暮らしていると何かとモノが増えがちですよね。でも収納場所は限られているし…とお悩みの方は多いのではないでしょうか。特に賃貸物件だと、収納場所が十分でなかったりするケースも少なくないかと思います。
そこで今回は、吊るすことで使い勝手がぐんとよくなる収納方法と、壁面やデッドスペースなどを活用した吊るす収納についてご紹介いたします。トレンドとなっている「見せる収納」にもできる吊るす収納を、ぜひ使いこなしてみてくださいね。
吊るす収納が大活躍するスポット7選
「吊るす収納」といってもどこから実践したらいいかわからない、という方は、ぜひ下記に挙げる場所を参考にしてみてください。
①キッチン
キッチンは“物が多い場所”としてトップに入る場所!キッチンツールや細々とした雑貨がたくさんあり、物が散乱しがちですよね。吊るしておかないと便利に使えないというものもあり、吊るす収納に最も適した場所です。
キッチンの吊るす収納活用例と便利グッズ
わが家ではDIYした木製フックにキッチンツールを吊るして「見せる収納」にしています。
吊るしているのはよく使うキッチンツール、そしてあえて見せたいおしゃれなキッチン雑貨たち。計量カップ、柄付きたわし、ワイヤレスイヤホン、トング、鍋敷き、マグカップ、コーヒーフィルターケース…など、キッチン雑貨は吊るすためのヒモや穴が開いているものが多く、吊るす収納が簡単にできる場所でもあります。
わが家はDIYした長い木製フックを使っていますが、市販のフックでももちろんOKです。おしゃれな雑貨を吊るしてインテリア性の高い収納を叶えてくださいね。
②キッチンシンク下
キッチンと言えば、シンク下に扉が付いているケースが多いですが、扉裏も立派な収納スペースになります。
キッチンシンク下の吊るす収納活用例と便利グッズ
わが家の扉裏はクーポンや市からのお知らせ、郵便物、請求書などすぐに処理すべきものをここに吊るして一時保管しています。引き出しなどにしまい込んだり、テーブルに重ねて置いておくより、扉を開けるとすぐに目に留まるので忘れることなく処理することができます。
100均の粘着式フックを取り付け、そこに同じく100均のメッシュパネル、そしてクリップをつけて書類などを挟んでいます。紙袋も100均で買ったもので、マチのあるものなどを入れる際に便利です。
粘着式フックはきれいに剥がせるタイプや吸盤式もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
こちらの扉は粘着式フックにカレンダーを吊るしています。カレンダーは個人情報を書き込む関係で、リビングの見えるところに飾るとお客さんが来たときに気になってしまうため扉裏に隠しています。
③クローゼット
賃貸物件で採用されているのは、ユニットタイプのクローゼット収納が多いかと思います。わが家の子ども部屋もユニットタイプのクローゼットです。必ずと言っていいほどハンガーポールが取り付けてありますが、高さ方向をいまいち活用できないという方も多いのではないでしょうか。
クローゼットの吊るす収納活用例と便利グッズ
わが家では「ブランコハンガー」というものを吊るして、高さ方向のスペースを有効活用しています。
縦に長いこの空間は丈の短い子ども服を吊るすのに、スペースの有効活用ができなかったのですが、ブランコハンガーを吊るすことによりポールが3段になって、スペースを余すことなく活用できるようになりました。
こちらのスペースもハンガーポールが設置されているのですが、子どもはそんなに服もたくさんないのでスペースを持て余していた部分でした。IKEAのハンギング収納を吊るすことで、このスペースが棚として活かせるようになり、使い勝手がよくなりました。
中には子どもの学用品や季節用品などを入れています。オープン棚なので子どもも見やすく整理がしやすいと好評です。
④洗面脱衣所
洗面脱衣所は、それほど広くない上に収納スペースが少ない傾向にあります。狭く湿気が溜まりやすい場所にたくさんのものを衛生的に収納するために、壁面やポールを利用し吊るす収納を実践しています。
洗面脱衣所の吊るす収納活用例と便利グッズ
洗濯機上の棚にDIYで取り付けたポール。ここには室内物干しで使うハンガーなどを吊るしています。S字フックには雑巾や子どものスイミングゴーグルを吊るしたり、S字フックを使うシーンが多かったりします。子どもが汚してしまったものを洗って一時的に干したり、水回りにおいてポールは大活躍するアイテムです。
洗濯機横の狭いすき間はデッドスペースになりがちですが、壁面を利用して吊るす収納をしています。使っているのはIKEAのメッシュパネル。フックなどがついているのであらゆるものを吊るせます。
スプレーを吊るしたり、上靴洗い用のブラシを吊るしたり、クリップはヘアゴムなどを挟んでおくのにも便利です。ちなみに、誤って使わないように他のスプレー類と分けて収納したい塩素系漂白剤スプレーはここに置いて、子どもの目に留まらないようにしています。
⑤納戸・物置
わが家の納戸は玄関前にあり、ここは主に出かける前に必要なものを吊るして収納しています。
納戸・物置の吊るす収納活用例と便利グッズ
こちらも愛用しているのはIKEAの有孔ボード。腕時計、車のキー、マスクなどを吊るしています。おでかけ時に必要なものはパッとみてすぐわかり、さっと手に取れるというのが大事なので、このように吊るす収納をしています。
IKEAの有孔ボードはフック、クリップ、ボックス、トレーなどパーツの種類が豊富で自分好みにカスタマイズできるところも気に入っています。
納戸に収納しているものは掃除用品などの日用品もあり、掃除用品はダイソーのピンフックで吊るしています。見えるところに置くことで、やる気をそがれることなく掃除に取り掛かることができますよ。
ダイソーのピンフックは画びょうほどの穴が開くだけなのに、耐荷重は1kgあり重宝しています。
こちらは納戸の天井です(階段下のため勾配天井になっています)。高さはあるけどスペースを活かしきれていなかった納戸天井につっぱり棒を設置し、電池式のペンダントライトと収納場所に困っていた子どものライフジャケットを吊るしています。
先述の通り、ポールは収納において大活躍するのですが、ポールを設置できない場所にはつっぱり棒が有効です。
⑥玄関
玄関には、出かけるときに必要になるさまざまなものを置いておけると便利ですよね。しかし間取りによってはスペースが限られており、シューズボックスなどがなければ収納スペースは期待できません。ただし、吊るす収納を活用すれば限られたスペースにプラスアルファの収納が可能になります。
玄関の吊るす収納活用例と便利グッズ
こちらは玄関の画とは違うのですが、玄関収納にぜひおすすめしたいアイテム、リッチェルのボタニーハンギングポールです。
ボタニーの名の通り植物を飾るためのアイテムなのですが、頑丈なフックやお皿を取り付けることができます。フックに帽子やジャケットを引っ掛けたりお皿部分にキーを置いたり、玄関収納に活躍しそうなアイテムですよね。
天井と床の上下つっぱり式なので、穴をあけることもなく丈夫な収納スペースを作ることができます。また、省スペースにたくさんのものを吊るすこともできるので、狭い玄関でもスペースを有効活用できます。植物と収納したいものを組み合わせて吊るすと、インテリア性も高まりおすすめです。
⑦お風呂
わが家のお風呂には浴室乾燥がついているのですが、雨の日以外は使わないので、付属のポールを使って吊るす収納をしています。
お風呂の吊るす収納活用例と便利グッズ
ポールにS字フック+無印良品のワイヤーバスケットで簡単に大容量の吊るす収納ボックスの完成です。
中は子どもたちが使うお風呂用のおもちゃが入っていますが、いずれ使わなくなったらシャンプー・リンスなどをここに入れようと思っています。シャンプー・リンスも吊るすことで底がぬめらず、お風呂掃除が楽になりますよね!
お風呂で使うものなので、さび付きにくいS字フックを選んでください。わが家は無印良品のステンレスS字フックを使用しています。
吊るす収納の注意点
ここまでわが家の吊るす収納を紹介いたしましたが、吊るす収納をする際の注意点についてお伝えいたします。
注意点①穴を開けずに設置できるか確認する
賃貸物件に限らず、戸建て住宅でも大きな穴を開けるのは避けたいですよね。
吊るす収納で頻繁に出てきたポールですが、どうしてもネジで固定するものが多いので、穴を開けたくない場合はつっぱり棒をおすすめします。つっぱり棒もしっかりと固定できるタイプやズレ防止のマットが100均に売っているので、チェックしてみてください。
また、納戸収納で紹介したIKEAの有孔ボードですが、本来ならばネジで固定するところ、わが家ではピン3点で固定するタイプのものを使っています。重いものを吊るす場合にはネジを使用してくださいね。
注意点②耐荷重はオーバーしていないか確認する
吊るす収納で注意すべき点は耐荷重です。ポールやフック、有孔ボードは取り付けの際、しっかりとカベ内部の胴縁などの木材にネジで固定しない限り耐荷重に注意しなければなりません。
つっぱり棒や簡単なピンで固定したポールやフックに重いものを吊るすと、落下の危険や天井・壁材の破損などの危険があります。穴を開けずに設置をする場合は重いものを吊るすことは避けた方がよいでしょう。また、つっぱり棒は荷重に偏りがないように水平に注意し設置してくださいね。
注意点③本当に吊るした方がいいものかどうか考える
吊るす収納は確かに便利です。パッと見てわかりやすいですし、ワンアクションで手に取れるという利便性があります。ですが、今片付けたいものは本当に吊るした方がいいものかどうか、一度考えてみてください。
例えばフックに吊るしたマグカップ。地震の際フックから落下し割れてしまったら…お気に入りのものだとなおさらショックですよね。
また、例えばキッチン雑貨。棚に収納しないことでほこりをかぶることがあります。使おうと思ったときほこりがかぶっていたら、きれいに洗うことからしなければいけません。使う頻度が少ないものなら棚に収納した方が好都合なこともあります。
自分のライフスタイルを見つめ、ケースバイケースで吊るすか吊るさないか決めてみてくださいね。
賃貸物件で吊るす収納をするのに便利な条件
上記のわが家の実例を踏まえ、賃貸物件で吊るす収納を実践するのに便利な条件を下記2点ご紹介いたします。
色々と吊るせる、室内物干し付きの物件
何度も説明してきた通り、吊るす収納においてポールはとっても便利なアイテムです。元々頑丈で耐荷重もある室内物干しが付いている物件は心強いですね。
ハンガーで衣類を吊るすという基本の使い方以外にも、先述の通りワイヤーボックスをS字フックで取り付けたり、ハンギング収納を取り付けると簡易な棚スペースとなり、収納力がぐっと上がりますよ。
昨今は雨の日以外にもPM2.5や花粉などの問題もあり、年中室内干しをしている方も多いので、室内物干しは収納抜きで考えても重宝すること間違いなしです。
吊るす収納を活かせるスペースが増える、脱衣所付きの物件
浴室前に脱衣がある物件は、入浴前後を快適にするだけでなく、洗面・入浴・洗濯という水回りに必要なものを収納するスペースを増やすことにもつながります。
脱衣所に有効ボードを設置して化粧品や細々としたものを吊るして収納したり、洗濯機上や横のデッドスペースも吊るす収納が大活躍するスペースです。ぜひ脱衣所付きの物件をチェックしてみてくださいね。
吊るす収納で機能性とインテリア性を同時に高めよう!
限られているスペースにプラスアルファの収納を可能にする、吊るす収納。今回紹介してきたように、わが家では家中のいたるところで実践しています。
吊るす収納は機能性を高めるだけでなく、導入の仕方次第ではインテリア性も高められるのが魅力です。ただし、置くのに比べて不安定な面があること、何でも吊るす収納に向いているわけではないことに注意してくださいね。
ぜひ自分のライフスタイルに合った、快適な吊るす収納を実現してみてください。