Question

賃貸の更新時に家賃の値上げを言い渡された。拒否できないの?

更新時期が近くなり、大家さんから送られてきた書類の家賃を確認すると、それまで6万円だった家賃が6万3千円に値上がりしていました。書類のミスかと思い連絡しましたが、その金額で間違いないのだそうです…。 納得がいかないんですけど、値上げを拒んだら退去しなければならなくなるのか不安です。

Answer

まず最初に、契約書をチェックして更新ごとに家賃を値上げするというような特約がないか確認してください。特約があった場合は値上げは契約に基づく正当なものであるため、退去したくなければ受け入れるしかありません。
もしそのような特約が無ければ値上げを拒否して構いませんし、退去する必要もありません。契約内容の変更は双方の合意が必要なので、一方的に家賃を上げることはできません。拒否してそのまま契約の期間が終了したとしても、契約は法定更新されて今までとほぼ同一条件の契約が継続するため心配は不要です。

ただ、大家側は対抗手段として信頼関係が損なわれたことを理由にして解約を言い渡したり、家賃の受け取りを拒否したりすることがあります。家賃の受け取りを拒否されたからといって家賃を払わないでいると滞納扱いとなり、滞納を理由に退去させられるおそれがあります。そういう時は、供託という制度を使って家賃を払いましょう。居住地を管轄する裁判所に経緯を説明し、家賃と同額の金銭を納めることで滞納状態を回避することができます。
とはいえ、いつまでも供託を続けるのは好ましくありません。裁判所からも話し合いをするよう促されるはずですので、そうなったら調停を検討してください。調停とは、大家、入居者、そして調停委員の三者で話し合いを持つ制度で、ここで妥協点を見い出していきます。
それでも落とし所が見つからなければ裁判になりますが、裁判は時間もコストもかかるので、そこまでいく前に別の物件を見つけてさっさと退去した方が賢明でしょう。