そこで今回は、アクアリウム初心者に向けて、必要なアイテムや気をつけたいこと、おすすめの魚・水棲生物などを紹介します。アクアリウムに向いているお部屋の条件も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
【必読】賃貸物件でアクアリウムを始める際の注意点
賃貸物件でアクアリウムを楽しめるかどうかは、物件ごとのルールや設備で決まります。アクアリウムを始める前に、詳細を確認しておきましょう。
ペット飼育OKな物件かどうかを確認しよう
まずは現在の住まいで、ペットの飼育がOKかを確認しましょう。「ペット可能」と書かれていても実際は「犬はOKでも猫はNG」など、物件ごとに細かくルールが決められています。
「アクアリウムならうるさくないし、室内に爪とぎなどの跡も残らないから大丈夫だろう」と決めつけずに、賃貸契約を確認してみてください。契約書を見ても分からなければ、大家さんや管理会社に尋ねてみましょう。
引っ越しする予定がある人は、ペット可・相談の物件に絞って探してみませんか?ルールを確認してから契約すれば、新居でスムーズにアクアリウムを始められますよ。
木造建築・鉄筋建築かどうかを確認しよう
大きな水槽を置きたい人には、耐荷重性能が高い鉄筋建築の建物をおすすめします。水や砂、各種機器が設置された水槽は重く、建物の耐荷重によっては床がたわんだり、抜けてしまったりする恐れがあります。
水道・電源を確認しよう
水槽を置きたい場所の付近に、水道や電源があるかもチェックしておきましょう。水槽は定期的に水換えをする必要がありますが、水の運搬は重労働です。できるだけ水道の近くに水槽を置いた方が、水換えの負担を減らせます。
また、水槽にはフィルターや水槽用ヒーターなど複数の装置を取りつけるため、付近に電源がある方が便利です。可能なら水槽より高い位置に電源がある場所であれば、漏電のリスクを抑えられます。
私が思うアクアリウムの魅力
私は現在、戸建てでアクアリウムを楽しんでいます。水槽は1階の居室と2階のベランダにあり、屋内外で異なる魚を飼育しています。
最初はお祭りの金魚から育て出したのですが、水草のレイアウトにこだわったり、他の魚やエビなどを一緒にしたりするうちに、アクアリウムへの意欲が拡大。つまつまと水草をついばむエビたち、群泳する小さな魚たちなどを見ていると、とても癒やされます。
遊びに来た人は、子どもから大人まで水槽を楽しんで見ていってくれますよ。初心者でも飼いやすい魚・水棲生物から、アクアリウムを始めてみませんか?
アクアリウム初心者におすすめの魚・水棲生物
初心者は、育てやすい生きものからアクアリウムを始めましょう。購入しやすく環境の変化に強い、アクアリウム初心者におすすめの魚・水棲生物を紹介します。
カラシン
ネオンテトラやカージナルテトラに代表されるカラシンは、非常に品種が多く、個性的な見た目が人気。小型の熱帯魚が多いかと思いきや、ピラニアなどの大きな魚もカラシンの仲間です。
カラシンは水槽の上部から中部を泳ぎます。低層を泳ぐ魚と混泳させると、にぎやかな水槽になります。
コリドラス
ナマズの仲間のコリドラスは、ひげが生えた風貌がユニークな魚です。コリドラスは水槽の低層を泳ぎ回りながら、ひげを使って砂の中の餌を掘り起こして食べます。性格が大人しいため他の魚と混泳させやすく、繁殖もできますよ。
ビーシュリンプ
ビーシュリンプ(レッドビーシュリンプ)は、ハチのような縞模様がかわいらしい小ぶりなエビです。ビーシュリンプは品種改良が活発で、真っ赤なチェリーレッドシュリンプや濃い青色のチェリーブルーシュリンプなど、単色の仲間もいます。
ビーシュリンプは水質の変化に敏感な傾向が見られるので、水槽の水質が安定してからの飼育をおすすめします。
グッピー
美しい尾びれを持つグッピー。グッピーは育てやすく、繁殖も容易な魚です。繁殖させたいなら、水草を多めにして稚魚の隠れ家を増やしてあげましょう。
尾びれが大きく鮮やかな方が雄で、体が太めで尾びれが小さな方が雌です。雄と雌を見分けやすいので、繁殖させたくない場合は、雄と雌を別々に飼育するとよいでしょう。
メダカ
川や睡蓮鉢など、メダカは屋外で泳いでいるイメージが強いかもしれませんね。フィルターを取り付けて水槽内に空気を送りこめば、屋内でもメダカを飼えますよ。
メダカには数多くの種類がありますが、形や色が奇抜なものには飼育が難しいものが少なくありません。初心者はヒメダカや白メダカなどのシンプルなタイプから、アクアリウムを始めましょう。
金魚
金魚にもさまざまな種類があり、形や色、模様、泳ぐスピードなどのバリエーションが豊か。らんちゅうやオランダシシガシラのような個性的な見た目の魚なら、1匹で泳がせても様になります。
ただし、金魚も種類によって飼育難易度が変わるため気をつけてください。お祭りの金魚すくいでも見かける和金なら、育てやすいので初心者におすすめです。
アクアリウムを始めるのに必要なアイテム
これからアクアリウムを始める人は、水槽を始めとして必要なアイテムを買いそろえる必要があります。
最低限必要なものがまとめられた小型水槽セットを購入するなら、ざっくり2,000~3,000円必要。交換用のろ材や餌などの消耗品を合わせると、数千円程度の出費でアクアリウムを始められます。水槽用ヒーターのように、必要に応じて用意すればよいものもありますよ。
アクアリウムを始める際に、必要なアイテム、できれば用意した方がよいアイテムを紹介します。
ガラス水槽
ガラス水槽は、飼育する魚・水棲生物の数や大きさに応じてサイズを決めましょう。30cm水槽、60cm水槽など、水槽のサイズのサイズはさまざまです。
小型水槽は置き場所に困らず安く買えますが、水質が悪化しやすく魚に負荷がかかります。初心者は30cm水槽以上の水槽で、できるだけ少数から育て始めましょう。
30cm水槽なら、単品で2,000円程度で購入可能です。アクアリウム専門店以外には、ホームセンターでも購入できます。
なお、水槽には、アクリル製のものもあります。耐久性や透過率を求めるならガラス製、割れにくさや軽さを求めるならアクリル製がおすすめです。
フィルター
フィルターの役割は、水をろ過して水中に空気を送り込むことです。魚が酸欠状態になってしまうので、屋内のアクアリウムにはフィルターが欠かせません。水槽セットには、フィルター付きのものがあります。種類が多く迷うようなら、水槽セットを購入するとスムーズです。
水槽セットでよく見られる投げ込み式のフィルターは、単品なら数百円程度が相場です。アクアリウム専門店や、ホームセンターなどで購入できます。
底砂
底砂には、水質維持と、水草の固定や栄養供給の役割があります。こまめに水槽の掃除や水換えをする人のなかには底砂を敷いていない人もいますが、初心者は底砂を敷いておいた方が無難です。多くの水槽セットにも、底砂は含まれています。
底砂もアクアリウム専門店やホームセンターで購入できます。種類が多い底砂ですが、淡水魚水槽でよく見る黒く丸いソイルなら、5Lで2,000~3,000円程度で買えます。
底砂は重くかさばります。送料はかかる可能性がありますが、ネットショップで商品を購入し、配達してもらってもよいでしょう。
水槽用ヒーター
魚・水棲生物によって、適した水温は異なります。室温で飼育可能な場合でも、旅行や出張などで長期間家を留守にするなら水槽用ヒーターがあった方がよいでしょう。また、玄関など冷暖房がない場所で飼育する場合も水槽用ヒーターを設置しましょう。
水槽用ヒーターも、アクアリウム専門店やホームセンターで購入できます。高額なものもありますが、コンパクトな水槽に設置するなら2,000~3,000円程度で購入できます。
LEDライト
LEDライトには、魚・水棲生物の調子や色合いを整え、水草の生長を促す働きがあります。常に付けっぱなしにせず、日中のみ点灯するなどメリハリある使い方をしましょう。
光が絶えずあたっていると、魚・水棲生物にストレスを与えてしまい、コケも生えやすくなってしまいます。LEDライトもアクアリウム専門店やホームセンターで購入でき、コンパクトな水槽に設置するなら1,000~2,000円程度が相場です。
水槽台
水槽を設置する場所には、耐荷重性の高い水槽台が必要です。メンテナンス関連のアイテムや消耗品をしまっておける水槽台なら、部屋がごちゃつかずに済みます。
水槽台の相場は形や機能によってさまざま。アクアリウム専用のものでなくても、耐荷重性能やインテリアを満たす家具なら、水槽台として代用してもよいでしょう。
餌
魚・水棲生物によって適した餌は変わります。例えば、水槽の低層を泳ぐコリドラスには、沈みやすいタブレット形の餌がマッチします。金魚のように口が大きく中層から上層を泳ぐ魚には、浮遊性の大きめの餌がおすすめです。
とはいえ、それほどこだわりがなければ、100円ショップで売っている安価なメダカ用の餌でも構いません。アクアリウムに慣れてきてよりよい餌を試したくなってから、専門店で購入してもよいでしょう。
中和剤
中和剤(カルキ抜き)は、水道水に含まれているカルキを抜くために使われます。カルキは魚・水棲生物にとって有害であるため、取り除いておきましょう。
中和剤も、アクアリウムショップやホームセンターで買えます。100円ショップやドラッグストアで買える場合もありますよ。
レイアウト素材
レイアウト素材とは、水草やオブジェのことです。レイアウト素材は見栄えをよくするだけではなく、魚・水棲生物の隠れ場所や、卵を産み付ける場所として活用されます。
アクアリウム専用のレイアウト素材は、数百円程度で買えます。雑貨店で売られているオブジェを水槽に入れたい人もいるかもしれませんが、魚・水棲生物にとって有害な物質が溶け出す恐れがありますのでやめておきましょう。アクアリウム用のものや「アクアリウム専用」と書かれているもののみを設置するようにしてください。
その他あると便利なアイテム
以下のアイテムもあると便利です。
- 浄水器
- スクレーパー
- スマートプラグ
- バクテリア剤
水質を安定させる目的で、浄水器を設置している人もいます。スクレーパーとは、水槽の壁面についたコケをこそげ落とすためのアイテムです。
スマートプラグを活用すると、遠隔操作でアイテムのオンオフを調節可能。外出しがちな人は、スマートプラグを設置してみてもいいかもしれませんね。
バクテリア剤は、水槽立ち上げ時の使用をおすすめします。バクテリアは何もしなくても増えていきますが、バクテリア剤を添加すると速やかに水質を安定させられます。
このようにアクアリウムを始めるには、水槽以外にも必要なアイテムがあると分かりました。無理なくアイテムを設置・収納できる物件なら、快適にアクアリウムライフを楽しめますよ。
アクアリウムの環境の作り方・手順
必要なアイテムを準備したら、いよいよ水槽を準備しましょう。水槽を立ち上げる方法を解説します。
①ガラス水槽を水槽台に設置する
まずは水槽台に水槽を設置します。水を入れた水槽は重く、簡単には場所を移動できません。慎重に場所を決めましょう。設置場所を選ぶポイントは以下になります。
- 水平で安定しているか
- 日が当たりすぎないか
- 水道や電源が近くにあるか
②ガラスに底砂を入れレイアウト素材でレイアウトを行う
底砂を入れ、レイアウト素材を飾りましょう。底砂は簡単に洗ってから水槽に入れます。水草を植える場合は、底砂を厚く敷くと安定しやすくなります。初心者は岩に固定させた水草を使うと簡単ですよ。
③中和剤を入れた水で注水し、フィルター・水槽用ヒーター・LEDライトを設置する
中和剤を入れた水を静かに水槽に入れ、フィルターや水槽用ヒーター、LEDライトをセットします。底砂が水の勢いで乱れてしまった場合は、手で整えます。
フィルターを見せたくない場合は、水草やレイアウト素材で隠しておきましょう。なお、バクテリア剤があれば、適量を添加しておきます。
④1〜3日ほど空で運転してから2〜3匹の熱帯魚を導入する
フィルターのみ運転させ、バクテリア剤を入れた場合は1~3日程度、バクテリア剤を使わない場合は1週間程度待ちます。その後、2~3匹の熱帯魚を投入して様子を見ましょう。バクテリアが十分繁殖しないと、餌や糞が分解されず水質が悪化しやすくなります。
アクアリウムに向いているお部屋の条件
賃貸物件でアクアリウムを楽しみたいなら、ペット可の条件はマストです。加えて、収納の大きさや電源の数、水道との距離もチェックしてみましょう。
収納が大きい
アクアリウムに必要なアイテムはたくさんあります。数リットルのソイルや、交換用のフィルター、水換えに使うバケツなどをまとめて置いておくには、収納が大きな物件がおすすめです。
電源が多い
アクアリウム関連のアイテムには、電源が必要なものが複数あります。電源が多い物件なら、アクアリウムを楽しみつつ、日常生活に必要な家電製品をストレスなく使えます。
水道が水槽設置予定の場所から近い
水道が水槽から遠いと、水換えなどのメンテナンスが億劫になってしまうかもしれません。しかしメンテナンスしなければ、水質が悪化して魚・水棲生物の元気がなくなったり、コケが繁殖して見栄えが悪くなったりします。
手軽にメンテナンスするために、水道と水槽の位置関係を重視しましょう。
集合住宅での飼育に向いているアクアリウムの種類
ここからは、集合住宅でおすすめのアクアリウムをいくつか紹介します。初心者には少々ハードルが高いものもありますが、アクアリウムの世話に自信がついてきたころにチャレンジしてはいかがでしょう。
生体水槽・水草水槽
生体水槽は、いわゆる魚・水棲生物を飼育する水槽です。一方の水草水槽は、水草が主役の水槽です。水草に目がいくように、飼育するものはエビや小ぶりな魚などがおすすめ。色や形の違う水草を組み合わせ、流木や石などで景観を作りこみましょう。
メダカ水槽
ヒーターが不要で初心者でも取り組みやすい水槽です。自然環境に生きるメダカは、温度や環境の変化に強い傾向が見られます。
ベタ水槽
ベタを飼育する水槽です。基本的にベタは単独飼育で、混泳には不向き。5Lほどの水量があればガラス容器でも飼育可能ですが、こまめに水換え・掃除をして環境をキープしてあげましょう。
ブリード水槽
繁殖を目的とした水槽を指します。通常の水槽内では繁殖が難しい場合は、卵や稚魚を隔離して、ある程度大きくなるまで育ててから合流させます。稚魚専用の餌を用意する、水流を調節するなど、ブリードには細やかな気配りが必要です。
趣味が高じてブリードで品種改良に取り組んだり、繁殖させた魚・水棲生物を販売したりする人もいます。
アクアリウムは気軽に始められる趣味!注意点を押さえて始めてみよう
飼育が難しくない生きものから始めれば、初心者でもアクアリウムを楽しめます。必要なアイテムがそろった水槽セットも販売されているので、アクアリウムを始めてみませんか?
引っ越しをきっかけにアクアリウムを始めるなら、お部屋の条件は重要です。ペット可はもちろん、収納の大きさや電源の数、水槽と水道の位置関係などもチェックしておきましょう。