エアコンの漏水で壁が腐ったけど、入居当初から漏水していたし原状回復は不要では?
入居した時にエアコンから若干の漏水があったのですが、そもそもそういうものだろうと思って放置していました。そして退去までの2年間、少しずつ壁が腐食して目立つようになりました。エアコンに関する修繕は原則大家側の負担と聞いているから、エアコンが原因の壁の腐食の原状回復も不要で大家側が直すことになるのでしょうか。
Answer
確かに、エアコンの修繕はそれが設備であれば大家側の負担になりますが、入居時にエアコンが漏水を起こしていると速やかに伝えていれば、壁の腐食は最小限で済んだかもしれません。
部屋の持ち主は大家ですが、部屋の管理者は入居者となります。管理者は、物件の備品に不具合があると判明したら速やかに大家側に知らせる義務を負っています。これを善管注意義務といいますが、それを怠ったがゆえに発生した損害は、管理者たる入居者が負担しなければなりません。よって、入居当初に漏水に気付いていながらそれを放置していた本ケースでは、原状回復の負担は免れないでしょう。
また、例えばになりますが、エアコンが壊れたと伝えても大家側もしくは管理会社がそれを放置し、そのために腐食が拡大したのであれば修繕費用の多くは向こう側持ちとなります。もちろん腐食する前に自分で業者を呼んで修繕しても構いません。その場合、修繕費用は家賃や敷金で相殺することができます。