「エアコンの送風機能ってどんな機能?」「送風機能を使うメリットやタイミングについて教えてほしい」…エアコンの送風機能について理解を深めたい方で、このようなお悩みを抱く方もいるのではないでしょうか。
エアコンの送風機能は、風を送って室内の空気を循環させる機能です。温度や湿度を調節する力はありませんが、部屋の空気を循環させたり換気したりするのに適しています。
今回は、そんなエアコンの送風機能について詳しく解説します。使用するメリットやタイミング、注意点なども触れていますので、ぜひご覧ください。
エアコンの「送風」とはどんな機能なのか
エアコンの送風機能は名の通り、風を送る機能のことです。室内の空気を吸ってそのまま室内に風を送り出すため、室内の空気を循環させるのに適しています。
温度・湿度を変化させる力はないため、サーキュレーター・扇風機と同様の使い方ができるのが特徴です。まずは、送風機能の基本的な特徴について詳しく解説します。
送風と暖房・冷房・除湿の違い
エアコンには送風機能以外にも、冷房・暖房・除湿機能などがあります。それぞれで機能に違いがあるのが特徴です。
以下の表は、それぞれの機能について特徴をまとめたものですので、ぜひご覧ください。
機能 | 送風 | 冷房 | 暖房 | 除湿 |
---|---|---|---|---|
機能 | 風を送って室内の空気を循環させる機能 | 冷風を出して室内温度を低下させる機能 | 温風を出して室内温度を高める機能 | 水分を吸い込んで室内湿度を低下させる機能 |
温度 | 基本的には変化なし | 下がる | 上がる | 下がるまたは変化なし |
湿度 | 基本的には変化なし | 下がる | 下がる | 下がる |
表をみると、それぞれの機能で違いがあることが分かります。送風機能は、他の機能と違って温度や湿度を変化させる力はなく、空気を循環させるだけの機能です。
上手な使い方に関しては後述しますので、ぜひ参考にしてください。
送風モードの電気代
送風モードの電気代を計算する場合、計算式は以下の通りです。
送風機能の電気代 = 消費電力(W) ÷ 1,000 × 電気料金単価(円/kWh)
エアコンの送風機能の消費電力は、エアコンの機種やメーカーによって異なります。本体や説明書などに記載されていますので、具体的な消費電力を知りたい方はお使いのエアコンをご確認ください。
例えば送風機能における消費電力が20Wの場合、電気代をまとめると以下の通りです。ここでは、電気料金単価に関して、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として定めた31円/kWh(2022年7月改定)を使用します。
時間 | 送風機能の電気代 |
---|---|
1時間 | 0.62円 |
8時間 | 4.96円 |
24時間 | 14.88円 |
1ヶ月(8時間) | 148.8円 |
1ヶ月(24時間) | 446.4円 |
※1ヶ月の日数を30日として計算しています。
エアコンの送風機能を使うことで得られるメリット

エアコンの送風機能に温度や湿度を調節させる力はありませんが、使うメリットはあるのでしょうか?送風機能の主なメリットは、以下の通りです。
・カビの発生予防につながる
・部屋の空気を循環できる
・電気代を節約できる
それぞれの内容について詳しく解説します。
カビの発生予防につながる
エアコンの送風機能を活用することで、エアコン内部の乾燥につながります。そのため、カビの発生を予防する効果が期待できるのがメリットです。
例えば、冷房機能を使った後は水が溜まりやすくなりますが、送風機能で乾燥させることでカビの発生予防につながります。
部屋の空気を循環できる
送風機能によって部屋の空気を循環させられます。これにより室内温度のムラをなくし、温度を一定に保って体感温度を下げる効果が期待できます。
暖かい空気は室内の上部に、冷たい空気は室内の下部に溜まる性質があります。循環させなければ、室内温度に対して「思ったよりも冷えていない・暖まっていない」と感じることもあるでしょう。
上手く送風機能を活用して、室内の空気のムラをなくし温度を一定に保ちましょう。
電気代を節約できる
送風機能は、冷房や暖房、除湿機能と比較して電気代が安くなります。風を送るだけの機能なので、消費電力が小さいためです。
例えば、送風機能を使わずに空気を循環させなければ、消費電力が大きくなって電気代が高くなる可能性があります。送風機能を上手く活用することで、効率よく部屋を冷やしたり暖めたりできるため、電気代の節約が可能です。
エアコンの送風機能を使うタイミング

エアコンの送風機能を使うタイミングは、以下の通りです。
・部屋の空気を換気・循環させたいとき
・エアコンを効率的に使用したいとき
・カビ予防の手入れをしたいとき
それぞれのタイミングについて詳しく解説します。
部屋の空気を換気・循環させたいとき
送風機能を活用することで、部屋の換気・循環が可能です。そのため、窓を開けて送風機能を活用すれば、室内の空気を効率よく換気できます。
例えば、夏の暑い部屋を冷やす場合、まずは窓を開けて送風機能を活用してみましょう。暑い空気を簡単に外に出したら冷房機能を活用するといった流れにすることで、余分な電気の消費を抑えられます。
エアコンを効率的に使用したいとき
送風機能を活用することで、空気を循環させて部屋の空気を一定に保てます。結果、エアコンを効率よく使用できるため、電気代の節約にもつながります。
とりあえず冷房・暖房機能を活用しているという方は、送風機能を上手く活用してみましょう。
カビ予防の手入れをしたいとき
エアコンを使うシーズンは、夏場や冬場、梅雨時期の湿気取りなどがあります。エアコンを本格的に使う前に、送風機能によってカビの発生予防をしておくことが大切です。
例えば、天気の良い日に半日ほど送風機能を使うことでエアコン内部が乾燥します。また、エアコンによっては内部クリーニング機能が搭載されているものもあるため、あわせてご活用ください。
エアコンの送風機能を使う上で覚えておきたい注意点
エアコンの送風機能は、上手く活用するとメリットが大きいですが、いくつかの注意点もあります。送風機能の注意点は、以下の通りです。
・設定温度は調節できない
・湿度をさげることはできない
・完全なカビ予防になるわけではないので定期的な手入れやクリーニングは必要
それぞれの注意点について詳しく解説します。
設定温度は調節できない
送風機能は、風を送る機能になるため設定温度の調節ができません。決められた室温に向けて冷やしたり暖めたりできないため、ご注意ください。
空気を冷やしたい場合は冷房、空気を暖めたい場合は暖房機能を活用しましょう。
湿度を下げることはできない
設定温度のときと同様、送風機能は湿度を下げることもできません。室内の湿気を改善したい場合は、除湿機能を活用しましょう。
除湿機能以外にも除湿器を活用する方法もあります。効率的に除湿して、部屋の湿度を下げてみてください。
完全なカビ予防になるわけではないので定期的な手入れやクリーニングは必要
送風機能を活用することでカビ発生の予防につながることはお伝えしました。しかし、完全なカビ予防はできないため、定期的な手入れやクリーニングは必要です。
エアコンの中には、内部クリーニング機能が搭載されているものもあります。定期的にクリーニング機能を使ってカビ発生を予防しましょう。また、専門業者に依頼して清掃してもらうのもおすすめです。
節約につながるエアコン送風利用テクニック

最後に、節約にもつながるエアコンの送風機能利用テクニックをご紹介します。ご紹介するのは、以下の3つです。
・冷房を効率よく効かせたいときに送風機能で効率的な排熱ができる
・「冷房だと寒いが消すと暑い」場合は送風運転がちょうどいいことも
・どの季節の部屋の換気にも最適
それぞれ詳しく解説します。
冷房を効率よく効かせたいときに送風機能で効率的な排熱ができる
1つ目のテクニックが「冷房使用前に送風機能で排熱を行う」というものです。窓を開けて、送風機能で暑い空気を外に出すことで、効率的に冷房機能を活用できます。
例えば何もしない状態で冷房する場合、暑い空気を冷やすことから始まるため、冷房の電気代は高くなりやすいでしょう。一方で、事前に電気代の安い送風機能で排熱することで、余分な消費電力の発生を防いで電気代を節約できます。
夏の暑い時期などに試してみてください。
「冷房だと寒いが消すと暑い」場合は送風運転がちょうどいいことも
夏の時期になると「冷房を付けないと暑いが付けると肌寒い」ということはありませんか?この場合は、送風機能を活用することで効率よく使える可能性があります。
少し肌寒くても暑いよりはマシだと冷房機能を使った場合、電気代の高さにつながります。一方で送風機能は電気代が安い機能なので、気軽に使えるのがメリットです。
中途半端な暑いタイミングでは、送風機能の活用をご検討ください。
どの季節の部屋の換気にも最適
エアコンの送風機能は、部屋の空気を循環させるのに適しています。そのため、季節を問わずに使いやすい機能なのが特徴です。
夏や冬でも空気を循環させて効率よくエアコンを使うのに適しています。エアコンの使用シーズンではない春や秋においても、定期的に活用することでカビ発生の予防につながるのがメリットです。
メリットを把握し、定期的にエアコンの送風機能を使いこなしてみましょう。
エアコンの送風モードを賢く使って快適に過ごそう!
この記事では、エアコンの送風機能について詳しく解説しました。エアコンの送風機能は、温度や湿度を調節する力こそないものの、上手く活用することで電気代を節約したりエアコンの効率を高めたりできます。
ほかにも、定期的に送風機能を活用してエアコン内部を乾燥させることで、カビ発生を予防できるのもメリットです。定期的に業者にクリーニングを依頼する必要はありますが、エアコンの寿命を延ばすためにも、送風機能を活用してみてください。