Question

高齢の親に部屋を貸してくれる所がなかなか見つからない…。

70歳を超えて足腰が弱ってきた母が通院や買い物に便利な立地への引っ越しを希望したので、一緒に部屋を探しました。しかし、どこも高齢者の単身入居はちょっと…という反応で芳しくありませんでした。日本人口の3割が65歳以上という時代なのに、こうも部屋を借りづらいのは納得がいかないんですが。

Answer

世界で最も高齢化社会が進行していると言われる日本ですが、それでも高齢者の方は単身ですとスムーズにお部屋を借りることができません。借りることができたとしても、ある程度の敷金や保証人もしくは保証会社が必須などの一定条件を付ける物件が多いのは確かです。
それはさまざまなリスクを考慮してのことです。大家さんの多くはビジネスで部屋を貸していますので、起こりうるリスクを想定したうえで貸すか貸さないかの判断をしています。不動産会社には毎日のように相談事が寄せられますが、大家さんからの相談事のうち高齢の入居者に関する内容は結構多く、大家さんも大きな需要があることは認識しています。しかしそれでも入居を渋るのはなぜなのか、大家さんがそう考える理由をいくつかご紹介します。
現役世代と比べて収入が限られる方が多いため、家賃などの金銭面の保証が欲しいと考えていますし、水回りと火元の管理や、つい大きくなりがちなテレビの音量が気になってしまうこともあります。また、時々テレビで流れる認知症の徘徊や孤独死のニュースを見て、自分の所でも同じことが起こったらどう対応すればいいのかと考えてしまうようです。他にも、日本にある物件の大半は高齢者が一人で入居した場合を想定していないため、安心して過ごしてもらうにはバリアフリー工事が必要になるところが多く、工事費用を工面できないなどの理由により入居をお断りさせていただくというケースもあります。
以上の理由により、大家さんが高齢の入居者の受け入れを断る、もしくは条件を厳しく設定してしまうことはやむを得ないことなのかもしれません。

日本はそう遠くないうちに人口の4割以上が高齢者になると言われています。それにもかかわらず、高齢者だとお部屋が借りづらいというのは非常にアンバランスです。そのため、高齢者でも安心してお部屋を借りることができるような環境を整えることは不動産業界にとっても喫緊の課題となっており、さまざまな工夫が考えられています。その一つに、家賃保証や巡回サービス、孤独死の後処理などを含んだ入居プランや各種保険があります。これらのプランを採用している不動産屋を探して相談してみましょう。