線路沿いの家は、騒音や振動などのネガティブなイメージを持っている人も多く、「やめた方が良い」と言われることも少なくありません。しかし、線路沿いの家にはいくつものメリットがあり、生活スタイルや価値観によっては非常に快適な住環境となることもあります。
今回は、線路沿いの家に住むデメリットとメリット、どのような人に向いているのか、そして快適に過ごすためのポイントについて詳しく解説します。これから引っ越しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
「線路沿いの家はやめた方が良い」と言われる理由
線路沿いの家にはたしかに多くのデメリットがありますが、デメリットを理解することで、自分にとってどれほどの影響があるのかを判断する材料になります。まずは、線路沿いの家に住むことで発生しうる問題点を詳しく説明します。
電車や人の声などの騒音に悩まされる可能性が高い
線路沿いの家では、電車の通過音や駅のアナウンス、乗客の声、踏切の音などの騒音が問題となることが多く見受けられます。特に、夜間や早朝の静かな時間帯にこれらの音が余計に気になることも。窓を閉めても完全に遮断できない場合もあり、騒音に敏感な人にはストレスがたまりやすい環境といえるでしょう。
これらを解決するために、これから部屋探しをする人は、防音性能が高い物件を中心に物件を探すことをおすすめします。
電車が通るたびに振動が起きる可能性がある
電車の通過に伴う振動も、線路沿いの家の大きなデメリットです。特に古い建物や防振対策が施されていない建物では、電車が通るたびにより振動を感じることがあります。
これが頻繁に起こると、睡眠の妨げになったり、建物や家財に影響が出る可能性も。振動は体感的なストレスとなり、長期的に住む上で大きな障害となり得ます。
外気汚れにより洗濯物が干しにくいかもしれない
線路沿いの家では、電車の排気ガスや線路周辺のホコリが原因で、外干しした洗濯物が汚れることがあります。特に風の強い日や乾燥した季節には、洗濯物が外気汚れで汚れやすくなります。
解決策として、室内物干しや浴室乾燥機付きの物件を選ぶと良いでしょう。また、線路沿いの物件は、ベランダにホコリやススが溜まりやすいので、定期的な掃除が必要になることもあります。
外から見られやすい傾向にある
線路沿いの家は、電車の窓から家の中が見えやすい位置にあることが多いため、プライバシーの確保が難しい場合があります。常にカーテンを閉めておかないと、通過する電車の乗客に室内が見えてしまうこともあるでしょう。これにより、日中でもカーテンを閉めて生活しなければならず、自然光を取り入れることが難しくなります。
特に低層階の場合は、電車と目線の高さが合うことが多く、プライバシーの確保が難しいため、気になる方はできるだけ上の階のお部屋を選ぶと良いでしょう。
デメリットだけじゃない!線路沿いの家に住むメリット
線路沿いの家にはデメリットも多いですが、一方でメリットも数多く存在します。以下に、線路沿いの家のメリットを詳しく説明します。
家賃が低めに設定されていることが多い
線路沿いの家は、一般的に家賃が低めに設定されていることが多いです。これは、前述のデメリットを考慮してのことであり、同じエリア内で他の物件と比較してもリーズナブルな価格で借りることができます。
特に予算を重視する人にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。家賃を抑えることで、他の生活費や趣味に回す予算を確保することが可能になります。また、初期費用も低く抑えられる場合が多く、経済的な負担を軽減することができます。
駅が近い傾向にある
線路沿いの家は駅が近い場合が多く、通勤や通学の利便性が高い傾向にあります。駅までの移動時間を短縮できるため、毎日の通勤・通学が楽になり、時間を有効に使うことができるでしょう。
特に朝の通勤ラッシュ時には、駅が近いことで余裕を持って家を出ることができ、精神的なストレスも軽減されます。また、通勤時間が短縮されることで、家族や自分の時間を増やすことができ、生活の質が向上するでしょう。
日当たりや眺望が良いことが多く開放感がある
線路沿いの家は、建物の配置にもよりますが、日当たりや眺望が良い場合が多いです。特に高層階の場合、遮るものが少ないため、素晴らしい眺望を楽しむことができます。
また、日当たりが良いことで、室内が明るくなり、快適な生活を送ることができます。開放感のある生活空間を確保できる点も、線路沿いの家の大きなメリットです。自然光がたっぷりと入るリビングで過ごす時間は、心身ともにリラックスできるでしょう。
人通りが多い傾向にあり防犯面で安心できる
線路沿いの家は、人通りが多いエリアに位置していることが多く、防犯面で安心できるというメリットもあります。人目が多いことで、犯罪のリスクが低減されるため、特に一人暮らしの方にとっては大きな安心材料となるでしょう。
例えば、夜遅くの帰宅時においても、人通りがあることで安心して帰宅することができます。
近隣の人との騒音トラブルが少ない傾向にある
電車の騒音が常にあるため、逆に近隣の住人との騒音トラブルが少ない傾向にあります。日常的な生活音が気にならなくなり、ストレスの少ない生活を送ることができるでしょう。
例えば、隣人が騒音を出していても、電車の音の方が大きい場合が多いため、一般的に気になるであろう騒音レベルであったとしても、全然気にならないといったケースも少なくありません。お互いに騒音を許容しやすい環境が形成されているため、人間関係のトラブルが少なくなることが期待できます。
線路沿いの家がおすすめの人
線路沿いの家は、騒音や振動に対して特に敏感でない人や、他のメリットを重視する人にとって非常に魅力的な選択肢となります。以下に、線路沿いの家が特におすすめの人の特徴を詳しく説明します。
騒音があまり気にならない人
電車の騒音や振動に対して敏感でない人には、線路沿いの家は適しています。生活の一部として騒音を受け入れられる人や、耳栓やホワイトノイズなどで対策できる人にとっては、大きな問題にはならないでしょう。
他にも、もともと騒がしい環境で育った人や、日中家にいないことが多い人などは、電車の騒音をそれほど気にしないという人が多く存在します。また、音楽をよく聴く人や、自分もある程度音を出す生活をしている人にとっても同様のことがいえるでしょう。
通勤・通学の時短を重視する人
駅が近いというメリットの恩恵を受けたい人には、線路沿いの家が非常に適しているといえるでしょう。通勤や通学の時間を短縮することで、毎日の生活に余裕が生まれます。
また、時間を有効活用できるため、趣味やリラックスの時間を増やすことが可能です。特に、都心部での生活や仕事が多忙な人にとって、駅近の物件は生活の質を大きく向上させる要因となるでしょう。通勤ラッシュを避けられる時間帯に出発できることも大きな利点です。
できるだけ家賃を抑えたい人
予算を重視している人にとって、線路沿いの家は非常に魅力的です。家賃が低めに設定されていることが多いため、同じエリア内でより広い部屋や設備の良い物件を選ぶことが可能です。
経済的なメリットを享受しつつ、快適な生活を送りたい人にとって、線路沿いの家は理想的な選択肢と言えるでしょう。また、家賃を抑えることで、貯蓄や他の趣味に使うお金を増やすことができるため、総合的な生活の質を向上させることができます。
自宅を不在にすることが多い人
仕事や旅行などで自宅を不在にすることが多い人にとって、線路沿いの家ならではのデメリットの影響を受けにくいでしょう。また、防犯面でも安心できるため、不在時のリスクを軽減できます。
駅が近いこともあり、頻繁に移動する人には利便性の高い住まいとなるでしょう。不在がちな人には、セキュリティのしっかりしたマンションタイプの物件もおすすめです。
線路沿いの家で快適に過ごすためのポイント
線路沿いの家に住むことで得られるメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを軽減するための方法について解説します。これらのポイントを実践することで、快適な生活環境を実現できます。
内見時に騒音レベルをチェックする
物件選びの際には、内見時に騒音レベルをしっかりチェックすることがとても重要です。実際に電車が通る時間帯に訪れて、どの程度の騒音や振動があるのかを確認しておくと良いでしょう。
可能であれば、複数回訪れて異なる時間帯の状況をチェックすることをおすすめします。内見時には窓を開け閉めして騒音の違いを確かめると良いでしょう。例えば、平日の通勤時間帯と休日の夜間など、異なる条件での確認が有効です。
騒音を軽減するための室内対策を行う
騒音対策として、以下のような室内対策を行うと効果的です。
遮音カーテンをつける
遮音カーテンは外部からの音を遮る効果があります。特に窓の多い部屋に設置することで、騒音を大幅に軽減できます。また、厚手で重い素材のカーテンを選ぶことで、より高い遮音効果が得られるでしょう。
日常生活の中で手軽に取り入れることができる効果的な騒音対策の一つですので、ぜひ試してみてください。
線路側に大きめの家具を配置する
本棚やクローゼットなどの大きな家具を線路側の壁に配置することで、音の侵入を防ぐバリアとして機能します。特に壁全体を覆うような家具を配置すると効果的です。大型の本棚やクローゼットを壁に沿って配置することで、家具そのものが音を吸収し、二重の防音効果を生むことができます。
さらには、本棚に書籍をぎっしり詰めると、紙が音を吸収しやすいため効果的です。同様に、クローゼットには衣類をたくさん収納することで、防音効果が高まります。
吸音・防音パネルを設置する
壁に吸音・防音パネルを設置することで、室内に響く音を吸収し、騒音を軽減します。これにより、自身も室内での会話や音楽をより楽しむことができ、近隣からの騒音も軽減できます。
ホームセンターやオンラインショップで色々な種類の商品が販売されていますので、自身の用途や環境に合った商品を選ぶと良いでしょう。
イヤープラグ(耳栓)を使用する
特に就寝時に騒音が気になる場合は、イヤープラグ(耳栓)を使用すると良いでしょう。手軽に騒音対策ができ、快適な睡眠を確保することができます。柔らかい素材で耳にフィットするタイプの耳栓や、ノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンも効果的です。
これらのアイテムは、音の侵入を物理的に遮断し、周囲の騒音を大幅に減少させるため、より静かな環境を提供します。特に、耳栓は持ち運びも簡単で、旅行や出張先でも利用できるため、便利なアイテムです。
寝室やベッドを線路から離れた位置に設置する
寝室やベッドの配置も重要なポイントです。可能であれば、線路から離れた位置に寝室を設置し、騒音や振動の影響を最小限に抑えましょう。また、ベッドの位置を工夫して、より静かな場所に配置することで、より良い睡眠環境を作ることができます。
ワンルームや1Kなど比較的狭い物件の場合でも、ベッドの位置を窓からできるだけ遠ざけることで、騒音を抑えることができるでしょう。
防音性能が高い物件を選ぶ
線路沿いの家で快適に過ごすためには、防音性能が高い物件を選ぶことが重要です。防音性能が高い物件は、窓や壁の構造に工夫がされており、外部の騒音を大幅に遮断します。特に、二重サッシや防音サッシを採用している物件は、音の侵入を効果的に防ぐことができます。また、楽器演奏が可能な物件など、防音材が使用されている住宅を選ぶことで、電車の振動や騒音が室内に伝わりにくくなります。
物件を選ぶ際には、内見時に実際の騒音レベルを確認し、防音性能がどの程度効果的かをチェックすることが大切です。これにより、線路沿いの家でも快適な生活を送ることができるでしょう。
防音サッシ・二重サッシの物件を選ぶ
物件選びの際には、防音サッシや二重サッシが設置されている物件を選ぶことをおすすめします。これらのサッシは外部の音を遮断する効果が高く、室内の静けさを保つのに非常に有効です。
防音サッシが設置されている物件は、通常よりも騒音対策がしっかりしているため、快適な住環境を実現できます。防音サッシは、比較的築年数の新しい物件に採用している場合が多いです。
線路沿いの家のメリットやデメリットを知ったうえで検討しよう
線路沿いの家には、騒音や振動といったデメリットがある一方で、家賃が安い、駅に近いなどの多くのメリットもあります。どちらの要素が自分の生活にとって重要かを考え、慎重に検討することが大切です。
また、デメリットを軽減するための対策を講じることで、線路沿いの家でも快適な生活を送ることができます。自分のライフスタイルや価値観に合った物件を選び、快適な住まいを見つけてください。