職場の近くに住む「職住近接」とは?メリットや注意点、お部屋探しのポイント

目次

毎日、満員電車に揺られて会社に行くことに疲れている方は多いのではないでしょうか。通勤時間短縮のために職場の近くに住む「職住近接」なら、通勤時間の短縮やストレス軽減といったメリットがあります。

しかし、家賃の高さやプライベート時間の減少といったデメリットも存在するのが現状です。

そこで今回は、通勤時間に悩む方や、仕事と生活のバランスを確保したい方のために、職場の近くに住むことの具体的なメリットやデメリット、さらにはお部屋探しの際の注意点について詳しく解説します。

この記事を読むことで、職住近接の利点や注意点を理解し、自分に最適な住まいの選び方がわかります。忙しい毎日を少しでも快適にしたい方や、これから引越しを検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

自宅から会社までの平均通勤時間はどのくらい?

総務省の「社会生活基本調査」によれば、日本全国の平均通勤時間は1時間19分です。この数字は都市部と地方で大きく異なり、大阪で1時間27分、東京都では1時間35分となっている一方、宮崎県は56分と最も短い通勤時間となっています。

地域平均通勤時間
全国平均1時間19分
東京都1時間35分
大阪府1時間27分
宮崎県56分

出典:「令和3年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)P15 

通勤時間の長さは、日常生活の質にも大きく影響します。毎日の通勤に多くの時間を費やすことで、家族や趣味に充てる時間が減少し、ストレスが蓄積されるため注意が必要です。

職場の近くに住むことが、時間の節約や生活の質の向上につながると考える方が増えています。たとえば、職場から徒歩や自転車で通勤できる距離に住むことで、通勤時間を大幅に短縮できます。

これにより、毎日の通勤ストレスが軽減されるだけでなく、余裕を持って一日のスケジュールを組むことが可能です。

通勤時間が短縮されることで、家族や友人と過ごす時間や自分のための時間を確保でき、生活の質が向上します。現在の通勤時間を見直し、改善が必要な場合は「職住近接」の選択肢を考えてみましょう。

職住近接の “時間” のメリット

職場の近くに住むことで得られる「時間」のメリットは、現代の忙しいライフスタイルにおいて重要です。ここでは、具体的なメリットについて解説します。 

通勤時間が短くなる

職場の近くに住むことで得られるメリットは、通勤時間の大幅な短縮です。通勤時間が短い分だけ自由な時間が増え、ストレスも軽減されます。

毎日の通勤が数分でも短くなることで、心身の負担が軽くなり、仕事のパフォーマンス向上にもつながります。 

プライベートの時間が増える

通勤時間が短くなることで、仕事以外のプライベートな時間が増えます。家庭や友人との時間を充実させて、リラックスするための時間を持つことが可能です。

これにより、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなります。 

趣味やスポーツ、勉強などに時間が充てられる

余った時間は、趣味やスポーツ、勉強などに充てられます。たとえば、スポーツジムに通ったり、資格の勉強をしたりするための時間を確保することが可能です。

自己成長や健康維持に積極的に取り組むことができれば、毎日の生活が充実します。

職住近接の “お金” のメリット

職場の近くに住むことには、経済的なメリットが多くあります。ここでは、具体的なメリットを詳しく解説します。

交通費が節約できる

職場の近くに住むことで、交通費が大幅に節約できます。通勤時間が短くなることで定期券やガソリン代が不要になるため、毎月の出費を抑えることが可能です。

徒歩や自転車で通勤できる距離に住むと、交通費はほとんどかかりません。節約したお金は、趣味や娯楽など他の用途に充てられます。

食費が節約しやすい環境を作れる

職場の近くに住むと、ランチタイムや休憩中に自宅に戻って食事ができます。外食を控え、自炊することで、食費を大幅に削減することが可能です。

簡単な昼食を自宅で準備するだけで、食費の節約と、自炊による健康管理に役立ちます。

家賃補助をもらえる場合がある

企業によっては、職場の近くに住む社員に対して家賃補助を提供する場合があります。家賃補助により、さらに経済的なメリットを享受できるため、ぜひ利用したい制度です。

あらかじめ、勤務先の福利厚生制度を確認しておきましょう。

職住近接の “健康” のメリット

職場の近くに住むことは、健康面で多くのメリットをもたらします。ここでは、具体的な健康メリットを解説します。

通勤によるストレスが減る

長時間の通勤は、精神的・肉体的なストレスを引き起こします。しかし、職場の近くに住むことで通勤時間が短縮され、ストレスが大幅に減少します。

ストレスが軽減されることで、日常生活の質が向上し、心身の健康を保つことが可能です。

体調管理がしやすくなる

通勤時間が短くなることで、生活リズムが安定しやすくなります。安定した生活リズムは、健康維持に不可欠です。

たとえば、十分な睡眠時間を確保しやすくなり、規則正しい食事や運動の時間も確保できます。これにより、体調管理が容易になり、健康的な生活を送ることが可能です。

睡眠時間が確保できる

職場の近くに住むと、通勤に費やす時間が短縮されるため、より多くの睡眠時間を確保できます。十分な睡眠は、健康維持に重要であり、日中のパフォーマンスを向上させる効果があります。

睡眠時間をしっかりと確保することで、心身ともにリフレッシュし、毎日の生活がより充実します。

職住近接の “環境” のメリット

職場の近くに住むことは、環境面でも多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットを解説します。

SDGsの観点から良い

職場の近くに住むことで通勤時間が短縮され、通勤に伴う二酸化炭素排出量の削減につながります。車や電車の使用が減るため、環境負荷が軽減され、持続可能な社会の実現に寄与します。

一人ひとりの小さな選択が、地球環境を保護するための活動に繋がるため知っておきましょう。

災害時に帰宅困難にならない

大地震などの災害時に遠方から通勤している場合、帰宅困難者となるリスクが高まります。しかし、職場の近くに住んでいれば、災害発生時にすぐに自宅へ戻ることが可能です。

災害時の不安やストレスを軽減し、安全に過ごせます。

地域コミュニティへの参加がしやすい

職場の近くに住めば、地域のイベントや活動に参加しやすいです。地元の人々との交流を深め、地域コミュニティに積極的に関わることで、生活の質が向上します。

たとえば、地元の祭りやボランティア活動に参加することで、新しい友人を作り、地域社会に貢献できるため、一石二鳥です。

職住近接の “生活” のメリット

職場の近くに住むことで、生活の利便性が大きく向上します。具体的なメリットをここで解説します。

職場周辺の環境によっては生活の利便性があがる

都市部の職場の近くは、周辺施設が充実していることが多く、生活の利便性が向上します。たとえば、飲食店、スーパー、ジムなどが徒歩圏内にあることが多く、日常生活が便利です。

余分な時間や労力をかけずに必要なものが手に入れば、効率的に生活を送れます。

時間的余裕から朝活が充実する

職場の近くに住むことで通勤時間が短縮され、朝の時間に余裕が生まれます。この時間を利用して、朝活として勉強や趣味の時間を確保できます。

たとえば、早朝にカフェで読書をしたり、ジムで運動したりすることで、充実した一日のスタートを切ることが可能です。さらに、自己成長や健康維持にもつながります。

仕事と生活のバランスが取りやすくなる

職場が住んでいる家の近くにあれば、仕事が終わった後すぐに帰宅できます。そのため、家族との時間やリラックスする時間を増やすことが可能です。

また、職場に近いことで急な仕事の対応もしやすくなり、柔軟に生活リズムを調整できます。

職住近接の “気持ち” のメリット

職場の近くに住むことは、精神的な面でも多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットを説明します。

出勤時間に余裕ができるので朝ゆっくりできる

通勤時間が短縮されることで、朝の時間に余裕が生まれます。急ぐ必要がなくなり、ゆっくりと朝食を取って、リラックスした朝のひとときを過ごせるでしょう。

一日のスタートを心地よく切ることができ、ストレスの軽減にもつながります。

仕事に対する集中力が高まる

通勤時間の短縮によって、通勤による疲労が減少し、仕事に対する集中力が高まります。朝からリフレッシュした状態で仕事に取り組むことができ、生産性の向上が期待できるでしょう。

そのため、効率的に業務を進めることができ、仕事の質も向上します。 

職場と家庭のバランスが取りやすい

職場の近くに住むことで、職場と家庭のバランスを取りやすくなります。たとえば、緊急時に職場に迅速に対応できる一方、家族との時間も大切にすることが可能です。

職住近接はワークライフバランスを重視する方にとって理想的な生活スタイルといえます。

職住近接の “時間” のデメリット・注意点

職場の近くに住むことには、時間的なデメリットも存在します。ここでは、それぞれ詳しく解説します。

通勤中の読書や音楽鑑賞の楽しみが減る

通勤時間が短縮されると、通勤中の読書や音楽鑑賞、考え事などのリフレッシュ時間が減ります。人によってこの時間は、日常のストレス解消やリラックスのために重要な役割を果たします。

短い通勤時間では、これらの活動が十分にできなくなるかもしれません。

職場に近いことから自由な時間が減るかもしれない

職場が近いと、急な業務依頼や残業の依頼に対応しやすくなり、自由な時間が減る可能性があります。また、上司や同僚からの呼び出しにも応じやすくなり、結果として仕事の時間が増えることが考えられるでしょう。

プライベートの時間を確保するのが難しくなる点は、デメリットです。

仕事とプライベートの境界が曖昧になる

職場が近いことで、仕事とプライベートの境界が曖昧になります。常に仕事のことを考えてしまい、完全にリラックスする時間を取るのが困難です。

このような状況が続くと、精神的な疲労が蓄積され、ストレスが増える原因となります。

職住近接の “お金” のデメリット・注意点

職場の近くに住むことには、経済的なデメリットも存在します。詳しく見ていきましょう。

職場の場所によっては家賃が高額になるかもしれない

職場が都市部にある場合、家賃が高額になることがあります。特に人気エリアでは、賃貸物件の需要が高いため、家賃相場が高めです。

そのため、予算内での物件探しが難しくなるケースがあります。家賃を抑えたい場合は、少し離れた場所の住まいを検討するようにしましょう。

職場の場所によっては生活費が高くなる可能性がある

オフィスビルが多く建ち並ぶ都市部などは、資産価値が高くなるため、物価が高めです。特に食料品や日用品の価格が高くなることがあります。

生活費を抑えるためには、安く買える店を探して、計画的な買い物を心がけることが重要です。

職住近接の “健康” のデメリット・注意点

職場が近いことで運動不足になり、不健康になる場合があるため注意が必要です。ここでは、健康についてのデメリットや注意点を解説します。

運動不足になりやすい

職場が近いと、通勤距離や時間が短くなり、日常的な運動量が減少する可能性があります。徒歩や自転車での通勤は、多くの人にとって貴重な運動時間ですが、会社までの距離が近すぎると運動不足に陥るでしょう。

定期的なジョギングやジム通いなど、日ごろから通勤以外の運動習慣を取り入れることが重要です。

起床や就寝時間が不規則になりやすい

職場が近いことで、通勤時間の短縮により「もう少し寝られる」と考え、起床時間が遅くなりがちです。

しかし、このような生活リズムは、体内時計を狂わせ、睡眠の質を低下させる原因となります。規則正しい生活リズムを維持するためには、就寝時間と起床時間を一定に保つことで、健康的な睡眠サイクルを維持できます。

職住近接の “環境” のデメリット・注意点

職場の近くに住むことには、環境面でのデメリットもあります。ここでは詳しく解説します。

職場環境によっては車や電車の音がうるさい傾向にある

職場が繁華街や主要な交通路に近い場合、車や電車の音がうるさくなる可能性があります。特に、夜間や早朝に交通量が多い場所では、騒音が日常生活に影響を及ぼします。

解決策としては、防音対策のしっかりした物件を選ぶことが重要です。内見時に、周辺の騒音レベルを確認するようにしましょう。

通勤時間の短縮によって活動時間が減少する

通勤時間が短縮されると、通勤中に読書や音楽鑑賞を楽しむ時間が減る場合があります。リフレッシュする機会が減ることは、ストレスの解消に影響を与えがちです。

代わりに、職場近くのカフェや公園でリラックスする時間を設けると良いでしょう。

職住近接の “生活” のデメリット・注意点

ここでは、職場の近くに住むことの “生活”面でのデメリットを詳しく解説します。

遅くまで残業をしてしまう

職場が近いと、つい遅くまで残業をしてしまうことがあります。職場が遠いと「早く帰らなければ」という意識が働きますが、近いとその意識が薄れるためです。

そのため、仕事とプライベートの時間をしっかり区別する習慣をつけることが大切です。定時に帰る日を設定したり、残業をする日を決めることでバランスを保てます。 

職住近接の “気持ち” のデメリット・注意点

職場の近くに住むことには、健康面でのデメリットもあります。ここでは、詳しく解説します。

常に会社のことを考えてしまい、気が休まらない

職場が近いと、ついつい会社のことを考えてしまい、気が休まらないことがあります。家にいても仕事のことが頭から離れず、リラックスできません。

家に帰ったら、仕事のことを考えない時間を意識的に作ることが重要です。リラックスできる趣味を持つことや、オフタイムを楽しむように心がけましょう。

プライベートと仕事の切り替えが難しくなる

職場が近いと、プライベートと仕事の切り替えが難しくなります。家から職場までの距離が遠いと、通勤時間を利用して頭を切り替えられますが、近いとその時間がなくなります。

そのため、仕事のストレスが家に持ち込まれ、完全にリラックスできないことが増える可能性があります。家に帰る前にカフェに寄るなどのルーティンを作り、気持ちの切り替えを図ることが有効です。

職場の近くに住む「職住近接」がおすすめの人

ここでは、職場の近くに住むことがおすすめの人の特徴を解説します。

通勤時間を短縮したい人

職住近接は、通勤時間の短縮により、趣味や家族との時間、リラックス時間などを増やしたい人におすすめです。毎日の通勤が短くなることで、一日の時間をより有効に使うことができ、生活の質が向上します。

また、通勤疲れも減少するため、仕事後の活動も充実させやすくなります。

通勤のストレスを軽減したい人

通勤ラッシュや長時間の通勤によるストレスを避けたい人にとって、職場の近くに住むことは有効です。

満員電車や長時間の運転から解放されることで心身の健康を保つことができ、ストレスの軽減によって日常生活の質が向上します。

緊急対応が必要な仕事をしている人

急な対応が求められる医療従事者や緊急対応が必要な管理職、シフト制の仕事をしている人にとって、職場の近くに住むことは便利です。迅速に職場に到着できるため、緊急時の対応がスムーズになります。

また、勤務終了後の移動時間が短縮されることで、迅速に休息を取れるためリラックスする時間を確保できます。

ワークライフバランスを重視する人

仕事と生活のバランスを取りたい人に「職住近接」はおすすめです。通勤時間が短いため、より多くの時間を家族や趣味に使うことができて生活の質が向上します。

また、仕事のストレスを軽減し、充実したプライベート時間を過ごせます。これにより、生活の満足度が高まるでしょう。

賃貸仲介営業マンが教える、職場近くの物件を探すときのポイント

職場の近くに住むことで得られる多くのメリットを最大限に活かすためには、物件選びが重要です。ここでは、賃貸仲介営業マンが教える「物件を探すときのポイント」を解説します。

家賃と周辺相場の比較

物件を選ぶ際には、家賃と周辺相場の比較が重要です。インターネットや不動産情報サイトを活用して、周辺の物件の家賃相場を調べ、検討中の物件の家賃が適正かどうか確認しましょう。

また、初期費用のチェックも忘れないことが大切です。礼金・敷金、仲介手数料、火災保険料などが予算内に収まるか、しっかり確認しましょう。

交通の便とアクセスの確認

希望の物件が、最寄り駅から徒歩何分かを確認し、実際に歩いてみて所要時間や周囲の環境をチェックすることが大切です。通勤経路の確認もしておくとスムーズに通勤できます。

通勤ストレスを軽減するために、通勤時間帯に実際に通ってみて、混雑状況や所要時間を確認しましょう。

生活インフラの充実度

日常生活の利便性を考慮し、スーパーやコンビニの位置、病院やクリニックの位置を確認しましょう。あらかじめ確認しておけば、買い物や急な病気の際にも安心です。

日常的に利用する施設が徒歩圏内にあるかどうかを確認し、生活の利便性を高めましょう。

職場との距離感

自転車通勤や徒歩通勤が可能かどうかを確認し、所要時間をチェックします。また、天候に左右されないかも考慮することで、通勤がより快適になります。

周辺環境の治安と騒音

治安情報の確認は、職場近くの物件を探すうえで重要です。警察署や自治体のウェブサイトで周辺の治安情報を確認し、安心して住める環境かどうかを判断します。

また、昼夜の時間帯に現地を訪れ、騒音レベルや周囲の環境音をチェックすることで、静かな住環境かどうかを知ることが可能です。

職場の近くに住む「職住近接」で日々の生活を充実させよう

職場の近くに住むことは「時間」「お金」「健康」「環境」「生活」「気持ち」などにさまざまなメリットをもたらします。一方で、デメリットや注意点も存在することを知っておきましょう。

しかし、通勤時間の短縮やストレスの軽減、緊急対応のしやすさ、ワークライフバランスの向上といった利点も見逃せません。自分のライフスタイルに合わせて、メリットとデメリットをよく考え、賃貸仲介営業マンのアドバイスを活用しながら、最適な物件を選ぶことが大切です。

日々の生活をより豊かにするために、職場近くの住まいをぜひ検討してみましょう。