トイレの水が止まらない!その原因と簡単にできる応急処置、トラブル回避のコツ

目次

トイレの水が止まらないというトラブルは、多くの人が一度は経験する日常的な問題です。このような状況を放置すると、無駄な水道代が発生するだけでなく、重大な水漏れ事故や建物の損傷につながる可能性もあります。

今回は、トイレの水が止まらなくなった際にすぐ試せる応急処置や、原因別の対処法を詳しく解説するとともに、トラブル防止の習慣も紹介します。トラブルに冷静に対応し、快適で安心のトイレ環境を保つための知識を身につけましょう。

まずは試して!タンク付きトイレの水が止まらなくなったときの対応

トイレの水が止まらなくなったとき、やみくもに部品を触るのではなく、まずは落ち着いて状況を確認することが大切です。ここでは、基本的な対応方法について順を追って説明します。

①最初に止水栓を閉める

トイレの水が止まらない場合、最優先で行うべきことは止水栓を閉めることです。止水栓は、トイレタンクの給水口近くに小さなハンドル、またはバルブとして設置されていることが一般的です。この栓を閉めることで、タンク内への水の供給を一時的に遮断でき、水が無駄に流れ続けるのを防ぐことができます。

止水栓が硬くて回らない場合は、ペンチやスパナを使って慎重に回してください。ただし、過度な力をかけて破損させないよう注意しましょう。止水栓を閉めることで、その後の原因特定や修理がスムーズに進められます。

②給水タンクを開け、水位線より水が多いか少ないかを確認する

止水栓を閉めたら、次に給水タンクのフタを外して内部を確認します。

タンク内には水位を示す目印(水位線)があり、通常の動作時にこのラインまで水が溜まる仕組みになっています。水が多すぎる場合は、ボールタップが正常に機能していない可能性が高く、水位が低すぎる場合は、ゴムフロートやオーバーフロー管に問題がある可能性があります。

フタを開ける際は、内部の部品を壊さないよう丁寧に扱いましょう。また、内部に汚れや異常が見つかった場合は、その部分に注意を払いながら次の対処を進めてください。

水位線より多い場合の対処法

水位が高い場合、ボールタップの不具合が原因となっている可能性があります。ボールタップはタンク内で水位を調整する役割を果たしており、浮き球(フロート)が正しい位置にない場合、水が止まらずに溢れる危険性があります。この場合、ボールタップの調整ネジを使って浮き球の高さを下げることで水位を適正に戻します。

もし調整しても改善しない場合や、部品が著しく劣化している場合は、ボールタップ全体を交換する必要があります。交換部品はホームセンターなどで購入できますが、交換が難しい場合は専門業者に相談するのが安全です。

水位線より少ない場合の対処法

水位が低い場合、ゴムフロートの不具合、またはオーバーフロー管が破損している可能性があります。

ゴムフロートがずれている場合は、手で正しい位置に戻すことで解決することが多いです。しかし、ゴムフロートにひび割れや硬化が見られる場合は、交換が必要になります。新しいゴムフロートを購入し、タンク内の接続部にしっかり取り付けることで解消できるでしょう。

オーバーフロー管が原因の場合、管の亀裂や破損部分を確認し、必要であれば交換を行いましょう。交換作業が難しい場合は、無理をせず専門業者に相談してください。


【補足】タンクレストイレの水が止まらなくなったときの対応

タンクレストイレの場合、タンク付きトイレと比べて構造が複雑で、内部の部品を触ること自体難しい場合が多いです。さらにタンクレストイレは部品の専門性が高いため、そもそも個人で修理するのは推奨されません。

タンクレストイレを使っていてトラブルが発生した場合は、迅速に管理会社や大家さんに連絡し、専門業者に対応を依頼することが最善の解決策です。

応急処置としては、トイレ全体の止水栓を閉めて水の流れを止めることが重要です。また、タンクレストイレ特有のエラー表示が出ている場合は、エラーコードを確認し、業者に正確な情報を伝えることで修理がスムーズに進むでしょう。

トイレの水が止まらない原因となる箇所

トイレの水が止まらない原因は、主にタンク内の部品の不具合が原因となります。特に以下の4つの箇所は、トイレの正常な動作に直結しており、それぞれが不具合を起こすと水が止まらなくなる原因となります。これらの部品について詳しく説明し、どのように修理や交換を行うべきかを解説します。

ボールタップ

ボールタップはトイレのタンク内に設置され、水位を調整する重要な部品です。この部品が正常に機能していないと、水が必要以上に流れ続ける原因になります。

具体的には、浮き球が正しく動かない場合やアームが歪んでいる場合にトラブルが発生します。調整で解決することも多いボールタップですが、もし劣化や破損が進んでいる場合は、ボールタップ全体を交換することで問題を解消できます。

ボールタップの不具合を自分で直す方法

ボールタップの不具合を直すには、まずトイレのタンク内部を確認します。最初にタンクのフタを外し、ボールタップと浮き球の動作を観察しましょう。

浮き球がスムーズに上下しない場合は、汚れや引っかかりが原因かもしれません。この場合、タンク内のゴミや汚れを取り除き、部品を軽く清掃してください。

次に浮き球の位置を調整します。タンク内の水位が水位線を超えている場合は、ボールタップの調整ネジを使用して浮き球の高さを下げます。これにより、給水が早めに停止するようになります。

一方、浮き球やアームが劣化している場合は交換が必要です。ボールタップはホームセンターなどで購入でき、取扱説明書を参考に交換作業を進めれば簡単に取り替えられます。

修理や調整を行っても水が止まらない場合は、タンク内部の他の部品や配管に問題がある可能性があるため、専門業者に相談してください。

ゴムフロート

ゴムフロートはトイレのタンク内部に設置されている部品で、タンク内の水を便器に流す際に重要な役割を果たしています。この部品は、タンクの底部に取り付けられており、便器に水を流すための開口部を塞いだり開放したりする仕組みになっています。

ゴムフロートが適切に機能することで、タンク内の水は必要なタイミングで排出され、それ以外の時にはしっかりと水を留めることができます。

ゴムフロートは弾性のあるゴム素材で作られており、時間の経過とともに劣化することがあります。特に硬化やひび割れ、汚れの付着などが発生すると、密閉性が損なわれ、タンク内の水が漏れ出す原因となります。また、取り付けが緩んだり、位置がずれると、水が止まらないなどのトラブルを引き起こすことがあります。

ゴムフロートの不具合を自分で直す方法

ゴムフロートの不具合を直すには、まずタンクのフタを外して内部を確認します。フロートが適切に開閉できていない場合や位置がずれている場合、手で正しい位置に戻すことで簡単に解決することがあります。また、ゴムフロートの接続部分が緩んでいる場合は、固定具をしっかりと締め直してください。

ゴムフロートに汚れや水垢が付着している場合、柔らかいスポンジや布を使って清掃を行います。清掃をしても問題が解決しない場合は、フロート自体が劣化している可能性があります。硬化やひび割れが見られる場合は、新しいゴムフロートに交換する必要があります。

交換用のゴムフロートはホームセンターやオンラインショップで購入可能で、取り外しと取り付けの作業は比較的簡単です。

新しいゴムフロートを取り付ける際は、元の取り付け位置を正確に確認し、確実に接続することが大切です。修理後も問題が解決しない場合は、他の部品に原因がある可能性があるため、専門業者に相談することを検討してください。

オーバーフロー管

オーバーフロー管は、トイレのタンク内に設置されている部品で、タンク内の水位が異常に高くなった際に余分な水を便器に排出する役割を果たします。この部品は、タンクが適切な水位を保ち、溢れることを防ぐための安全装置として機能します。

オーバーフロー管はプラスチック素材で作られていることが多く、時間が経つと劣化や破損が発生することがあります。特に管に亀裂が入ったり、接続部分が緩むと、水が漏れ続ける原因になります。

このような問題が発生すると、水道代が無駄に発生するだけでなく、タンクの機能全体に影響を及ぼす可能性があります。

オーバーフロー管の不具合を自分で直す方法

オーバーフロー管の不具合を直すには、まずタンクのフタを外して内部を確認します。オーバーフロー管に亀裂が見られる場合や、管が外れている場合は修理または交換が必要です。

オーバーフロー管を交換する場合、まずは止水栓を閉め、タンク内の水を排水する必要があります。その後タンクやタンク内の部品を取り外し、新しいオーバーフロー管を所定の位置に取り付け、しっかりと固定します。取り付け後は、止水栓を開けてタンクに水を入れ、水漏れがないか確認してください。

交換作業が難しいと感じた場合や、タンク内の構造が複雑な場合は、無理をせず専門業者に依頼しましょう。放置するとさらなるトラブルを招く可能性があるため、早めの対応が求められます。

水栓レバー

水栓レバーは、トイレを流す際に使用する操作部品で、タンク内の排水を開始する役割を持っています。タンクの外側に設置されたレバーを引くか押すことで、内部のゴムフロートが動き、水を便器へ流します。

水栓レバーの特徴として、操作後に元の位置に戻る設計となっています。しかし、長期間の使用によって劣化したり、レバーの接続部分が摩耗することがあります。このような不具合が発生すると、レバーが元に戻らず、水が流れ続ける原因となります。また、汚れや固着によって動きが鈍くなる場合もあります。

水栓レバーの不具合を自分で直す方法

水栓レバーに不具合がある場合、まずトイレのタンクを開けて内部の状態を確認します。動きが悪い場合や戻りが悪い場合は、汚れや接続部分の緩みが原因かもしれません。最初にタンク内のレバー周辺を掃除し、汚れや固着を取り除きます。柔らかい布やブラシを使い、レバーや接続部分が滑らかに動くようにしてください。

また、他のよくある原因として、タンク内でつながっているチェーンが外れていたり、チェーンの長さが適切でない場合があります。その場合、チェーンを丁度良い長さになるよう微調整しながら繋げてください。

上記でも改善しない場合は、部品の交換が必要です。交換には、まず古いレバーを取り外します。レバーの取り付け部分を緩め、タンクの外側からレバーを外します。その後、新しい水栓レバーを取り付け、固定ネジ(ナット)をしっかりと締めます。取り付けの際には、レバーがスムーズに動作するかを確認してください。

交換後にタンクのフタを戻し、レバーを操作して正常に動作するかテストします。レバーが正しく取り付けられていない場合、水漏れや動作不良を引き起こすことがあるため、注意深く作業を行いましょう。問題が解決しない場合や作業が難しい場合は、専門業者に相談しましょう。

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トイレの水が止まらないのを自分で対処できなさそうな場合

自分で修理を試みても解決できない場合や、原因が特定できない場合は、無理をせず専門業者や管理会社に相談することが重要です。放置するとトラブルが拡大し、修理費用が高額になることもあるため、迅速な対応が求められます。

賃貸物件の場合は管理会社か大家さんに連絡する

賃貸物件では、トイレの修理は原則として管理会社や大家さんが対応する場合が多いです。

トイレの水が止まらない場合は、まず管理会社や大家さんに状況を説明しましょう。具体的な症状や応急処置の内容を伝えると、専門業者の手配がスムーズになります。連絡が遅れると修繕費が自己負担になる場合もあるため、早めの相談が大切です。

水道業者を手配する

持ち家の場合や賃貸でも緊急性が高い場合は、直接水道業者を手配するのが良いでしょう。

地域に特化した水道業者を選ぶと迅速に対応してもらえる可能性が高く、トイレの修理に特化した業者であればスムーズに問題を解決できるでしょう。事前に業者の口コミや評判を調べて信頼できる業者を選びましょう。

応急処置で被害を最小限に抑える方法

トイレの水が止まらない場合、専門業者が到着するまでの間に応急処置を行うことで、被害を最小限に抑えることが可能です。ただし、誤った対応は問題を悪化させる場合があるため、以下のポイントに注意してください。

止水栓を閉めて水漏れを防ぐ

止水栓を閉めることで、トイレへの水の供給を一時的に遮断できます。これにより水が無駄に流れるのを防ぎ、床への水漏れも抑えられます。

止水栓が見つからない場合は、お部屋全体のメインの止水栓を閉めることも検討しましょう。

床や周囲を保護する

水が溢れた場合に備えて、床にタオルや新聞紙を敷き、漏れた水を吸収させます。特に木製の床やカーペットは水を吸いやすく、長時間放置すると腐食やカビの原因になるため、こまめに拭き取ることが大切です。

タンクや便器を分解しない

原因が特定できない状態で、タンクや便器を分解するのは極力避けましょう。分解作業を誤ると部品を破損させる可能性があり、修理費用がかさむだけでなく、新たなトラブルを引き起こすこともあります。無理をせず専門家に任せることが安全です。

賃貸でトイレのトラブルを放置した場合に起こり得る弁償内容

賃貸物件でトイレのトラブルを放置すると、住居内だけでなく建物全体に深刻な被害を及ぼす可能性があります。

特に水漏れが発生した場合には、床や壁の修繕が必要になることが一般的です。木製の床材が水に浸かると、カビが発生したり腐食が進んだりして、張り替えが必要になるケースがあります。また、壁材に水が染み込むと塗装が剥がれたり、内部に損傷が広がり、全面的な修理が必要になることもあります。

さらに、トラブルが下の階まで影響を及ぼすと被害は一層深刻化します。水漏れが原因で天井にシミや剥がれが生じたり、下の住人の家財に損害を与えたりすると、賠償責任が発生する可能性があります。このような修繕費用や補償費用は、トラブルを放置した賃借人に請求されることが多く、金額が高額になる場合も少なくありません。

放置期間が長引けば、建物全体の構造に影響が及び、大規模な修繕が必要になる場合もあります。この場合も費用の負担が賃借人に及ぶ可能性があります。

こうしたリスクを避けるためには、トラブルが発生した際に迅速に対応することが重要です。問題に気づいたらすぐに管理会社や大家さんに連絡し、適切な処置を依頼しましょう。

また、日頃からトイレを正しく使用し、定期的な点検や清掃を行うことで、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。日常的なメンテナンスを心がけることで、安心して賃貸物件での生活を続けられるでしょう。

トイレのトラブルを防ぐ日頃の利用習慣

日頃からトイレを正しく使用し、定期的に点検することで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。以下のポイントを意識して、トイレを快適に保ちましょう。

定期的な清掃と点検を行う

トイレを快適に使用するには、タンク内や便器周辺の定期的な清掃と点検が欠かせません。タンク内では、ボールタップやゴムフロートが正常に動いているかを確認し、汚れやカルキが付着している場合は柔らかい布やスポンジで取り除きましょう。

また、便器の配管や接続部分も目視でチェックし、水滴や異常がないかを確認してください。これにより、水漏れや部品の不具合を早期に発見できます。

異物を流さないよう注意する

トイレットペーパー以外のものを流すと、配管が詰まりトラブルの原因となります。湿式ティッシュや生理用品、ペット用シートなどは水に溶けにくく、配管内で詰まりやすいため、絶対に流さないようにしましょう。

このような異物が詰まると簡単には解消できず、専門業者を呼ぶ必要が生じる場合もあります。日常的に注意することで、大きなトラブルを防ぐことができます。

適切な量のトイレットペーパーの使用を心がける

一度に大量のトイレットペーパーを流すと、配管が詰まる原因になります。特に水圧が弱い物件では注意が必要です。トイレットペーパーの使用量が多くなりそうな場合は、数回に分けて流すことで排水の負担を軽減できます。

また、水に溶けにくい紙などを流すと詰まりやすいため、注意が必要です。適切な使い方を心がけることで、トラブルの予防につながります。

管理会社・大家さんの連絡先を控えておく

賃貸物件では、トイレトラブルが発生した際に迅速に対応できるよう、管理会社や大家さんの連絡先をすぐに確認できる場所に控えておきましょう。連絡の際には、トラブルの内容や状況を正確に伝えることが重要です。

また、緊急時の対応フローを事前に把握しておくことで、被害を最小限に抑えることができます。日頃から備えておくことで、安心して賃貸生活を送ることができるでしょう。

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トイレの水が止まらない場合は迅速な対応を!

トイレの水が止まらない問題は、早期対応が最も重要です。応急処置や原因の特定を迅速に行い、必要に応じて専門業者に相談することで、被害を最小限に抑えることができます。賃貸の場合は管理会社あるいは大家さんに連絡しましょう。

また、日頃からトイレを適切に使用し、定期的な点検を怠らないことで、トラブルの発生を防ぐことが可能です。この記事で紹介した方法を参考に、快適で安心なトイレ環境を維持してください。