Question

賃貸でタバコを吸う場合、壁紙の原状回復費は全額入居者の負担?

12年住んで今度退去します。私は喫煙者なので壁紙が黄色く変色してヤニのにおいも染み付いています。原状回復の際、やっぱり壁紙の張り替えは全部私が負担しないといけないんでしょうか?

Answer

まずは、特約で喫煙時の原状回復について何らかの取り決めをしていないかを確認してください。特約で取り決めをしていた場合は、特約の方が優先されます。

ちなみに原状回復全般に関しては国土交通省や東京都がガイドラインを公開しているので、参照すると退去の際に色々と役に立ちます。
特約で何も定められていない場合は、喫煙によって壁が汚れたとしても通常のクリーニングで落ちる程度の汚れであれば入居者の負担は少なく済むと考えられます。ですが、それ以上の汚れやにおいがしみついていた場合はやはり一定以上の負担は免れないでしょう。

ただし、12年もの長期間居住していたなら、少し話は変わってきます。12年も経過すれば壁紙も経年に寄って劣化していきます。たとえ喫煙をしなかったとしても、12年間の汚れが付着して結局は交換となったかもしれません。実際、先述のガイドラインでは壁紙は6年で残存価値1円になると例示しています。それを基準に考えれば壁紙を入居者負担で張り替える際の費用は安価で済ませられることがほとんど思われます。もちろん、それ以外の利用状況にも左右されるでしょうが、喫煙した部屋とそうでない部屋の壁紙が同程度に劣化していれば、単なる経年劣化によるものとみなされる可能性もあります。とはいえ、壁紙を交換してもにおいがまだ強く残るほどの喫煙状況だったなら、また別の判断になるかもしれません。

いずれにしろ、管理会社仲介業者、宅建協会などの専門家に相談したりして、お互い納得できる結論を出すことが望ましいです。