寒くなりはじめ、温かいものが恋しくなる季節になりました。
昔ながらの日本における冬の風物詩といえば、こたつですよね。ところが、現代の住宅ではフローリングのお部屋が中心となり、和室が減少傾向にあることから、こたつの需要も減りつつあります。
しかし近年、こたつがエコな暖房器具として若い世代にも注目されているのをご存じでしょうか?おしゃれなデザインや形状、機能も増えています。「こたつを置きたいけれど、一人暮らしの部屋に置くスペースがない」「こたつがあると、家で仕事ができない」とあきらめていた方も、今回の内容を読むと考えが変わるかもしれません。
今回は、一人暮らしに最適なこたつを選ぶポイントを種類別に解説していますので、こたつを購入する際にチェックしてみてください。
一人暮らし用こたつの選び方
こたつにはさまざまな大きさや形があるため、実際にこたつを購入するとなると、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。これからこたつを導入を検討される方に、一人暮らし用のこたつを選ぶポイントやこたつでの過ごし方についてレクチャーします。
お部屋の広さから選ぶ
まず、暮らしに合わせて最適なサイズのこたつを選ぶことが重要です。お部屋に対して大きすぎると圧迫感が出ますし、小さすぎるとくつろげなくなってしまいます。ここでは、お部屋に置いたときに目安となるこたつの本体サイズを表にしました。
小 | 中 | 大 | |
---|---|---|---|
4.5畳 | 80cm×80cm | 105cm×75cm | 120cm×80cm |
6畳 | 90cm×90cm | 120cm×80cm | 135cm×85cm |
8畳 | 105cm×75cm | 135cm×85cm | 150cm×90cm |
10畳 | 120cm×80cm | 150cm×90cm | 180cm×90cm |
上記は、あくまでそれぞれの畳数のお部屋に、こたつだけを置いたときの目安寸法です。
お部屋にどんな家具を置くかによって、こたつを実際に置ける寸法が変わってきます。まずは、お部屋にどんな家具を置く予定かシミュレーションしてみましょう。
用途に合わせて高さから選ぶ
「ハイタイプ」のこたつの天板の高さは、70cm前後となります。椅子を使うので、立ち上がりがしやすいです。床に座るのが辛い方や、長時間座って仕事や勉強机として使用するときにも向いています。
「ロータイプ」のこたつは、昔ながらのこたつの高さです。床から天板までの高さは35cm〜40cmのものが多く、床座になります。こたつ布団を敷いたり、座布団や座椅子を利用したりして使います。気軽に寝転ぶこともできるので、姿勢を崩してくつろぎたい方におすすめです。
ハイタイプ型こたつの過ごし方
メリット | デメリット |
---|---|
ダイニングテーブルとして兼用できる | 大きさによって圧迫感が出る |
姿勢が崩れにくい | ロータイプより隙間が多く、保温性が低い |
立ち上がりが楽で足腰に負担が少ない | ロータイプに比べて価格が高め |
床の掃除がしやすい | 種類が少ない |
ハイタイプは、椅子に座ってきちんとした姿勢を保てます。ロータイプに保温性は劣るものの、足元を適度に温かくできるので、集中力が必要なテレワークや趣味などの作業をするのにぴったりです。
また、ハイタイプはダイニングテーブルとして兼用できます。ダイニング兼ワークデスクとしても、オールシーズン使うことが可能です。
ロータイプ型こたつの過ごし方
メリット | デメリット |
---|---|
ハイタイプに比べて保温性が高い | 床の掃除がしづらい |
足を伸ばして座れる、寝転がれる | 足腰に負担がかかる |
圧迫感がなく、お部屋が広く見える | うたた寝してしまう傾向がある |
くつろぎ重視であれば、ロータイプのこたつがおすすめです。足を投げ出したり寝転んだりして、まったりとくつろぐことができます。お部屋に圧迫感が出ないので、空間が広く感じられるのもメリットです。
また、リビングテーブルとしてオールシーズンで使えます。ソファの前に肌触りの良いラグを敷いて置けば、冬はこたつとして床座で過ごし、それ以外の季節はソファに座るなど使い分けが可能です。
こたつの形状から選ぶ
お部屋に合った形状のこたつを選ぶ際には、どのようにお部屋に配置するか、どのように使うのかという目的に合わせて形状を選ぶと良いでしょう。
長方形のこたつから選ぶ
長方形のこたつは、定番の形で種類も豊富です。奥行きを小さくして壁に付ければ、省スペースで置くこともできます。また、横並びに並んで座ったり、食事をとりながら仕事をしたり、複数の物をテーブルに置く場合にも向いています。
ソファとテレビの間に置く場合、その間にスペースが取れないときなども、奥行きの狭い長方形が良いでしょう。
正方形のこたつを選ぶ
コンパクトな正方形のこたつは、一人用として使いたいときに向いている形です。やや広めの正方形であれば、四方に人が座れます。テーブルを囲む形になるので、会話がしやすくなったりゲームをしたりするのにも最適です。
円形のこたつを選ぶ
円形のこたつは、空間を柔らかく優しい印象にしたい方にぴったりです。角がないので、万が一転倒しても角にぶつけることもなく安心できます。ただ正方形のテーブルに比べると、使用できる面積が少なくなったり、長方形に比べて広い設置スペースが必要になったりする場合もあるので、注意が必要です。
形状によってメリット・デメリットがありますが、目的やライフスタイルに合わせて最適な形を選びましょう。
一人暮らしにおけるこたつ活用術
以前は温める機能だけのこたつでしたが、現在のこたつにはさまざまな機能があります。ここでは、あると便利な機能をご紹介します。
テレワーク中も冷え知らず!スマートこたつで仕事が捗る
テレワークなど、家で仕事をするときに便利なスマートこたつをご存知でしょうか。
スマートこたつには、コンセントやUSBポートが付いています。パソコンやスマートフォンを使う方に最適なこたつといえるでしょう。
天板の側面などにUSBポートやコンセントが付いているので、専用のケーブルでスマホやパソコンの充電ができます。こたつ周りをすっきりした状態で使え、コードで足をひっかけるわずらわしさからも解消されますね。
冬の自宅でのテレワークは寒さ対策も重要になるため、頭寒足熱を保てる便利なスマートこたつで集中力をアップしましょう。
「ローソファ × こたつ」で休日も満喫できるくつろぎスペース作り
こたつで休日に思いっきりくつろぎたい方は、ローソファと組み合わせるのがおすすめです。ローソファと組み合わせることで、おしゃれかつ至福のくつろぎ空間を作ることができます。
ローソファは、通常のソファと違って座面が低いため、ソファを背もたれにしてこたつにゆったり座ることが可能です。クッション性がローソファにあるので、こたつの温かい気持ちよさとソファのクッションの気持ちよさで、くつろぎ感がアップします。ローソファにもいろいろな商品があるため、色や素材だけでなく、座面の高さや形状を比較して選びましょう。
また、ソファは冬以外の季節にも使うアイテムなので、冬以外の季節での過ごし方も考えて選ぶと良いです。ソファの背は高い方が、ソファに腰掛けたときにもたれることができ、窓際に置く場合は冷気も防いでくれます。一方、高さによっては圧迫感が出ることもありますので、こたつとのバランスも検討しましょう。
ローソファには、スタンダードなI型とL型があります。一人で使う場合はI型で十分だと思いますが、友人たちを呼んでにぎやかに過ごしたい場合には、L型もおすすめです。ただ、L型はスペースを取るので、空間に余裕がある場合に限ります。
こたつで横になる場合には、床とソファの座面の高低差が少ない方がくつろぎやすいでしょう。リクライニング機能付きのローソファもありますので、休日に映画を観ながらくつろぎたいときは、角度が調整できて便利です。
コスパが良いオールシーズン用のこたつで気軽に模様替え
こたつは、寒くなったら収納スペースから出すという手間がありますが、近年ではオールシーズンで使える商品も出ています。季節に関係なく使えれば、家具のレイアウトを変える手間もないので楽でしょう。
こたつといえば、テーブルの下からヒーター部分が飛び出しているのが特徴的ですが、オールシーズン使えるこたつはヒーターの飛び出しが少なく、目立たない仕様になっています。ヒーター部分が薄型であれば、こたつに足を入れたときにもぶつかりづらい点も良いですね。通常のこたつのように冬はこたつ布団をかけて、夏はテーブルのみで使用することができます。
ロータイプであれば、ソファと合わせても違和感がないようなデザインで作られていますので、リビングテーブルとしてそのまま使用することが可能です。ハイタイプのこたつの場合は、ダイニングテーブルとして使用できるデザインになっています。
布団の出し入れ自体が面倒な場合には、布団レスのこたつもおすすめです。薄型のヒーターが机の下に付いており、足元を温めてくれます。布団レスのこたつはハイタイプの商品が多く、種類も限定されていますが、布団はいらないけれど足元を温かくしたいという方に最適でしょう。
オールシーズンで使えるからこそ、気分で天板を変えられるリバーシブル天板のこたつも出ています。天板を裏返すことにより、まったく違う雰囲気に変えられますので、飽きないで使えそうですね。
また、こたつを冬だけ使いたいという場合は、脚が折り畳めるこたつがおすすめです。折り畳むことができれば、場所をとらずに収納にもしまうことができます。
こたつを使用する際の注意点
こたつの使い方を間違えると、火災を引き起こす、健康にも被害が及ぶなどのリスクが生じます。特に一人暮らしの場合、自分の不注意は全て自分に降り掛かってくるので注意したいところ。こたつを使うときの注意点をまとめましたので、正しい使い方を理解して安全・快適に一緒に過ごしましょう。
ダニやアレルギーの原因になることがある
こたつは高温多湿の環境になりやすく、こたつ布団などについたほこりや食べかすなどによっても、ダニをおびき寄せたり、アレルギーの原因となったりします。こまめに換気をして、こたつ内の温度と湿度を下げたり、こたつ布団やこたつの周辺を掃除機で掃除したりするようにしましょう。
消し忘れによる火災に気を付ける
電源が入っているか外からは分かりづらいため、消し忘れてしまうこともあります。こたつをつけっぱなしにしていると火災のリスクがありますので、こたつから離れるときは必ず電源を切りましょう。
とくに原因として多いのは、こたつ内部で電気ヒーターと布との接触で火災が起きてしまうケースです。消費者庁に寄せられた事故事例でも、こたつの中で洗濯物を乾かすために入れた布や座椅子を押し込んだことにより、電気ヒーターと布が接触して、火災の原因となった事例がありました。
また、ヒーターに付着した汚れをそのまま放置して電源を入れてしまうと、汚れに熱が直接当たり、火災を引き起こす恐れもあります。ワンシーズン使用したタイミングで、掃除機などを使ってほこりを取るようにしましょう。上記の点に注意しながら、安全にこたつを使うことが重要です。
万が一の消し忘れの際に便利な「人感センサーこたつ」もあります。こたつ内に取り付けられたセンサーによって、こたつ内の人の動きを感知し、自動でヒーターのON・OFFを切り替えてくれるものです。
また、手元で温度調整ができるコントローラー付きのこたつも出ており、専用のコントローラーで電源の切り替えや温度調整ができます。手元で操作できるので、高温になるのを防ぐことが可能です。
さらに、消し忘れが心配な場合、指定した時間に電源が切れるコンセントタイマーを使うのも一つの方法です。便利な機能を活用して消し忘れを防止しましょう。
こたつでのうたた寝に注意!脱水状態や低温やけどの危険性
「こたつに入ると気持ちよくて、うっかり朝まで眠ってしまった…」という経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。実は、そのうたた寝はとても危ないです。こたつに入ったまま眠ってしまうと、気付かない間に低温やけどを負ってしまったり、脱水症状を引き起こしたりすることがあります。
どうしても眠いときは、電源を切って眠るようにしましょう。また、うたた寝は睡眠の質を下げ、免疫力を低下させますので、風邪などの病気にかかりやすくなってしまいます。朝までうっかり寝てしまうことがないよう、横になるときはアラームを設定するなどして時間を決めてみましょう。
こたつにプラスアルファで一人暮らしの冬をより暖かく過ごすコツ
こたつを使いながらさらに快適に過ごすためには、室温も適温に保つことが重要です。また、暖房は強すぎると乾燥してしまいます。身に着けるものを温かくすることで、暖房だけに依存することなく、省エネをしながら暖をとることが可能です。
厚手の靴下を履く
寒い冬には、暖かい靴下が必須です。保温性の高い機能がある素材やデザインの種類も豊富なので、気に入ったものを活用してみてください。
素材は、天然のウール100パーセントがおすすめです。ウールは、セーターなどにも使われる素材ですが、見た目や肌触りも温かく、履き心地が良いです。保温性にも優れているので、冬にぴったりの素材です。
さらに、絹100%の靴下との重ね履きもおすすめします。絹は通気性も優れていますし、蒸れにくいので、肌触りも良いです。保温性もありますので、絹+ウールの重ね履きであれば、快適に温かさを保てます。また、レッグウォーマーを併用すれば、温かさがアップしますよ。
床下暖房との併用で足元と部屋空間が暖まる空間を作る
床暖房は床から放出された輻射熱によって、足元はもちろん部屋全体をじんわり温めてくれます。床暖房は、エアコンの風が苦手な方にもおすすめです。こたつを併用することにより、最小限の温度設定で温かさを保てるので、光熱費の節約や省エネにもつながります。
ただし、こたつ敷き布団を敷くことで、熱が放射しづらい状態になり、床暖房の効率を下げてしまいます。こたつ敷き布団やラグを敷く場合には、床暖房対応の商品を選ぶことが大切です。
床暖房と併用する場合は、椅子に座るハイタイプのこたつか、ロータイプのこたつであれば敷き布団は敷かずに、座椅子や座布団で座る形と組み合わせるのが良いでしょう。
※設備として「床下暖房」のほか「床暖房」が含まれている可能性もありますので、お問い合わせ時に詳細を必ずご確認ください。
エアコンとの併用で上半身も温まる部屋空間を作る
こたつだけの使用の場合、こたつに入っていると温かいのですが、出たときに温度差で寒さを感じやすくなります。そのため、こたつから出るのが億劫になってしまうのです。
一方のエアコンは、上部からの温かい風を出すことでお部屋全体を温めます。足元をこたつでしっかり暖めることができれば、エアコンの温度を高くしなくても十分温かさを感じることが可能です。それぞれの良い点をうまく使えば、無駄なエネルギーやコストを削減することができます。
エアコンは冬だけでなく、1年を通してお部屋の温度を調整してくれるものなので非常に便利です。エアコン付きの物件であれば初期費用も抑えられますので、お部屋探しのときに一緒に検討してみてはいかがでしょうか。
一人暮らしの寒い冬をこたつで乗り切ろう!
一人暮らしのお部屋にこたつを取り入れる際に、選ぶポイントや種類別の活用方法、注意点などをご紹介しました。足元は心臓から遠く、血が巡りづらいため、冷えやすい場所でもあります。こたつを使えば、足元から身体を温めてくれるので、血行も良くなりますよ。
一人暮らしは健康管理も大切なので、こたつを上手に取り入れて、健康で快適に一人暮らしの寒い冬を乗り切りましょう。