大好きなパートナーと一緒に暮らせるのだから、もっと幸せになれると思ったのに、いざ同棲を始めたら喧嘩が増えてしまった…というのは悲しいですよね。パートナーに遠慮して言いたいことを我慢したり、価値観の違いに戸惑ったりして、同棲について悩みを抱えているカップルも少なくありません。
実は、同棲中の喧嘩には、特有の原因や解決方法があります。この記事では、喧嘩の原因を探りながら、心理学の視点から同棲生活をより良くする方法を考えていきます。これから恋人と同棲を考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
同棲すると喧嘩が増える人がいる原因
同棲中になぜ喧嘩になってしまうのか、まずは喧嘩の基本的な原因から見ていきましょう。
自己防衛
同棲中の喧嘩は、決して悪いものではありません。そもそも喧嘩は、自分を守るための行動だからです。喧嘩にまで発展するのは、単に怒っているわけではなく、自分が傷付いて苦しいからです。つまり、喧嘩はお互いのヘルプサインといえます。
気持ちの変化に伴うもの
好きなのに喧嘩をしてしまう大きな原因は、お互いの距離が縮まり、パートナーに気を使わなくなるからです。同棲を始めると、今まで考えなかったお互いの違いが見えてくることもあります。
同棲中によく喧嘩をしてしまう人の深層心理
ここからは、同棲中に喧嘩がどうして起こるのか、心理学の視点から深堀りして考えてみましょう。
関係性の変化に耐えられない
時間とともにすべては変化していくため、出会ったときのようなドキドキ感を継続することは難しいものです。「最近、冷めてしまった…」など、関係性の変化に不満を抱えているなら、パートナーとどのような関係になりたいのかをよく考えてみてください。
もちろんドキドキ感がなくても、ふたりで満足しているなら幸せといえるでしょう。
パートナーと張り合う
「自分は無駄遣いしないでお金を貯めた」「自分だけが家事をしている」など、どちらか一方の負担が大きいと、マイナスの感情も大きくなり、喧嘩の原因になります。同棲生活はチームプレイなので、ときにはパートナーに頼って、無理せず自分を甘やかしてみましょう。
「~すべき」「もっと~できる」が多い
「こまめに連絡すべき」「もっと家事ができる」とパートナーに思っていても、実際にはなかなか動いてくれない場合があります。こんなとき、ついカッとなって喧嘩の原因になります。しかし、これらは自分の考えや期待であり、パートナーには当てはまりません。お互いのストレスにならないよう、妥協点を探しましょう。
同棲中あるある!?喧嘩になる原因TOP10

ここからは、同棲中によくある喧嘩の原因を見ていきましょう。
コミュニケーション不足
一緒にいるからといって、コミュニケーションがしっかりとれているとは限りません。お互いの気持ちや考えを十分に話し合わないと、不満が溜まりやすくなるものです。
家事の分担
仕事で疲れてヘトヘトで帰ってきたときに「分担したはずの家事が終わっていない」という状況になると、イライラしてしまうものです。また「私のほうが家事を多くしている」と感じると、不公平感にもつながります。
生活リズムの違い
朝型か夜型によって、生活リズムは大きく異なります。もともと夜型の生活を好んだり、仕事がシフト制であったりすると、お互いの睡眠や活動時間に影響が出て、疲れを感じることがあるかもしれません。
清潔感の違い
一緒に暮らしていると、キッチンやリビングは自然に汚れてしまうものですが、掃除や片付けはどうしても後回しになりがちです。ただ、清潔感に対する感覚は人それぞれです。「出しっぱなしの靴下」「脱ぎっぱなしの洋服」が目について、喧嘩の原因になることもあるでしょう。
金銭感覚
同棲生活が落ち着いてきたら、将来のためにお金を貯めたいところですが、パートナーが無駄遣いをしたり、貯金への意識が低かったりすることもあります。
自由に過ごせない
ひとり暮らしのときは、好きな音楽を聴いたり、趣味に没頭したりと自由に時間を使えますが、同棲を始めると一緒に過ごす時間が多くなります。一日中家の中でダラダラしたり、ゴロゴロしていたりすると、パートナーから怒られてしまうかもしれません。
好きな空間を作れない
同棲生活では、キッチンやリビング、トイレなどがすべて共有スペースです。そのため、家具や雑貨は自分の好みだけでなく、パートナーの好みにも合わせる必要があります。
部屋の広さによっては、自分の趣味や推しグッズのコレクションを飾るスペースが限られ、ストレスになることもあるでしょう。
友達を気軽に呼べない
自分の友達や家族を自宅に呼ぶためには、パートナーの予定や気分なども考えなければいけません。パートナーに気を遣って、窮屈さを感じることもあるでしょう。
スマホやSNSの使い方
大切な話をしているときに、パートナーがスマホを触っていて話を聞かない、パートナーがSNSで異性と頻繁に交流しているなど、スマホやSNSの使い方によっては、ふたりの関係がぎくしゃくすることもあります。
健康に対する意識の違い
コロナ禍以降、健康に対する意識を強く持つようになった人も多いのではないでしょうか。「健康第一」と考えると、食事に気を使うようになったり手洗いや消毒をこまめにしたり、細かい習慣を守りたくなります。ただし、過度に気にするのは疲れると感じる方もいるでしょう。
同棲中に喧嘩をすることで起きる問題
同棲中に喧嘩になるのは、パートナーに「~してほしい」という希望や期待があるからです。ただし、パートナーを変えるのは難しいため、自分が変われるかに目を向けて成長していきましょう。
パートナーシップの見直し
ストレス発散の喧嘩や、相手を否定するような言葉を使うパートナーなら、関係性の見直しが必要です。あまりにも喧嘩が繰り返されると、お互いへの不信感につながります。精神的なダメージが大きい場合は、別れることを検討しましょう。辛い状況にあるのなら、ひとりで抱え込まず、誰かに相談してみてください。
同棲生活自体がストレスになる
家事をするときも、遊びに行くときも、休憩するときも、自分から積極的に行動するほうが気分良く過ごせます。なぜなら、人は他人に命令されたり、強制されたりすると「やらされている」と感じて、やる気を失うからです。
もし家事ができないという理由で喧嘩になるなら、できるほうが家事をするほうが楽しく過ごせます。お互いを尊重しながら、主体性を持って同棲生活を過ごしましょう。
同棲中に喧嘩をすることで良いこともある

同棲中に喧嘩が起きても、それを乗り越えれば、かけがえのないパートナーになることもあるでしょう。
効率的に時間を使える
同棲中の喧嘩によって、お互いの感性や得意分野がよく理解できることがあります。自分が苦手な家具の組み立てをパートナーが簡単に組み立てることもあれば、逆に料理が得意な自分が料理を担当して、効率的に時間を使えることもあるでしょう。
もし仕事や生活リズムですれ違いが起きるなら、スケジュールを見える化するのがおすすめです。事前にパートナーの行動を把握していれば安心感につながり、スケジュール変更があっても柔軟に対応できます。
結婚準備になる
同棲が必ずしも結婚へつながるわけではありませんが、カップルによっては結婚を意識している方も多いかもしれません。同棲生活の中で喧嘩をしても修復でき、お互いに尊敬できる関係であれば、結婚へ向けて話を進めても良いでしょう。
【喧嘩の種類別】仲直りの方法
ここからは、喧嘩の種類別に、仲直りの方法をご紹介します。
感情的になりヒートアップした場合は冷却期間を設ける
喧嘩で興奮しているときの状態では、気持ちをコントロールしづらく、冷静になれません。喧嘩の問題をいったん先送りにして、冷却期間を設けましょう。
再度、問題について話し合うときは、パートナーを責めるのではなく、お互いのプラスになるように話を進めるのがポイントです。
些細な喧嘩をした場合は同棲できていることに感謝をする
些細な喧嘩や雰囲気が悪くなりそうなときは「ちょっとトイレに行ってくるね」「窓を開けてくるね」など、その場からいったん離れて、まずは自分の気持ちを整えましょう。
そして、今の同棲生活に注目してみてください。「ご飯を一緒に食べる」「テレビを一緒に見る」など、何気なく普通にできている生活に感謝すると、喧嘩というネガティブ思考から脱却できます。
意見の対立があった場合はパートナーの物差しに寄り添う
親しい関係になると「パートナーは私をよく理解している」「わかっていて当然」という思考が強くなります。つまり、同棲によって誤解や喧嘩など、感情的なトラブルが起こりやすいのです。
このようなトラブルを避けるためには、パートナーの物差しに合わせて、その考えを理解しようとする姿勢が大切です。
【心理学】喧嘩を長引かせないためのコツ

喧嘩を長引かせないためにはどうすれば良いのか、心理学のアプローチから対処方法を考えてみましょう。
アンガーマネジメント:パートナーの怒りのスイッチを見極める
喧嘩になってしまったら、パートナーを観察してみましょう。観察すること自体に意識が集中して、自分自身の気持ちが落ち着いてくるはずです。
次にパートナーは、お金、家事、家族、何について怒りのスイッチが入りやすいのかを分析し、パートナーの感情を理解するように努めます。このような方法を心理学では、アンガーマネジメントと呼びます。
相手の怒りのスイッチを知り、自分の感情をコントロールすることで、お互いに良好な関係を保つことが可能です。
アサーション:上手な伝え方
アサーションとは、パートナーの意見を尊重しながら、自分の立場や考えを明確に伝えるコミュニケーション技術です。さっそく、下記の例を試してみましょう。
例:洋服や靴下を片付けない相手に対するアプローチ
1.理由を聞く
いきなり「片付けて」と命令口調で言っても、相手は動きません。まずはなぜ片付けないのか、その理由を聞いてみましょう。もともと片付けが苦手であったり、仕事で疲れていたりと何かしらの理由があるはずです。その理由や価値観を踏まえて、次の段階に進みます。
2.お願いベースで話す
基本はお願いベースです。お願いしているのに、頭ごなしに怒る人は少ないものです。「脱いだ服、洗濯カゴに入れてもらえると助かる~」というように、相手が受け入れやすい言葉で伝えます。
3.主語を「私」にする
「相手の名前」を主語にすると「相手のせいで~となった」という攻撃的な表現になります。主語を私にして「私は●●されて悲しいと思った」など、素直な気持ちを伝えると対立を避けられます。
セルフ・モニタリング:ノートや手帳に書き出す
パートナーにムカッとして、ついつい強い口調で言い返すと、その後に喧嘩になることもあります。ムカッとしたときに反応せず、できるだけ落ち着くために、自分の怒りや悲しみをパーセンテージで数値化してみましょう。
最大のイライラレベルが100パーセントだとして、喧嘩したときのイライラレベルは何パーセントでしたか?自分自身の気持ちを実況中継するように、ノートや手帳に書き留めておきましょう。時間が過ぎるとその数値は小さくなり、自然と消えていきます。
なお、このように自分の感情を客観的に見つめるためのアプローチ方法を、セルフ・モニタリングといいます。
例:ゆっくりテレビを見ようと思ったときに、パートナーに「家事をして」と言われた
→怒りレベル60パーセント
同棲中も円満に過ごすために心がけるべきこと

快適な同棲生活を続けるにはどうしたら良いのか、同棲生活で心がけるポイントを紹介します。
リラックスできる空間作り
同棲生活では、食事や睡眠、仕事や勉強、リラックスタイムまで、同じ部屋で一緒に過ごすことが多くなります。家具や家電の配置を工夫して、お互いに自分の部屋を持つなど、自分だけの時間を作りましょう。
<快適な空間の作り方>
・ひと休み用ソファを用意する
・背の高い植物や本棚で仕切ってプライベート空間を作る
・アロマや照明など五感を刺激してリラックス空間を作る など
お金の管理
同棲中は、家賃、食費、光熱費など、生活に関わるお金をふたりでやりくりする必要があります。パートナー任せにするのではなく、お互いに学びながら意識してお金を使うようにしましょう。
また、将来のために節約して貯金を増やすことも大切です。ただし必要以上に切り詰めると、ストレスが大きくなります。無理をせず、まずは毎月かかる固定費を見直してみましょう。スマホのプランを見直して通信費を減らすなど、楽しく生活を続けるために、ふたりで協力して工夫していきましょう。
パートナーの何気ない行動や努力に気づいて寄り添う言葉を伝える
毎日一緒に過ごしていると、あえて言葉を交わさなくなることがあります。「今さら言っても……」と思いがちな感謝の言葉も、パートナーに伝えてみましょう。何気ない行動に気づき、それを言葉にするだけで「認められた」と感じ、信頼関係が強くなります。
<パートナーへの感謝の言葉>
「一緒にいてくれてありがとう」
「この料理、美味しいね」
「仕事、頑張っているね」など
照れくさくて言葉で伝えるのが難しい場合は、パートナーの話を聞くときに、うなずいたり呼吸を合わせたりするだけでも構いません。パートナーの気持ちに共感する姿勢が、何よりも大切です。
同棲中の喧嘩はデメリットが多いが絆を深めるのにメリットになることもある!
同棲中に喧嘩をして怒ってしまうのは、誰にでも起こり得ることでしょう。そもそも喧嘩は、自分を守るための行動です。喧嘩にまで至るのは、単に怒っているわけではなく、自分が傷付いて苦しいからです。つまり、喧嘩はお互いのヘルプサインといえます。
大切なのは、パートナーが出すヘルプサインに気づいて応えることです。そのためには、お互いの得意なことや苦手なことを受け入れ、どのような将来を築きたいのかを話し合いましょう。