Question

保証人と連帯保証人の違いは?

保証人には、普通の保証人と連帯保証人の2つがあるって聞いたけど、違いって何?

Answer

賃貸借契約では、保証人も連帯保証人も入居者が家賃を滞納した場合、代わりに支払わなければならない点は同様です。
しかし、保証人は家賃を支払う前に大家さんに自分の意見を主張することができます。
これは法律用語で「抗弁権」と言い、まずは入居者へ最初に督促するよう要求することができます。また、入居者が本当に支払い能力がないかどうかを確認することも要求できます。そうしたうえで本当に入居者が支払えないことが確認できた場合に、保証人が支払うことになります。

ところが、連帯保証人はそのような抗弁権が認められていません。
つまり大家さんが入居者に督促せず連帯保証人にいきなり督促したとしても、連帯保証人は拒めません。普通の保証人と違い、入居者へ先に督促して欲しいなどの要求をすることは一切できないのです。
連帯保証人はその部屋に居住していないものの、居住者とほぼ同一の義務を負っているといえるでしょう。それゆえに審査の際には収入や資産の状況を入居者同様に細かくチェックされ、通常の保証人では不要とされることが多い収入証明書、源泉徴収票、印鑑証明、預金証明書などの提出が必要になることもあります。
また、連帯保証人の立場は契約が続く限り、親から子へ、子から孫へ、と相続される点も通常の保証人と異なります。親が死去したことで自動的に全く知らない契約の連帯保証人になっていた、というケースもしばしば発生します。
このように、連帯保証人は保証人よりも生ずる責務がより厳しいものとなっているのです。

保証人を引き受けるような状況に遭遇したら、まずはどういう保証人なのかをしっかり確認しましょう。よく確認せずに軽い気持ちで引き受けたら連帯保証人だった、ということがあるかもしれません。
なお、2020年4月からの保証契約は連帯保証人の保証する債務に上限を設定することが義務付けられるようになりました。連帯保証人を引き受ける際は、自身の経済状況を踏まえて上限額を設定しておきましょう。賃貸借契約は2年間が一般的ですので、最大2年分の家賃相当額が上限の目安となります。