「障子の張り替えをしないといけないけど自力だと難しそう…」と思っている人は多いことでしょう。実際、やってみると破れたりずれてしまったりと、失敗するケースも少なくありません。
そこで今回は、障子の張り替えのタイミングや正しい手順、失敗しないコツについて解説します。コツをつかめば誰でもキレイに張り替えられるようになります。ぜひチャレンジしてみてください。
障子を張り替えるべきタイミング
障子の張り替えは、ひと昔前は「年に1度」が一般的でした。しかし現在では、障子紙の品質も向上し、以前よりも長持ちするようになっています。 一般的には3〜5年程度を目安に張り替える方が多いようです。
では具体的に、どんなタイミングで障子の張り替えを検討すべきなのでしょうか。見た目や機能面から判断するポイントを紹介します。
穴・やぶれがある
障子は光を通す素材であるため、穴が開いたりやぶれたりすると、その部分から差し込む光が気になるようになります。障子の穴を隠すための補修グッズも販売されていますが、一部だけ厚さが違ったり違う色・素材の紙が張られていたりすると、汚く見えてしまうことも少なくありません。
とくに来客時には、穴やテープで補修した跡が相手の目に入り、恥ずかしい思いをするかもしれません。障子に穴ややぶれを見つけたら、早めに張り替えることをおすすめします。
たるみが気になる
障子紙は、湿気や乾燥により伸び縮みを繰り返します。それに伴い、徐々に障子紙がたるんでくることがあるのです。
たるんだ障子紙は見た目が悪いだけでなく、風が吹くとパタパタと音がしたり、開け閉めの際に引っ掛かったりと、機能面でも問題が起きる場合も。気になるたるみが出てきた場合には、張り替えを検討しましょう。
日焼けで変色している
障子紙は貼ってから時間が経つと日光にさらされて劣化し、変色することがあります。とくに南向きの部屋や日当たりの良い場所の障子は、黄ばみや変色が見られやすくなります。「以前よりも障子が黄ばんできたな」と感じたら、張り替えを検討するタイミングです。
初心者でもできる！障子の張り替え方法
障子の張り替えは、むずかしいと感じて敬遠される方も多いでしょう。しかし実際には、正しい手順さえ理解すれば初心者でも十分にチャレンジできる作業です。
障子紙には両面テープタイプ、のりタイプ、アイロンを使うタイプなど様々な種類があります。自分に合った方法を選んで、以下の手順で張り替えに挑戦してみましょう。
用意するもの
障子の張り替えを始める前に、必要な道具を揃えて準備しましょう。 用意するものは以下のとおりです。
・新しい障子紙（使う方法に合ったタイプを選びましょう）
・障子紙はがし剤（水で代用可能）
・障子用のりとハケまたは両面テープ
・アイロン（アイロン接着タイプの障子紙を使用する場合）
・カッターナイフ
・定規
・スポンジまたは雑巾
・マスキングテープ（仮止め用）
・はがし用ヘラ（なくても可）
・ビニールシートや新聞紙（床の汚れ防止用）
今回は、のりを使った方法を具体的に紹介します。
①古い障子紙を剥がす
まず、古い障子紙を丁寧に剥がしていきます。のりで貼られた一般的な障子紙の場合は、スポンジや雑巾に水を含ませて、のり付けされた桟（さん）の部分を十分に湿らせます。市販の剥離剤を使用する場合は、桟に剥離剤を塗って数分待ってから剥がしましょう。
古い障子紙をすべて剥がしたら、桟に残った紙やのりをヘラやスポンジ、ぞうきんでキレイに取り除きます。キレイに取り除けない場合は、サンドペーパーで削るとよいでしょう。
湿らせた桟は、直射日光の当たらない場所でしっかりと乾かします。
②新しい障子紙を貼る場所を決める
障子本体が乾いたら、新しい障子紙を貼る準備を始めます。
まず、障子を平らな場所に置きましょう。新しい障子紙の表裏を確認し、接着面を間違えないように置きます。障子紙は巻きグセがあるため、あらかじめ広げたり逆巻きしたりして、巻きグセを取っておくとスムーズに作業できます。
マスキングテープで仮止めをしたあとは、障子紙を一度広げて桟と平行になっているかどうかを確認しておきましょう。
③のりをぬる（両面テープをつける）
障子紙を貼る位置が決まったら、仮止めした方に巻き上げ、桟にのりを塗っていきます。
のりを塗る際のポイントは、一度にすべての桟に塗るのではなく、「半分ずつ」「3分の1ずつ」など少しずつ丁寧に塗っていきましょう。また、床を汚さないようにその下に新聞紙やビニールシートを敷いておくと安心です。
④障子紙を貼る
のりを塗ったら、乾かないうちに障子紙を貼っていきましょう。仮止めした部分から障子紙をゆっくりと転がしながら、桟に沿って貼っていきます。このとき、障子紙にたるみができないよう、軽く引っ張りながら貼り付けることがポイントです。
⑤余分な障子紙を切り取る
障子紙を貼り終えたら、枠からはみ出た大事な部分をカットして仕上げます。カットには障子紙専用の定規を使うと便利ですが、普通の金属製の定規でも代用できます。
また、使用するカッターは新しい刃を使うようにしましょう。スムーズにカットしやすくなります。
障子をキレイに張り替えるポイント
障子をキレイに張り替えるポイントは、以下のとおりです。
・雨の多い時期に張り替える
・ハリが足りない場合は霧吹きで濡らす
それぞれ見ていきましょう。
雨の多い時期に張り替える
障子の張り替えには、雨の日やその翌日など、比較的湿気が高い日がおすすめです。
紙には、湿気を吸って膨張し、乾燥すると縮むという特性があります。湿度の高い日に張り替えると、作業中は障子紙が湿気を含んで少し膨張した状態になります。その後、乾燥する過程で紙が引き締まり、ピンとした美しい状態に仕上がるのです。
ただし、湿度が高すぎると、古い障子紙を剥がした後の木枠が乾きにくくなるという点には注意が必要です。
ハリが足りない場合は霧吹きで濡らす
障子紙を貼り終えた後、乾燥させてみるとたるみが残っていることがあります。その場合は、張り終えた障子紙に霧吹きで軽く水を吹きかけてみましょう。紙が水分を吸収して一度膨張し、その後乾燥させることで、ピンとした張り具合に仕上がります。
とくに乾燥している季節や、予想以上にたるみが出てしまった場合は、ぜひ試してみてください。
専用のアイテムを使う
専用のアイテムを活用すると、障子紙の張り替えがより美しく、より簡単になります。
おすすめ商品：障子紙用カット定規
商品URL：https://www.asahipen.jp/products/view/16133
障子用のカット定規は、枠に沿って正確にカットできるように設計されているため、誰でも失敗せずにキレイに仕上げられます。
おすすめ商品：ワンタッチ障子のり
商品URL：https://www.asahipen.jp/products/view/07813
専用のりは適度な粘着力があり、作業がしやすいだけでなく、乾いたときの仕上がりも美しくなります。ハケを使用せずに塗れる仕様になっており便利です。カビ予防の効果も期待できる成分が入っています。
障子の張り替えが億劫だと感じたら？
障子の張り替えは、住まいのメンテナンスとして大切な作業ですが、「面倒そう」「時間がない」と億劫に感じる方も多いでしょう。ここでは、障子の張り替えが億劫に感じたときの解決策を紹介します。
プラスチック製の障子紙を使う
障子の風合いを残しつつ、頻繁な張り替えの手間を省きたい方には、プラスチック製の障子紙がおすすめです。プラスチック製の障子紙には以下のようなメリットがあります。
・丈夫で手間がかかりにくいため、貼り替え頻度を大幅に減らせる
・障子本来の明るさや風合いは維持できる
・気密性が高く、冷暖房の効きが良くなる
・UVカット効果のある商品もあり、日焼けによる家具や畳の保護ができる
・水拭きができるため、お手入れがしやすい
プラスチック製の障子紙は一般的な和紙より高価ですが、メリットを考えると、コストパフォーマンスに優れています。
おすすめ商品：のり貼り超強プラスチック障子紙
商品URL：https://www.asahipen.jp/products/view/10820
張り替え方法は一般的な障子紙と同様ですが、シワになりにくく扱いやすいため、初心者でも比較的失敗が少ないことが特徴です。
業者に依頼する
障子の張り替えをする時間がない、または自信がないという方は、専門業者に依頼することも選択肢です。慣れない作業に時間をかけて、結局満足できなかったり、失敗してもう一度障子紙を購入したりする負担を考えると、最初からプロに任せていれば安心でしょう。
プロは効率よく作業を行うため、自分で行うよりも短時間で美しく仕上げてくれます。費用はかかりますが、美しい仕上がりと時間の節約を考えると、検討する価値はあるでしょう。
業者に障子の張り替えを依頼した際の相場
障子の張り替えを業者に依頼する場合の費用は、一般的には1枚あたり3,000円〜8,000円程度です。この価格は地域や業者によって差があり、また障子紙の種類や作業内容、大きさなどの要素によっても変動します。
依頼前に複数の業者から見積もりを取り、価格や作業内容を比較検討するとよいでしょう。
賃貸物件で障子が破れてしまったら？
賃貸物件にお住まいの方の障子が破れてしまった場合、対応に悩まされることも多いでしょう。賃貸物件における障子などの建具や壁紙、床などの修繕については、契約書に詳細が記載されていることがほとんどです。契約内容は物件や貸主によって異なるため、まずは自身の契約書を確認することが大切です。
基本的なルールとしては、借主の責任で障子を破ってしまった場合、修繕費用は借主の負担となります。たとえば、「子どもが遊んでいて誤って障子に穴が空いてしまった」「ものが引っ掛かって破れてしまった」などのケースが挙げられます。
一方、障子が日に焼けて色が変わってきたなどの経年劣化の場合は、貸主が費用を負担することが一般的です。通常の使用による劣化については、貸主側の責任となるためです。
判断に迷う場合は、早めに管理会社や管理人に相談することをおすすめします。状況を正直に伝え、対応について相談しましょう。
賃貸でふすま・網戸が破れた場合の対応
障子だけでなく、ふすまや網戸が破れた場合も、基本的な対応の流れは同じです。
まずは管理会社や管理者に報告し、修繕方法や費用負担について確認しましょう。とくに網戸については、物件によって扱いが異なる場合があります。
網戸を「消費品」として扱う物件では、借主の負担で修理や交換を行うケースが多いでしょう。その場合は、自分で張り替えを行うか、自身で専門業者に依頼することになります。
いずれの場合も、退去時のトラブルを避けるため、修理前に管理会社に相談し、写真を撮るなど記録を残しておくことをおすすめします。また、修理後の状態についても報告しておくと安心です。
コツを踏まえて障子の張り替えにチャレンジ！
今回は、障子の張り替えのタイミングや正しい手順、失敗しないコツについて解説しました。
障子の張り替えは少し手間がかかりますが、手順を踏まえれば誰でも挑戦できる作業です。 穴やたるみがある障子を自分の手で新しくすることで、和室の印象がよりよくなります。
ぜひこの記事を参考に、障子の張り替えにチャレンジしてみてください。
