隣 の 部屋 うるさい 防音

隣の部屋の騒音がうるさい!家庭でできる防音対策を1級建築士が教えます

目次

マンションやアパート暮らしで隣戸からの騒音に悩まされていませんか?壁1枚で住戸が隣接している住まいでは、左右や上下階からさまざまな音が伝わってきます。

日中であればそれほど気にならない音でも、夜間や就寝時に隣室からの話し声がうるさくて眠れない、上階からの足音が響いて気になるというような悩みを抱えている方も多いでしょう。そこで今回は、家庭でできる防音対策をご紹介します。

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隣の部屋から響くうるさい騒音の種類

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隣の部屋から響いてくる騒音には、「固体音」と「空気音」の2種類あり、音の伝わり方や伝わる範囲などに違いがあります。

騒音の種類①:固体音

固体音とは、床や壁、天井などの固体物を伝って響いてくる音です。代表的なものとしては、上階から聞こえてくる歩行音、ドアの開け閉めや椅子を引く音、配水管を通る水の音などが挙げられます。

建物の構造体を伝って聞こえてくる固体音は、音が広がる範囲が広く、遮音することは簡単ではありません。また、音の発生源は必ずしも隣や上下階とは限らず、離れた部屋からでも伝わってくる場合があります。そのため、防音材で対処しても、音を完全に防ぐのは難しいケースが多いのです。

騒音の種類②:空気音

空気音とは、空気を伝わって聞こえてくる音です。代表的なものとしては、話し声やペットの鳴き声、テレビの音、楽器の音などが挙げられます。窓やドアの隙間をふさいで空気を遮断し、遮音材と吸音材を合わせて使用することで、ある程度の音を遮ることができます。音域にもよりますが、固体音と比べれば対策しやすいでしょう。

隣の部屋の音がうるさいときの家庭でできる防音対策

隣 の 部屋 うるさい 防音

アパートやマンションの最上階や角部屋とは違い、左右や上下階で挟まれている住まいの場合はさまざまな方向から音が伝わってきます。騒音に悩まされて日々生活するのは、本当につらいものです。

うるさくてやっかいな騒音から逃れるために、ここからは自分でできる防音対策について解説していきます。

家具を壁から少し離して配置する

背の高い本棚や収納棚に本や洋服などをたくさん詰め込み、隣室に面した壁に配置しましょう。簡易的な防音壁のようになり、ある程度の音を遮ってくれます。

家具を配置する際は、壁にぴったりと密着させるのではなく、少し壁から離して置くのがポイントです。壁から距離を取り、隙間を空けて空気層を作ることで音をやわらげる効果が期待できます。すでに手持ちの家具がある場合には、レイアウトを変えるだけで手軽に防音対策できるのがメリットです。

防音シートや吸音材を活用する

背の高い家具を持っていない場合や、家具を設置するだけでは騒音が解消されないという場合には、防音(遮音)シートやパネル、吸音材などを活用して防音効果を高めましょう。

ただし、DIYしやすい数ミリ程度の薄いシート状の防音シートは、加工性は良いものの単体ではあまり音を防ぐ効果がありません。音の力を弱めてくれる吸音材と併用することで、より減音効果が高まるため、自分で施工する際は注意しましょう。

賃貸物件は撤去時に原状回復する必要があるため、基本的に防音シートや吸音材などを直接壁に貼ることはできません。壁を傷つけないように、貼って剥がせる防音シートを使って取り付けるようにしましょう。

また、最近はDIY人気の高まりで、自分で防音施工する人が増えています。100均でもさまざまな防音グッズが販売されていますが、効果の高いものはあまりなく、一見使えそうに見えるエアパッキンも効果はありません。材料は、近所のホームセンターやECサイトなどで探せるため、材料選びには注意しましょう。

遮音カーテンを設置する

窓の遮音性が低く、屋外から聞こえてくる騒音が気になる場合には、遮音カーテンを取り付けてみましょう。遮音カーテンは特殊な素材や織り方で作られており、名前のとおり音を遮る効果があります。主に中高音域に効果があり、厚地で密度が高く織られているものほど高い防音効果を発揮します。

また防音効果以外に、遮光性や遮熱性に優れている遮音カーテンも少なくありません。生地の種類によって効果に違いはありますが、一般的なカーテンよりも室内が暗くなるため、状況に合わせて防音レースカーテンと組み合わせて使うのも良いでしょう。

ベッドの位置を変える

隣からの音がうるさくて眠れないという場合には、まずベッドの位置を見直してみましょう。隣戸との壁にベッドを横付けしている場合には、壁から伝わってくる騒音がダイレクトに耳に入りやすいため、壁から離す必要があります。

一人暮らしなどで部屋のスペースに余裕がなく、ベッドのレイアウトを大きく変えられない場合には、壁に吸音材などを使って騒音を抑える工夫をしましょう。また、窓の近くにベッドを置くと、外からの騒音が聞こえやすくなるため注意が必要です。

どうしても改善されない場合、騒音問題が起こりづらい最上階の部屋や角部屋などに引越す方も少なくありません。予算などの問題もあるかもしれませんが、気になる方は一度部屋探しをしてみてはいかがでしょうか。

防音対策をしても防げない騒音トラブルはどうする?

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防音対策しても防げないほど、騒音の度合いが常軌を逸している場合は、一人で解決しようとしないことが大切です。悪質な騒音であればほかの入居者にも迷惑をかけているため、まずは大家さんや不動産管理会社に状況を相談してみましょう。

騒音被害を訴える場合は、直接相手に苦情を入れるのではなく、第三者経由で注意喚起してもらうように促します。特に音の原因が特定できない場合には、被害を訴えることでより大きな騒音トラブルに発展する場合があるため、慎重に行動するよう心がけることが大事です。

大家さんや不動産管理会社に相談してもどうにもならない場合には、警察に相談するのがベストです。しかし、部屋数が少ない物件の場合、騒音被害を訴えることで通報者がバレてしまう可能性があるため、あくまでも警察への連絡は最終手段として考えましょう。また、電話の際は110番ではなく、暮らしのトラブルを相談できる警察相談専用電話#9110にかけてください。

※参考 内閣府大臣官房政府広報室 「政府広報オンライン」
※参考 警視庁 「相談ホットラインのご案内」

また、騒音被害の連絡をする際は次の5点を相手に伝えてください。

①騒音の発生源

どこから騒音が聞こえてくるのか、音の発生源と思われる場所を伝えましょう。上の階なのか、隣の部屋なのかを具体的に伝えることで、大家さんや管理会社が状況を把握しやすくなります。

②騒音の種

どのような音が聞こえてくるのか、できるだけ具体的に伝えましょう。足音やドアの開閉音、赤ちゃんの泣き声や楽器の音など騒音にはさまざまな種類があります。騒音の種類を明確に伝えることで、騒音の改善に繋がりやすくします。

③騒音はいつから続いているのか

騒音がいつから聞こえているのかを伝えましょう。数日前から、数ヶ月前からなど具体的に示す必要があります。騒音が発生してからの経過をあらかじめ記録として残しておくと、相手に状況を理解してもらいやすくなります。

④騒音が聞こえてくる時間帯

音の発生源をより特定しやすくするため、騒音が聞こえてくる時間帯を伝えましょう。明らかに迷惑な時間帯に聞こえてくる騒音であれば、大家さんや管理会社は真剣に問題と向き合ってくれるはずです。

⑤騒音が発生する頻度

騒音が発生する頻度を記録しておきましょう。毎日聞こえるのか、週に数回なのか、具体的に示すことでこちらのストレス度合いを伝えることができます。

以上が相談時に伝える主な内容ですが、これら以外にも注意すべきポイントがあります。最後に、大家さんや不動産管理会社、警察などに騒音問題を相談する際の注意点について解説していきますので、あらかじめ押さえておくようにしましょう。

注意点①:相手に名前や部屋番号が伝わらないようにする

騒音トラブルについて苦情を訴える場合、相手に名前や部屋番号がわかってしまうと騒音主の反感を買い、逆恨みされて危険な状況になる場合が少なくありません。そのため、自分が苦情を訴えていることがわからないように「匿名」で伝えてもらうことが大切です。

ただし、どうしても騒音問題が解決しない場合には、お互いが納得できるように話し合いの場を設けなければならない場合があります。状況によっては匿名にこだわらず、解決に向けて名前を明かす必要があることも覚えておきましょう。

注意点②:改善までに時間がかかる

騒音トラブルは段階を踏んで調べていくため、改善までにおおよそ1ヶ月ほどかかる場合があり、それ以上長引くこともあります。また、しばらくの間静かになっても、再度騒音に悩まされるケースも珍しくありません。あまりにもひどい騒音に悩まされている場合には、引越しすることも検討しましょう。

隣の部屋がうるさいときは、気軽にできる防音対策から始めてみよう!

マンションやアパートなどの集合住宅は、比較的騒音問題が起こりやすい場所です。しかし、騒音を放置するとストレスが溜まり、睡眠障害などの健康被害を生じる場合があります。

そのため、隣人のうるさい騒音で悩まされている場合には、気軽にできる防音対策から始めてみることをおすすめします。できるだけ早めに対処して、騒音のない快適な生活を手に入れましょう。