日々の料理で必要になる換気に活躍するレンジフード。油汚れやほこりが溜まると、掃除にハードルを感じてしまう方も多いことでしょう。
今回はそんなレンジフードのお手入れ方法や、汚れを防ぐための工夫をわかりやすく解説します。手間をかけずにレンジフードをピカピカにするコツを、ぜひマスターしてください。
レンジフード(換気扇)の汚れを放置するとどうなる?
キッチンの換気に欠かせないレンジフードは、毎日の使用で油汚れやほこりがついてしまいます。汚れがついたまま放置していると、次のような問題が発生する可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。
・カビの発生
・悪臭の発生
・害虫・害獣の発生
・換気能力の低下
・油汚れに引火する可能性あり
それぞれ詳しく解説していきます。
カビの発生
レンジフードに油汚れや湿気が放置されたままになっていると、カビが発生しやすくなります。とくに排水口やシンクにカビが発生している場合、換気扇を回すことでカビの胞子を吸い込み、換気扇自体にもカビが広がってしてしまうのです。
レンジフード内にカビが発生すれば、キッチン全体の衛生上よくありません。カビを広げないよう、こまめにお手入れをする必要があります。
悪臭の発生
レンジフードに汚れが溜まり換気機能が落ちると、調理中の空気をうまく排出できないだけではなく、悪臭が広がる原因になることもあります。
古くなった油は酸化して劣化し、嫌なにおいを発生させます。キッチン全体、お部屋全体に酸化した油の悪臭が広がってしまう恐れがあるのです。
害虫・害獣の発生
油汚れはネズミやゴキブリ、コウモリなどの好物です。汚れを放置することで発生する臭いに引き寄せられ、害虫・害獣が換気扇に住み着いてしまう可能性があります。
害虫や害獣は衛生面での大きな問題となります。また、一度住み着いてしまうと排除が非常に困難。定期的に掃除を行い、害虫・害獣を寄せ付けないよう心がけましょう。
換気能力の低下
レンジフードの掃除をせず放置していると、吸い込みが悪くなり換気能力が下がることがあります。場合によっては故障につながることもあるでしょう。以下のような現象が起こった場合には注意が必要です。
・換気音が普段より大きくなる
・煙や蒸気がなかなか消えない
・室内の温度が上がりやすくなる
また、ファンやフィルターに油汚れが蓄積し重くなると、モーターに負荷がかかるようになり、通常以上に電力を使います。電気代が上がってしまうことにもつながってしまうでしょう。
油汚れに引火する可能性
レンジフードに付着した油は、最悪の場合、火災の原因となる可能性があります。高温の炎や油煙が、溜まった油や何層にも重なったほこりに触れることで、引火につながるリスクがあるのです。
また、一度火がついてしまうと、換気扇内部に固まった油に火が移り、一気に炎が燃え広がることもあるので大変危険です。
安全に日々の料理をするためにも、油汚れやほこりの掃除は欠かせない作業であることを意識しておきましょう。
レンジフード(換気扇)の掃除頻度の目安
レンジフードの汚れを放置すると油が固まり、汚れが落としにくくなってしまいます。計画的に掃除しましょう。
適切な掃除頻度は、それぞれの家庭の調理頻度や状況によって大きく異なります。パーツを分解して行う「念入り掃除」の掃除頻度は、以下の目安を参考にしてみてください。
・揚げ物や炒め物など油料理をよくする家庭:1〜3ヶ月に1回程度
・調理頻度が朝と夜の家庭:3ヶ月〜半年に1回程度
・ひとり暮らしや自宅で料理をする回数が少ない家庭:半年〜年に1回程度
実際には、調理内容や換気扇の使用状況、ライフスタイルによっても適切な掃除の頻度は変わってきます。また、可能な範囲で次に紹介する日々のお手入れを行なっていれば、掃除が楽になります。
【日々のお手入れ】レンジフードの掃除方法

ここからは、実際のレンジフードの掃除方法について紹介します。
部品を全て取り外して掃除する「念入り掃除」も大切ですが、料理の後に軽く行う「日々のお手入れ」により、レンジフードの汚れの蓄積は大きく軽減できます。早速日々のお手入れ方法についてみていきましょう。
用意するもの
日々のお手入れに使用するものは、以下の3つです。
・ゴム手袋
・キッチンペーパーまたは掃除用クロス
・台所用洗剤
レンジフードに手が届かない場合は、安全に乗り降りできる踏み台も用意しましょう。
日々のお手入れの仕方
日々のお手入れは、1日の最後の調理後に行うとよいでしょう。油汚れは付着直後に掃除すれば比較的落としやすいため、その日のうちに掃除することがポイントです。
レンジフードの表面を、お湯で濡らして固く絞ったクロスで拭き取ります。フードの外側と内側、フィルターの枠や表面など、手の届く範囲をきれいにしましょう。
汚れがひどい場所がある場合には、食器用中性洗剤を薄めたものをキッチンペーパーに染み込ませて拭くとよく取れます。洗剤を使用したときは、後から水拭きをして洗剤成分を落としましょう。
【本格的なお手入れ】レンジフードの掃除方法

次に、本格的なお手入れ方法についても紹介します。レンジフードの内部を分解し、部品ごとに清掃します。ご家庭のレンジフードの分解方法、お手入れ方法については、メーカーの説明書を必ず確認しておきましょう。
また、掃除に使用する洗剤のなかにはメーカーが推奨していないものもあるため、素材の傷みや変色などに注意しながら行うことが大切です。
用意するもの
レンジフードの掃除をする前に、以下のものを用意しておきましょう。
・新聞紙
・ゴム手袋
・食器用中性洗剤
・アルカリ性洗剤(重曹・粉末の酸素系漂白剤 など)
・スポンジ
・バケツ または 洗い桶
洗剤は、レンジフードの汚れ具合によって使い分けます。アルカリ性洗剤は油汚れに強い洗剤です。汚れが少ない場合は重曹、ひどい汚れを落としたい場合には粉末の酸素系漂白剤をお湯に溶かして使うことをおすすめします。素材を傷めるリスクを避けたいときは中性洗剤がおすすめでしょう。
①コンロに新聞紙を敷いてから部品を全て外す
まずは、レンジフードを分解します。取り扱い説明書に沿った方法で、ファンやフィルターなどの部品を丁寧に外していきましょう。
コンロにほこりや汚れが落ちることがあるので、事前に新聞紙を敷いておきます。また、取り外したパーツを置く場所も作っておきましょう。
②油汚れに強い洗剤とお湯でパーツを洗う
取り外したパーツを、油汚れ用の洗剤で洗っていきます。食器用の中性洗剤や、重曹をはじめとするアルカリ性の洗剤を水に溶かしたものが効果を発揮します。
汚れがひどくこびりついている場合には、洗い桶やゴミ袋にお湯と洗剤を混ぜたものを溜め、30分〜数時間つけおきしましょう。つけおきが終わったら、スポンジで優しくこすります。つけおきと同時に、レンジフードの外側や内側、手の届く部分を中性洗剤をお湯に溶かしたものを固く絞ったクロスで拭いておきましょう。
③水で洗い流してしっかり乾かし元に戻す
パーツの洗剤をしっかりと洗い流し、乾かします。清潔なクロスやキッチンペーパーで乾拭きしてしばらく置き、完全に乾かすようにしましょう。
全体が乾いたら、パーツを元に戻します。パーツの取り付けは、各部品がしっかりと固定されているか確認しながら安全に行いましょう。最後に動作を確認して、掃除は終了です。
レンジフード周辺の壁の汚れの掃除方法

レンジフードの周辺の壁は、調理中の油や食材に含まれる水分などが付着しやすい場所です。汚れが蓄積すると、壁の色が変わってきたり、ベタベタが取れなくなったりと、汚れが落としにくくなるため、定期的に掃除しましょう。
レンジフードやコンロ周りの壁の掃除方法を紹介します。
用意するもの
掃除の際には、以下のものを用意しましょう。
・食器用中性洗剤
・アルカリ性洗剤(重曹水・セスキ炭酸ソーダ水・アルカリ電解水 など)
・メラミンスポンジ
・ブラシ
・掃除用クロス
・スプレーボトル
・必要に応じて養生用のテープや新聞紙
壁の油汚れが軽い場合には、中性洗剤と水を混ぜたものを、頑固な油汚れには、アルカリ性洗剤を使用するとよいでしょう。
①洗剤液をスプレーする
洗剤液がつくと困るような隙間やコンロ部分は、新聞紙や養生用のテープを使用し、あらかじめ養生しておきましょう。
中性洗剤を薄めたもの、またはアルカリ性洗剤をスプレーボトルに入れ、壁にスプレーして汚れを浮かせます。汚れがひどい箇所は、メラミンスポンジやブラシで優しくこすってみましょう。強くこすると壁紙が傷んでしまうことがあるため、あくまで優しく掃除します。
②丁寧に拭き取る
汚れが浮いてきたら、優しくクロスで拭き取りましょう。拭き残しがないよう、「コ」を描くように四角くふくと満遍なく拭き取ることができます。
汚れが取りきれていない場合は①②の工程を繰り返します。
③水拭きして乾かす
キレイな水で濡らしたクロスで、洗剤の成分を拭き取ります。
掃除後の壁は、光の当たり具合で汚れが見えにくい場合があります。一通り掃除を終えたら、さまざまな角度から確認することで、拭き残しを防げるでしょう。またベタベタとした汚れが取れているかは、手で触ってみると確認できます。
レンジフードを掃除する際の注意点
ここからはレンジフードを掃除する際、気をつけておきたい注意点について紹介します。
電源を落としておく
掃除の際には、必ず電源を落としておきましょう。
換気扇を動かしたまま掃除をしようとすると、感電や故障につながりかねません。掃除前には、電源が切れているか、または電源プラグが抜けているかを必ず確認しましょう。電源プラグが抜けない場合には、ブレーカーを落とします。
塗装をはがさないように注意する
掃除中には、塗装の剥がれに注意が必要です。強く擦ったり強力な洗剤を長時間使用したりすると、塗装が一緒に剥がれ、傷んだり錆びついてしまったりすることがあるためです。
強くこする必要のないよう、定期的に掃除をして汚れがこびりつかないように心がけましょう。
レンジフードの汚れを防止する習慣と便利グッズ

レンジフードの汚れは、日々の工夫で減らすことができます。汚れが軽くなれば、掃除の手間も減り、頻度を減らすことも可能です。
ここからは、汚れをつきにくくするための習慣や便利グッズを紹介します。
レンジフード汚れ防止グッズを導入する
レンジフード用の汚れ防止グッズを使用すれば、汚れの程度を軽くできます。たとえばレンジフード専用のフィルターを設置すれば、フィルターが油煙をキャッチし、レンジフード内部や排気口に油汚れがつくことを防いでくれます。
フィルターを選ぶ際には、通気性がよく目詰まりしにくいもの、ご自宅のレンジフードに合ったサイズのものを選びましょう。また、設置したフィルターは定期的に交換する必要があります。コストがかかりますが、掃除の手間を減らしたい方にはおすすめです。
使用後にすぐお手入れできるグッズを近くに置く
レンジフードをキレイに使用し続けるためには、日々のお手入れが必須です。掃除がすぐにできるように、洗剤や掃除用のクロスなどのお手入れグッズを手に取りやすい場所に置いておくことも大切です。
手をつけるハードルを下げることで、掃除が格段に楽になります。
調理時の工夫で汚れを防ぐ
調理の際に、油が飛び散りにくくなるような工夫をすれば、レンジフードへの汚れの付着を減らせます。たとえば次のような工夫が挙げられるでしょう。
・揚げ物をする際に油はねガードを使用する
・グリルやオーブンを活用する
・揚げ物の前に食材の水分をしっかり拭き取る など
これらの工夫は、キッチン全体の汚れを減らすことにもつながります。ぜひできるところから実践してみてください。
日々のお手入れでレンジフードを清潔に保とう!
今回は、レンジフードのお手入れ方法、汚れを防ぐ習慣について解説しました。
レンジフードは、汚れが頑固になればなるほど掃除のハードルが上がります。頑固な汚れを落とそうとして、塗装が剥がれてしまったり素材を傷めてしまったりするリスクも上がることでしょう。
毎日のお手軽掃除、定期的な念入り掃除を計画的に行うことで、掃除は楽になります。キッチンを清潔に保ち、毎日の料理タイムを楽しいものにしていきましょう。