洗濯機を使っていて、ふと「こんなに音うるさかったっけ?」と感じることはありませんか? 特に夜間やアパート・マンションなどの集合住宅では、洗濯機の音が響いてしまうこともあります。普段と違う大きな音がする場合、「故障の前兆では?」と心配になることもあるでしょう。
今回は、洗濯機がうるさくなる原因や、故障のサインについて詳しく解説します。さらに、うるさい洗濯機の音を抑える方法や、静音性に優れた洗濯機の選び方についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
洗濯機の稼働がうるさくなる原因
洗濯機の音が普段よりもうるさくなったと感じる場合、その原因は主に「部品の故障」「設置状況」「洗濯物の量」に分けられます。原因によって騒音の違いがあるため、それぞれの要因を詳しく見ていきましょう。
故障のサイン
洗濯機がうるさくなる原因の中には、故障が関係していることもあります。しかし、すぐに故障と判断するのではなく、まずは他の要因がないか確認することが大切です。
「異常な音の発生」「振動が異常に激しい場合」「水漏れ」などが起こる場合には、何らかの部品が故障している可能性があります。運転中に突然停止したりエラー表示が頻繁に出る場合も注意が必要です。
洗濯機の設置場所と水平異常
洗濯機の設置場所が水平でないと、運転時に振動が発生しやすくなります。特に床が傾いていたり、設置面が柔らかい場合には、洗濯機のバランスが崩れ、異常な振動音が発生することがあります。
床が水平であるかを確認し、防振マットを使用して振動音を軽減しましょう。また、壁との距離を適切に取ることで騒音の響きを防ぐこともできます。
洗濯物のかたよりと詰めすぎの可能性
洗濯物がかたよった状態で洗濯機を回すと、脱水時にバランスが崩れ、異音が発生します。特に大型のタオルや布団カバーなど、洗濯物がかたよりやすいものを入れる際は注意が必要です。
洗濯物を均等に配置し、大きなものと小さなものを組み合わせることでバランスを取りやすくなります。また、洗濯機の最大容量を超えないように詰め込みすぎていないかチェックしましょう。
経年劣化による部品の摩耗
長年使用している洗濯機は、モーターやベルト、排水ポンプなどの部品が摩耗し、音が大きくなることがあります。特に、異音が聞こえる場合、部品の交換時期が近づいている可能性があります。
ベルトの緩みやひび割れが見られる場合は交換が必要です。排水ポンプが異常音を発する場合は、詰まりが発生している可能性があるため、清掃を行うと解決することがあります。またドラムの回転時に揺れが大きい場合は、軸受け部分の摩耗が進んでいる可能性があります。
製造から7年以上経過している洗濯機は、部品交換ができないこともあるため、修理費用と新品購入のコストを比較して買い替えを検討するとよいでしょう。
洗濯機の稼働音がうるさいのは故障のサイン?注意すべきポイント

洗濯機の稼働音が普段よりも急に大きくなった場合、それが故障サインの場合もあります。長年使用している洗濯機ほど部品の摩耗や劣化が進みやすく、突然のトラブルにつながることもあります。また、先に述べたように、設置環境や洗濯物の入れ方によっても異音が発生することがあるため、まずは原因を特定することが重要です。
具体的に以下の症状が見られる場合は、修理や買い替えも検討してみてください。
異常な振動やガタつきがある
洗濯機が激しく揺れたり、「ガタガタ」と不規則な音がする場合、内部のバランスが崩れている可能性があります。特に脱水時に大きな振動が起こる場合は注意が必要です。
考えられる原因としては、設置場所の問題、洗濯物のかたより、あるいはドラムやベルト部品の故障が挙げられます。
購入時よりもモーター音が大きい
購入直後よりも明らかにモーター音が大きくなっている場合、モーター内部の部品が摩耗している可能性があります。洗濯機のモーターは洗濯中に高速で稼働するため、年数が経過するごとに摩耗や異常音が発生しやすくなります。特に「ウィーン」「キュルキュル」といった異音が続く場合は、点検や修理を検討しましょう。
長年使用した洗濯機では、モーターの耐久性が限界に達していることもあります。洗濯機の寿命は一般的に7~10年とされていますが、異音が続く場合は買い替えを検討するのも一つの選択肢です。
最新の洗濯機では、省エネ性能や静音性が向上しているため、交換することで今より電気代がお得になり快適に使うことができるでしょう。
水漏れしている
洗濯機の騒音と共に床が濡れている場合、排水ホースのゆるみや破損、排水ポンプの故障などが考えられます。水漏れが続くと、周囲の床材が傷むだけでなく、家電の寿命にも影響を与えます。至急、専門業者に点検をお願いしましょう。
もし水漏れの原因が排水ポンプ自体の故障である場合は、修理または交換が必要になります。排水ポンプの交換費用が高額になる場合は、洗濯機の買い替えも視野に入れましょう。
故障ではなかった場合のうるさい洗濯機の稼働音を抑える方法

洗濯機の音が大きくても、故障ではなく設置方法や使い方によって解決できることもあります。日常のちょっとした工夫で騒音を軽減することが可能です。以下の方法を試して、洗濯機の稼働音を抑えましょう。
防振マットやゴム足の活用
洗濯機の振動音を抑えるには、防振マットやゴム足を設置するのが効果的です。洗濯機は運転中に強い振動を発生させるため、そのエネルギーが床に伝わることで騒音が発生します。防振マットは衝撃を吸収し、床への影響を軽減することで、振動による騒音を抑える働きをします。
ゴム足を取り付けることも有効な対策の一つです。洗濯機の脚部分に専用のゴム製クッションを装着することで、振動が直接床に伝わるのを防ぎます。特にアパートやマンションなどの集合住宅では、防振マットやゴム足を活用することで、下の階への騒音を抑えることができます。
防振マットには、ゴム製やウレタン製など様々な素材があります。ゴム製のものは振動をしっかりと吸収し、ウレタン製のものは軽量で扱いやすいという特徴があります。使用環境や設置場所に応じて適切な素材を選ぶようにしましょう。
洗濯機の水平位置調整
洗濯機の設置場所が平らでないと、振動や騒音の原因になってしまいます。特に、脱水のときに揺れてしまうことがあるので、設置には注意が必要です。
洗濯機を安定させるためには、まず設置場所が水平になっているかを確認し、必要に応じて調整することが大切です。水平に設置するには、専用の水平器を使うと便利ですが、もし持っていない場合でもスマートフォンのアプリで代用することができます。洗濯機がちゃんと設置されるよう、四隅が平らな床に接しているかどうかを確認し、均等に重さがかかるようにしてみてください。
この方法で振動や異音を抑え、洗濯機の安定した運転を保つことができます。騒音だけでなく、安全に使うためにもこの調整は丁寧に行うと良いでしょう。
洗濯物の量を適切にする
洗濯物の量が多すぎると、洗濯槽の回転バランスが崩れ、異常な振動や騒音の原因になります。特に、厚手の衣類やタオルを大量に詰め込むと、片寄りが発生しやすくなります。適量を心がけ、洗濯物を均等に分散させて入れ、騒音を軽減しましょう。
また、脱水時に「ドンドン」という音がする場合は、一時停止して洗濯物を均等にならし、バランスを整えてから再開すると効果的です。
静音モードや時間帯を工夫して騒音リスクを抑える
マンションやアパートなどの集合住宅では、夜間や早朝の洗濯音が隣人トラブルにつながることがあります。洗濯機の音の主な原因は脱水時の振動やモーター音ですが、最近のモデルは静音モードを備え、騒音を軽減する工夫がされています。さらに、洗濯の時間帯に注意することで、騒音リスクを大幅に減らすことができます。
たとえば、日中の人が活動している時間帯に洗濯を済ませたり、静音モードやナイトモードを活用して夜間の使用は控えるなどの対策が効果的です。
家電のプロが教える!静音性能から見る洗濯機の選び方

洗濯機を選ぶ際、静音性は非常に重要なポイントの一つです。特に夜間に洗濯をすることが多い方や、小さな子どもがいる家庭では、運転音が静かなモデルを選ぶことで生活の快適さが大きく向上します。
静音モデルの選び方(dBの目安)
静音モデルの洗濯機を選ぶ際には、運転音のdB(デシベル)を確認することが非常に重要です。
40dB以下であれば図書館レベルの静かさで、夜間の使用にも適しています。40〜50dBであれば、日中の使用には問題ありませんが、夜間はやや気になるレベルになるでしょう。50dB以上になると、乾燥機能使用時などで発生し、ややうるさいと感じる方が多いかもしれません。
縦型とドラム式でうるさいのは?
縦型とドラム式の違いは、静音性にも影響を与えます。一般的に、縦型洗濯機は洗濯時の音は比較的静かですが、脱水時の振動が大きくなりやすい傾向があります。一方、ドラム式洗濯機は洗濯時・脱水時ともに一定の音が出ますが、防振設計がしっかりしているものが多く、比較的静かなモデルが多いです。
特に脱水時の音を気にする場合は、ドラム式洗濯機の方が振動が少なく、静かな傾向があります。ただし、機種やメーカーによって静音性は異なるため、購入前に製品仕様をよくチェックしてください。
インバーター搭載モデルは静音性が高い
インバーター搭載モデルは、静音性の高さが大きな特長の一つとされています。従来の洗濯機に搭載されていたモーターは、決まった速度で回転するものが主流でした。
インバーター制御のモーターを搭載したモデルでは、洗濯物の量や種類、運転モードに応じて回転数を細かく調整できます。この細やかな制御により、無駄なエネルギー消費を抑え、運転時の音を大幅に減らせるようになりました。
洗濯物の量が少ないときや、デリケートな衣類を洗う際には、モーターの回転数を抑えることで、優しく静かに洗濯を行います。一方、洗濯物の量が多いときや、汚れがひどい衣類を洗う際には、モーターの回転数を上げて、パワフルに洗濯を行います。
静音性の高い洗濯機を選ぶときには、インバーター制御の機種をチェックしてみてください。
防音対策が充実した最新モデルのチェックポイント
最近の洗濯機では、防音対策がより進化しています。静音性を重視するなら、ナイトモードや静音モードの有無、防振設計の強化、洗濯槽のバランス制御機能の有無をチェックすることが重要です。
例えば、東芝の「DDモーター」はダイレクトドライブ方式を採用しており、モーターと洗濯槽が直結し、ベルトなどの部品がなく運転音が非常に静かです。また、日立の「ナイアガラ洗浄」は、大流量のシャワーで汚れを洗い流すため、パワフルながらも比較的静かな運転音を実現しています。
このように静音設計を前面に出しているモデルを選ぶのがポイントです。
周囲への影響を気にせず洗濯機を使える物件条件

静音性能の高い洗濯機を選んでも、設置環境が悪いと騒音が気になってしまいます。物件の条件によっては、洗濯機の音が響きやすいケースもあるため、設置場所の構造を確認することが大切です。
洗濯機置き場の位置と構造に工夫がある部屋
洗濯機を設置する場所の構造によって、騒音の伝わり方が大きく変わります。
例えば洗濯機置き場が防音床になっている物件では、音の伝達を防ぐためにクッション材が敷かれていることがあり、防音性が高くなります。また、脱衣所や玄関付近に洗濯機スペースがある物件では、リビングや寝室と距離があるため、部屋の中でも騒音が気になりにくくなります。
現場に行く時間がなくても、スマホやパソコンのオンラインで内見が可能な物件もありますので、事前に環境チェックするのがおすすめですよ!
防音対策の整った物件
洗濯機の騒音対策に加え、住まい全体の防音環境を整えることは、トラブルを防いで快適な暮らしを送るために欠かせません。鉄筋コンクリートの建物を選ぶことで、洗濯機の音だけでなく、生活音全般が軽減されて静かな生活が送れます。
今後、新しい住まいを探す際には、洗濯機の設置環境だけでなく、建物全体の防音性能にも注目することもおすすめです。
戸建ての物件
洗濯機の騒音を気にせず使用したい場合、戸建ての住まいも有力な選択肢になります。集合住宅では隣室や階下への騒音が気になりますが、一戸建てならその心配が大幅に軽減されます。特に防音対策がしっかり施された戸建てでは、夜間でも安心して洗濯機を稼働させることができます。
また、戸建てなら洗濯機の設置場所を比較的自由に決められるため、生活導線や防音性を考えながら最適な設置場所を選ぶことができます。
洗濯機のうるさい音は故障のサインかも?しっかりチェックしよう
洗濯機からの異常な音は、単なる不快感だけでなく、故障のサインである可能性もあります。定期的なメンテナンスと早めの対処が、洗濯機を長持ちさせるコツです。
今回ご紹介した原因の確認方法や対処法を試してみても改善しない場合は、専門業者による点検を検討しましょう。特に購入から7年以上経過している場合は、部品の経年劣化による故障の可能性も高まります。
また、新しい洗濯機の購入を検討する際は、静音性能にも注目して選ぶことで、長期的な満足度が高まります。さらに、お住まいの環境によっても騒音の影響は大きく変わるため、物件選びの際には洗濯機の使用環境にも目を向けることが大切です。