転勤辞令が出た際、最初にかかえるのは住まいの問題です。転勤先での物件探しや今後のマイホーム購入など、悩みはつきません。
そこで今回は、転勤族が賃貸物件を選ぶ際に確認しておきたいポイントと、転勤族なら賃貸物件を選んだほうが安心な理由について解説します。
転勤族の妻が感じる、転勤族のメリット・デメリットも紹介するので、突然の転勤で戸惑っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
転勤族なら賃貸物件がおすすめ!マイホーム購入をおすすめしない理由
転勤が何度も続く場合は、マイホームを購入するより賃貸物件を選んだほうが安心です。
ここでは、転勤族なのにマイホームを購入した我が家の経験を踏まえて、転勤族なら賃貸物件を選んだほうが安心な理由を3つ紹介します。
ただし「転勤が終わったら戻る予定」「収入が安定しているうちに買っておきたい」など、人によって状況はさまざまです。あくまで参考意見として見てみてくださいね。
自宅を購入しても住めなくなるかもしれないから
転勤族の場合、マイホームを購入しても住めなくなるかもしれません。我が家は一戸建て住宅を購入した後に海外転勤となり、帰国後も別の県へ配属になりました。
そのため、実際に自宅で暮らせたのはたったの2ヶ月でした。転勤族がマイホームを購入する際は、今後も転勤生活が続くのかどうか、見極めが重要です。
自宅を賃貸に出せないかもしれないから
マイホームを購入するために、住宅ローンを組む方は多いでしょう。住宅ローンは、その家に契約者本人やその家族が住むことを条件として、安い金利でお金を借りられます。
そのため、転勤になったから自宅を賃貸に出そうとしても、住宅ローンが完済するまで賃貸には出せない場合がほとんどです。ただし、金融機関によっては、一定期間免除してもらえるところもあります。引越しをする前に、住宅ローンの担当者へ相談してみましょう。
賃貸解消後に自宅の劣化を感じるかもしれないから
転勤のため自宅を賃貸に出せたとしても、契約解消後に建物の劣化を感じてしまうかもしれません。
我が家の場合は現在も賃貸中のため、建物の様子はわかりません。しかし、自分たちがほとんど使用していないエコキュート(オール電化用給湯設備)が寿命を迎えてしまい、買い直すこととなりました。
経済的な理由で自宅を賃貸に出す方もいらっしゃいますが、建物や設備の劣化が伴うことも認識しておきましょう。
【家族構成別】転勤族が確認すべき賃貸物件の設備や条件
新しい土地に住み、新しい職場で働くのは、転勤族にとってストレスを感じます。転勤先でも快適に過ごせるよう、賃貸物件の設備や条件はしっかりチェックしておきましょう。
転勤族が確認すべき賃貸物件の設備や条件を、家族構成別に紹介します。
全世帯の転勤族が確認すべき賃貸物件の設備や条件3選
家族や単身に関わらず、全世帯の転勤族が確認すべき賃貸物件のポイントを見ていきましょう。
TVドアホン(モニター付きインターフォン)
TVドアホン(モニター付きインターフォン)は、来客や玄関前の様子を室内にいながら確認できる設備です。家族で住む方はもちろん、単身赴任の場合も安心して暮らせます。
私たちは、以前TVドアホンが付いていない物件を契約したことがありましたが、管理会社へ連絡し、大家さんの了解を得て後付けしてもらいました。
収納
転勤族は引っ越しが多いため、すぐに使わない荷物は、箱に入れたまま次の転勤先へ持っていくことも珍しくありません。
未開封の荷物を保管しておくために、収納が多い物件を選ぶのがおすすめです。たとえば、ウォークインクローゼットや全居室収納がある物件などがよいでしょう。
玄関付近にトランクルームが付いているマンションや、別棟にトランクルームを設けている物件もあります。荷物のボリュームに合わせて、適切な収納スペースを選びましょう。
エアコン
転勤先の物件にエアコンが付いていない場合は、自分たちで購入しなければなりません。また、エアコンの取り付けや退去も、自費で作業を依頼します。手間や出費を抑えるために、エアコン付きの物件を選ぶのがよいでしょう。
単身赴任の転勤族が確認すべき賃貸物件の設備や条件3選
子どもの年齢や就学状況などにより、夫だけが単身赴任をする場合もあるでしょう。単身で住む場合には、どんな設備や条件の物件がよいのか紹介します。
家具や家電付き
自宅に家族を残して単身赴任をする方は、家具や家電付きの物件を選ぶのがよいでしょう。
とくに赴任期間が短い場合、生活用品の購入は抑えておきたいものです。家具や家電付きの物件なら、退去時の手間も省けます。
宅配ボックス
単身赴任の場合、昼間は留守になりがちです。宅配ボックスのある物件を選ぶと、留守中でも荷物が届くので便利です。
宅配ボックスは、郵便物や宅配物だけでなく、ネットスーパーの配達用として利用できる物件もあります。
浴室乾燥機
浴室乾燥機は、天候の変化や時間帯を気にせず干せる便利な設備です。単身での転勤生活は、仕事で帰りが遅くなると洗濯物を干すタイミングが難しくなるでしょう。
浴室乾燥機付きの物件であれば、出勤前にスイッチを入れておくだけで洗濯物がしっかり乾きます。
夫婦やファミリーの転勤族が確認すべき賃貸物件の設備や条件3選
夫婦で転勤生活を送る私たちがおすすめの、賃貸物件の設備や条件を紹介します。
二口コンロ
夫婦や家族での転勤は、単身赴任と比べて、自炊の機会が増えるでしょう。料理がしやすいよう、二口以上のコンロ付きキッチンがおすすめです。
あわせて、作業スペースが十分にあるかもチェックしておきましょう。キッチンは一日に何度も使う場所であるため、ストレスなく使えるようサイズを測っておくと安心です。
無料駐車場
地方へ転勤する場合、車が一人一台必要となるケースはよくあります。車の維持費を節約したい場合は、駐車場代が無料の物件がおすすめです。
私たちは、転勤したばかりの頃「車は二人で一台あれば大丈夫」と思っていたのですが、実際住み始めたら不便を感じて、もう一台買い足すことになりました。
駐車場の利用が入居後でも追加できるか、確認しておくのがよいでしょう。
追い焚き
ファミリーで転勤する場合は、追い焚き機能付き物件を選ぶのがおすすめです。家族が順番にお風呂を使うと、最後に入る頃にはお湯がぬるくなってしまいます。
お風呂は一日の中で、もっともリラックスできる時間です。少しでも快適な転勤生活を過ごせるよう、温かいお湯に浸かれる追い焚き付き物件を選びましょう。
転勤族の妻が感じる辛さとその乗り越え方
転勤をすると「いろんなところに住めていいね」といわれることもしばしばです。しかし実際は、辛いと感じることや面倒に思うこともありました。
転勤族の妻である私が感じた、転勤の辛さとその乗り越え方を紹介します。
美容院難民になる
転勤先でお気に入りの美容院が見つからない悩みは、転勤族あるあるです。私の場合は、ポイントカードがたまるばかりで、自分に合う美容院が見つかる前に次の転勤地へ引越すことが何度もありました。
しかし一度だけ、満足できる美容院をすぐに見つけられたことがあります。それは、職場の同僚に聞いたときです。やはり地元の人に聞くのが、一番の近道だと思います。
孤独を感じる時間が増える
転勤族の妻は、新しい転勤先へ行くたびに人生がリセットされたような気持ちになります。そのため人間関係も希薄になり、孤独を感じる時間が増えるのが辛いところです。
私は転勤族のコミュニティサイトを見つけて、心のモヤモヤを発散しました。気持ちを共有できる仲間がいるだけで、沈んだ心がフッと軽くなります。
気持ちが落ち着いたら、新しい趣味を見つけるのもおすすめです。たとえば、自然が多い場所ならハイキングに行くなど、その土地をよく知るいい機会にもなります。
仕事を続けにくくなる
転勤族の妻は、引越すたびに自分の仕事を辞めなければなりません。定職に就けず、キャリアアップができないことは、転勤妻の大きな悩みです。
しかし近年では、コロナの影響も相まって、自宅でできる仕事が増えてきました。インターネット環境が整っていれば、在宅ワークが見つかるかもしれません。
たとえば、Webライターや動画編集、データ入力やオンライン秘書などが人気の職種です。パソコン一台で働ける条件であれば、別の転勤先へ行っても仕事を続けられるでしょう。
住民票を移す作業が面倒になる
転勤が決まると、引越しに関する作業がたくさん発生します。中でも、住民票を移す作業は面倒です。住民票を移すには、転出届と引越し先での転入届が必要ですが、それぞれ2週間以内におこなわなければなりません。
手続きを忘れてしまわないよう、スマートフォンのスケジュールアプリの機能にセットしておくと安心です。
単身赴任の場合は、赴任期間や状況によって要否が異なるため、事前に確認しておくのがよいでしょう。
▼関連記事
・単身赴任で住民票は必ず移すべき?そのままでも問題ない?注意点や手続き方法まとめ
転勤族の妻が感じる嬉しい瞬間や楽しいと思えた瞬間3選
転勤族の妻は大変なこともありますが、楽しい発見もあります。転勤先での楽しみ方は人それぞれですが、食べ物もそのひとつといえるでしょう。地元の人とのふれあいも、よい社会勉強になります。
5回の転勤を経験した転勤族の妻が感じる、転勤先での嬉しい瞬間や楽しい瞬間を紹介します。
全国各地のおいしい食材が楽しめる
日本はどこへ行っても食べ物がおいしく、さまざまな食材を楽しめます。とくに、私が茨城県に住んでいたときに食べたあんこう鍋は、ビックリするくらいおいしかったです。あの新鮮でまろやかな肝の味は、今でも忘れられません。
また、大分県ではキラキラ輝く豊後サバや豊後アジに出会いました。九州独特の甘いお醤油につけて食べるお刺身は絶品です。
その土地ならではの食材や料理を楽しめるのは、転勤族の醍醐味といえるでしょう。
その土地の方言に出会える
地方へ転勤すると、その土地の方言をよく耳にします。私は、働き始めてから地元の方と話す機会が増え、イントネーションや表現の違いに刺激を受けました。
たとえば「これ、なおしといて」は「これ、しまっておいて」という意味、「のどがえらい」は「のどがつらい」という意味だそうです。
どちらも日本語なのに、表現が土地によって変わるのはとても新鮮に感じます。
物事の捉え方・視野が広がる
転勤でいろいろな町に住むと、物事の捉え方が柔軟になり、視野が広がります。日本は小さい国ですが、場所が変われば習慣や人柄も変わるものです。
環境の変化に戸惑うこともありましたが、これも社会勉強だと受け止めています。少しずつでも、自分から学ぶ姿勢は大切ですね。
納得のいく賃貸物件を見つけて充実した転勤生活を送ろう
転勤族は、マイホームを購入するより、賃貸物件を選ぶ方が安心です。マイホームを購入した後に転勤が続いてしまうと、賃貸に出そうと思っても難しくなったり、転勤から戻ってきたときに建物の劣化を感じたりするかもしれないからです。
転勤辞令が出ると、あわただしく引越しの準備がはじまります。住まい選びは転勤族がかかえるもっとも大きな課題ですが、セキュリティや利便性など、確認すべき設備や条件を押さえておくと安心です。
転勤すると世界が広がり、楽しい発見もあります。納得の行く賃貸物件を見つけて、充実した転勤生活を送りましょう。