「いつものメニューを手軽にランクアップさせたい」「緑を使っておしゃれな空間を作りたい」そんな方におすすめなのが、”キッチンハーブ育て”です。「室内でのハーブ栽培やプランターを利用した寄せ植えに興味がある」という人にもうってつけの趣味ですよ。
とはいえ、おすすめのハーブ苗はどれなのか、どう育てたらよいのか、最初は迷ってしまうもの。そこで今回は植物大好きな私が、体験談を含めた「初心者でも育てやすいキッチンハーブ6選と育て方」を詳しくご紹介!彩りある美味しい暮らしのスタートにぜひご参考ください。
キッチンハーブとは
キッチンハーブとは、肉や魚料理、サラダ、パスタ、ドリンクなど調理の際に使用できる香草のことです。香りをプラスしたり、臭みを消したり、見栄えをよくするためのアクセントとしても使われます。
最近では室内で手軽に栽培できること、おしゃれなインテリア代わりにもなることから多くの人に注目されるようになってきました。キッチンハーブは園芸店やホームセンター、観葉植物を取り扱う通信販売ショップなどで購入可能です。
代表的なキッチンハーブ6選
ここからは、代表的なキッチンハーブのおすすめをご紹介していきます。初心者でも育てやすく使い道の幅広い6種類をピックアップしてみました。寄せ植えに適しているかどうかについてもまとめています。
ローズマリー
初心者向きのキッチンハーブとして代表格のローズマリー。シソ科の常緑低木です。丈夫で枯れにくいため、初めてのキッチンハーブに最適です。スパイシーな香りの強さを活かし、主に肉や魚の臭み抜きとして使われています。
春先から初夏にかけて咲き誇るピンクやブルーの花は、エディブルフラワーとしても人気。抗酸化物質が含まれており、アンチエイジングや血行促進作用が期待できるとされています。生育旺盛なので寄せ植えせず、ローズマリーのみの鉢で育てることがおすすめです。
イタリアンパセリ
摘みたてをトッピングするだけで、鮮やかな彩りを添えられるイタリアンパセリ。セリ科の代表的なキッチンハーブです。日本のスーパーでよく見かける葉の縮んだパセリと比べると、苦みが少なく食べやすいという違いがあります。
プランターで寄せ植えするなら、同じセリ科のディルやアブラナ科のルッコラが相性良しです。βカロテン、ビタミン、カルシウムなど栄養価が高く、香りには食欲増進効果があります。お子様がいるご家庭でも家族全員が楽しめるハーブといえるでしょう。
バジル
「ハーブの王様」と称されるシソ科のバジル。イタリア料理で香味野菜として重用される代表的なキッチンハーブです。βカロテンや鉄、カリウムなどの栄養素を含み、胃腸の機能を整える効果があります。
バジルを成長させるためには適度な湿気が必要なため、乾燥を好むことが多いキッチンハーブとの寄せ植えは向いていないという意見の多い品種です。単独で育てるか、春夏はトマトのコンパニオンプランツとして育てるとよいでしょう。
大葉(シソ)
和食に合うキッチンハーブを育てたいなら、シソ科の大葉(シソ)がおすすめです。初夏から盛夏にかけてが旬で、別名では青ジソとも呼ばれています。生育旺盛であるため、少し大きめの鉢で育ててあげると収穫量をより増やせるでしょう。
大葉は寄せ植えにはあまり向いていない品種です。ぺリルアルデヒドという殺菌効果のある成分を含むことが特徴的。βカロテンやビタミンB1などの栄養素も多く含み、食欲増進に効果が期待できます。
クレソン
クレソンは数少ないアブラナ科キッチンハーブの代表的な存在です。初心者向けのキッチンハーブはシソ科やセリ科のものがほとんど。さまざまな科の品種をバランスよく育ててみたい人は、ぜひクレソンも候補に入れてみてください。
オランダがらしという和名のとおりで、ピリッとした辛みがあります。βカロテンや葉酸、鉄分などが主な栄養素です。クレソンは多湿を好むため、単独で育てるとよいでしょう。土植え以外では、水耕栽培に適したキッチンハーブとしても人気です。
ミント
ミントは、ドリンクやデザートのトッピング、ハーブティーに使えるキッチンハーブの代表種です。ただし、繁殖力が強く、寄せ植えには不向き。大きめのプランターに移し替えてしまうと、その広さの分だけ地下茎で増殖してしまいます。
大量消費する予定がないなら、最初に売られていたサイズの鉢で育ててあげると大きくなりすぎなくてよいでしょう。スペアミント、ペパーミント、アップルミントなどさまざまな種類があり迷ってしまうでしょうが、まずはお好きな香りで選ぶのがおすすめです。
キッチンハーブの育て方
記事内でご紹介したキッチンハーブの室内での育て方はほとんど同じです。種まき、栽培キット、水耕栽培での育て方もありますが、ここでは初心者が育てやすいハーブ苗を土植えする方法でご紹介します。
育て方①お好みのハーブ苗・鉢・土を用意する
まずは、お好みのハーブ苗を用意します。おしゃれな鉢とセットで売られているケースもあります。他の鉢に移し替えたり、プランターで寄せ植えしたりする場合は、ハーブ用の土の購入が便利。小さな鉢であれば、鉢底石は入れなくても大丈夫です。
育て方②日当たりのよい場所へ置く
キッチンカウンターや窓際など、キッチンハーブを日当たりのよい場所に設置します。その際は、鉢やプランターに水受け皿があるかどうかも要確認です。私は水受けが鉢と一体になっていると思い込み、水を注いで床を水浸しにしてしまったことがあります…。
育て方③土が乾いたら水やりをする
キッチンハーブへの水やりは日当たりや冷暖房の状況、季節によって回数を調節する必要があります。多湿を好む種類以外は、土が乾いてきたら水やりをする程度がおすすめです。ハーブ苗の様子を見ながら、適度なペースを導き出していきましょう。
キッチンハーブを育てる上での注意点
キッチンハーブを育てる際の注意点をお伝えします。楽しく育てて、美味しく食べるためにもぜひチェックしてみてください。
注意点①土のカビ発生に注意する
キッチンハーブを育てる上での注意点は、土のカビ発生に注意することです。水のあげすぎや風通しの悪さ、日当たり不足、茂った葉を摘み取らずに放置するなどが土にカビが生えるきっかけとなってしまいます。
注意点②虫は発生するものだと考えて育てる
温暖な季節になると、ベランダやお庭でキッチンハーブを日光浴させたいときもあるでしょう。「虫がつくのでは?」と心配になる人もいるはず。しかし、多少の虫ならセロテープできれいに取れます。虫はときに発生するものと考えておくことがおすすめです。
注意点③お子様の手の届かない場所へ置く
小さなお子様のいる家庭では、手の届かない場所へキッチンハーブを置きましょう。私の子どもが幼い頃の話ですが、イタリアンパセリを全て引き抜かれたことがありました。生育旺盛ではないタイプのキッチンハーブは根元から抜きやすいため、とくに注意です。
キッチンハーブの活用方法
キッチンハーブは葉を料理の仕上げにのせるだけ、焼くだけとお料理が苦手な人でも簡単に活用できる食品です。ここからは、キッチンハーブの活用方法を具体的にご紹介していきます。
◆ローズマリー
・チキンと一緒にオーブンで焼く
・乾燥させて岩塩の小瓶のなかに入れるとハーブソルトに
・花は塩漬けにして料理の飾りに
・ポプリやドライハーブとしてインテリアにも
◆イタリアンパセリ
・パスタやピザのトッピングに
・スープの彩りに
◆バジル
・ピザやピザトースト、パスタのトッピングに
・収穫量が増えたらジェノベーゼソース作りにも
◆大葉
・お刺身に添えて
・冷たいうどんやそうめん、お蕎麦の薬味に
◆クレソン
・ステーキやハンバーグの付け合わせに
・辛みを活かしてサラダのアクセントに
◆ミント
・炭酸飲料やアイスクリームのトッピングに
・お好きな人はハーブティーや入浴剤として楽しんでも
このように、キッチンハーブにはたくさんの活用方法があります。いろいろ試してみてくださいね。
キッチンハーブが育てやすい部屋の条件
キッチンハーブを育てやすい部屋にはいくつかの条件があります。置き場所に悩んでいる人、これから物件を内見しようと思っている人は参考にしてみてください。
日当たりの良い部屋
キッチンハーブを育てやすい部屋の条件は、日当たりの良い部屋です。日光が不足すると徒長したり、葉の色が薄くなってしまったりすることも。南向きであたたかな陽射しが期待できる部屋であれば、朝から夕方ごろまで成長に必要な日光を確保できるでしょう。
鉢が置ける窓辺やキッチンカウンターがある
キッチンハーブを育てやすい部屋の条件は、鉢が置ける窓辺やキッチンカウンターがあることです。日に当たりやすくなるとともに、キッチンハーブをどこに置くべきか悩む必要がなくて便利。出窓のあるお部屋ならインテリア性も高まります。
風通しがよい
室内でキッチンハーブを育てるなら、風通しのよさも欠かせない条件です。適度な風に揺られることで植物は成長が促されます。また、湿気によるカビや根腐れなども防げます。2面採光や3面採光のお部屋なら室内の空気をしっかりと循環できるでしょう。
キッチンハーブを育てて普段の生活にプラスアルファの楽しみにしよう!
初心者におすすめのキッチンハーブは生命力の強い品種であることがほとんどです。必ずしもプランターでの寄せ植えに適しているわけではありませんが、幅広い使い道が楽しめるものばかりなのでぜひ購入の参考にしてみてください。
また、キッチンハーブは日当たりや通風のよい部屋が育てやすいです。出窓やキッチンカウンターがあれば、なおよいでしょう。摘みたてのキッチンハーブを楽しめる美味しい暮らしをぜひ叶えてみてくださいね。