照明は、お部屋の雰囲気や印象を大きく変えられるため、インテリアにおいて重要な要素です。照明は、お部屋を明るくするという機能面だけでなく、照明の色や種類によって、心理的な影響や空間の見え方を変えられます。
高さや奥行きを強調したり、同じ部屋でも一日の中で生活リズムに合わせて空間を違う印象に変えたりすることが可能です。お部屋の用途やイメージに合わせて照明の色を選ぶことで、おしゃれで快適なお部屋にできます。
ぜひ照明の種類や使い方のポイントを知って、実際のお部屋で活用してみてください。
照明の色の種類と与える印象
照明の色の種類が与える印象は、とても大きいです。高級ホテルや海外のおしゃれなお部屋のインテリアは、照明の色を効果的に使用しています。調色機能付きの器具であれば、シーンに合わせて使い分けすることも可能です。
ぜひ、今お使いの器具での使用や、照明器具を選ぶときの参考にしてみてください。
種類①:電球色(でんきゅうしょく)
電球色は暖かみがあり、やわらかく落ち着いた印象を与えます。色温度は2700K〜3000K前後で、黄色味がかった光が特徴です。
暖かみのあるやわらかい光で、落ち着き感やくつろぎ感を演出できるため、ホテルや旅館の客室には電球色が多く使われています。明るさが落ちても高級感が出るので、間接照明との相性が良いです。
また、寝室や浴室など、リラックスを目的とした部屋で使用することをおすすめします。リビングも、パソコンや読書などをする習慣がなければ、電球色が最適です。電球色は、暖かみを出したいお部屋のインテリアや小物とも相性が良く、より心地よい空間にアレンジできます。
種類②:温白色(おんぱくしょく)
温白色は、明るく自然な印象を与えます。色温度は3500K前後で、白色で黄色味がかった光が特徴です。温白色は電球色よりも白っぽい光で、明るく清潔感のある空間を演出できます。電球色よりも色が見えやすく、白色より目にやさしい光なので、それぞれの良いとこどりができることがメリットです。
温白色は、クローゼットや洗面所など、明るさが必要な場所で使用することをおすすめします。また、子ども部屋やリビングの一部など、勉強や読書などで集中力が必要な場所にもぴったりです。
リビングとキッチンの照明が見えるオープンキッチンの場合で、リビングは電球色にしたいときでも、温白色であればキッチンに使用しても違和感がないといえます。温白色は部屋のインテリアや小物とも調和しやすいので、素敵な空間を作ることが可能です。
種類③:白色(はくしょく)
白色は、自然光に近い色です。色温度は3800〜4500K前後で、白色で黄色味がかった光が特徴として挙げられます。
白色は、明るく爽やかな空間を演出することが可能です。白色は自然な光の色なので、どの部屋にもよく合う色といえるでしょう。また白色は、人を明るく活発な気分にしてくれます。そのため、子ども部屋やリビングなど、人が活動する場所にも最適です。
白色を適度な明るさで使用すれば物が見えやすくなりますので、安全で快適に過ごせる環境が作れるでしょう。
種類④:昼白色(ちゅうはくしょく)
昼白色は、爽やかで清涼感があります。色温度は5000K前後で、白色で青みがかった光です。昼白色は自然光に最も近い色の照明ですので、すっきりとした雰囲気を作れます。
また昼白色は、人を活動的な気分にさせる効果があるのが特徴です。家族が集まるリビングや子ども部屋の照明に利用すれば、家全体に活気を生み出せます。
昼白色は自然光に近いので、日中に窓から入ってくる光以外に、補助光として使う場合にも最適です。居室にも使用できますが、リラックスしたい空間では電球色など色温度の低い色が適しています。昼白色はすっきりとした印象を与えるので、清潔感のある空間を作りたい場所にぴったりです。
種類⑤:昼光色(ちゅうこうしょく)
昼光色は、色温度が5700〜7100K前後で、太陽光よりも青みがかった色です。昼光色は青みがかっているので、適切な明るさで使用すれば、明るくクールな空間を演出できます。また昼光色は、集中力や判断力を高める効果があるのが特徴です。
そのため、仕事や勉強、作業をする場所に適しています。また昼光色は、モダンでクールな部屋やブルー系の色のインテリアとも相性が良いです。昼光色は、明るさが不足すると陰気な雰囲気になってしまうので、お部屋の広さに合わせて、明るさをしっかり取れる照明器具を選びましょう。
【部屋・目的別】最適な照明の色
光の色の特徴を知ったところで、実際にお部屋ではどのように照明の色を計画すれば良いのか、具体的に解説していきます。
リビング
リビングに適した照明の色は、電球色と温白色です。電球色は暖かみのあるオレンジ色の光で、リラックスやくつろぎを促します。温白色は白色に黄みが入った光で、自然で明るい空間を演出することが可能です。リビングで過ごす時間は長いので、リラックスできる光の色をおすすめします。
また、リビングでの過ごし方に応じて、照明の色を使い分けるのも良いでしょう。ベースは電球色にして、本や新聞を読むときに手元のスタンドライトを使用すれば、必要な明るさで快適にくつろげます。調色機能や調光機能が付いた照明であれば、シーンに合わせられて便利です。
キッチン・ダイニング
キッチンとダイニングで最適な照明の色は、一般的にキッチンは昼白色、ダイニングは電球色です。昼白色は爽やかで明るい光で、料理や掃除などの作業に適しています。
電球色は暖かくて落ち着いた光で、食事や会話を楽しむのに最適です。キッチンとダイニングがつながっている場合は、温白色や電球色で統一したり、キッチンだけ温白色にしたりするのも良いでしょう。
手元灯は作業するときだけ点灯するので、昼白色にしても空間に影響が少ないです。器具や回路が分かれている場合に、検討してみましょう。調色機能や調光機能が付いた照明を利用すると、より快適なキッチンとダイニングにできます。
玄関
玄関は電球色がおすすめです。電球色は暖かくてやさしい光なので、お客様をお迎えするのに適しています。昼白色は爽やかで明るい白光なので、玄関で書類を確認したり、靴を脱いだり履いたりする際に適している色です。
一般的に玄関の照明は電球色が多いですが、生活のしやすさや好みもあるので、自分にあった色を選んでみてください。また、玄関は廊下とつながっていることも多いので、同じ空間であれば光の色は統一しましょう。
風呂
お風呂で最適な照明の色は、電球色です。電球色は温かくて落ち着いた光で、リラックスできる雰囲気を作ります。お風呂は脱衣所と隣り合うので、お風呂と脱衣所の照明を合わせると自然な印象になりますよ。
お風呂は電球色で、脱衣所を昼白色にすると、お風呂が暑苦しく感じたり、脱衣所が寒々しく感じたりすることもあります。リラックスしたいけれど、脱衣所はすっきり見せたいという場合は、お風呂を電球色にして、脱衣所を温白色にすると違和感が少ないでしょう。
脱衣所
脱衣所で最適な照明の色は、温白色や昼白色です。昼白色は明るくて見やすい光で、洗濯や掃除などの作業に適しています。
ただ、お風呂のところでお話ししたように、隣り合う空間の色合いは色温度が近い方が違和感は少ないです。脱衣所の主照明を温白色にした場合、ミラー灯は昼白色にすると良いでしょう。昼白色にすれば、明るさが必要なときやお化粧をするときに、肌の色やメイクの仕上がりが見えやすくなります。
トイレ
トイレでおすすめの照明の色は、リラックス感のある暖色系です。暖色系は落ち着いた雰囲気を作り、夜にトイレに行くときのまぶしさも軽減します。トイレで本や新聞を読む習慣がある場合は、温白色や白色もおすすめです。内装の色とも合わせて検討しましょう。
ブルーの内装のアクセントをきれいに見せたいときは、白い光だときれいに見えます。トイレの内装や器具と合わせて検討しましょう。
寝室
寝室で使う照明の色は、心身を落ち着かせる電球色をおすすめします。電球色は夕方以降の太陽光に近く、目が疲れにくいやさしい光です。寝る前の読書や子どもの絵本の読み聞かせをするときにも適しています。
寝室は、まぶしさを軽減できる色や器具、照明の位置を検討しましょう。ベースの照明も明るさは最小限にして間接照明で補えば、おしゃれで落ち着いた雰囲気を作れます。寝室にワークスペースがある場合には、調光調色できる器具が便利です。
寝室にウォークインクローゼットがある場合も、服の色が見えやすい白色にすると良いでしょう。寝室の中でも、用途に合わせて光の色を計画してみてください。
子ども部屋・書斎
子ども部屋・書斎で使う照明の色は、目にやさしくて集中力を高める昼白色や昼光色をおすすめします。昼白色や昼光色は太陽光に近く、勉強や読書に適した明るい光です。
また子ども部屋は、寝室も兼用する場合が多いといえます。調光調色の器具があると、シーンに合わせて明るさを調整できるため、集中力を高めつつ、リラックスすることが可能です。
書斎の照明器具はしっかりと明るさを取りつつも、フロアライトやテーブルランプなど間接照明を組み合わせると、おしゃれで機能的な空間になります。
照明の色や当て方、照明器具を使ったお部屋作りのポイント
照明器具によって、光の広がり方や物の照らし方が変わるのをご存知でしょうか。同じペンダントでも、使われるシェードの形状や素材でも変わってきます。ここでは、より効果的な照明の色の使い方や当て方、照明器具を使ったお部屋作りのポイントをご紹介します。
照明の色温度を使い分ける
照明の色温度とは、光源の光色がどれくらい赤みがかっているか、青みがかっているかを表す尺度です。 色温度が低いほど暖かくリラックスできる雰囲気になり、色温度が高いほど明るく目が冴える雰囲気になります。
照明の色温度を使い分けることで、お部屋の雰囲気や印象を変えるだけでなく、そこで過ごす人の心身にも影響を与えるのです。例えば、寝室やリビングでは、色温度が低い電球色や温白色の照明を使うことで、リラックス感や安眠効果が得られます。
逆に、勉強や仕事をする場所では、色温度が高い昼白色や昼光色の照明を使うことで、集中力ややる気の向上につながります。照明の色温度を使い分ける際には、それぞれの部屋の用途や空間の広さ、インテリアのスタイルなどを考慮することが重要です。
光の明るさを調整する
光の色と合わせて光の明るさを変えることでも、空間の雰囲気や印象を変えることが可能です。また、その場の状況や目的に応じて適切な明るさに調節することにより、快適性や生産性の向上、体内リズムの調整や集中力の向上など、体や心にも良い影響を与えます。就寝前は、入眠しやすい明るさに変えることで質の良い睡眠を取れるため、翌日は気持ちよく目覚められるでしょう。
適切に調光すれば、無駄なエネルギーを消費しないので、省エネにもなります。シーンに応じて明るさの調節を行うことにより、必要な明るさにできるので、消費電力の減少や電気代の節約にもつながります。光の明るさを調整する際には、照明器具やランプに備わっている調光機能を利用して、スイッチやリモコン、スマートフォンで操作することが可能です。
間接照明を取り入れる
間接照明は、壁などの反射により空間にやわらかい光を広げるので、部屋の雰囲気がおしゃれになります。また、直接光源が目に入らないので、目の疲れを軽減することも可能です。ひとつのお部屋の中でも、間接照明を活用して多灯使いすることで、アートや小物など見せたいものに視線を集めたり、生活シーンに応じた適切な灯りを使ったりできます。
一方で、間接照明の光量が少ない場合、目を疲れさせてしまう可能性があることに注意が必要です。例えば、読書や作業をする場合には、明るさが不足していると目の負担になることもあります。スタンドを使うなど、ひとつのお部屋の中でも多灯使いすることで、生活シーンに応じた適切な灯りを灯すことが可能です。
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お部屋に合った器具を選ぶ
照明器具を選ぶ際には、お部屋の広さや内装、インテリアのスタイルなどを考慮することが重要です。照明器具もさまざまな種類があり、器具の種類によって向き不向きがあります。
また、シェードや素材で光の照らし方や印象が変わりますので、目的に合わせて用途に合う器具を選びましょう。具体的にどんな照明器具があるのか、ご紹介していきます。
種類①:ブラケット
ブラケット照明は壁面に取り付ける照明器具で、壁面を照らし、お部屋の雰囲気を良くします。ブラケット照明を使うことで、お部屋にアクセントを加えたり、空間を広く見せたりすることが可能です。ブラケット照明はシーンによっても活用方法が異なりますが、リビングルームなど開放感を出したいお部屋の壁にブラケット照明を取り付けることで、空間を広く感じさせてくれます。また、ベッドサイドの壁に付けて、ホテルのように間接光や読書灯としても使うのもおすすめです。
一方、ブラケット照明は空間全体を照らせないため、空間全体に明るさが必要な空間には適していません。吹き抜け空間や階段など、天井が高く、照明の取り付けや交換がしづらい場所には適しています。吹き抜け空間には、上下を照らすブラケットライトがおすすめです。
種類②:スポットライト
スポットライトは光を1点に集める照明なので、壁などの絵画や飾りなどを集中的に照らしたいときに最適です。器具の角度を変えて光の向きを変えられるため、光が欲しい場所にスポットライトを当てながら、空間全体を明るくできます。空間の明るさや雰囲気を調整しやすい照明のひとつです。
ダクトレールを使い、複数のスポットを使えば、広い部屋の主照明としても使えます。例えば、ダイニングでは、ダクトレールスポットを取り付けることで、ペンダントの明るさを補いながら空間を明るくすることも可能です。また光が透過しない器具を選べば、部屋全体を明るくしないため、夫婦の寝室の読書灯にも適しています。
種類③:ペンダントライト
ペンダントライトは照明器具の中でもインテリア性が高く、おしゃれなデザインが多いため、お部屋のアクセントになる照明器具です。ダイニングテーブルの上はもちろん、キッチンの手元のアクセントに使用してもおしゃれになります。
その他に、リビングルームでは、ソファ横のサイドテーブルの上を照らすスポットライト的な使い方もありますよ。また玄関や廊下、トイレなどでのアクセントにペンダントライトを設置するのも、おしゃれな使い方です。
種類④:シーリングライト
シーリングライトは天井に直接取り付ける照明器具で、お部屋全体を明るく照らし、さまざまなお部屋で使える照明器具です。調光調色が付いた機能的な器具もあり、1灯でお部屋を明るくできるため、リーズナブルで使いやすいことが魅力といえます。
リビングルームや寝室など、さまざまな機能や明るさが必要な部屋にシーリングライトを取り付けることで、お部屋全体を明るく照らすことが可能です。リモコンなどでシーンによって調光、調色すれば、快適に使えます。また洗面所などの水回りには、防水タイプのシーリングライトを使うと良いでしょう。
種類⑤:フロアスタンド
フロアスタンドは、床に直接置いて使う比較的背の高い間接照明で、テーブルランプよりも広い空間を照らします。フロアスタンドは、ソファの横に置いて読書をするときの手元灯として使用したり、光が届きづらい部屋の角に置いて間接照明として利用したりすることが可能です。
器具によって照らし方が変わりますので、見た目のおしゃれさだけでなく、用途に応じて器具の形状を選びましょう。
種類⑥:シャンデリア
シャンデリアは、天井から吊るして使用する照明器具で、部屋に華やかな印象を与えます。シャンデリアは豪華なデザインのものが多く、ダイニングルームやリビングルームなどの大きな空間に設置すると、高級感を演出することが可能です。
また、シャンデリアは、部屋の中心に設置することでアクセントになり、部屋のグレードを上げる効果があります。
ただ、シャンデリアは装飾的な要素が大きく、シーリングライトに比べるとお部屋の明るさがとれないものが多いです。そのため、ダウンライトや間接照明と併用して、部屋の明るさのバランスを取ると良いでしょう。
種類⑦:ダウンライト
ダウンライトは、天井に埋め込んで使用する照明器具で、天井から下向きに光が広がります。リビングルームやダイニングルームなどの大きな空間に複数設置すると、高級感を演出することが可能です。また、ダウンライトは天井に埋め込むため、すっきりとしたスタイリッシュな印象を与えます。
ダウンライトには、集光タイプと拡散タイプがあり、集光タイプはテーブル面など明るくしたい場所をシャープに照らし、拡散タイプは空間全体をやわらかく照らすのが特徴です。部屋全体の雰囲気を考えながら、場所によって使い分けると良いでしょう。またダウンライトにも、調光や人感センサー機能が付いたものもありますので、お好みに合わせて選んでみてください。
お部屋のインテリアに合わせたものを選ぶ
照明は、部屋の雰囲気を作り出すために重要です。部屋のインテリアに合わせた照明を選ぶことで、部屋全体がより美しく見えるようになります。
また、照明の色や明るさによって部屋の雰囲気が変わるため、自分が望む雰囲気に合わせて選びましょう。照明器具のデザインは、部屋の雰囲気やインテリアのスタイルに合わせるとお部屋の統一感が出ます。
落ち着いた雰囲気を演出するには
落ち着いた雰囲気の灯りを選ぶには、暖色系の照明器具がおすすめです。暖色系の照明器具は、部屋全体をやさしく照らし、落ち着いた雰囲気を作れます。目線より低い位置に灯りがあると、より落ち着いた雰囲気を作ることが可能です。和室に和紙のフロアランプを床に置いて灯すと、旅館の客室のようなリラックスできる空間になります。
また、照明器具の明るさも重要です。部屋が明るすぎると、落ち着かなくなったり、居心地が悪くなったりします。一方、部屋が暗すぎると、目が疲れてしまう可能性があることに注意が必要です。バランスの取れた適度な明るさになるように照明器具を選び、落ち着いた雰囲気を作るようにしましょう。
スタイリッシュな雰囲気を演出するには
スタイリッシュな雰囲気を作るときには、シンプルでモダンなデザインの照明器具をおすすめします。例えば、無駄な装飾のないシンプルなデザインのペンダントライトや、スタイリッシュなデザインのフロアスタンドライトなどです。また、照明器具の色や素材もブラックやホワイト、真鍮やスチールなどの質感を取り入れたり、シンプルで無機質な印象のものを選んだりすると良いでしょう。
こだわりを感じるデザイン性のある照明器具を取り入れることで、デザイナーズのお部屋のような洗練されたおしゃれな雰囲気を作り出せます。
ゴージャス・華やかな雰囲気を演出するには
華やかな雰囲気を作り出すためには、光沢があり、光が反射するような明るい印象の照明器具がおすすめです。例えば、ゴールドやシルバー色の照明器具は、華やかな印象を与えます。また、ガラスのランプやクリスタルの付いたシャンデリア、装飾的なペンダントライトなど、装飾的な照明器具を選ぶことで、より華やかな雰囲気を作り出すことが可能です。
賃貸物件で照明の色や種類にこだわる際の注意点
賃貸物件では、最初から照明器具が備え付けてある物件以外、基本は自分で照明を用意しなければなりません。そのときに、デザインだけで気に入ったものを選んでしまうと、いざ取り付けしようとしたら取り付けができないこともあります。
ここでは、賃貸物件で照明の色や種類にこだわる際の注意点をレクチャーしますので、参考にしてみてください。
取り付け口に合わせて照明器具の種類を選ぶ
取り付け口に合わせて、照明器具の種類を選ぶことが大切です。照明器具の種類によっては、取り付けができる取り付け口が限られている場合もあります。引掛シーリングにも種類があり、取り付け口が合わない場合には取り付けできないこともありますので、器具を選ぶ前に取り付ける場所の取付口を確認しておくと無駄がないでしょう。
照明器具を設置する際に下地が必要なのか確認する
照明器具を設置する際には、下地が必要です。とくにシャンデリアの装飾性の高い照明器具や、ファンが回転するシーリングファン付きの照明は、重さに耐えられるしっかりとした下地が必要になります。器具を選ぶ際には、お部屋で取り付ける場所の耐荷重に合う器具を選びましょう。
部屋の広さに適した明るさや電球や器具を選ぶ
照明を選ぶときには、部屋の広さに適した明るさの電球や器具を選びましょう。適切な明るさを選ぶためには、部屋の広さや用途、照明器具の形状、光色などを考慮する必要があります。リビングやダイニングは活動的な場所でもあるので、明るさが必要な空間です。照明器具には、適した畳数の目安を記載している場合もありますので、確認しておきましょう。
一方で、部屋の内装が暗い色を使っていたり、照明器具のデザイン、光色などによって明るさの感じ方が異なったりするため、一概に照明器具やランプの明るさで選ぶと暗いと感じてしまうこともあります。気に入った器具で明るさが不足している場合は、照明器具を増やして補えば、お部屋を適切な明るさにすることも可能です。
また、ロフトなどの高い位置の照明器具を選ぶ際には、しっかりと明るさが取れて、天井の高さを活かした照明器具を配置することが重要になります。ロフトの高い位置の照明器具は、全面に発光しているペンダントなど、天井や壁、床を照らせる器具が最適です。照明の光が天井を照らすことで、より天井の高さを高く感じ、開放的な部屋にできます。天井が高いところに取り付ける照明は、メンテナンスのしやすさも合わせて検討しましょう。
間接照明を設置したい人は「コンセントの位置」を確認する
間接照明を設置する場合、コンセントの位置を確認しましょう。コンセントの位置が高すぎると、配線が目立ってしまったり、照明器具の取り付け位置が限られてしまったりする場合があります。
一方、コンセントの位置が低すぎると、配線が目立ってしまったり、希望の位置に照明器具を取り付けできなかったりすることもありますので、間接照明を設置する前にコンセントの位置を確認しておきましょう。
設置後の全体的なバランスを考慮する
照明を設置した後の全体的なバランスも検討しましょう。照明の種類や配置によって部屋の印象が大きく変わりますので、バランスを考慮して選ぶことがポイントです。照明が大きすぎると部屋が圧迫感を受けるようになり、逆に照明が小さすぎると部屋全体が暗くなってしまい、不快感を与えることもあります。
照明器具を設置する際には、設置位置の周辺を確認しましょう。収納の位置によって、扉と照明器具がぶつかってしまったり、天井が凹凸で平でなかったりする場合、取り付けられない器具もありますので、注意が必要です。
インテリアコーディネーターの私が教える、部屋を広く見せる照明の工夫
照明を上手に使えれば、部屋を広く見せられます。具体的には、部屋に奥行きを与えることが大切です。ここでは、照明を使って部屋を広く見せ、開放的な空間にする方法をご紹介します。
天井を照らす
照明を使って天井を照らすことは、部屋を広く見せるための効果的な方法のひとつです。天井に直接光を照らすことで天井が高く見え、部屋が広くなったような印象を与えます。また、天井を明るくすることで、部屋の明るさが増し、より広々とした印象を与えることが可能です。
ただし、照明で天井を照らす場合、照明器具の形状や光の強さ、配置などに注意する必要があります。器具の色が濃かったり、大きな器具を置くと逆に圧迫感が出てしまったり、光量が強すぎると不自然な印象を与えたりすることもありますので、バランスを考えながら自然な印象の光を演出しましょう。
壁を照らす
照明を使って壁を照らすことでも、部屋を広く見せられます。明暗が少なく、均一に明るい部屋は、のっぺりとした印象になりがちです。そこで、ブラケットやフロアライトなどの間接照明を使って壁を照らすことで、やわらかく自然な光が部屋に広がり、空間に奥行きが感じられて部屋を広く見せる効果が期待できます。
床を照らす
照明を使って床を照らすことでも、空間に反射した光が広がり、部屋を広く見せられます。脚のある家具や壁面収納に間接照明を設置し、床面を照らすことで空間に奥行き感を出し、お部屋を広く見せることが可能です。低い位置から広がる光は、幻想的な雰囲気を演出できます。
照明の色や器具などにこだわって、素敵な部屋空間を手に入れよう
照明は、部屋の雰囲気を大きく左右する重要な要素です。照明のデザインだけでなく、色や照らし方によっても部屋の印象が変わりますので、ぜひこだわって選んでみてください。
必要な明るさを確保しながら、効果的に照らせば、お部屋を広く見せたり、高級感を演出できたりします。目的に合わせて活用すれば、おしゃれで快適な部屋空間が手に入れられますよ。