マネープランの立て方は4ステップ!家族構成別で必要な情報や作成手順を教えます

目次

教育資金や住宅資金、老後資金など、将来のお金に対する不安を抱えている方も多いでしょう。不安に思いつつも、どうしたらいいかわからないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この不安を放置してしまうと、教育資金や老後資金が必要な時期が近づいた際に、資金不足で理想の人生を送れなくなる可能性があります。この問題を解決する手段の1つが、マネープランを立てることです。

今回の記事では、マネープランを立てるメリットやマネープランの立て方を解説します。将来のお金に関する不安を解決したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

マネープランとは

マネープランとは、人生における資金管理に不可欠なお金の計画です。マネープランでは、日々の支出だけでなく、教育費、趣味や娯楽、将来の大きなイベントなども含めた必要な資金を具体的に計画します。マネープランの実現に必要な資金を手に入れるための貯金や投資など、資産形成の方法も含まれます。

マネープランとライフプランの違い

マネープランと似た言葉に「ライフプラン」があります。この2つの言葉は似ていますが、主軸となるものが違います。マネープランの場合はお金が主軸であり、ライフプランの場合はライフイベントが主軸です。

車の購入、結婚・出産、マイホームの購入、就職・独立、老後生活などが、人生における大きなライフイベントとされています。このようなライフイベントに必要なお金を予想して、計画的に準備することがライフプランです。

マネープランを考えるうえでライフプランはベースになるため、ライフプランをまだ具体的に考えていない方は一緒に考えていきましょう。

マネープランを考えておくべき3つの理由

マネープランを考えておくべき理由としては、以下の3つがあります。

1.いざというときに後悔しないため

2.早い段階から計画的に資産形成を行えるため

3.資産に対する危機感を早めに覚えられるため

それぞれを解説していきます。

必要な金額を先に把握しておくことで、いざというときに後悔しない

1つ目の理由は、いざというときに後悔しないためです。人はそれぞれ理想の人生があります。好きな車に乗りたい、理想のマイホームを建てたい、結婚して子どもは2人以上いてほしい、配偶者と一緒に豊かな老後生活を送りたいなど、さまざまです。

その理想の人生を実現させるためには、お金が必要になります。たとえば、生命保険文化センターが令和4年に行った調査によると、夫婦2人がゆとりある老後生活を送るためには、平均で月37.9万円必要とされています。

一方で、厚生労働省年金局の調査によると、令和4年の年金受給額は老齢厚生年金で月144,982円、老齢基礎年金で月56,428円でした。片働き夫婦の年金受給額の平均が201,410円、共働き夫婦の年金受給額の平均が289,964円なので、ゆとりある老後生活を過ごすためには年金だけでは不足することがわかります。

このように、将来必要になるお金が不足するとわかっていると、必要な金額を前もって準備できるため、お金の面で後悔しにくくなります。

早い段階から計画的に資産形成を行える

2つ目の理由は、早い段階から計画的に資産形成を行える点です。仮に将来2,000万円が必要だとして、10年間で準備すると単純計算で毎年200万円、20年間で準備するなら毎年100万円、30年間で準備するなら毎年66.6万円の貯金が必要です。

このように早めに資産形成をするほうが、1年あたりに必要な貯蓄額を減らせて、資産形成を有利に進められると言えます。

資産に対する危機感を早めに覚えられる

3つ目の理由は、資産に対する危機感を早めに覚えられる点です。マネープランを考えるうえで必要な資金が2,000万円、3,000万円、あるいはそれ以上であるとわかると、危機感を覚えやすくなります。

現時点で毎年いくら貯蓄できるか、将来的に出世をした場合にいくら貯蓄できるかなどは、現時点である程度わかると思います。そして貯蓄可能額と必要な金額、その資金が必要になるまでの期間がわかると、今のままの生活で問題ないか、改善が必要かの判断が可能です。

先ほども解説した通り、資産形成は早めに取り組んだほうが有利に進められます。マネープランを考えて、危機感を覚えることで行動に移しやすくなるため、結果的に理想の人生の実現に近づきます。

【ライフスタイル別】マネープランの立て方

次に、ライフスタイル別のマネープランの立て方について解説していきます。まず、前提となるマネープランの立て方の流れを解説します。

1.現状把握

2.ライフプランから将来必要な金額を考える

3.資金計画を立てる

4.必要があればライフプランを修正する

5.大まかな流れは、上記のとおりです。

現状把握では、現在の収入と支出、預貯金や金融資産を含む資産と、住宅ローンや奨学金などの負債を確認しましょう。次に、結婚・出産、マイホームの購入、趣味・娯楽、理想の老後生活などから、どのような人生を送りたいかライフプランを整理し、将来必要な金額を考えます。

最後に、資金計画を立てます。年間でいくら貯蓄できるか、今後の収支がどのように変化するか、いつまでにいくら必要かといった点がポイントです。資金計画に無理がある場合は、ライフプランを変更して調整します。結婚や子育てを始める年齢を遅らせたり、趣味・娯楽に使うお金を減らしたり、収入が増えるように副業や独立、転職を検討したりなどが挙げられます。

例①夫婦 × 子持ちのマネープラン計画

まず、夫婦 × 子持ちのマネープランについて考えてみます。最初は現状把握からです。毎年の収支や資産・負債を把握してください。次にライフプランの確認です。子どもがいる夫婦であるため、ポイントとなるのは教育資金です。

教育資金は子どもが私立の学校に入学するか、子どもが何人いるか、奨学金を利用するかなどによって必要な金額が変わります。日本政策金融公庫による令和3年の『教育費負担の実態調査結果』によると、子ども1人にかかる高校・大学の費用の平均は以下のとおりです。

高校入学から卒業まで261.8万円
国公立大学へ進学743.0万円
私立大学文系へ進学951.6 万円
私立大学理系へ進学1,083.4万円

参照:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」|日本政策金融公庫

上記の金額を目安に教育費の準備を進めつつ、マイホームの購入資金や老後資金の準備も進める必要があります。

子どもがいる家庭の場合は支出が多くなりがちであるため、すべての資金を計画的に準備することが難しい場合もあります。その際は、教育資金や住宅資金を優先するなど、資金計画の変更が必要です。

例②夫婦 × 子なし(DINKs)のマネープラン計画

子どもがいない共働き夫婦のマネープランについて考えてみます。

国税庁の令和4年の『民間給与実態統計調査』によると、給与所得者の平均給与は458万円でした。共働き夫婦なので、世帯年収を単純に2倍で考えると916万円です。

このケースでポイントとなるのは、老後生活をどのように過ごしたいかです。子どもがいないため、教育資金は必要ありません。世帯年収で916万円あればマイホームを購入し、住宅ローンの返済があったとしても毎年一定額を貯蓄できるでしょう。

そのため、ライフイベントで重点的に考えるべきは、老後生活になります。具体的には、退職後にどこに住みたいか、趣味・娯楽にどのくらいのお金を使いたいかなどを踏まえたうえで、資金計画を考えてみてください。

例③独身 × 子なしのマネープラン計画

独身で子どもがいないケースについて考えてみます。ポイントは、将来的に結婚・出産を考えているかです。考えている場合は、将来に向けて貯蓄が必要になります。独身であれば貯蓄しやすいため、今の段階から貯蓄を始めましょう。結婚・出産を考えていない場合であれば、住居費と老後資金を中心に考えてください。

住居費を考えるうえでは、将来的に持ち家にしたいかどうかがポイントです。定年退職後は収入が減るため、家賃が相対的に高くなることから、独身でも持ち家を選択する人がいます。「いつかはマイホームを」と考えているのであれば、今の段階から計画的に貯蓄しましょう。

一方で持ち家を考えていない方は、家賃を含む老後生活に必要な資金を予想して、計画的に貯蓄を進めてください。

例④独身 × 子持ちのマネープラン計画

最後に、独身で子どもがいるケース、シングルファザーやシングルマザーのマネープランについてです。このケースでも、子どもの教育資金を優先的に準備したいところです。シングルであるため、通常の子育て夫婦よりも収入が少なくなりやすく、より計画的に進める必要があります。

その次に、ご自身の老後資金について考えていきます。年金収入も1人分であり、子どもにかかる費用も考えると、ゆとりのある老後生活を送るためにはしっかりとした計画が必要です。貯蓄に回せる金額を多く確保することが難しくなるため、NISAやiDeCo、保険などを積極的に活用しなければならない可能性もあります。

また、現在の収入ではマネープランの実現が厳しい場合、節約には限界があるため、転職や副業なども検討する必要があります。

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FP持ち元銀行マンの私が教える、マネープランで失敗しないポイント

マネープランで失敗しないポイントをご紹介します。具体的には、以下の5点です。

1.視野を広げてプランを組む

2.早めに行動に移す

3.無理のない計画を組む

4.固定費を見直す

5.転職・副業などで収入を増やす

それぞれを解説していきます。

視野を広げてプランを組む

マネープランを考える際は、多めに見積もることがポイントです。将来必要なお金を準備する計画であり、将来必要なお金はさまざまな要素で変動するからです。

たとえば、今の物価と将来の物価は、必ずしも同じであるとは限りません。今でさえ、数年前、10年前と比較して、さまざまな商品・サービスの価格が上がっていると感じているかと思います。さらに、税金や社会保険料の負担も大きくなっていることから、余裕を持った計画が大切です。

また、5年後、10年後にはやりたいこと、ライフプランが変わっている可能性もあります。急にお金が必要になる可能性も考えて、必要資金は多めに見積もっておくと将来役立つでしょう。

早めに行動に移す

ポイントの2つ目は、早めに行動に移すことです。繰り返しますが、資金計画は早めに行動したほうが有利に進みます。また、あとでやろうと考えるとついつい忘れてしまい、時間が経ってしまいます。

マネープランをご自身で考えることが難しい、時間がかかって大変そうと感じた方は、FP(ファイナンシャルプランナー)などのプロに相談することもおすすめです。

無理のない計画を組むように心がける

ポイントの3つ目は、無理のない計画を心がけることです。具体的には、収入は少なめに、支出は多めに見積もることがポイントです。

収入や収支を完璧に予測することは非常に困難ですので、甘い計画を立てないことが失敗しないポイントになります。特に、将来の収入や支出は不透明なことが多いので、収入は少なめに支出は多めに見積もり、マネープランを考えましょう。

たとえば、10年後には収入が100万円増えている予定が、実際には50万円しか増えなかった、年間支出が想定よりも50万円増えたなどが起きると、マネープランを立て直す必要性が出てきます。そして、不足する分を補うために、ライフプランを変更したり、節約を強いられたりする可能性も考えられます。

そのため、無理のないように計画を立てることが失敗しないポイントです。

固定出費を見直して必要な金額を貯めていく

ポイントの4つ目は、固定出費の見直しです。固定出費を一度見直すと、翌月以降も節約効果が持続するため、年間貯蓄額を効率的に増やせます。

代表的な固定出費には、以下のようなものがあります。

・家賃

・スマホ料金

・水道光熱費

たとえば、家賃を1万円下げると年間で12万円の節約になり、貯蓄可能額が12万円増えます。

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転職・副業などで収入を増やす

ポイントの5つ目は、収入を増やすことです。貯蓄額を増やすためには、収入を増やすことも効果的です。たとえば、今勤めている会社の勤続年数が増えても収入が増える見込みが薄く、マネープランの実現が難しい場合は、転職や副業などで収入を増やす必要があります。

給与は増えないがプライベートの時間に余裕がある方は副業を、給与が増える見込みが少なく、残業・休日出勤が多い方は転職を検討してみてください。副業を考える方であれば、通勤時間を減らして、副業に使える時間を確保できる物件に引っ越す選択肢も有効です。

人生設計を十分なものにするために、マネープランを立ててみよう

マネープランを考えられると、お金に困らない人生を送りやすくなります。どのような人生を送りたいか、いつまでにいくら必要なのかといった点が明確になり、計画的な貯蓄が可能になります。

失敗しないためのポイントはいくつかありますが、最も大切なことは早めに行動することです。この記事を参考に、ぜひマネープランを立ててみてください。