Question

分譲賃貸で大家の許可を得て穴をあけたら、管理組合に怒られました。

分譲賃貸マンションに住んでいます。エアコンを増設しようと思い、不動産屋経由で大家さんからエアコン用の穴を廊下側にあける許しを得てエアコンを設置しました。 しかし、その後マンションの管理組合から廊下側の穴の原状回復を要求されました。少なくとも十万円はかかるようで、驚いて大家さんに問い合わせると、不動産屋に請求するようにと言われたので不動産屋に伝えました。すると、大家さんの了承を得ているのだからこちらとしても負担はできないとたらい回しにされました。 この場合どうしたらいいのか良く分かりません…。

Answer

通常の賃貸マンションは大家さんがマンションを所有していることが多く、穴あけなどの原状を変える作業は大家さんのみの許可を得れば問題ありませんが、分譲賃貸マンションの場合はやや事情が異なります。分譲賃貸は大家さんがマンション丸ごとを所有しているケースはそう多くなく、あくまでもその部屋一室だけを所有しているということが大半です。
それでも、穴あけが大家さんが所有している部屋の中だけで完結する程度のものであれば問題はなかったのですが、この事例では、「廊下側に穴をあけてしまった」という点が問題になってきます。
分譲賃貸マンションにおいて、廊下はマンション居住者が所有し管理する共用部分という扱いになります。そのため、廊下側の壁に穴があくような工事を行う場合はマンションの全オーナーが加入する管理組合の承諾を取らなければなりません。その承諾なしに穴をあけたのであれば、管理組合が原状回復を求めるのは当然です。

ではどうすればいいのか。
そもそもの責任は、管理組合の承諾なしに穴をあける許可を出した大家さんにあります。仲立ちをしただけの不動産屋が払うのもおかしな話です。よって、大家さんに費用の負担をお願いするのが筋ですが、その前に分譲賃貸マンションの管理規約を読み、廊下のような共同管理部分に変更を加えた場合には原状回復しなければならない、といった記載があるかの確認をしてください。
記載があれば費用請求の根拠になりますが、特に記載がなければ原状回復をしなくともよいという解釈も成り立ちます。記載がなかったら、管理組合との交渉材料となりえるでしょう。
または、他の居住者の中に廊下側に穴をあけているかをチェックして、事後承諾という形にならないかといった模索もしておいて損はありません。

なお、これらの交渉は原則として大家さんを介して行うようにし、入居者が直接やり取りをすることは控えてください。