毎日着る衣類の収納で「何が正解なの?」と悩まれたことはありませんか。あちこちに脱ぎ散らかされた服に、モヤモヤしてしまうこともあるでしょう。
片付けやすい家を作るためには、衣類はハンガーに吊るして収納するのがおすすめです。しかし、ハンガーがたくさん必要になったり、ハンガー同士がからまって、取り出すときにイライラしたりするかもしれません。
今回はハンガーを使って衣類収納をするときのポイントと、ハンガー自体を上手に収納する方法について解説します。
ハンガー収納のメリット

衣類をハンガーに掛けて収納することには、さまざまなメリットがあります。まずは、そのメリットをいくつかご紹介するので、ご自身のおうちでも取り入れられそうかをイメージしてみましょう。
服を可視化して整理できる
メリットの一つ目は、ハンガー収納にすることにより、自分がどのような服を持っているのかが一目で分かることです。
タンスの引き出しにしまうと、奥のほうに押し込まれた服が見えなくなります。一般的によく着る服は手前に置くので、あまり着ない服は奥へと押し込まれ、さらに使用頻度が下がってしまいます。まさに「タンスの肥やし」状態になってしまうのです。
その点、すべての服を吊り下げると手持ちの服が一律に見やすくなり、自分がどのような服を持っているのかが一目瞭然になります。
服選びがスムーズになる
「服はたくさん持っているのに、着たい服が見つからない」という経験はないでしょうか?その原因は、自分がどのような服を持っているのか分かっていないことにあります。すべての服を可視化すると、どのような服を持っているのかが一目で分かるようになるため、服のコーディネートを簡単に組むことが可能です。
ハンガー収納にして、所有している服を把握することが大切です。
収納用の家具を買わなくても良い
タンスや衣装ケースなどの家具を買わなくて良いことも、ハンガー収納のメリットです。クローゼットのあるお部屋であれば、服以外のものも収納でき、お部屋がすっきりします。
洗濯からすぐに収納でき、家事が時短になる
ハンガーで衣類を収納することは、家事をするうえでも利点があります。洗濯物を干した状態のまま、クローゼットに移動させて引っ掛けるだけで良いので、たたむ手間が省けます。
広い空間にスペースが確保されているウォークインクローゼットは、収納力が抜群です。干した服をウォークインクローゼットに持っていけば、服の収納が完了します。洗濯を手早く済ませたいと考えるのなら、そういったお家を選ぶこともおすすめです。
服がシワにならない
服を吊り下げて収納することで、折ジワやたたみジワができにくくなります。服の素材にもよりますが、アイロンの手間が省けるのも嬉しいポイントです。
ハンガー収納をするうえで気をつけたいポイント
ハンガー収納では、気をつけておくべきポイントもいくつかあります。服のイメージを壊してしまったり、家族が使いにくくて、余計に散らかる原因になったりするので、ぜひ意識してみてください。
ハンガーに向かない衣服は避ける
ハンガーで収納に向いていない衣服の代表格は、ニットです。伸縮性のあるニットの特性上、ハンガーに掛けると重みで生地が引っ張られ、型崩れしやすくなってしまいます。さらに、首がつまっているようなデザインだと、ハンガーに掛ける際に伸ばさなくてはならず、形が変わってしまう原因になります。

ニットをハンガーで収納する際は、ハンガーに巻き付けるようにするか、たたんで収納するようにしましょう。
家族の身長に合わせて掛ける高さを決める
ハンガーに掛けて服を収納する場合、家族の身長に合わせて、引っ掛けるポールの高さの配慮が必要です。一般的なクローゼットのポールは床から1.6m~1.7m程度ですが、小さいお子さんには手が届きません。
お子さんが自分で自分の服をしまうことは自立にもつながるので、ぜひお子さんが届く高さにポールを設置してほしいところです。今は2段になっているハンガーパイプや、ブランコのようにポールをぶら下げられる商品もあるので、そういったものを活用し、家族全員が使いやすい収納を作ることがおすすめです。
ポールの耐荷重を確認する
ハンガーを掛けるポールの太さは、直径25mm~32mmが一般的です。ハンガー収納を使ったシステム収納を販売しているメーカーによると、25mmのパイプを使っている場合、耐荷重は20kgとなっています。
ハンガー収納は便利ですが、あまりたくさんの服を引っ掛けると、パイプの「まがり」や「たわみ」の原因になるので、注意しましょう。
ハンガー同士がからまらないように工夫する
ハンガーで衣類を収納するようになると、必然的にハンガーの数が多くなります。使わないときに、ゴチャッとハンガーをしまってしまうと、ハンガー同士がからまり、取り出すときにほどく手間がかかります。からまらないように、小分けに収納するなどの工夫をしてみましょう。
専用のハンガーを使う
Tシャツやブラウスなどのトップスは一般的な三角形のハンガーで大丈夫ですが、ボトムスや帽子、ベルトなどのファッション小物には専用のハンガーを使うのがおすすめです。
ボトムスハンガーは、ウエスト部分をクリップで挟むタイプや、長さを半分に追ってぶら下げるタイプなどがあり、どちらもボトムスの形をきれいに保ったまま保管できます。
さらに帽子やベルトも、専用のハンガーを使えば型崩れを防ぎつつ収納できます。ただ、ファッション小物まで吊り下げ収納にしようとすると、かなりのスペースが必要です。自宅の収納スペースの様子を見つつ、保管方法を決めていくことがポイントです。
収納上手になるために!おすすめしたいハンガーの種類

ハンガー収納をするために、おすすめのアイテムをいくつかご紹介します。
マワハンガー
マワハンガーは、ハンガー収納をしている人が必ず持っていると言っても過言ではないほど知名度が高いです。PVC樹脂で特殊コーティングが施され、掛けた洋服が滑り落ちないようになっているので、サラサラとした生地の服や、肩紐の細い服もずり落ちることなく吊るせます。
さらに、曲線形のフォルムが服の形をきれいに保ったまま吊り下げられ、厚みも薄いので、省スペースでたくさんの服を収納することが可能です。トップス用やボトムス用などさまざまな種類があるので、おうちのハンガーをすべてマワハンガーでそろえている根強いファンもいます。
・エコノミック40
価格例:440円/本(2024年12月現在)
商品HP:https://www.mawa-shop.jp/
無印良品 アルミ洗濯用ハンガー
収納用品でも数々の人気商品を販売している、無印良品のハンガーも使い勝手が抜群です。軽くてスリムなハンガーは、シンプルな作りでありながら、肩部分にやさしくフィットするよう設計されています。
さらにアルミ製で頑丈なので、屋外で使用しても劣化しません。洗濯後に干して、そのままクローゼットにしまえる便利な使い方ができます。
価格例:390円/3本(2024年12月現在)
ピンチハンガー
靴下やハンカチなどの小物類を干すときには、ピンチハンガーが便利です。こちらの商品は伸縮できるため、省スペースで活用できます。たくさん干すときは60個のピンチを使用でき、少しだけで良いときは使わない部分を折りたたむと、狭いスペースでも使用可能です。
使わないときは、18cmの幅にまで縮ませられるので、ハンガー自体の収納にも困りません。
価格例:3,480円/60ピンチ(2024年12月現在)
商品HP:https://item.rakuten.co.jp/kainan-zakka/24686/
スラックスハンガー
ボトムスには専用のハンガーを使用したほうが良いと前述しましたが、こちらのようなハンガーを使うと、省スペースかつ型崩れせずにボトムスを収納できます。ハンガー自体がスイングする構造なので選びやすく、取り外しもでき、取り出しが簡単です。
「しまうのが面倒で服が山積みになっている…」というような悩みも解決してくれる、便利なアイテムです。使い方次第では、タオルやベルトなども吊るせるので、さまざまな用途に対応できます。
価格例:5,300円/20本掛け(2024年12月現在)
伸縮収納力アップ2段ハンガー
ハンガーパイプに吊り下げると、低い位置にも服が掛けられる優れものです。収納力がアップするうえに、子どもでも届きやすい位置にハンガーを掛けられるので、子ども部屋にもおすすめです。
伸縮するので、幅をクローゼットに合わせて変えられるだけでなく、高さも調節できます。ワンピースやコートを掛けたり、子どもの成長に合わせて高さを変えたりと、変幻自在です。
価格例:2,992円(2024年12月現在)
商品HP:https://item.rakuten.co.jp/roomy/ymz22oct17h01/
【注意!】使ううえで注意が必要なハンガー
便利なハンガーがたくさんあるものの、一本のハンガーにいくつも引っ掛けられるようなタイプのハンガーには注意が必要です。
ベルト用・帽子用・バッグ用によく見られるタイプで、たくさん掛けられるという利点の反面、掛けすぎて重くなってしまいます。その結果、下に掛けられたものは重みで潰され、型崩れの原因になり、取り出しにくくなります。無理にいくつも掛けず、すべてが目に入る程度の数にとどめておきましょう。
整理収納アドバイザー直伝!ハンガーを使った収納実例5選

ハンガーを使った収納には、クローゼットで服を掛ける以外の方法もたくさんあります。上手く活用することで効率的にものを収納できるので、詳しく紹介します。
浴室で使うグッズをハンガー収納にする
浴室で使うシャンプーやトリートメント、ボディタオルをハンガー付きのバスケットに入れて、浴室内に吊るしておくと、余分な水分を落としてカビやヌメリを防げます。浴室内はどうしても湿気が多く、床や棚に置いておくと、底面がヌメる原因になります。吊り下げ収納にすることで、いつでも衛生的に浴室グッズを使うことが可能です。
季節に合わせてアウター掛けを作る
アウターが必要な季節には、玄関に即席でアウター掛けを作ることがおすすめです。扉に引っ掛けるタイプのフックなどを使えば、靴箱を利用して即席アウター掛けが完成します。家に帰ってきたらすぐに掛けられるので、家の中でアウターが散らかることを防げます。
寒い季節はもちろん、花粉の季節にはアウターについた花粉を家の中に持ち込むことも、防止することが可能です。
毎日使うバッグはフックに掛ける

使うバッグが決まっているのなら、ハンガーやフックに掛けておくと、出し入れする手間が省けます。帰ってきたら必要なものだけを取り出し、バッグはハンガーに掛けます。次回使うときもハンガーに掛けておくと、サッと持ち出すことが可能です。
玄関の近くや部屋に入るまでの壁など、帰宅時に必ず通る動線の途中に設けておくと、毎回違う場所に置いてしまうこともなくなるでしょう。
洗濯バサミを挟んで収納する
ハンガーの相棒ともいえる洗濯バサミは、ハンガーに挟んで収納しておくのが正解です。バラバラになりがちですが、一箇所にまとめておくことで、いつでも取り出しやすくなります。そのうえ、ハンガーとセットにしておくことにより、洗濯時にあちこち取りに行かなくても良いので、家事も時短になるでしょう。
バッグは布製のハンガー収納を使う
型崩れを防ぎつつ、きれいに収納するには、布製の吊り下げ収納が最適です。棚のように分かれているので、数が多くても見やすく、重ならないので取り出しも簡単です。布だと柔らかく、バッグを傷つけることもありません。吊り下げられるため、棚を置くよりも省スペースです。
ハンガーでの収納が捗るプラスアルファのグッズ6選

本来ハンガーを掛けられない場所でも、便利なアイテムを使うことで、ハンガー収納として使えます。吊るすことにより、デッドスペースだった場所があっという間に収納スペースになるので、取り入れてみてください。
tower スリムコートハンガー
玄関にアウター掛けを設けることをお伝えしましたが、「コート掛けを置くスペースがない!」という方もいらっしゃるかもしれません。そのような方にもおすすめなのが、towerのスリムコートハンガーです。立て掛けるだけで、好きな場所にコート掛けを設置できます。
スリムな見た目ながら、耐荷重は5kgと数着ならばしっかりと支えてくれます。フックもあるので、帽子やマフラーなども一緒に引っ掛けることが可能です。
価格例:3,960円(2024年12月現在)
商品HP:https://www.yamajitsu.co.jp/product/item/00250/
smart 折りたたみドアハンガー
ドアを収納スペースに変えてしまう、便利なドアハンガーの活用もおすすめです。6箇所のくぼみがあり、コートの一時置きや、室内干しとしてちょっと使いたいときにも便利です。使わないときは、収納できる機能もついています。
価格例:1,650円(2024年12月現在)
商品HP:https://www.yamajitsu.co.jp/product/item/00335/
マグネット洗濯ハンガー収納ラック
洗濯機にマグネットをつけられることはご存知ですか?この特徴を活かして、収納スペースを作れるのがこちらの商品です。D型のフックは縦に使うことで、ハンガー掛けになります。横に使えば、バスブーツや掃除ブラシなど、洗面所に置きたいものを一括に収納できます。
価格例:1,870円(2024年12月現在)
商品HP:https://www.yamajitsu.co.jp/product/item/00200/
壁につけられる家具フック
無印良品の壁につけられる家具フックは、専用の部材を使用して好きな場所にフックをつけられる人気商品です。工具は不要なので、誰でも簡単に取り付けられます。小さな穴を開けるだけで良いため、賃貸でも気にせずに設置することが可能です。木目柄なので、インテリアにも馴染みます。
価格例:990円(2024年12月現在)
商品HP:https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550182944853
押入れ便利ハンガー
押入れが使いにくいと悩んだことはないでしょうか。奥行きの深い押入れは、現代の生活ではなかなか活用が難しいスペースです。ニトリから販売されている「押入れ便利ハンガー」を使えば、奥行きを活かした収納スペースとして使えます。
ハンガーが10本まで掛けられ、スライド式で引き出すことにより、奥の服まで取り出しやすいという仕組みです。押入れをクローゼットのように使いたい方におすすめしたい、まさにお値段以上の商品です。
価格例:903円(2024年12月現在)
収納力アップハンガー
ウォークインクローゼットのあるお家におすすめなのが、収納力をグンとアップしてくれるこちらの商品です。ハンガーパイプに引っ掛けることで、服を段違いに引っ掛けられ、収納力が1.5倍にアップします。空いたスペースにはほかのものを収納できるなど、ウォークインクローゼットの収納力を存分に活かしてくれる商品です。
価格例:35.5cm 2本組 1,980円(2024年12月現在)
商品HP:https://item.rakuten.co.jp/livingut/292247/?scid=af_pc_room_pc_id_offi&sc2id=af_101_0_0
ハンガー自体を収納する際のポイント

便利な使い方がたくさんあるハンガーは、ハンガー自体の収納方法も工夫しておくと、さらに使い勝手がアップします。むしろ上手く収納しないと、ハンガー同士がからまったり、散らばったりして、ストレスが溜まってしまいます。
いくつか収納方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
仕切りで分けて収納する
一箇所にゴチャッと突っ込んでしまうと、からまって取り出しにくくなってしまいます。仕切りを使って、数本ごとに分けておくことがおすすめです。
例えば無印良品の「スチロール仕切りスタンド」は厚みが薄いので、寝かせて使うことで、3種類のハンガーを仕切って収納できます。幅広サイズを使うとスペースに余裕ができ、出し入れも楽でしょう。
価格例:990円(2024年12月現在)
バーにぶら下げて収納する
バーにぶら下げて使うハンガーは、収納もバーにぶら下げると便利です。一番メジャーなのは、100円ショップに売られている突っ張り棒に吊り下げる方法です。中にはハンガー専用の収納バーが販売されていることもあります。
錆びにくいステンレス製のバーは、洗面所でも使いやすいです。掛けられる本数は少なめですが、シンプルにハンガーを収納したいというときに取り入れたい方法です。
グッズを使って収納する
ハンガーの数が多くないのであれば、バスケットやファイルボックスに入れてしまうのもおすすめです。一箇所で管理できるので、散乱することもなく、家の中が散らかることを防止できます。ポイポイ放り込むだけなので、ズボラさんにもおすすめの収納方法です。
洗濯機の近くに収納する

ハンガー収納は収納場所も重要で、一番おすすめなのは洗濯機の上です。なぜなら洗濯から仕上がった服を、洗濯機の前に立ったままどんどん掛けていけるからです。洗濯が終われば、移動距離0で洗濯物を掛けられます。
ハンガー収納を活用して、お部屋をすっきりさせ、服選びの楽しくなるクローゼットにしよう
ハンガーを上手く活用することで、衣服だけでなく、さまざまなものを収納できます。通常ならば、デッドスペースとなってしまう空中の空間を活用できることが、ハンガー収納の特徴です。また、目の高さに収納しているものがあることで、持ちものの把握ができることもポイントです。
ぜひハンガー収納を活用しながら、すっきりと片付いたお家作りをしてみてください。