インナーガレージとは、住宅の内部に組み込まれたガレージのことを指します。車を雨風から守り、快適な駐車環境を提供するだけでなく、防犯面や利便性にも優れています。
今回は、インナーガレージの魅力や活用例などを詳しく解説します。インナーガレージを検討中の方は、ぜひ最後まで記事を読んで参考にしてください。
インナーガレージとは?
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インナーガレージとは、ビルトインガレージとも呼ばれ、戸建て住宅や集合住宅の建物内部に組み込まれたガレージのことです。車を安全に保管するための車庫として利用されるだけでなく、収納や作業スペースなど多用途に活用されています。
インナーガレージの最大の特徴は、住宅と一体化して一つの建物になっている点です。これにより、駐車場やカーポート、別棟のガレージとは異なるメリットや機能性があります。
一般的な駐車場との違い
一般的に駐車場とは、建物から離れた場所に設置された、屋根や壁がないオープンスペースを指します。設置費用が安価なため、賃料も低くなる傾向があります。
しかし、天候の影響を受けやすく、車が雨や雪、直射日光にさらされることが多いです。また、利便性や防犯性も低くなるため、車の保護や日常の使い勝手に関してはデメリットがあります。
カーポートとの違い
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カーポートとは、住宅の近くに設置される、柱と屋根のみのシンプルな構造の建物です。アルミ製の既製品が一般的で、屋根によってある程度の車の保護ができます。しかし、側面に壁がなくオープンになっているため、風雨を完全に防ぐことはできません。
また、カーポートには車用品を収納するスペースがなく、住宅から離れている場合が多いため、雨や雪の日には車までの移動に不便さを感じることがあります。
別棟ガレージとの違い
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別棟ガレージとは、住宅から独立して設置されるガレージです。インナーガレージと同様に壁で囲まれており、独立した建物として設置されます。
防犯性が高く、車が天候から守られる点はインナーガレージと共通しています。しかし、家からガレージまでの移動が必要な点はカーポートと同様です。このため、雨や雪の日には不便さを感じることがあります。
インナーガレージのメリット
インナーガレージには多くのメリットがあります。以下に主なメリットを解説します。
防犯性が高い
インナーガレージは建物の内部に設置され、シャッターなどで閉じられているため、外部からのアクセスが難しく、防犯性が非常に高いです。そのため、盗難やいたずらのリスクが低くなります。
さらに、車が外部から見えないため、外出しているかどうかがわかりにくい点も防犯上のメリットです。車が外部から見えないことにより、不在時の空き巣のリスクも軽減されます。インナーガレージは、車だけでなく家庭全体のセキュリティ向上にもつながっています。
天候に左右されない
インナーガレージは全体が外壁やシャッターで囲まれているため、雨や雪の日でも濡れずに車に乗り降りできます。さらに、暑い日や寒い日でも車内の温度が極端に変わることを防げるため、運転も快適になります。
また、風によるほこりや砂の吹き込みも防げるため、車の外装や内装を常に清潔に保つことができます。インナーガレージは天候に左右されないだけでなく、車のメンテナンスや洗車の頻度を減らすメリットもあります。
荷物の運搬が楽になる
インナーガレージを利用すると、車からの荷物の運搬が非常に楽になります。ショッピングや旅行の後に重い荷物を運ぶ際、ガレージから直接家に入ることができるため、負担が軽減されます。特にキャンプやアウトドアへのお出かけをする際には、大きな道具や機材を簡単に積み込むことができるので楽に感じるでしょう。
さらに悪天候の日でも濡れずに荷物を運搬できるため、買い物や旅行の後のストレスが軽減されます。
収納スペースとしても活用できる
インナーガレージは車だけでなく、多くのアイテムを収納するスペースとしても利用できます。自転車やバイク、DIY用品、アウトドア用品の整理、季節用品や非常用の備蓄品の保管など、さまざまな物品を効率的に収納できます。
ガレージ内に棚やラックを設置することで、より効果的にスペースを活用することもできます。家の中の収納スペースが節約できたり、整理整頓がしやすくなったりするので、必要なものをすぐに見つけ出すことができるようになりますよ。
趣味のスペースとしても活用できる
インナーガレージは土足でラフに使える半屋外的な空間であるため、車庫以外の使い道もあります。工夫次第で、趣味のコレクションやDIYの作業スペース、アウトドア用品の整備などにも活用することができるでしょう。
車の劣化やバッテリーの消耗を防ぎやすい
インナーガレージに車を保管することで、風雨などの自然環境から保護することができます。また、EV車のバッテリーは急激な温度変化によって寿命が低下すると言われていますが、これを防ぐことにもつながります。
さらに湿度変化も抑えられるため、結露や錆の発生を抑えることができます。
インナーガレージの注意点・デメリット
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インナーガレージにはいくつかの注意点もあります。以下に主な注意点を挙げます。
賃料が高い傾向にある
インナーガレージ付きの物件は、賃料が高い傾向にあります。これは、建設費が高額になりやすいことが関係しています。インナーガレージの設置には、大型のシャッターや防火設備、換気設備などが必要となり、居室と同等以上の建設費がかかることがあります。また、ガレージは汚れやすいため、メンテナンス費用も多くかかります。
さらに、インナーガレージは高い防犯性や利便性を提供するため、その分の価値が賃料に反映されることが多いです。しかし、これらのコストは安全性や快適さを向上させるための投資とも言えます。インナーガレージを備えた物件に住むことで得られる多くのメリットを考慮すれば、賃料の高さにも納得できるでしょう。
火災リスクの管理をしっかり行う
ガレージには可燃性の物品が多く保管されるため、防火対策を徹底する必要があります。家とガレージの間には防火壁や防火扉が設置されている場合が多く、これらの設備が火災時に重要な役割を果たします。万一ガレージ内で火災が発生した場合に備え、防火扉は常にきちんと閉じておくことが大切です。
また、オイルや燃料などの可燃性物質は適切に保管し、火気を使用しないことも重要です。ガレージ内での作業には十分な注意を払い、火災報知機や消火器の設置を検討することも推奨されます。これらの対策を講じることで、火災リスクを最小限に抑え、安全な環境を維持することができます。
騒音対策を行う必要がある
インナーガレージでは、車のエンジン音やシャッターの開閉音が家の中に響きやすくなります。そのため、インナーガレージと住居の間の壁やシャッター、ドアが防音・静音仕様になっているかを確認することが重要です。
防音対策として、遮音材の追加や防音ドアの設置を検討することも有効です。設置をすることで、ガレージ内の騒音が家の中に伝わるのを防ぎ、快適な居住環境を保つことができるでしょう。
十分な換気を行う
インナーガレージは家とつながっているため、十分な換気を行うことが重要です。車の排気ガスや揮発性の化学物質が家の中に入らないように、ガレージと住居を区切るドアは常に閉じておきましょう。また、窓を開けたり換気設備を適切に運転して、ガレージ内の空気を循環させることが大切です。
くわえて車の暖気運転は極力避け、必要な場合はガレージの外で行うことも大切です。外で行うことで、有害なガスが家の中に侵入するリスクを減らし、室内環境を清潔で健康的に保つことができます。
1階の住居スペースが少ない
インナーガレージは建物の1階部分をガレージとして活用しているため、1階部分の住居スペースが少なくなる傾向があります。そのため、リビングルームやキッチンなどの主要な生活空間が2階以上に配置されることが多くなります。
このレイアウトは、家全体の居住空間に影響を与える可能性があるため、設計段階で家族のライフスタイルやニーズを考慮することが大切です。1階に十分な生活スペースを確保するためには、ガレージの配置や設計に工夫が必要となる場合があるでしょう。
インナーガレージの主な活用例
インナーガレージには様々な活用方法があります。以下にその例を挙げます。
ホビールーム
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インナーガレージはホビールームとして使用することができます。家の中とは異なる雰囲気で、さまざまな趣味に没頭できるスペースになります。また、多くの壁面を利用してコレクションをディスプレイするスペースとしても活用できます。
自転車やバイクの収納
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車好きな方は、自転車やバイクがお好きなことも多いでしょう。インナーガレージは自転車やバイクの収納・整備スペースとしても非常に便利です。盗難や劣化を防ぐことができますし、壁面に専用のラックやフックを設置して多くの台数を効率的に収納できる点も魅力です。
DIYなどの作業スペース
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インナーガレージは床が頑丈で少々の汚れも気にせず使用できるため、DIYなどの作業スペースとしても非常に便利です。工具の整理整頓ができる専用の収納棚やツールボックスを設置し、作業台を設置して快適に作業を行うことができます。また、屋外に一時的に車を置いておけるスペースがあれば、インナーガレージ全体を広い作業スペースとして活用することもできます。
インナーガレージのある賃貸を選ぶときのポイント
インナーガレージのある賃貸住宅を選ぶときは、以下のようなポイントをよく確認してください。
自分の車が無理なく駐車できるかを確認する
まず、自分の車が問題なく駐車できることが何よりも重要ですので、事前に詳しく確認しておきましょう。
確認箇所①車庫内の広さ
無理なく駐車できる幅と奥行きと高さがあるかどうかを確認します。狭すぎると車の出し入れや、車への人の出入りが難しくなります。
確認箇所②シャッターの高さ
シャッターの高さが、車高に対してゆとりがあるかどうかを確認します。特にハイルーフのSUVやバンなど車高の高い車を所有している場合は重要なポイントです。
確認箇所③車の回転軌跡
道路からインナーガレージに至る経路を含めて、スムーズに入出庫できるかを確認します。自分の車でテストできると理想的です。
防犯性を確認する
防犯性も重要なポイントです。インナーガレージのシャッターやドア、窓が強固であるか、家のセキュリティシステムと連動しているか、ガレージ内外に十分な防犯用照明があるかなどを確認しましょう。
排気ガス対策が施されているか確認する
排気ガスがガレージ内にこもったり、家の中に入ることがないよう対策が施されていることも確認しましょう。窓や換気扇が設置されて排気ガスを効率的に外に排出できるか、家へ入るドアが自動的に閉鎖されるかなどを確認します。
インナーガレージ付きの物件で愛車を大事にしよう!
インナーガレージ付きの物件は、防犯性が高く天候にも左右されないため、車を大切にしたい方にとって理想的です。物件を選ぶ際には、防犯対策や換気設備などの確認を忘れず、賃料も考慮して慎重に検討することが大切です。
インナーガレージで愛車をしっかり守り、安心で快適な生活を送りましょう。車の保護だけでなく、多用途に活用できるインナーガレージの利便性を最大限に活用し、豊かなライフスタイルをぜひ実現してくださいね。