家賃を滞納したら部屋の鍵を交換されて扉にビラを貼られた。これって犯罪じゃない?
家賃を3ヶ月滞納してしまい、大家さんに謝って近日中に払う約束をしたのですが、急病で入院して出費がかさみ、約束を守れませんでした。 退院して帰宅すると扉に「3ヶ月も滞納した○○さん、早く払ってください」と大きな文字のビラが貼られていました。カギを交換しましたとも書かれていて、確かに今までのカギでは入れなくなっていました。 自分の身から出たサビとはいえ、これってやりすぎというか、もはや犯罪じゃないですか?
Answer
まず最初に、家賃を滞納している問題と、その督促方法の問題、これらはそれぞれ別の独立した問題として分ける必要があります。常識的に考えればこの二つは十分な因果関係があり、滞納があったため督促していると考えてしまいがちですが、実はそうではありません。
滞納してしまった入居者に責任があるとはいえ、カギを入居者に無断で勝手に交換するという行為は、大家さんが入居者に提供する義務、すなわち部屋を利用させるという義務を果たしていないことになります。滞納されたとしても賃貸借契約はまだ有効であり、契約が効力を持つ限り大家さんはそれに拘束されます。また、勝手に部屋に入ったことでプライバシーの侵害や不法侵入を問われる可能性もあるでしょう。
更に、貼り紙によって近隣に滞納を知らせることで、たとえそれが事実でも入居者の名誉を毀損したという点で犯罪となる可能性もあります。名誉毀損はれっきとした刑法犯ですので、警察に通報されて当然の事案です。
そもそも、大家さんはわざわざカギ交換の手間をかけずとも、敷金から補填したり、連帯保証人などに請求することもできました。よって家賃を回収できる機会は十分にあったとみなされ、督促の手段としては誤っていると判断されるでしょう。
つまり、滞納と督促には因果関係がありますが、滞納した件と督促方法が誤っている件は全く別の問題として処理するべきなのです。