押入れというと、布団や季節外れの家電、普段あまり使わないものをとりあえず入れてしまう場所になりがちですが、ちょっと工夫を加えるだけで毎日使いやすく、心地よい収納スペースに生まれ変わります。お気に入りの洋服を並べたり、小物をディスプレイすれば、毎朝の身支度が楽しみになる、自分だけの特別なクローゼットになります。
この記事では、賃貸でも気軽に取り入れられる押入れDIYのアイデアを、収納のプロがわかりやすくご紹介します。押入れをクローゼットに変えることで、居室収納やウォークインクローゼットのように、まとまりのある機能的な空間を手に入れることができます。
押入れをクローゼットに変えるメリット
押入れをクローゼットとして活用することは、特に一人暮らしや収納スペースが限られている住まいにおいてとてもよい方法です。限られた空間を最大限に生かし、生活動線を整えることで部屋全体の快適さが向上します。
まずは、押入れをクローゼットに変えることの主なメリットについて詳しく解説します。
空間を有効活用できる
押入れは元々広めに設計されています。その奥行きや高さを活かしてクローゼットにリメイクすることで、個々のニーズに合わせた多彩な収納が可能になります。
例えばハンガーパイプを設置して、洋服を吊るすスペースを確保したり、収納ケースや棚を置いて小物やバッグを整理したりと、自分仕様にカスタマイズできるのが大きな強みです。
限られたスペースの中で収納量を増やせる点は、特に賃貸やワンルームでの暮らしに大きなメリットとなります。
隠して収納できる
押入れは、襖(ふすま)を閉めることで生活感を簡単に隠せるので、来客時でも部屋をすっきり見せることができます。
また、最近では襖の代わりにカーテンやロールスクリーンを設置する人も増えています。そのことで、開閉がよりスムーズになり、さらにデザイン性を高めてモダンでおしゃれな印象になります。見た目と使い勝手の両立が図れる点も魅力の一つです。
衣類が一か所にまとまって便利
押入れの奥行きは一般的なクローゼットよりも深いため、洋服はもちろん、季節ごとの衣替えに必要なアイテムやバッグ、季節家電、スーツケースなどもまとめて収納できます。
一か所に収納を集約することで管理がしやすくなり、衣替えやシーズンごとの入れ替えもまとめて行えるので、日々の収納がぐっとスムーズになります。
押入れとクローゼットの違い
和室にある押入れと洋室にあるクローゼットは、見た目や使い勝手においていくつかの違いがあります。
押入れは、襖で仕切られた比較的大きな収納スペースで、奥行きが深く、上下に分かれていることが多いです。一方のクローゼットは、奥行きは浅めで、ハンガーパイプが備え付けられているため、衣類を掛けて保管するのに便利です。
押入れは布団などの大きなものも収納でき多目的に使える反面、衣類中心に収納する場合にはハンガーパイプや仕切りの工夫が必要となるでしょう。
賃貸物件で押入れをクローゼット化できる?

賃貸物件では、壁に穴を開けたりネジでの固定が制限されていたりするケースが多いため、押入れをクローゼットに変える際には工夫が必要です。
限られた条件の中でも、快適に使いやすい収納スペースを作る方法は十分にありますので、賃貸で押入れをクローゼット化する際には以下のポイントを参考にしてみてください。
原状回復できる方法で工夫する
壁に穴を開けずに設置できる「突っ張り棒」や「置き型の収納ラック」を活用すると効果的です。
突っ張り棒は押入れの幅に合わせて簡単に取り付けられ、ハンガーパイプとして洋服を吊るすことができます。ネジ止めや釘を使わないため原状回復も容易です。また、両面テープや剥がせる粘着フックも活用すれば、バッグやアクセサリーなどの小物を掛けるスペースを増やすことが可能です。
こうしたアイテムを組み合わせて、限られた空間を最大限に使う工夫がポイントとなります。
収納ケースや引き出しボックスを設置して使いやすく
押入れの上段には、軽くて取り出しやすい物を収納し、下段はキャスター付きの収納ケースやワゴンタイプの引き出しボックスを設置することで、出し入れが楽になります。
特にキャスター付きの収納は、押入れの奥に置いても簡単に手前に引き出せるので、季節の衣替えや小物の整理がスムーズです。使い勝手を考えて、収納ケースのサイズや形を選べば、見た目もすっきり整い作業の効率化につながります。
照明を取り入れて使いやすく
押入れは奥行きが深いため、中が暗くなりがちです。暗い中での探し物はストレスになりますので、人感センサー付きのLEDライトを設置すると、物を探しやすく実用性もUPします。
賃貸では配線工事ができないことが多いため、簡単に取付ができる電池式や充電式のポータブルライトや人感センサー付きライトを選ぶと便利です。
押入れをクローゼットに変える前に確認すべきチェックリスト
押入れをクローゼットにする前に、あらかじめ確認しておきたいポイントがあります。ここでは、その大事なポイントをわかりやすくご紹介します。
押入れのサイズ・構造を正確に把握しておく
押入れの幅、高さ、奥行きを正確に測定することが基本です。特に奥行きは、押入れ特有の深さがあるため、どのくらいの収納アイテムが設置できるかが重要なポイントになります。
奥行き、棚板の位置や高さもチェックし、有効につかえる収納スペースを確認しましょう。寸法を正確に把握することで、購入する収納アイテムのサイズ選定や設置の計画がスムーズになり、無駄な買い物や後悔を防げます。
収納したい物の量・種類を把握しておく
どのような種類をどのくらい収納するかを決めることも大切です。例えば洋服でも、ハンガーにかけて収納したいのか、畳んで収納したいのか、バッグや帽子、小物類はどのくらいあるのかを具体的に把握しておくことで、収納アイテムの選定が効率的になります。
量が多い場合は、畳んでコンパクトにしたり、圧縮するなど収納を工夫したり、使っていないものがあれば、他人に譲ったり、処分をするなどして、整理しましょう。
事前に収納する物を把握して計画しておくことで、後から「スペースが足りない」「収納が使いにくい」といったトラブルを避けることができます。
押入れの開閉スペースや動線の確認
押入れをクローゼットとして使う場合には、物の出し入れがスムーズにできるスペースがあるか、あらかじめ確認しておくことが大切です。
クローゼットの前に十分な空きがないと、洋服を取り出しにくかったり、部屋の動線が窮屈になってしまうことがあります。特に引き出しタイプの収納を使う場合は、引き出した時に前のスペースに余裕があるかどうかを事前にチェックしておきましょう。そうすることで、使い勝手がよく快適なクローゼットに仕上げることができます。
【アイテム別】押入れをクローゼットに変える方法

押入れの奥行きを活かして効率的に収納するには、デッドスペースをなくすことがポイントになります。ここでは、具体的なアイテムごとに活用術を紹介します。
スライド式 収納やキャスター付き収納ボックス
押入れの奥にしまったものを取り出しやすくするには、スライド式の収納やキャスター付きの収納ボックスがおすすめです。これらのアイテムは、押入れの深さを活かしつつ、奥の物も簡単に引き出して使えます。シーズンオフの服や使用頻度の低いものは奥に収納し、よく使うものを手前に分けておくと便利です。
また、キャスター付き収納ボックスは様々なサイズやデザインがあるため、自分の押入れのスペースや収納量に合わせて選べます。スライド式のタイプは、重ねて設置できるものもあり、スペースに合わせて調整できる点も魅力です。
突っ張り棒
クローゼットのように洋服を吊るしたい場合は、突っ張り棒や突っ張りハンガーラックで代用できます。特に耐荷重のある商品を選べば、重いコートやジャケットも安心して収納できます。
突っ張り棒を押入れの手前と奥に2本使いすることで、前後で季節ごとに服を分けることができ、収納量がアップします。
押し入れラック
押入れの奥行きを活かした専用ラックを使うと、収納スペースを最大限に活用できます。
ハンガーラックは高さのバリエーションもあり、押入れのスペースに合わせて選べたり、簡単に移動ができるキャスター付きもあります。さらにコミックラックは、本や小物類を整理するのに便利です。押入れの形状や収納したい物の種類に合わせてラックを選択することで、収納力を格段にアップさせられます。
収納ボックス
押入れの上段など高い場所に収納する場合、取っ手付き収納ボックスで取り出しやすくなります。また、ラベルが貼れるものだと中に何が入っているか一目でわかり便利です。
同じデザインや色の収納ボックスで統一すると、見た目もすっきりまとまり、空間全体に洗練された印象になります。
引き出し式収納ケース(押入れサイズ)
畳む収納に適した衣類(Tシャツ・インナー・靴下など)などは、引き出し式の収納ケースが最適です。押入れの高さや奥行きに合ったサイズのものを選び、ラベルをつけて、中身がわかりやすく整理するとさらに使いやすくなります。
引き出し式でたたんだ衣類を立てて収納すれば、乱れにくく、必要なものを素早く取り出せるので日常の身支度も効率的です。
カーテン・ロールスクリーン
ふすまの開け閉めが面倒という人は、ふすまを外して、カーテンやロールスクリーンで目隠しをするのがおすすめです。
布の色や素材を部屋のインテリアに合わせることで、空間に統一感が生まれ、見た目もおしゃれに仕上がります。開閉も楽になり、中身の出し入れがしやすい点もメリットです。
突っ張り式のレールやロールスクリーンであれば、賃貸でも工事なく気軽に設置できます。
押入れをクローゼット化するときに注意したいこと
押入れをクローゼット化する際には、快適で長く使いやすい収納スペースにするために、注意すべきポイントがいくつかあります。ここでは押入れをクローゼット化するときに気をつけたい点を詳しく解説します。
通気性・カビの心配がないか
押入れは湿気がこもりやすい空間のため、カビの発生リスクが高い場所です。クローゼットにする前に壁紙のにおいやシミや結露、カビがないかをしっかり確認しましょう。
湿気が気になる場合は除湿剤を置くほか、すのこを敷いて床と収納物の間に空間を作り、通気性を確保することが大切です。またサーキュレーターを使って空気を循環させ、湿気をためない工夫も効果的です。
収納する物の重さと押入れの耐荷重を確認
押入れの棚板や底板には耐荷重の限界があり、重たい衣装ケースや本などを置くと破損の原因になることもあります。クローゼットにする時は、棚の材質や強度を確認し、収納したい物や量が、置いた時に重さに耐えられるかどうかをチェックしましょう。
特に重量物は一か所に集中させずに、重さを分散するように配置すると、棚の負担が減り安心です。
防虫対策をする
湿気やホコリがたまりやすい押入れは、虫が発生しやすい環境でもあります。特に衣類や布団を収納する場合は、防虫対策が欠かせません。
防虫剤を適切に使うほか、食品の収納は避け、定期的に押入れ内を掃除して清潔な状態を保つことが重要です。防虫対策をすることで大切な衣類をよい状態に保つことができます。
ふすまを取り外した場合の保管場所や方法にも注意する
押入れのふすまを取り外してクローゼットにする場合、取り外したふすま自体の扱いにも気を付ける必要があります。傷や汚れがつかないように専用のカバーをかけたり、布や段ボールで包んで保護し、安全な場所に保管しましょう。
湿気や直射日光を避けた場所に保管することもふすまの劣化を防ぐポイントです。再びふすまを元の状態に戻せるように、丁寧に扱い保管しましょう。
ここまで、押入れをクローゼットに変える方法をご紹介しました。押入れのスペースを工夫することで、使いやすく魅力的な収納スペースに変えることができます。もし、さらに収納を充実させたいと思う人は、最初からクローゼットが備わっている物件や、ウォークインクローゼットのある住まいを検討してみましょう。
押入れをクローゼットにすれば賃貸でも快適な収納空間に
押入れをクローゼットに変えることで、賃貸物件でも限られたスペースを最大限に活用し、暮らしをより快適にすることができます。収納アイテムを工夫して取り入れれば、壁や建具を傷つけることなく、見た目もすっきりとした魅力的な収納が実現可能です。
ぜひこの記事を参考に、押入れを自分らしくアレンジして、快適に使えるクローゼットを手に入れてみてください。





