部屋の畳が臭う!掃除のプロが教える掃除方法と普段のお手入れ・ニオイ対策とは

目次

「和室のい草の香りが好き」という方は多いのではないでしょうか。新品の畳は非常にい草の香りがしますが、和室を長年使用していると、他の臭いが気になり始めることがあります。 畳から不快な臭いが漂ってくると、和室の居心地が悪くなってしまうこともあるでしょう。

今回は、畳が臭くなる主な原因、効果的な対策方法を紹介します。畳のお手入れの方法も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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畳が臭くなる原因

畳を使い続けていくうちに、い草とは違う、嫌な臭いが発生することがあります。畳が臭くなる原因には、主に以下のものが挙げられます。

・湿気によるカビ

・雑菌の発生

・食べ物や飲み物のこぼれ

・ペットの臭い

・経年劣化

それぞれ解説していきましょう。

湿気によるカビ

畳が臭くなる最も一般的な原因のひとつが、湿気によるカビです。

い草には、湿気や水分を吸収しやすいという性質があります。湿気を含んだ状態が続くとカビが発生しやすくなり、臭いの原因になるのです。

日本では、とくに梅雨から夏にかけて、気温も湿度も高い気候が続きます。この時期は、カビにとって繁殖しやすい絶好の環境となるため要注意です。

雑菌の繁殖

湿度の高い環境が続くと、畳自体が雑菌の温床になることもあります。雑菌が繁殖することにより、嫌な臭いを放つようになるのです。日当たりの悪さや、布団・カーペットの敷きっぱなしなども、雑菌の発生につながります。

食べ物や飲み物のこぼれ

畳の部屋で飲食をしている場合、畳に食べ物や飲み物をこぼす事もあるでしょう。こぼした後に適切に掃除をしておかないと、畳自体に飲食物の匂いが残ってしまいます。

また、水分や汚れが長期間畳に留まっていると、カビや雑菌の発生につながることもあります。

ペットの臭い

ペットを飼っている家庭では、畳の上でペットが尿をしてしまうこともあるでしょう。犬や猫には、一度尿のついた場所に再び排尿をする習性があります。畳に臭いが残っていると、同じ場所に排泄を繰り返す事も考えられます。

また、直接排泄物が畳につかなくても、ペットが畳の部屋で過ごすことで少しずつ臭いが吸着する事もあるでしょう。

経年劣化

畳は使用年数が長くなるにつれ、徐々に劣化していきます。この過程で、畳の内部に様々な変化が起こります。内部にカビや雑菌が繁殖することもあれば、小さな虫が侵入し糞が溜まっていることもあるでしょう。

これらの変化は、畳から不快な臭いを放つ原因となりえます。

【原因別】畳の臭いを取り除く方法

畳の臭いが気になってきた場合は、原因に応じて対処しましょう。原因別の対策方法を解説します。

カビが原因で臭う畳の場合

畳にカビが発生して臭いが気になる場合、カビをしっかりと取り除く必要があります。

エタノールスプレーを使用する

畳のカビを掃除する際には、除菌効果のある消毒用のエタノールを使用しましょう。エタノールスプレーと歯ブラシを使用したカビの掃除手順を紹介します。

①カビがついている部分を布で拭き取る

②濃度75〜80%のエタノールスプレーを塗布し10分ほど放置する

③畳の目に入り込んだカビを歯ブラシでかき出す

④水拭きをする

⑤汚れが残っている場合は、③④を繰り返す

⑥乾拭きする

歯ブラシを使用する際は、1回ごとに拭き取りながら作業を続けましょう。そうすることで、カビの胞子が飛び散りにくくなります。

また、カビの掃除には掃除機は使わないようにしてください。掃除機の中にカビが入り込むと、掃除のたびに排気口からカビの胞子が部屋中に広がってしまいます。

茶殻を使って消臭する

カビの臭いを消臭する方法のひとつとして、茶殻を使った掃除が挙げられます。

①緑茶や紅茶を飲んだ後、茶殻の水分をしっかりと切る

②水分を切った茶殻を畳全体にまく

③しばらくしたらほうきで茶殻を集め、片付ける

茶殻の高い消臭効果により、カビの臭いを除去できます。この方法は、畳の上の埃や髪の毛、細かいゴミを一緒に絡めとるため、消臭と同時に掃除がはかどります。

なお、茶殻自体にカビを取る効果はありません。エタノールスプレーでカビを取り除いた後に、仕上げとして茶殻を使ってみましょう。

雑菌の繁殖が原因で臭う畳の場合

雑菌の繁殖が原因で畳の臭いが気になる場合も、アルコールスプレーが有効です。基本的な手順はカビの掃除方法と同様です。

①濃度75〜80%のエタノールスプレーを塗布する

②10分ほど放置する

②水拭きをする

③最後に乾拭きをする

水拭き後に畳に水分が残っていると、再び雑菌が繁殖してしまう原因になりかねません。最後に水分が畳に残らないよう、しっかりと乾拭きを行いましょう。

食べ物や飲み物のこぼれが原因で臭う畳の場合

食べ物や飲み物が畳にこぼれたら、すぐに乾いた布で水分を吸い取ることが大切です。拭き取り後も飲食物の臭いが残っていると感じる場合には、ぬるま湯で濡らした布にクエン酸水を吹きつけたもので掃除をしましょう。

クエン酸水は、水200mlにクエン酸小さじ1/2を加えて作成します。クエン酸の消臭効果により、臭いが薄まります。

拭き掃除を終えたら、必ず乾拭きをして水分を残さないようにしておきましょう。

ペットが原因で臭う畳の場合

ペットによる畳の臭いを消したい場合には、熱湯を使用した掃除が効果的です。

①ペットが排泄をした場所を拭き、よく乾かす

②臭いが気になる部分に熱湯をかける

③すぐに熱湯を拭き取る

④乾拭きし乾燥させる

熱湯で掃除をしても、スッキリと臭いが取れない事もあります。根気強く定期的に掃除をすることが大切です。また、尿のアンモニア臭が気になる場合には、クエン酸水で掃除をしてみましょう。臭いの残る部分にクエン酸を溶かした水をスプレーし、すぐに乾燥させます。

経年劣化が原因で臭う畳の場合

経年劣化による畳の臭いは、掃除をしても取れない場合もあります。どうしても畳の臭いが取れないときは、専門の業者への依頼を検討することもひとつの選択肢となります。畳の張り替えには、以下の3つの方法があります。

・裏返し:畳表を剥がし、裏返してきれいな部分を表にすること

・表替え:既存の畳床を使用し、畳表のみを新品に交換する方法

・新調:畳を新しい物に交換すること

一般的には、裏返し・表替え・新調の順に費用が高くなります。業者に見積もりを依頼し、畳の傷み具合や自宅の状況に合わせて選択しましょう。

畳の臭いを防ぐための日頃のお手入れ

畳の臭いを予防するためには、日常のお手入れが欠かせません。日頃から取り組みたいお手入れ方法を見ていきましょう。

定期的な掃除を行う

畳の臭いを防ぐには、毎日のこまめな掃除が重要です。一見きれいに見える畳でも、奥には見えない汚れが溜まっていることもあります。掃除機やほうきで埃を取り除いたり、乾拭きをして表面の湿気を取り除いたりと、日々の掃除を徹底しましょう。

絨毯や布団を常に敷いている場合や、床にものが多い部屋では、湿気がこもりカビが発生しやすくなります。風通しをよくするためにも、掃除の際に動かすようにしましょう。

また月に1回程度、固く絞った雑巾で水拭きするとさっぱりします。その際には、最後に乾拭きをして水分を完全に除去するようにしましょう。

部屋の窓を開けて定期的に換気を行う

定期的な換気は、室内の湿気を外に逃がす効果的な方法です。特に湿度が高い時期には、除湿機やエアコンの除湿機能を使って湿度を管理しましょう。

朝と夕方の2回、15分程度の換気を行うだけでも、カビの予防につながります。換気の際には窓やドアを2つ以上開け、空気の通り道を作ることがポイントです。

畳を立てかけて風通しの良い場所で乾かす

畳を定期的に乾燥させることも、カビを防ぐ効果的な方法です。晴れた日に畳を立てて風通しの良い場所で乾かすと、畳の中の湿気を逃がせます。年に2回程度を目安に畳を干すと、畳の寿命を延ばすことにもつながります。

自力で畳を干すことが難しい場合は、畳専門業者の乾燥サービスを利用するとよいでしょう。畳乾燥サービスでは、畳専用の乾燥機を使用して加熱処理をしながらしっかりと乾燥させるので、ダニ対策にも効果的です。

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畳用のクリーナーを使用する

畳用クリーナーの活用もおすすめです。スプレータイプやシートタイプのものが市販されており、これらを使用することで手軽に畳の清潔を保てます。

畳専用のクリーナーには、菌の繁殖を抑えたり、ダニを予防したりする効果が期待できるものもあるので、目的に合わせて選びましょう。

なお、クリーナーを使用すると畳の表面は濡れてしまいます。掃除後はしっかりと乾燥させることが大切です。

畳の部屋に除湿機を置く

除湿機やエアコンのドライ機能を使用し、和室の湿度を下げることも臭いの予防に有効です。除湿機で湿度を調節することで、カビの増殖を予防できます。

なお、和室で洗濯物を干す家庭では、必然的に部屋の湿度が上がります。部屋干しをしたい場合は、できるだけ畳のない部屋で干せないか検討してみましょう。

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畳のある和室で心地よい1日を過ごそう

今回は畳が臭くなる主な原因や、効果的な対策方法を紹介しました。

畳の臭いは、正しい対策と日頃のお手入れで改善できます。湿気対策や定期的な掃除・乾燥など、日頃から畳のケアを意識してみましょう。どうしても臭いが取れない場合は、畳の張り替えを検討することも選択肢のひとつです。