「コンセントカバーの交換は自分でもできる?賃貸でも可能?」「カバー交換の手順や必要なもの、注意点も教えてほしい」…今住んでいる部屋のコンセントカバーに不満を抱いている方の中には、このようなお悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。
コンセントカバーの交換は自分でおこなえます。ただし、第二種電気工事士の資格が必要になる範囲を把握しつつ、安全面に徹底して作業することが大切です。
この記事では、コンセントカバーの交換方法について詳しく解説します。ほかにも、注意点や業者に依頼したほうがよい場合なども電気のプロ視点でご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コンセントカバーとは?
コンセントカバーとは、コンセント本体の周囲に取り付ける保護部品です。以下のような役割を持ちます。
・コンセント本体をホコリや湿気、サビなどの劣化から守る
・壁にあいた配線用の穴やすき間を隠し、見た目を整える
コンセントは、コンセントの本体と取付け金具で構成されていますが、カバーが装着されていないと壁とのすき間や金属部分(取付け金具)がむき出しになり劣化につながる恐れがあります。
また、見栄えや漏電時の感電防止のリスクを抑える観点でもコンセントカバーの設置は重要です。ほかにも、子どもやペットが触れないようコンセントの上から追加で付ける用のカバーもあります。
コンセントカバーはDIYで交換可能?

デザインが気に入っていない、部屋と調和が取れていない、老朽化が気になるなどの理由でコンセントカバーを交換したいと考える人は少なからずいらっしゃいます。ここからは、自分でコンセントカバーを交換できるのか、という点をチェックしていきましょう。
自分で交換できるケースとできないケース
コンセントカバーを含め、電気系のDIYをするとなると第二種電気工事士の有無が影響してきます。ただ、結論から言うとコンセントカバーの交換は、基本的に第二種電気工事士の資格がなくても可能です。
ただし、交換対象が「カバーのみ」であることが条件であり、コンセントの内部(本体)を工事する場合は資格が必要となります。電気工事士法にて無資格での作業は法律で禁止されているため注意しましょう。
カバーにヒビが入っている、黄ばみが気になるなどの理由であれば、自分で安全に交換できます。
コンセントカバーをDIYで交換するメリット・デメリット
以下の表は、コンセントカバーをDIYで交換するメリット・デメリットをまとめたものです。
メリット | デメリット |
---|---|
・工事がかからない ・見た目を気軽に変えられる | ・失敗のリスクがある ・火災の危険性がある |
コンセントカバーをDIYで交換する場合、工事業者への依頼が不要なので費用が節約できます。また、自分のタイミングで気軽に見た目を変えられるのもメリットです。
一方、自分でDIYすると失敗のリスクを伴います。失敗すると追加で費用が生じる可能性だけでなく、火災につながる恐れもあります。深いカスタマイズをする場合は業者に依頼し、簡単にコンセントカバーを取り換える場合はDIYにするというような工夫が大切です。
市販されているカバーの種類と選び方
市販のコンセントカバーには、以下のように種類があります。
・標準型(プレート1枚)
・ダブルタイプ(2口)
・スイッチ一体型
・防水カバー付き
選ぶ際は、現在取り付けられているコンセントの形状に合ったものを確認しましょう。見た目を重視する場合は、カラーや素材にも注目してみてください。
コンセントカバーを自分で交換する場合の流れ
続いて、コンセントカバーを自分で交換する場合の流れについて解説します。必要なものに加えて、具体的な手順を踏まえてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コンセントカバー交換に必要なもの
コンセントカバーを自分で交換する際に必要なものは以下の通りです。
・プラスドライバー
・マイナスドライバー
・新しいコンセントカバー
・軍手(必要に応じて)
・雑巾(埃の掃除用)
コンセントカバーはねじ止めされているものとそうでないものがあります。ねじ止めされている場合はプラスドライバー、そうでないものはマイナスドライバーで外せます。もし、ほこりが付着している場合用に雑巾、必要に応じて軍手も用意しておくとよいでしょう。
コンセントカバー交換の流れ
実際にコンセントカバーを交換する際、主な流れは以下の通りです。
①家電の電源やブレーカーをOFFにする
②カバーを取り外す
③新しいカバーを装着する
④ネジ止めする
それぞれの手順を詳しくみていきましょう。
①家電の電源やブレーカーをOFFにする

まずは、家電の電源やブレーカーをOFFにしましょう。ブレーカーまでOFFにすることで感電のリスクを無くすためです。ブレーカーは、上記の写真のような「分電盤」にまとめて設置されています。
ブレーカーのOFFは、以下の手順でしてみてください。なお、該当するブレーカーが分かる場合は該当する箇所のみ、分からない場合はすべてのブレーカーを落とすと安全です。
ブレーカーを落とす | ブレーカーを入れる |
---|---|
1. 家電の電源を落とす 2. 子のブレーカーをOFFにする 3. 主のブレーカーをOFFにする | 1. 主のブレーカーをONにする 2. 子のブレーカーをONにする 3. 家電の電源をONにする |
②カバーを取り外す

ブレーカーをOFFにできたら、コンセントカバーを取り外しましょう。ビス(ねじ)で止めてあるかどうかで外し方が異なります。
・ねじ止めされてあ:プラスドライバーで緩めて外す
・ねじ止めされていない:マイナスドライバーを、コンセントカバー下側の穴に差し込んでから外す
コンセントカバーを外したら、土台プレートが付けられている場合とそうでない場合があります。土台プレートがなく金属部分のみの場合は新しいカバーを取り付けるのみです。
③新しいカバーを装着する

土台プレートがある場合は、土台プレートまで外した後に新しいものを取り付けましょう。新しい土台プレートのねじ穴と、今まで付けていた土台プレートのねじ穴をあわせれば装着完了です。
④ネジ止めする

土台プレートまで取り付けられたら新しいカバーをねじ止め・固定しましょう。ねじで固定されていない場合は、土台プレートをかぶせるようにして固定すれば問題ありません。
また、ブレーカーを落としている場合は取り付け完了後にONにしましょう。手順に関しては冒頭の表を参考にしてください。
交換時に起こりがちなトラブルと対処法
コンセントカバーを交換する際、以下のようなトラブルが起こりがちです。
・ねじが緩まない
・カバーがサイズ違いで合わない
・ネジ穴を潰してしまった
・壁紙を傷つけた
トラブルが生じた場合、自分の判断で無理に作業を進めないことが大切です。無理に進めることでかえって状況が悪化する恐れがあります。
まずは焦らず、カバーの型番を確認したり専用工具がある場合は用いたりして対処しましょう。また、自分で進めるのが不安な方は迷わず専門業者に相談することが大切です。
コンセントカバーを交換する際の注意点
コンセントカバーを自分で交換する場合の注意点は、主に以下の通りです。
・賃貸物件で住んでいる方は確認が必要
・安全に徹底して作業する
・交換してはダメな「本体部分」との違いを把握しておく
それぞれの内容について詳しく解説します。
賃貸物件で住んでいる方は確認が必要
賃貸住宅に住んでいる場合、勝手に設備を交換することは契約違反になる可能性があります。交換を検討する前に、必ず管理会社や大家さんに相談して許可を得た上で交換しましょう。
安全に徹底して作業する
電気は目で見えないものなので、安全に徹底して作業することが大切です。電気工事士法で問題のない範囲であったとしても、コンセントまわりは感電のリスクが少なからず伴います。壁の穴に手を入れない、配線には触れないことを意識してください。
作業中は電気を切ること、安全に配慮した服装で行うことが大切です。また、濡れた手で作業しない、周囲に水がない状態で行うなど基本的な対策も徹底しましょう。
交換してはダメな「本体部分」との違いを把握しておく
カバーと違って、コンセントの「本体部分(電気が通る箇所)」の工事には第二種電気工事士の資格が必要です。コンセントの口数を増やしたいから部品そのものを交換したい、コンセントを新しく設置したい場合などは必ず専門業者に依頼しましょう。
プロにコンセントカバー交換を依頼したほうが良いケース

コンセントカバーをDIYできるとしても、必要に応じてプロに依頼することも検討してください。例えば、以下のケースに該当する場合です。
・壁に加工が必要な場合
・劣化が激しい・本体が古い場合
・複数個所を一度に交換したい場合
どのケースでプロに依頼すればよいのか知っておけば、失敗のリスクをより低く抑えてカバーを交換できます。それぞれの内容について詳しく解説します。
壁に加工が必要な場合
カバーのサイズが現状の穴に合わず、壁の拡張や加工が必要になる場合は、プロに工事を依頼したほうが安全かつ確実です。無理に削ると壁材が損傷する恐れがあります。賃貸物件の場合はトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
劣化が激しい・本体が古い場合
コンセント本体が劣化している場合や築年数の古い物件では、コンセント本体の交換が必要な可能性もあります。その場合、第二種電気工事士の資格が必要になるため、感電や火災のリスクを避けるためにもプロに依頼してください。
複数箇所を一度に交換したい場合
一部屋まるごと、または複数のコンセントカバーをまとめて交換したいときは、業者に依頼することで作業の効率が上がります。仕上がりも美しく、安心して使用できるのがメリットです。
もちろん、自分で交換することも可能ですが、慣れていないと時間がかかります。どの点を重視するかで業者に依頼するかを判断してみるとよいでしょう。
コンセントカバーを交換する際は注意点をしっかり把握して行おう
コンセントカバーは、自分で交換することが可能です。ただし、配線やコンセント本体に関わる工事は基本的に第二種電気工事士の資格が必要なので、未保有者は従事できません。
また、コンセントカバーを交換する際、安全面に徹底することが大切です。ブレーカーをOFFにしたり配線に触れたりしないことを意識して感電のリスクを最小限に抑えてください。
カバーの交換自体は手順通りに進めれば難しくありません。必要に応じて業者への依頼を検討しつつ、自分に適した方法でカバーを交換してみましょう。