やってしまった!洗濯物の色移り…効果的な落とし方を掃除のプロが教えます

目次

「お気に入りの白いシャツに、他の服の色がうつってしまった…」洗濯物の色移りによるトラブルに悩まされたことはありませんか? 色移りは、洗濯時に衣服の染料が溶け出し、他の衣服に付着することで起こります。

今回は、色移りの原因から効果的な落とし方、予防法まで詳しく解説します。色移りからお気に入りの衣類を守り、美しく保つコツを身につけましょう。

洗濯物に色移りが起こる原因

洗濯物の色移りは、洗いから干すところまで、どの段階でも起こる可能性があります。色移りの原因は、染料や素材、染色方法などさまざまな要因が関係しています。

・染料の色が濃すぎる

・衣服の素材が染料を定着しにくい

・染料の質が悪い

・色落ちしやすい染色方法が使われている

なお、衣服の色の定着しやすさを表した数値を「染色堅ろう度」と呼びます。堅ろう度の判定方法はJIS規格によって定められており、1級から5級まで、半段階ずつ9段階で評価されます。

まずは、色移りの原因となる要素を詳しくみていきましょう。

※参照:一般財団法人カケンテストセンター「染色堅ろう度の概要と判定(JIS L 0801)」

染料の色が濃い

染料の色が濃い衣服は、他の洗濯物に色が移りやすくなります。とくに新しい衣服や、デニムなど色の濃い衣服は、最初の数回の洗濯で色落ちしやすい傾向があるのです。

たとえば次のような衣服は要注意です。

・新品のデニムジーンズ

・新しい黒や赤のTシャツ

・鮮やかな色のタオルや靴下

これらの衣服は、最初のうちは単独で洗濯するなどの対策が必要です。購入後すぐに単独で水洗いし、余分な染料を落とすことも効果的です。

衣服が染料が定着しにくい素材でできている

衣服の素材によっては、染料が定着しにくいものがあります。以下の素材は、洗濯中に染料が溶け出しやすく、他の衣服に色移りする可能性が高くなります。

・綿や麻などの天然繊維

・ナイロン繊維 など

これらの素材でできた衣服は、洗濯時に特に注意が必要です。

染料の質が悪い

安価な衣服や品質の低い衣服は、染料の質が悪いことがあります。質の悪い染料は、洗濯中に簡単に溶け出してしまい、他の衣服に色移りする原因となるのです。品質の良い衣服を選ぶことで、色移りのリスクを減らすことができます

色が取れやすい染色方法で染められている

 染色方法によっては、色落ちしやすいものがあります。たとえば、染料を布地の表面だけに付着させる「後染め」という方法は、色落ちしやすい傾向があります。洗濯表示をよく確認し、必要に応じて手洗いや専門のクリーニングを利用しましょう。

【注意】特に色移りしやすい素材

色移りは全ての衣服で起こる可能性がありますが、特に注意が必要な素材があります。以下のような素材が色移りしやすいとされています。

・綿

・麻

・絹

・刺繍糸や革素材などの付属品

これらを含む衣服や、デニムなど濃色の綿素材は、洗濯時に注意が必要です。また、新品の衣服は特に色落ちしやすいので、最初は単独で洗濯するのが良いでしょう。色移りしやすい素材の衣服は、他の洗濯物と分けて洗うことをおすすめします。

色移りの基本的な落とし方

色移りしてしまった衣服も、適切な方法で対処すれば元の状態に戻せます。ここからは、色移りの汚れを落とす手順について、詳しく解説していきます。

ポイントは、染料が付着して間もないうちに対処すること。  時間が経てば経つほど落としにくくなるためです。色移りに気がついたら、すぐに対処しましょう。

①色移りしてしまった衣類をお湯に浸ける

まず、色移りした衣類を50℃程度のお湯に浸けます。次のステップで、洗剤や漂白剤を使用するので、この段階では洗剤は使わなくて大丈夫です。お湯だけでも、ある程度の色移りは落ちる可能性があります。

②洗剤・漂白剤をお湯に投入する

お湯に浸けて染料を浮かせたあとは、洗剤や漂白剤を使用します。色移りの程度や衣類の素材によって、使用する洗剤や漂白剤を選びましょう。具体的な商品を紹介します。

【基本】中性洗剤・弱アルカリ性洗剤

お湯だけで色が取れない場合、まずは普段の洗濯に使用する洗濯洗剤を使用します。おすすめの商品を紹介します。(商品説明及びリンクは2024年10月時点のものです)

①ヤシノミ洗濯洗剤(サラヤ)

天然ヤシ油由来の洗浄成分を使用した環境にやさしい洗剤です。肌にやさしく、赤ちゃんの衣類にも使えます。色移りは落としたいけれど、できる限り刺激の少ない洗剤を選びたい方におすすめです。

商品公式URL:https://www.yashinomi.jp/products/sentaku.html

②部屋干しトップ 除菌EX(ライオン)

部屋干し特有の生乾き臭を防ぐ、除菌効果も高い洗剤です。洗浄効果の高い弱アルカリ性の粉洗剤で、色移りをしっかりと落としたい場合におすすめです。

商品公式URL:https://www.lion.co.jp/ja/products/298

【取れにくい場合】酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は、色柄物にも使える比較的マイルドな漂白剤です。洗剤だけでは取れない頑固な汚れに使用します。おすすめの商品を紹介します。(商品説明及びリンクは2024年10月時点のものです)

①シャボン玉 酸素系漂白剤(シャボン玉石けん)

過炭酸ナトリウムを主成分とした、環境にやさしい酸素系漂白剤です。漂白力が高く、汚れやシミを効果的に落とします。色柄物にも使えるため、衣類の色を守りながら漂白効果を発揮します。

商品公式URL:https://www.shabon.com/products/bleach/oxygen.html

②ワイドハイター EXパワー(花王)

酵素の力で頑固な汚れを分解する酸素系漂白剤です。粉末の酸素系漂白剤よりマイルドな効果であり、デリケートな衣服にも使用しやすいという特徴があります。

商品公式URL:https://www.kao.co.jp/widehaiter/products_liquid/

【白い衣類の場合】塩素系漂白剤

白い衣類の色移りは、強力な漂白効果を持つ、塩素系漂白剤を使って落とすこともできます。 ただし、塩素系漂白剤が使えるのは「完全に白色」の布製品のみです。刺繍や装飾など、少しでも色のついた衣類やタオルには使用しないように注意しましょう。おすすめの商品を紹介します。(商品説明及びリンクは2024年10月時点のものです)

①ハイター(花王)

強力な漂白・除菌効果がある塩素系漂白剤です。頑固な汚れを強力に漂白し、除菌もできます。

商品公式URL:https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/haiter/4901301017246/

②衣料用ブリーチ(ロケット石鹸)

塩素系の強力な漂白剤で、頑固な汚れやシミを効果的に落とします。高い漂白力で、黄ばみやカビなどの頑固な汚れを短時間で除去できます。色移りした白い衣類の復元に効果的です。

商品公式URL:https://www.rocketsoap.co.jp/sp/product/586/

③30分ほど浸け置く

洗剤や漂白剤を入れたお湯に、衣類を30分ほど浸け置きます。浸け置き後、色移りの具合を確認します。まだ色移りが残っている場合は、時間を延長してもよいでしょう。ただし、長時間の浸け置きは衣類を傷める可能性もあるため、注意してください。

④洗濯する

浸け置きが終わったら、通常どおり洗濯機で洗濯します。最後に衣類をよく乾かして色移りが落ちたか確認しましょう。完全に落ちていない場合には、同じ手順で洗濯を繰り返します。

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【補足】時間が経ってしまった色移りの落とし方

時間が経ってしまった色移りは、落とすことが難しくなってきます。しかし、先ほど紹介した漂白剤を使う方法なら、ある程度の効果が期待できます。何度か繰り返し試してみましょう。

それでも落ちない場合は、クリーニング店に相談するとよいでしょう。

普段の洗濯で色移りを防ぐポイント

色移りは、適切な洗濯方法で予防できることもよくあります。日頃から気をつけることで、色移りのリスクを大幅に減らすことができるのです。ここからは、普段の洗濯で色移りを防ぐポイントを紹介します。

白い衣服と色が濃いものを分けて洗濯する

色移りの基本的な対策として、衣服を色別に分けて洗濯することが挙げられます。

色移りの原因は、衣服の染料が溶け、薄い色の洗濯物に付着することです。色の濃いものと薄いものは分けて洗濯することで、色移りを防ぐことができるのです。

ただし、洗濯物が少ない場合は効率が悪くなることもあるでしょう。その場合は、次のポイントも参考にしてください。

40度以下の水温で洗う

水温が高すぎると、衣服から染料が溶け出しやすくなります。そのため、普段高水温で洗濯している方は、40度以下の水温で洗濯すると色移りの予防につながります。

高温の方が汚れ落ちは良いですが、色落ちを防ぐためにも、新しい衣服や色の濃い衣服は低温で洗う方がおすすめです。衣服の素材や汚れ具合に応じて、適切に水温を調節しましょう。

洗濯後はすぐに干す

洗濯物を洗濯機の中に長時間放置すると、色移りのリスクが高まります。洗濯が終わったら、すぐに干すことが大切です。

また、すぐに干すことでシワを予防したり、雑菌の繁殖を抑えることにもつながります。

色移り防止シートを使用する

色移り防止シートは、洗濯中に色移りを防ぐ便利なアイテムです。衣服と一緒に洗濯機に入れて回すと、シートが染料を吸着し、色移りを防いでくれます。

手軽に色移りが予防できる方法であるため、白物と色物とわけるのが面倒なときには色移り防止シートを使ってみるとよいでしょう。

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洗濯物の色移りは落とし方を工夫すればもとに戻せる!

今回は色移りの原因から効果的な落とし方、予防法まで詳しく解説しました。

色移りの主な原因は染料や生地の特性、洗濯方法にあります。色ものと白い服を分けること、水温の設定など洗濯の際の工夫により、色移りのリスクを大幅に減らせます。

もし色が他の衣服についてしまったら、記事で紹介した方法で、できる限り早く対処しましょう。正しい方法で対処すれば、色移りを目立たなくすることができます。