気持ちまで晴れやかでめでたくなるお正月。今年はたくさんの正月飾りを用意しようと考えている人や、すでに用意してたくさん飾っているという人もいるかと思います。しかし、「用意するのは簡単だけど、正月飾りはどうやって処分したらいいんだろう?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
実は正月飾りには、種類ごとにそれぞれ適切な時期があります。また処分方法についても、お焚き上げや自分でできる処分方法など、選択肢はさまざまです。
今回は正月飾りの正しい処分方法について、地域による違いや具体的な手順、よくある疑問まで詳しく解説していきます。
正月飾りはいつからいつまで飾る?
正月飾りは、種類ごとにそれぞれ飾るための適切な期間があります。
一般的に、クリスマスの終了後、26日頃から飾り始める家庭が多いようです。末広がりの「八」という意味合いから、12月28日から飾られる家庭もあります。
今回は、以下の正月飾りについて、飾る意味やタイミングを解説していきます。
・門松・しめ飾り
・鏡餅
・破魔矢(はまや)
それぞれみていきましょう。
門松・しめ飾り

門松は、年神様を迎える際に目印となるものとして飾ります。そのため、門の前や玄関など家の入口に当たる場所に飾るお宅が多いでしょう。
またしめ飾りは、神域と現世を隔てる結界の役割があるとされています。訪れた年神様が家の中に入って来れるよう、こちらも玄関に設置することが一般的です。
これらの正月飾りは、一般的に「松の内」と呼ばれる期間が終了したら処分します。松の内の最終日は地域によって異なり、関西地方は1月15日、関東地方では1月7日までとされています。お住まいの地域の風習を確認してみましょう。
鏡餅

鏡餅は、神様に捧げる神聖な食べ物として飾られます。神棚や床の間などに飾り、鏡開きの日に割って食べるとされています。鏡開きは「新しい年を開く」という意味が込められた大切な行事であり、包丁ではなく木槌で割ることが伝統的です。
鏡開きの日程は、以下のように地域差があります。
・関東地方では1月11日が一般的
・関西地方では1月15日または20日まで飾ることが多い
鏡開きの際は、年神様への感謝の気持ちを込めて丁寧に行います。最近では、取り扱いやすい個包装の餅が入っている鏡餅も増えてきました。ご家庭の状況に応じて選択するとよいでしょう。
破魔矢

破魔矢(はまや)は、お正月だけでなく一年を通してずっとご利益があると考えられています。その年の厄除けや開運のお守りとして、来年の正月まで飾っておくことができるのです。玄関や神棚、家族団らんのスペースなどに飾るとよいでしょう。
ただし、同じ破魔矢を飾っておけるのは、「長くても1年まで」とされています。1年間飾ったら処分し、新しいものに交換しましょう。
正月飾りの処分を神社にお願いする場合の流れ

正月飾りの処分方法として最も丁寧な手段が、神社へ持ち込んで納める方法です。神社では、どんど焼きやお焚き上げなどの方法で、正月飾りを丁寧に処分してくれます。どんど焼きを利用する方法と、それ以外の方法を具体的にみていきましょう。
どんど焼きに持っていく
神社や地域の行事として行われる「どんど焼き」に持っていくと、正月飾りを燃やしてくれます。地域によって異なりますが、毎年1月中旬、1月15日ごろにどんど焼きが行われるところが多いでしょう。
どんど焼きでは、わらや青竹でやぐらを組み、持ち寄られた正月飾りや縁起物を一緒に燃やします。縁起物を火の力で清めることにより、無病息災・家内安全など新年の幸せを願うという意味があります。
またどんど焼きは、神社以外にも小学校のグラウンドなどで行われることも。お住まいの地域ではどこで行われているのか、処分したい正月飾りはどこで回収されるのかなどの情報を調べてみましょう。
どんど焼きに間に合わなかった場合
近所でどんど焼きが行われなかったり、正月飾りの処分をどんど焼きの日程に合わせられなかったりした場合でも、神社でお焚き上げを依頼することができます。
小さなサイズの正月飾りであれば、神社に設置されている「古札入れ」に入れればお清めした後にお焚き上げしてもらえます。古札入れはお札やお守りを返納する場所であり、「古神札納所」という名前で設置されていることもあるでしょう。時期を問わず返納を受け付けている神社が多く、基本的にお正月飾りも返納可能です。
どんど焼きに持ち込めなかった場合はこちらを利用しましょう。事前に神社に受付時間や場所などを確認してから持ち込むのがおすすめです。
正月飾りの処分を業者に依頼する場合の流れ
どんど焼きや神社への持ち込みが難しい場合には、自宅で処分するか、専門の業者に依頼することになるでしょう。
とくに門松やサイズの大きな鏡餅などの大きな正月飾りは、自分で処分することが難しい場合もあります。不用品回収業者なら、正月飾りの処分も正しく行ってくれます。
正月飾りを不用品回収業者に依頼する場合のポイント
不用品回収業者に正月飾りの販売を依頼する際には、押さえておきたいポイントがあります。
・処分の日程
・処分にかかる費用
・信頼できる業者かどうか
家庭ごみとして自治体のゴミ回収時に処分する場合にはお金はかかりませんが、不用品回収業者に回収を依頼すると、料金が発生します。業者により料金が異なるため、処分したい正月飾りの大きさや重さも踏まえ、見積もりを依頼しましょう。
なかには回収費用と処分費用を別に請求するような悪質な業者もあるため、依頼をする際には信頼できる会社かどうか事前の確認が必要です。
また、不用品回収業者の中には即日対応を行っているところもあるので、処分の日程もしっかりと確認しておきましょう。
正月飾りを自分で処分する場合の流れ
神社や回収業者に依頼せず、自分で正月飾りを自分で処分する場合の処分方法についてもみていきましょう。
自分で処分する場合も、感謝の気持ちを持って扱うことが大切です。お清めを行ってから処分する手順を簡単に紹介します。
①正月飾りを白い布や新聞紙の上に置く
処分したい正月飾りを大きく広げた白い布や半紙、新聞紙の上に置きましょう。
②塩を振る
正月飾り全体に塩を振ります。正月飾りの右・左・真ん中の順番に塩を振る方法もあります。
③正月飾りを包む
最初に広げた白い布や半紙、新聞紙で正月飾りを丁寧にくるみましょう。
④ゴミ袋に入れて処分する
包んだ正月飾りは、普通のゴミとは別のゴミ袋に入れて処分します。
地域のゴミ回収に出す際には、お住まいの地区の分別方法に応じて分別する必要があります。金属やプラスチックの装飾がついている正月飾りの場合には、塩でお清めをした後、正月飾りを包む前に、素材ごとに分別しておきましょう。
正月飾りの処分に関するよくある質問

ここからは、正月飾りの処分に関するよくある質問に回答します。
お清めせずに処分しても問題ない?
自治体のゴミ回収に出す場合、お清めをせずに処分してもとくに問題はありません。
ただし、正月飾りは1年の始まりを迎えるための縁起物であるため、感謝の気持ちを込めて取り扱うようにしましょう。簡単でもよいので、可能な範囲でお清めを行うことをおすすめします。新しい年への気持ちの切り替えにもつながります。
正月飾りを来年に使い回すのは問題ない?
正月飾りの使い回しは、基本的に避けた方がよいとされています。
正月飾りは年神様をお迎えするための目印として飾ります。同じものを使い回すことは、神様への失礼にあたるとされているのです。縁起物としての意味を考えると、新しいものを用意するのが理想です。
ただし、近年ではインテリアの一環として使用される正月飾りも出回っています。インテリアを目的に飾るのであれば、松の内に取り外し、翌年のお正月の時期に再度飾るケースもあります。
自宅でお焚き上げしてもよい?
自宅でのお焚き上げは、安全面から推奨されません。自宅敷地内であったとしても、物を燃やすことは野焼きに該当します。
野焼きは法律で禁止されています。お焚き上げをしたい場合には、神社やどんど焼きを利用するようにしましょう。
良い一年にするために正月飾りは正しく処分しよう
今回は、正月飾りの処分方法について解説しました。
正月飾りの処分方法には、神社でのお焚き上げ専門業者への依頼、自己処分など、さまざまな選択肢があります。ライフスタイルに合わせて最適な方法を選びましょう。
また、正月飾りは、私たちに幸せな新年の始まりをもたらしてくれる縁起物です。処分の際は感謝の気持ちを忘れず、丁寧に扱って、気持ちよく新年のスタートを切りましょう。