「私って人より蚊に刺されやすい?」「同じ場所にいるのに私ばかり蚊に刺される!」と感じる人もいるでしょう。実は、蚊に刺されやすい人には特徴があるとされています。
この記事では、蚊に刺されやすい人の特徴や、対策について詳しく解説します。おすすめの蚊対策グッズも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
蚊に刺されやすい人の特徴

蚊に刺されやすい人には、以下の特徴があります。
<蚊に刺されやすい人の特徴>
・汗をよくかく人
・飲酒する人
・黒い服を着る人
・体温の高い妊婦や子ども
・肥満傾向の人
汗・体温・匂い・色など、蚊は人のあらゆる要素を感知して近づいてきます。特に刺されやすい人の特徴をそれぞれ紹介します。
汗をよくかく人
蚊は、人間の汗に含まれる乳酸に強く反応するため、汗をかきやすい人ほど蚊に狙われやすい傾向があります。注目すべきは、蚊に刺されやすい身体の部位に関する研究結果です。多くの人が足首より下、つまり足元を刺されているというデータがあります。顔や腕の汗ばかりを気にしがちですが、実は足元の汗対策がより重要です。
さらに、発汗は気温だけでなく、ストレスや緊張によっても促進されるため、精神的な状態も蚊の刺されやすさに影響するといえるでしょう。緊張する場面や疲れているときなど、無意識のうちに蚊のターゲットになっている可能性もあります。
飲酒する人
蚊は人間が発する二酸化炭素の匂いに強く反応し、それを頼りに獲物を探し出します。私たちは呼吸によって二酸化炭素を排出していますが、実はアルコールを摂取したときにも、体内での分解過程で大量の二酸化炭素が放出されるのです。
その結果、飲酒後は通常よりも二酸化炭素の量が増え、蚊にとっては格好のターゲットとなってしまいます。そのうえ、蚊は10メートル以上離れた場所からでも、この二酸化炭素の変化を察知できるとされています。夏の屋外でお酒を楽しむ際は、蚊の対策も万全にしておきたいところです。
黒い服を着る人
蚊は視力が弱く、色をはっきりと識別できません。しかし、黒や赤、青といった濃い色には強く反応し、集まりやすいという習性があります。
実際の研究でも、黒い服を着た人が最も多く蚊に刺されるという結果が報告されています。特に黒は熱を吸収しやすいため、蚊にとっては見つけやすく、寄ってきやすい条件がそろっているのです。蚊が多く出る季節は、外出時の服装にも気を配り、蚊に刺されるリスクを軽減しましょう。
体温の高い妊婦や子ども
蚊は、わずか0.05度の温度差さえも感じ取るほど、非常に敏感な温度センサーをもっています。そのため、体温の高い人ほど、蚊にとって魅力的なターゲットになりやすいです。
特に妊婦や子どもは基礎体温が高めであるため、蚊に刺されやすい傾向があります。さらに、妊婦はホルモンバランスによって、子どもは活発に動き回ることで汗をかきやすいです。妊婦や子どもは肌がデリケートなため、蚊に刺されることで強いかゆみや皮膚トラブルを引き起こしやすく、症状が悪化することも少なくありません。
妊婦や子どもは蚊に刺されないよう、対策や環境を整えることがより大切です。
肥満傾向の人
個人差もありますが、肥満傾向の人には以下の特徴があります。
<肥満傾向の人の特徴>
・身体に熱がこもりやすく、体温が高い・上昇しやすい
・基礎代謝が高いため、汗をかきやすい
・代謝が上がるため、二酸化炭素産生量が増加する
・身体の面積が大きい
蚊は、汗や体温、二酸化炭素に反応しやすく、肥満傾向の人は蚊に刺されやすい要因を複数もっています。肥満傾向だからといって必ず蚊に刺されるわけではありませんが、蚊の対策は徹底したほうが良いかもしれません。
【補足】「血液型によって刺されやすさが違う」は本当?
「O型の人は蚊に刺されやすい」と聞いたことはありませんか?実際に、血液型と蚊に刺されやすさの関係を調べた研究では、O型の人が多く刺されていたという報告があります。
しかし、インドで行われたマラリア患者を対象とした研究では、O型患者は比較的少なかったとの結果も出ています。マラリアは蚊が媒介する感染症のため、O型が刺されやすいのなら、O型患者が多いはずです。マラリア患者の結果について、O型はマラリアに抵抗性があるという意見もあり、まだはっきりとした結論は出ていません。
また、蚊が血液型の違いを感じ取れるか、疑わしいと考える研究者もいます。つまり「血液型によって蚊に刺されやすさが変わる」という話は、完全に証明されているわけではないのです。O型の人が刺されやすい傾向はあるかもしれませんが、未解明の分野になっています。
【外出時】蚊に刺されないための対策

ここでは、外出時に蚊に刺されないための対策を3つ紹介します。
白くてゆとりのある服を着る
蚊は、黒や濃い色に反応しやすい習性があるため、外出時は白などの明るい色の服を選ぶのが効果的です。
また、ぴったりとした服は通気性が悪く、汗がこもりやすいので、風通しの良いゆったりめのデザインを選びましょう。さらに、リネンやコットン素材の服は通気性が良く、肌ざわりも快適で暑い夏にぴったりです。
日焼け止めの後に虫除けをする
夏の外出時は、紫外線対策と蚊対策の両方が欠かせません。日焼け止めと虫除けを併用する場合は、必ず日焼け止めを先に塗り、後から虫除けを使用するのがポイントです。
先に虫除けを塗ると、その上から塗った日焼け止めで虫除けの作用が薄れたり、成分が混ざって効能が薄くなったりする可能性もあります。汗をかいた後や長い時間外にいる場合は、日焼け止めも虫除けもこまめに塗り直しましょう。
蚊の好む場所は避ける
蚊は湿気が多く、風通しの悪い場所を好みます。
<蚊の好む場所>
・草むらや茂み
・池や水たまり
・植木鉢やバケツ、ジョウロなどが放置された環境
・森林、竹林
・川沿い
上記のような場所は、特に注意が必要です。また、蚊は夕方以降など、気温が下がってくる時間帯に活発に活動します。外出時は風通しが良い場所、蚊の活動がおさまっている時間を意識しましょう。
【在宅時】蚊に刺されないための対策
家の中で過ごしているのに、蚊に刺された経験はありませんか?蚊は小さな隙間から侵入し、少量の水たまりが発生源となります。在宅時の蚊の対策を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
蚊を発生させない、増やさない
蚊を発生させない、増やさないために、以下の対策を行いましょう。
<蚊を発生させない・増やさないための対策>
・植木鉢やバケツ、ジョウロなどをベランダや玄関に放置しない
・バケツなど水がたまりそうなものは、逆さまにしておく
・ゴミ袋を外に置くと雨などで水がたまるため、屋内か屋根のあるところに保管する
・ベランダの排水溝は週1回掃除する
蚊は、卵から成虫になるまでに10日ほどかかります。水がたまりやすいところは、週1回程度を目安に掃除し、蚊を発生させない、増やさないようにしましょう。
窓や網戸、ドアはしっかり閉める
蚊は、窓や網戸、ドアの開閉のタイミングで室内に侵入するため、しっかりと閉めるようにしましょう。また、洗濯物に付着した蚊にも気を付ける必要があります。
外干しした洗濯物に蚊がとまることがあり、取り込む際に気づけないと、蚊をそのまま室内に入れてしまうかもしれません。家の近くに池や川があったり、洗濯干し場周囲に水のたまりやすい場所があったりする場合は、室内干しや浴室乾燥機を検討しましょう。
帰宅時は身体を清潔にする
汗や体臭に含まれる成分は、蚊を引き寄せる原因になります。帰宅時は、シャワーなどで汗や皮脂を洗い流すようにしましょう。寝る前にシャワーを浴びて清潔なパジャマに着替えると、夜間の蚊のターゲットになりにくいはずです。
汗をかきやすい方は、着替えを持ち歩く、ボディシートや制汗スプレーを活用するなど、汗対策を行いましょう。
4階以上の部屋を選ぶ
蚊が自力で飛べる高さには限界があり、一般的に地上から3階程度までしか飛べません。そのため、蚊が多い季節でも、4階以上の部屋では蚊の侵入リスクを減らせます。もちろん風に乗ったり、人や物に付着したりすることで蚊が高層階に運ばれることもありますが、基本的には高層階ほど蚊から避けられるといえます。
特に蚊の対策をしっかり行いたい方には、4階以上の物件が理想的です。物件探し中の方は、蚊のリスクを避けるためにも、上層階をおすすめします。
蚊に刺されやすい人は携帯しておきたい!おすすめ対策グッズ

ここでは、蚊に刺されやすい人は携帯しておくべき、おすすめ対策グッズを紹介します。
アース はだまも
アース製薬のはだまもは、素肌と同じ弱酸性で、4種類のうるおい成分を配合した虫除けアイテムです。
汗や水にも強く、夏に使用する虫除け製品として心強い仕様になっています。多量に汗をかいたときなどは塗り直しが必要ですが、はだまもは持ち運びができるサイズもあります。キャンプやマリンスポーツなど、夏のアクティビティを楽しむ方にぴったりのアイテムです。
商品名:アースはだまも
商品URL:https://www.earth.jp/hadamamo/
ピジョン 虫くるりんシリーズ
ピジョンの虫くるりんシリーズはディートフリーで、生後0ヶ月の赤ちゃんも安心して使用できるアイテムです。
ディートとは、虫除けに使われる成分ですが、厚生労働省より12歳未満に使用する際には以下のような目安があります。
<使用する際の目安>
・顔には使用しない
・6ヶ月未満の乳児には使用しない
・6ヶ月以上2歳未満は、1日1回
・2歳以上12歳未満は、1日1~3回
虫除けのアイテムには「ディートフリー」や「◯ヶ月/◯歳から使用可」など記載がされているので、確認してみましょう。虫くるりんシリーズは、アウトドアミストや吊り下げタイプ、シールタイプ、布用ミストタイプなどもあり、ニーズに合わせて選べるのも嬉しいポイントです。赤ちゃんに安心して利用できるのはもちろん、家族全員で使える万能アイテムになっています。
商品名:ピジョン 虫くるりん
金鳥(KINCHO) 蚊がいなくなるスプレー
蚊がいなくなるスプレーは、蚊の習性である「飛んでいる時間よりも、壁や天井にいる時間のほうが長い」をもとに開発された、部屋に噴射するスプレーです。壁や天井に薬剤を付着させ、蚊の駆除が期待できます。
1プッシュで4.5〜8畳に使用でき、約12時間効果が持続するとされ、愛用者も多いスプレーです。防虫剤などの香りが気になる場合には、無香料タイプもあります。室内の蚊対策を徹底したい方は、ぜひ検討してみてください。
商品名:蚊がいなくなるスプレー
商品URL:https://www.kincho.co.jp/seihin/insecticide/ka_n_spray/12h/index.html#p-locateinfo
蚊に刺された場合の症状と治療法

蚊に刺された場合、かゆみや腫れなどの症状が見られます。ここでは、一般的な症状や治療法について解説します。
刺された部分は掻かない
蚊に刺されるとかゆくなるのは、蚊の唾液に含まれる成分に身体がアレルギー反応を起こすからです。
かゆいとつい掻いてしまいますが、掻くと肌が傷つき、細菌が入って炎症を起こす可能性があります。さらに、掻けば掻くほどかゆみが強くなってしまうため、悪循環につながりやすいです。感染を防ぎ、かゆみを悪化させないよう、刺された部分はできるだけ掻かないようにしましょう。
かゆみは冷やして落ち着かせる
かゆみがある部分は、氷や冷たいタオルを使って冷やしましょう。かゆみは、血流の増加やヒスタミン作用によって引き起こされるため、冷やすと血管が収縮し、かゆみの伝達が抑えられます。
ただし、直接氷を当てると刺激が強すぎるため、布などで包み、優しく冷やすようにしてください。
かゆみや腫れの悪化、水ぶくれなどがあれば病院へ
蚊に刺された後のかゆみや腫れは、数日で改善するのが一般的です。もし、刺された箇所にかゆみや腫れの悪化、水ぶくれや膿が出た場合は、病院へ相談しましょう。子どもや高齢者、免疫力が低下している方は皮膚トラブルが起きやすいため、特に注意が必要です。
また、蚊に刺されたことで強いアレルギー反応を示す、蚊刺過敏症と呼ばれる病気があります。蚊刺過敏症は、別名で蚊アレルギーともいわれており、蚊に刺された箇所のひどい腫れや発熱、リンパの腫れなどが特徴です。幼児期に見られるケースもあり、気になる症状があれば早めに受診しましょう。
蚊に刺されないための対策をして快適な夏を過ごそう
蚊は、汗やアルコールの匂い、体温の変化を感知し、視覚的な情報も取り入れながらターゲットを探しています。蚊に刺されやすい人の特徴をもとに、できるところから対策をはじめましょう。
引越し予定の方は、室内干しができるスペース、浴室乾燥機付き、4階以上など、蚊の対策になる物件を探してみてはいかがでしょうか?蚊に刺されたときは、掻くよりも冷やして皮膚もケアしてあげてください。蚊に刺されないための対策を行い、快適な夏を過ごしましょう。
参考文献①:厚生労働省「蚊の生活史と調査法」
参考文献②:高橋珠緒「肥満の息切れの機序とそれに対するリハビリテーション」
参考文献③:厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」
参考文献④:浅田秀夫「蚊刺過敏症とEBウイルス感染症」
参考文献⑤:池庄司敏明「蚊の誘引物質」