エレベーターが止まらず階段でしか行けない階があるマンションって…不便では?
あるマンションの間取り図を見たら、その階層は何とエレベーターが止まらず、階段でしか行けないようなのです。エレベーターが止まる階まで昇って、そこから階段を上がるか下がるかして行くのだそうです。どうしてこんな変な造りのマンションがあるんですか?
Answer
おそらく、それはスキップフロア型と呼ばれる造りのマンションでしょう。エレベーターをスキップさせる、つまり通過させるフロアを設けることから、そう呼ばれます。
なぜこういう造りになっているのでしょうか。それは、エレベーターを止めない階を設けることによってエレベーターの乗降エリアを省略することができるからです。そうして稼いだスペースの分だけ部屋の間取りを広くしたり、壁を厚くするなどしてプライバシーに配慮したり、というように部屋の多様性を演出することができるメリットを生み出せるのです。
デメリットはもちろん、エレベーターでアプローチできないことから、すぐに外に出られなかったり、階段の上り下りが面倒になる点にあります。
近年は建物のバリアフリーやアクセシビリティを重視するのが当たり前になりました。これらの観点からするとスキップフロア型のマンションは上記のデメリットが大きいため、現在はほとんど建てられることはありません。
ちなみに、このスキップフロア型マンションの外観は通常のマンションとは異なった独特の雰囲気を持っています。その個性的な外観に魅せられ、また今後建設されることはない希少性も手伝って、各地に建てられたスキップフロア型の建物を撮影して回る愛好家もいるほどです。