「運動は健康のために良い!」と分かっているけど、なかなか行動に移せない…という方は意外と多いのではないでしょうか。
現代では、肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防や美意識を高めるため、体を鍛える意識も高まっています。
しかし、毎日の仕事や家事、学校などで忙しく、トレーニングを習慣化できない人も多いかもしれません。実は、時間や場所がなかなか作れない人でも、お部屋で気軽にウェイトトレーニングをすることが可能です。
今回は、ご自宅でできるウェイトトレーニングの方法や、ウェイトトレーニングに適しているお部屋の条件についてご紹介します。トレーニングに大切なことは、継続できる環境作りです。そのため、トレーニングの環境が整ったお部屋探しの参考にお役立てください。
自宅でウェイトトレーニングを行うメリット

まずは、自宅でウェイトトレーニングを行うメリットについて、ご説明します。主なメリットは以下のとおりです。
・すぐにシャワーを浴びることができる
・テレビや動画を見ながら気軽にできる
・時間を気にすることなくできる
それぞれの詳細について、確認していきましょう。
メリット①:すぐにシャワーを浴びることができる
ウェイトトレーニングで清々しい汗をかいた後は、すぐに汗を流したいでしょう。自宅でトレーニングを行った後は、すぐにシャワーを浴びて着替えもできるため、清潔を保つことが可能です。
またウェイトトレーニングでかいた汗をすぐ洗い流せるので、汗を放置することでできる「あせも」の発症防止ができたり、風邪を引くリスクを下げたりすることもできますよ。
メリット②:テレビや動画を見ながら気軽にできる
毎日を忙しく過ごしている人は、トレーニングのやる気スイッチを毎回入れることが難しいかもしれません。その点、自宅ではリビングや寝室などで、テレビや動画を見ながら気軽にトレーニングができるため、自然に運動習慣が身につきます。
自宅で気軽に動画を見ながら体操やトレーニングを実践することが可能です。
メリット③:時間を気にすることなくできる
ジムに通う人が続かない理由の主な原因に、通う時間がないことが挙げられます。
その点、ご自宅では、忙しい人でも騒音などの一定のマナーを守れば、早朝や深夜を問わずにご自身のペースに合わせてトレーニングが可能です。また、ジムと違って通う準備をする時間が省けて、服装に気兼ねしなくても済むため好都合と言えます。
賃貸暮らしの私がウェイトトレーニングで工夫していること
賃貸マンション暮らしで柔道整複師の私が、ウェイトトレーニングで工夫していることをご紹介します。主に工夫していることは、以下のとおりです。
・重たいダンベルを使わないトレーニング方法を取り入れる
・トレーニングは夜間以外で行うよう心がける
・身近にあるグッズを活用する
それぞれ詳しく説明していきます。
重たいダンベルを使わないトレーニング方法を取り入れる
自宅では、主に自重トレーニングを取り入れています。自重トレーニングとは、ダンベルやマシンなどを使わずに、自分の体一つで行うトレーニングです。
自重トレーニングのメリットとしては、老若男女問わず、自分の加減で強度が決められるところが挙げられます。
トレーニングは夜間以外で行うよう心がける
賃貸マンションでは上下階に住民が住んでいるため、夜間22時以降はトレーニングを控えています。もし22時以降に行いたいと思った時は、音があまり出ないトレーニング方法を取り入れるようにしています。
騒音に注意することは近所への配慮として必要であり、床にかかる衝撃にはとくに気をつけています。
身近にあるグッズを活用する
グッズを利用すると言っても、ダンベルなどを特別に用意することはしていません。ペットボトルやタオルなど身近にあるものを使って、ウェイトトレーニングを可能にしています。
とくに、ペットボトルは容量を変えると負荷の調整ができるため、大変便利です。
机や椅子を使ったウェイトトレーニングのやり方

次に、ウェイトトレーニングにおすすめの机や椅子をご紹介します。自宅にある机や椅子を使って、簡単にできるウェイトトレーニングのやり方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの器具や道具・グッズ
ここでは使うと便利なおすすめの椅子トレーニングのグッズをご紹介します。
フィットネスチェア
フィットネスチェアとは、チェアの底面がドーム状になっており、ゆらゆら揺れるイスのことです。似たようなグッズとして「バランスボール」がありますが、大きな違いはサイズ感や手入れ・管理の手間が挙げられます。
バランスボールは丸く大きな球体状なので、部屋のスペースが狭くなってしまいます。また空気を入れている道具なので、定期的に空気圧を確認する必要があります。その点、フィットネスチェアはコンパクトなので部屋スペースを取ることもなく、手入れも一切しなくて良いのでおすすめです。
エクササイズバイク
エクササイズバイクとは、ペダルの重さを調節することで鍛えられる自転車型のフィットネスマシンです。仕事をしながら、運動不足解消にも役立ちます。
エクササイズバイクの種類に、折り畳み式で持ち運べるマシンもあるので、場所を選ばず鍛えることができます。
机を使った上腕三頭筋の鍛え方
机を使って上腕三頭筋を鍛える方法をご紹介します。自宅で、簡単に二の腕部分を落とすことが可能です。
以下の手順で行いましょう。
STEP1. 机と反対方向を向いて立ちます。
STEP2. 机の端に両手ともに手のひらの付け根を置きます。
STEP3. 机と腕が90°になるように肘を曲げていきます。
STEP4. 膝も曲がる位置まで持っていき、5秒ほどキープします。
STEP5. 両腕を伸ばしていき、膝も伸ばします。
STEP6. 5~10回を目安に繰り返し行います。
椅子を使った腹筋下部を引き締めるトレーニング
椅子を使って腹筋下部を引き締めるトレーニングをご紹介します。とくに、下っ腹が気になる人におすすめのトレーニングです。
以下の手順で、行いましょう。
STEP1. 安定している椅子を選びます。
STEP2. 脚を伸ばせるスペースを確保します。
STEP3. 椅子に浅めに座り、脚を伸ばします。
STEP4. 体を縮めるイメージで、膝が胸に近づくようにゆっくり動かします。
不安定な場合は、手でしっかり椅子をつかんで行ってください。
壁を使ったウェイトトレーニングのやり方

次に、壁を使ったウェイトトレーニングのやり方をご紹介します。とくに、下半身強化に役立つトレーニングです。
おすすめの器具や道具・グッズ
壁を使ったウェイトトレーニングに使えるおすすめグッズは、以下のとおりです。
・ヨガマット
・すべり止め付きの靴下
それぞれの特徴を説明していきます。
ヨガマット
壁を使ったウェイトトレーニングを裸足で行うなら、ヨガマットを用意しておくのがおすすめです。もちろん裸足のままおこなうこともできますが、足が滑ってケガをする可能性があります。
また足が滑りやすい裸足でおこなうと、どうしても足に集中がいってしまうので効果も十分に得られない可能性もあります。
すべり止め付きの靴下
ヨガマットの用意が難しい人は、すべり止め付きの靴下で行うことで代用することができます。ヨガマットと違い、普段使いで履くこともできますし、タンスやボックスに収納することができるので場所を取ることもありません。
すべり止め付きの靴下のほかにも、マットレスの下に敷くすべり止めシートでも代用できますよ。
壁を使ったスクワット
スクワットをすることで、お尻まわりや太ももの強化につながります。また、姿勢の改善にも効果的です。
以下の手順で行いましょう。
STEP1. 背中を壁につけてまっすぐ立ちます。
STEP2. 背中をスライドしながら膝を曲げていき、90度まで曲げたら両手を合掌します。
STEP3. 5〜10呼吸ほどキープします。
STEP4. ゆっくり息を吐きながらSTEP1に戻していきます。
STEP5. 10〜20回を目安に行います。
ポイントは、足の指からかかとまでしっかり床につけて、体を支えることを意識することです。
ふくらはぎに効く壁トレーニング
ふくらはぎの筋肉を刺激して、美しい下腿部をデザインすることが可能です。また、脚の血行も良くなり、むくみ解消や代謝アップにもつながります。
やり方は、以下のとおりです。
STEP1. 壁に向かって立ちます。
STEP2. かかとをそろえてまっすぐに立ち、手のひらは壁につけます。
STEP3. 真上に引っ張られるイメージで、息を吸いながらかかとを上げていきます。
STEP4. かかとを上げたまま、息を吐きながら両ひざを曲げていきます。
STEP5. さらに息を吸いながら膝を伸ばします。
STEP6. 10回ほど繰り返します。
ペットボトルなどの日常品を使ったウェイトトレーニングのやり方

次に、ペットボトルなど日常品を使って行えるウェイトトレーニングのやり方をご紹介します。
おすすめの器具や道具・グッズ
主に日用品でトレーニングに使えるおすすめグッズは、以下のとおりです。
・ペットボトル
・ラップ
・タオル
それぞれの特徴を説明していきます。
ペットボトル
ペットボトルは容量に合わせて重さを変えられるため、大変便利です。なお、内容量が500mlの天然水やジュースのペットボトルの場合、1本あたりの質量は、約500gとなります。
ラップ
ラップの芯をテープで丸めた棒を使った棒体操は、筋肉をバランス良く使うことができます。ラップの芯が少し硬いと感じる人は、新聞紙を丸めてテープで巻いてみましょう。
棒体操はアレンジが多いため、YouTubeにあるさまざまな種類の棒体操から選べます。
タオル
タオル一つで、体の色々な部位を鍛えることが可能です。また、タオルは持ち運びが便利なため、お風呂上がりや寝る前など自宅での隙間時間に行えます。
タオルを使った広背筋と僧帽筋の鍛え方
タオルを使った広背筋と僧帽筋を鍛えるトレーニング方法「タオルプルダウン」をご紹介します。
やり方は、以下のとおりです。
STEP1. 両手でタオルの端を持ち、腕を伸ばします。
STEP2. 肘を背中の後ろへ引くイメージで、曲げます。
STEP3. 背筋を伸ばした姿勢でSTEP1.に戻ります。
STEP4. 10~20回を目安に行います。
ポイントは、肩甲骨を意識しながら行いましょう。
ペットボトルを使った上腕二頭筋の鍛え方
ペットボトルを使った上腕二頭筋を引き締めるトレーニング方法をご紹介します。
やり方は、以下のとおりです。
STEP1. 腕を伸ばしてまっすぐに立ちます。
STEP2. 両手にペットボトルを持ち、手のひらを正面に向けて体から少し離します。
STEP3. そのまま肘を折りたたむようにしてペットボトルを持ち上げていきます。
STEP4. 力を入れて1秒キープして戻します。
STEP5. 10〜20回を目安に行います。
ポイントは、戻すときに肘を伸ばしきらないようにすることです。
自分の体重を負荷にして行うウェイトトレーニングのやり方

次に、自分の体重を負荷にして行う自重のウェイトトレーニングを、上半身・下半身に分けてご紹介します。
おすすめの器具や道具・グッズ
主に自重のウェイトトレーニングに使えるおすすめグッズは、以下のとおりです。
・ヨガマット
・トレーニングチューブ
それぞれの特徴を説明していきます。
ヨガマット
自分の体重を負荷にしておこなうトレーニングですが、すべり止め機能があるヨガマットを敷くことで、より効果を得やすくなります。すべり止めの効果もありますが、どうしても滴ってしまう自分の汗を吸収する役割もあり、トレーニング後の床掃除のしやすくなりますよ。
トレーニングチューブ
トレーニングチューブとは伸縮性のあるチューブのことで、「手に持って引っ張る」「足に引っ掛けて引っ張る」といった行為をおこなうことで、筋トレの効果を発揮するトレーニングアイテムです。
トレーニングチューブのように、自分の体重をより負荷にすることができるアイテムもおすすめと言えるでしょう。
上半身自重トレーニング
上半身では、少し強度がある腕立て伏せをご紹介します。上腕二頭筋と上腕三頭筋、そして胸筋を鍛え、さらに姿勢を正すのに重要な体幹を鍛えるトレーニングです。
以下の手順で行いましょう。
STEP1. 肩幅よりも狭くして両手首を肩の真下に置き、膝を地面につけた姿勢でスタートします。
STEP2. 肩から腰、膝まで体が一直線になるように、体幹やお尻、太ももに力を入れていきます。
STEP3. 肘を胴体にくっつけたまま、3つ数えながらゆっくりと胸を床につけます。
STEP4. すぐに手のひらで押し上げ、肘をまっすぐに戻します。
STEP5. 5~10回を目安に繰り返します。
ポイントは、体を床まで引き下げ、戻すときは床から押し上げるイメージで行うことです。
下半身自重トレーニング
下半身では、お尻から脚全体に効くトレーニングをご紹介します。
やり方は、以下のとおりです。
STEP1. 背筋を伸ばして立ちます。
STEP2. 両手は腕の前で軽く組みます。
STEP3. 胸を張ったまま片脚を一歩後ろに下げ、後ろの膝が床につきそうになるまで前の膝を曲げていきます。
STEP4. ゆっくりとSTEP1まで戻していき、片方の脚も同じように繰り返します。
STEP5. 左右の脚それぞれ10回を目安に行います。
ポイントは、最後までしっかりと背筋を伸ばした姿勢で行うことです。
ウェイトトレーニングが自宅でできるお部屋の特徴

次に、ウェイトトレーニングが自宅でできるお部屋の特徴についてご紹介します。主に、以下のようなお部屋がトレーニングにおすすめです。
・音が気にならない防音設備が整っている
・ウェイトトレーニングを行えるスペースがある
・床材質はお尻が痛くならないものである
それぞれの特徴について、確認していきましょう。
音が気にならない防音設備が整っている
トレーニングが激しくなればなるほど多少の音は出るものですが、近隣住民からしてみると、些細な音でも耳障りとして気になるものです。お部屋の防音設備を整えることで、安心してトレーニングを続けられます。
防音設備が万全で、安心してトレーニングができるお部屋としては、防音効果が期待できる「楽器可の住まい」がおすすめです。
楽器の音で、弦楽器や管楽器による普通の演奏でも、80デシベル程度の音量と言われています。また、一般的なトレーニングの動作音は、55〜65デジベルの音が平均的です。楽器可のお部屋は、防音設備として万全と言えます。
ウェイトトレーニングを行えるスペースがある
お部屋でウェイトトレーニングを行えるスペースは、1〜2畳スペースがあれば十分です。そのため、ワンルームマンションでも行えます。お部屋が複数ある場合は、トレーニング用の専用スペースをデザインするのも良いでしょう。
自分だけのパーソナルジムが完成して、自然にトレーニングのモチベーションも上がります。
お尻が痛くならない床材質である
トレーニングの目的は、体を鍛えて健康的なボディを手に入れることなので、体を痛めることは絶対に避けたいところです。そのため、トレーニングを行う際には、安全を考慮したクッション性のある材質のスペースで行うのが良いでしょう。
仰向けでのトレーニングでお尻や、ジャンプで脚を痛めないお部屋のおすすめは、クッションフロアや和室です。クッションフロアでは、お尻や脚の衝撃を和らげてくれます。
和室の畳では、裸足のトレーニングがおすすめです。畳を裸足で触れる感触が気持ち良く、精神的にも落ち着いてトレーニングに集中できるでしょう。
ウェイトトレーニングで健康的な体を手に入れよう
今回は、自宅でウェイトトレーニングができるかどうかについてと、おすすめのトレーニングメニューをご説明しました。お部屋でのトレーニング方法は、工夫次第で無限大です。また、ご自身で環境やデザイン作りなど新しい発想を生み出していくのも、自宅トレーニングの楽しみでもあります。
ぜひ、ウェイトトレーニングが続けやすい環境がそろったお部屋で、いつまでも健康的な体を手に入れましょう。