服にうっかりファンデーションのシミがついてしまうことはよくあります。ファンデーションは、洗濯だけでは落ちにくい厄介な汚れです。しかし、いくつかのポイントを押さえて対処すれば、意外ときれいに落とせます。
今回は、ファンデーションの落とし方や、外出時にシミがついたときの応急処置、ファンデーションをつけないようにする対策を紹介しています。大切な服を長く着るためにも、落とし方をマスターしておきましょう。
服についたファンデーションが落ちにくい理由とは?

服についたファンデーションが落ちにくい理由は、ファンデーションの成分にあります。
ファンデーションの主な成分は以下の通りです。
・水分
・油分
・顔料
油分は水を弾く性質があるため、洗濯の水が行き渡りにくく汚れが落ちにくくなります。
また、顔料の細かい粒子が衣服の繊維に入り込むことで、泥汚れのように洗っても取れない汚れとなるのです。これらの成分を効果的に落とすためには、洗濯の前に対策を行う必要があります。
服についたファンデーションを取り除く前に確認すべきポイント
服についたファンデーションを取り除く前に、以下のポイントを確認しましょう。
①生地の種類や洗濯表示
②色落ちの有無
③経過時間
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
①生地の種類や洗濯表示
まず最初に確認すべきは、服の生地の種類と洗濯表示です。
洗濯桶に「×(バツ印)」がついたマークがある場合、家庭での洗濯ができません。確認せずに染み抜きをすると、衣服の縮みや色落ちの原因となります。注意しましょう。
②色落ちの有無
服が色落ちしないかどうか、確認しておくことも重要です。色落ちの確認は簡単にできます。次の手順で行いましょう。
1.汚れてもよい白い布を水で濡らす
2.目立たない部分に洗剤やクレンジングオイルを垂らす
3.垂らした部分を白い布でトントン叩く
4.布に色がつかないか確認する
白い布が少しでも色づいた場合、色落ちのリスクがあります。色落ちしそうな場合には、クリーニングに出すか、色落ちしにくい他の方法で染み抜きを行いましょう。
なお、染み抜きに使う洗剤の種類については、次項以降に紹介します。
③経過時間
染み抜きを行う際には、ファンデーションをつけてからの経過時間を配慮します。シミがついてからの時間によって、効果的な対処方法が変わってくるためです。
・シミがまだ乾いていない状態か
・数時間以上経過しているか
・洗濯しても取れいていない汚れなのか
これらのことを踏まえて、効果的なシミ取りの方法を検討しましょう。
服についたファンデーションを取り除く一般的な方法

ここからは、ファンデーションのしみを取り除く具体的な方法について紹介します。
①必要な道具を用意する
まずは、シミ取りに使う道具を揃えましょう。必要な道具は以下の通りです。
・洗剤
・歯ブラシ(古いものでOK)
・色のついてもよい白いタオル
洗剤は、台所用の洗剤、洗濯用洗剤、どちらでもかまいません。中性または弱アルカリ性のものを使用しましょう。
②ファンデーションの粉を落とす【粉タイプのみ】
粉タイプのファンデーションが服についた場合には、まずは粉を落とします。この作業を行うことで、繊維の奥まで入りむ粒子を減らし、シミ取りがより効果的になります。
ブラシでブラッシングしたり、服を軽くはたいたりして粉を落としましょう。服を傷めないよう、優しく行うことがポイントです。
③タオルの上に、シミのついた面を上にして置く
白いタオルを平らな場所に広げ、その上にシミのついた服を置きます。シミの部分が上になるようにしましょう。白いタオルを使うことで、シミの落ち具合を確認しやすくなります。
④歯ブラシに洗剤をつけて、トントンと軽くたたく
ここからが実際のシミ取り作業です。
古い歯ブラシに中性洗剤を少量つけ、シミの周りから中心に向かって、軽くトントンと叩きます。力を入れすぎずに、優しく叩きましょう。汚れが徐々に白いタオルに移ります。ときどきタオルの位置を変えて、汚れが薄くなるまで繰り返します。
⑤ぬるま湯で洗い流す
汚れがある程度薄くなったら、シミの部分をぬるま湯でつまみ洗いします。④〜⑤を繰り返し、シミが薄くなるまで続けましょう。
⑥洗濯する
洗濯表示に従い、通常通り洗濯・乾燥させます。
【応急処置】外出先でついた服のファンデーションを取り除く方法

外出先でファンデーションが服についてしまった場合、先ほど紹介したような洗剤や歯ブラシを使った方法をすぐに行うことは難しいでしょう。外出時にできるシミの対処方法についても解説します。
ここで紹介する方法は応急処置なので、帰宅後には再度、適切にシミ取りを行いましょう。
①必要な道具を用意する
まずは、シミ取りに使う道具を用意します。
・メイク落としシート または ハンドソープ
・ティッシュペーパー または 乾いた布など
メイク落としシートを持っていない場合は、購入するか、外出先のトイレなどに設置されているハンドソープを使いましょう。
②ファンデーションの粉を落とす【粉タイプのみ】
粉タイプのファンデーションが服についた場合は、手で軽くはたいて粉を落とします。固形物がついているときは、ティッシュペーパーで先に取り除きます。
③シミ部分にティッシュを当てる
シミのついた部分にティッシュペーパーを当てて、油分を吸い取ります。
④シミの裏側にティッシュを敷く
ティッシュペーパーの上にシミのついた部分を重ねます。シミが上にくるようにしましょう。
⑤ハンドソープやクレンジングシートで汚れを落とす
クレンジングシートでシミの部分を軽く叩きます。ハンドソープを使う場合には、ソープをティッシュにつけて同様に行いましょう。
裏側に敷いたティッシュペーパーに汚れを移すよう、ティッシュの場所を変えながら繰り返します。こすると汚れが広がってしまうため、優しく叩くように気をつけましょう。
⑥ティッシュで拭き取る
最後に、乾いたティッシュで水分を拭き取ります。
【頑固なシミ】外出先でついた服のファンデーションを取り除く方法

次に、付着してから時間の経った、頑固なシミを落とす方法について紹介します。洗剤だけでは落ちない汚れがある場合に、試してみるとよいでしょう。
①必要な道具を用意する
まずは、シミ取りに使う道具を揃えましょう。必要な道具は以下の通りです。
・洗剤
・クレンジングオイル
・歯ブラシ(古いものでOK)
・色のついてもよい白いタオル
クレンジングオイルは水を弾くため、服が乾いた状態でつける必要があります。シミ取りは、必ず服が乾いた状態で始めましょう。
②タオルの上に、シミのついた面を上にして置く
白いタオルを平らな場所に広げ、その上にシミのついた服を置きます。シミの部分が上になるようにしましょう。
③シミに直接クレンジングオイルをつけて馴染ませる
乾いた状態のシミに、直接クレンジングオイルをつけます。上から古い歯ブラシでトントンと叩き、オイルを馴染ませます。下に敷いたタオルに色が移らなくなるまで、タオルの場所を変えながら繰り返しましょう。
④ぬるま湯でオイルを流す
ある程度汚れが薄くなったら、クレンジングオイルをぬるま湯で流します。
⑤洗剤をつけ、つまみ洗いする
シミの部分に洗剤をつけて、つまみ洗いをします。汚れが取れていない場合は数回繰り返しましょう。
⑥洗濯する
洗濯表示に従い、通常通り洗濯・乾燥させます。
なお、この方法で染み抜きを行っても、シミが完全には取れないこともあります。その場合はクリーニングに出してシミ抜きをすることも考慮しましょう。
服にファンデーションを付けないための予防策

ここからは、ファンデーションのシミをつけないための予防策をいくつか紹介します。日頃から心がけてみましょう。
着脱前にファンデーションをする、または落とす
衣服にファンデーションがつきやすいのは、服を脱ぎ着する場面です。対策として、服を着替えてからメイクをする習慣をつけておくとよいでしょう。
反対に、服を脱ぐ場面では、先にメイクを落としてしまえばシミがつくリスクを大幅に減らせます。
フィニッシングスプレーを使う
フィニッシングスプレーとは、メイクの持続力を高め、崩れを防ぐためのスプレーです。「メイクキープミスト」や「フィックスミスト」などと呼ばれることもあります。
メイク後にフィニッシングスプレーを使うと、ファンデーションが汗や皮脂で落ちにくくなり、服への付着が少なくなる効果が期待できます。
色移りや汗で落ちにくいファンデーションを使う
ファンデーションの種類を選ぶことも、予防策の一つです。色移りしにくい、汗に強いタイプを選ぶことをおすすめします。最近では、マスクにもつきにくいファンデーションも販売されているので、チェックしてみましょう。
軽くベビーパウダーをはたいておく
ベビーパウダーは、赤ちゃんのおむつかぶれやあせもを予防するために使われる粒子の細かい粉です。水分や油分を吸収し、サラサラにする性質があります。メイク後の肌に薄くベビーパウダーをはたくと、汗や皮脂によるメイク崩れの予防になります。
なお、ベビーパウダーは肌を乾燥させやすい性質があります。乾燥肌の方は注意が必要です。
服についたファンデーションは放置しないようにしよう!
今回はファンデーションの落とし方や、外出時にシミがついたときの応急処置、ファンデーションをつけないようにする対策を紹介しました。普段の洗濯では落ちないファンデーション汚れも、洗濯前にしっかりと対策しておけば、意外と落とせます。
また、シミをきれいに落とすには、付着してからすぐの対応が鍵となります。放置すればするほど落ちにくくなってしまうので、汚れがついてしまったら、できるだけ早く対処しましょう。