急に引越しが必要になったときや、ふと思い立って部屋を見に行きたくなったとき、「不動産屋は予約なしで訪問しても大丈夫なのか」「当日でも対応してもらえるのか」と迷う方は多いものです。実際には店舗によって対応が異なるため、あらかじめ知っておくと安心です。
この記事では、不動産屋を予約せずに訪問した場合の対応の違いや注意点、何日前に予約するのが適切か、さらにオンラインで契約を進める際の流れについても詳しく解説します。
これから、賃貸のお部屋探しで不動産屋へ訪問する方や、予約の必要性に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産屋に予約なしで行っても問題ない?
結論として、予約なしでも対応してもらえる場合はありますが、確実に対応してもらいたいなら事前予約が望ましいです。
ここでは、予約なしでも対応可能な条件や、当日できること・できないこと、あまり知られていないリスクについて解説します。
予約なしでも対応してもらえるケースとは?
不動産屋に予約なしで訪問しても対応してもらえるのは、以下のような条件がそろっている場合です。
・閑散期である
・平日の日中に来店する
・スタッフの数が多い
こうした条件では、空いている担当者が対応できる可能性があります。
ただし、土日や3月の繁忙期は来客が多く、対応を断られることもあります。予約なしで訪問することも可能ですが、無駄足になるリスクを避けるためには、事前の電話確認がおすすめです。
不動産屋の対応はどこまで可能?当日できること・できないこと
予約なしの訪問では、不動産屋が対応できる範囲は限られます。当日対応できる主な内容は次のとおりです。
・物件資料の提供
・簡単なヒアリング
・条件に合う物件の紹介
一方、以下のような対応は難しい場合があります。
・現地内見(鍵の手配やスケジュール調整が必要)
・契約手続き(時間と書類準備が必要)
たとえば、午前中に訪問しても内見は「午後以降」や「別日」となることが多く、申込まで進むには事前準備が必要です。当日をスムーズに進めたい場合は、予約のうえで訪問し、希望や目的を事前に伝えておくことが理想的です。
意外と知られていない!予約なし訪問での隠れたリスク
予約なしで不動産屋を訪問する場合、思わぬ不利益を被ることがあります。主なリスクは次のとおりです。
・担当者が不在で十分な対応が受けられない
・混雑時に後回しにされる
・条件をしっかり伝える前に限られた物件しか紹介されない
たとえば、「このエリアで空いている物件はこれだけです」と言われ、本来希望に合う物件があっても案内されないこともあります。さらに、資料だけ渡されて終わってしまうこともあるため、結果的に時間を無駄にする恐れもあります。
こうしたリスクを避けるには、来店前に電話で担当者の在席状況や対応可否を確認することが効果的です。
不動産屋に予約なしで行くデメリット

一つ前の項目でもざっくりとリスクを紹介しました。ここでは改めて、不動産屋を予約せずに訪問する主な3つのデメリットについて具体的に解説します。
混雑時はそもそも対応をお断りされる可能性がある
予約なしで訪問した場合、混雑状況によっては対応を断られることがあります。特に繁忙期、週末、夕方の時間帯は来店が集中し、スタッフが対応しきれないケースが多いためです。
たとえば、3月の引越しシーズンに土曜の午後に訪ねると、「本日はご案内できません」と断られることも珍しくありません。仮に対応してもらえた場合でも、予約客が優先され、待ち時間が長くなったり、十分な説明を受けられなかったりすることがあります。
こうした事態を避けるには、事前に電話やネットで予約してから訪問することが重要です。
希望の物件へのアプローチが弱くなる
予約なしで訪問すると、希望の物件にすぐアプローチできないことがあります。人気物件は競争が激しく、早い者勝ちになることが多いためです。
たとえば、午前中に他の来店者が申し込んでしまい、来店時にはすでに契約済みというケースもあります。また、予約しているお客様の対応が優先されるため、自分の希望条件が後回しになることもあるでしょう。
その結果、本来申し込めたはずの物件を逃してしまう可能性があります。こうした機会損失を防ぐためにも、事前に予約を取り、優先的に対応してもらうことが有効です。
準備がスムーズに進められない
予約なしでの来店では必要な書類がそろっておらず、手続きが進まないことがあります。とくに、本人確認書類や収入証明書を持っていないと、仮申込すらできないこともあるでしょう。
たとえば、条件に合う物件が見つかっても、他の来店者が必要書類を用意していれば、先を越される可能性があります。また、連帯保証人の情報を事前に準備していないと、その場で手続きを中断せざるを得ないこともあります。
スムーズに申込を進めるためには、必要書類をそろえたうえで、事前予約時に確認しておくことが効果的です。
不動産屋に予約する際のポイント

不動産屋を訪問する際、スムーズに物件探しを進めるためには、予約のタイミングや伝え方に注意が必要です。ここでは、不動産屋に予約する際のポイントについて具体的に解説します。
基本的な予約の流れ
不動産屋の予約には、以下の2つがあります。
・気になる物件がすでにある場合
・条件に合う物件を探してもらいたい場合
気になる物件がすでにある場合は、物件名や物件番号を伝えて内見の可否を確認します。条件に合う物件を探してもらいたい場合は、希望条件(家賃・エリア・間取りなど)を伝え、当日紹介できる物件をあらかじめ用意してもらいましょう。
どちらの場合でも、来店希望日時、内見希望の有無、同行者の有無を伝えておくことが大切です。こうした情報を事前に共有することで、的確な準備が進み、来店当日の対応がよりスムーズになります。
予約時に伝えるべきポイント
不動産屋に予約する際は、以下の情報を整理して伝えると、当日の案内が効率よく進みます。
・希望条件(家賃・エリア・広さ・築年数など)
・内見希望の有無(現地案内が必要かどうか)
・同行者の有無(家族、パートナーなど)
・来店希望日時(第2希望まで伝えるとスムーズ)
たとえば「〇〇駅周辺で1LDK、家賃8万円以内、日曜午前に内見希望」と具体的に伝えることで、担当者は事前に必要な情報を用意しやすくなります。明確な情報共有が、スムーズな物件紹介につながります。
最適な予約タイミングを見極める
予約は、混雑が比較的少ない平日や午前中がおすすめです。担当者が落ち着いて対応できるため、より丁寧なヒアリングと提案が受けられるからです。
たとえば、平日の午前中に訪問すれば、じっくり相談できるだけでなく、内見の調整もしやすくなります。
一方、土日や夕方は来店者が多く、十分な対応が受けられない可能性があります。また、繁忙期(1〜3月)は早めの予約が必須です。
丁寧な対応を希望する場合は、混雑の少ない時間帯を選ぶのが効果的です。
念のため日程が近づいたら確認の電話をする
予約が取れていても、当日に予定変更が発生することがあります。そのため、前日または当日の午前中に確認の電話を入れておくと安心です。
たとえば「明日の10時に予約している〇〇です」と一言伝えるだけで、来店予定が確実に把握され、対応体制が整いやすくなります。あわせて、希望条件や内見希望の再確認もしてもらえるため、紹介される物件の精度が上がることもあります。
手間を惜しまず、確認の一報を入れることが、トラブル防止と円滑な対応につながります。
不動産屋に予約来店する前に準備しておくと良いもの
物件探しをスムーズに進めるには、来店前の準備が欠かせません。必要書類や情報をあらかじめそろえておくことで、内見や申込までその場で進められる可能性が高まります。
本人確認書類
本人確認書類は、内見後の賃貸申込みの際に必須です。
運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きかつ現住所が確認できるものが有効です。保険証は住所記載がない場合が多く、受け付けられないこともあります。
申込手続きに進むためには、身分証を忘れずに持参することが大切です。
収入証明書
申込時には、家賃を支払えるかを証明する書類が求められます。会社員であれば直近の源泉徴収票や3ヶ月分の給与明細、自営業者であれば確定申告書の控えが一般的です。
これらを来店時に用意していれば、申込を即日進められるため、人気物件を逃しにくくなります。
連帯保証人情報
多くの賃貸契約では、連帯保証人の情報提出が求められます。事前に確認・準備すべき情報は以下の通りです。
・氏名・生年月日
・勤務先・年収・連絡先
・続柄(親・兄弟など)
たとえば、保証人の勤務先が安定していると審査に有利になることがあります。来店時に不明な情報があると申込が遅れてしまうため、事前の確認が重要です。
気になる物件候補(可能であれば複数)
事前に物件をいくつか選んでおくことで、紹介がスムーズになります。ポータルサイトなどで候補を3件ほどピックアップし、物件名やURLを控えておきましょう。
仮に希望物件が内見不可でも、条件が似た物件を代わりに提案してもらいやすくなります。効率的な比較のためにも、複数の候補を準備しておくのがおすすめです。
希望条件を整理するコツ
条件を明確にしておくと、不動産屋での提案がより的確になります。検討しておきたい主な項目は以下の通りです。
・希望エリア・沿線
・家賃の上限
・間取りと広さ
・周辺環境(スーパーや学校の有無)
・ネット環境やペット可などのこだわり条件
たとえば「〇〇駅から徒歩〇分以内、家賃〇万円以下、〇LDK、オートロック付き」と整理しておくと、条件に合った物件を紹介してもらいやすくなります。
円滑に物件の紹介を受けるコツ
事前に情報を準備しておくことで、現地での紹介がスムーズになります。具体的には次のような準備が効果的です。
・気になる物件のリストアップ
・ポータルサイトのスクリーンショット保存
・物件番号やURLの控え
曖昧な記憶だけでは物件を正確に伝えるのが難しいため、紙やスマートフォンにまとめておくと担当者とのやりとりがスムーズに進みます。
オンラインで賃貸契約したい場合の不動産屋への予約(連絡)の流れ

対面せずに物件探しや契約を進めたい方にとって、オンライン対応の不動産屋は便利な選択肢です。ここでは、オンライン契約を希望する際の連絡手順や準備事項を4つのステップに分けて解説します。
STEP1:オンライン契約可能な不動産屋を探す
まずは、オンライン契約に対応している不動産屋を見つけることが必要です。すべての不動産会社がオンライン対応しているわけではないため、事前の確認が重要です。調べ方は以下のとおりです。
・公式サイトで「オンライン契約対応」などの記載を確認する
・電話で「オンライン内見や契約に対応しているか」を問い合わせる
たとえば、都市部の大手仲介会社では、契約書類の郵送を省略し、すべてオンラインで完結できるケースも増えています。対応内容は会社ごとに異なるため、事前確認を忘れないようにしましょう。
STEP2:希望条件を伝えて物件情報をもらう
オンラインで物件探しを進める際も、希望条件を具体的に伝えることが大切です。条件が曖昧なままだと、希望と異なる物件が提案される可能性があります。
以下のような項目を整理しておきましょう。
・希望エリア・家賃上限・間取り
・築年数、階数、設備の条件
・ペット可、インターネット無料などのこだわり条件
細かい内容を伝えることで、条件に合う物件資料や360度パノラマ内見リンクなどを送ってもらえます。具体的な要望を共有することで、納得のいく提案を受けやすくなります。
STEP3:オンライン内見の予約と実施
気になる物件が見つかったら、次はオンライン内見の予約を行います。ZoomやLINEのビデオ通話などを使用し、現地のスタッフがリアルタイムで室内を案内してくれる仕組みです。
確認しておきたい主なポイントは以下のとおりです。
・日当たりや窓の位置
・エアコンや水回りなど設備の状態
・周辺環境(騒音や隣接建物の距離など)
たとえば「バルコニーからの眺望を見せてください」と依頼すれば、現地に行かなくても生活イメージがつかみやすくなります。疑問点は遠慮なくその場で質問することが大切です。
STEP4:申込手続きと必要書類の準備
オンライン内見の後に入居を希望する場合は、申込手続きと必要書類の提出を行います。提出方法はメールやオンラインフォームが一般的です。
事前に用意しておく書類は以下のとおりです。
・本人確認書類(運転免許証など)
・収入証明書(給与明細や源泉徴収票など)
・連帯保証人の情報(氏名・勤務先・連絡先など)
これらをスムーズに提出できれば、その後の契約書類のやり取りは不動産会社側が進めてくれます。契約方法は郵送、電子契約など各社によって異なるため、案内に従って対応しましょう。
不動産屋には極力予約して訪問するのがおすすめ!
賃貸物件探しを効率的に進めるためには、不動産屋を予約して訪問することが最も確実です。予約を入れることで、希望条件に合った物件を事前に準備してもらえるだけでなく、当日の内見や申込までスムーズに対応してもらえます。とくに繁忙期や人気エリアでは、予約の有無が物件取得の成否を分けることもあります。
また、来店が難しい方には、オンライン契約に対応した不動産屋の利用も有効です。限られた時間で理想の住まいに出会うためにも、事前予約と必要な準備を整えておくことをおすすめします。