで、日常の暮らしの中に無理なく、北欧モダンの雰囲気を部屋に取り入れることができます。

ぜひ、記事を参考に楽しみながら、憧れの北欧モダンのインテリアを部屋に取り入れてみましょう。