日々の暮らしの中で、「外からの視線が気になる」という方も多いのではないでしょうか。特に一人暮らしの女性や、隣家や歩道が近い家にお住まいの方は、不安を感じておられることでしょう。そのような場合、気軽にできる、外から家の中が見えないようにする方法を知っておくと便利です。
今回は、外から家の中が見えないようにする方法、また誰でも取り入れやすい「窓ガラスフィルム」にスポットを当て、その選び方や貼り方をご紹介します。
外からの視線を遮る方法やアイテム8選

外から家の中が見えると、プライバシーの観点から不安になってしまうものです。現在住んでいる家では外からの視線が気になるという場合は、これからご紹介する8つの方法を参考に、対策をしてみてはいかがでしょうか。
【おすすめ】窓に目隠しフィルムを貼る

外から家の中を見えないようにする方法で特におすすめなのが、窓に目隠しフィルムを貼ることです。外からの視線を遮りつつも、自然光は室内に入れられるため、明るく快適な空間を保てます。
また、目隠しフィルムにはさまざまなデザインや模様があり、インテリアの美観を向上させるとともに、プライバシーを守ることができます。取り付けも簡単で手頃な価格であるため、防犯面とデザイン性を兼ね備えたい方におすすめです。
ウィンドウトリートメントを取り入れる

ウィンドウトリートメントとは、窓辺に取り付けられるアイテムのことで、主に下記のような種類があります。これらを取り入れることで、外からの視線を気軽に遮ることができます。
・カーテン
厚みのあるドレープカーテンと、薄手のレースカーテンを二重にして使用することが一般的
・ブラインド
羽が横方向に並んだベネシャンブラインド、縦方向に並んだバーチカルブラインドの2種類がある
・ローマンシェード
ファブリックに開閉昇降機能があり、縦方向に昇降するもの
・スクリーン
ファブリックなどをロール状に巻き取るロールスクリーン、たたみ上げるプリーツスクリーンなどがある
ウィンドウトリートメントは、主に光の入り方を調整するために使われるアイテムです。ほかにも、インテリアの一部としてや、プライバシーの確保のために取り付けられます。
目隠し効果のあるカーテン「ミラーレースカーテン」を使う

目隠し効果にこだわるなら、「ミラーレースカーテン」を選ぶのもひとつの方法です。ミラーレースカーテンとは、外からの視線をカットできる機能を備えたカーテンのことです。各メーカーから、UVカット付きなどさまざまな機能、デザインのアイテムが販売されています。
製品によっては、外からの視線は遮りつつも家の中が暗くならない、しっかりと外の景色が見えるタイプもあるため、お好みに合わせて透けにくいカーテンを選んでみましょう。
ブラインドを設置する

先ほども触れましたが、上下、または左右に開閉するブラインドを取り入れるのも有効な方法です。羽(スラット)の角度を変えるだけで、簡単に光や視線の入り具合を調整できます。窓辺がすっきりとした印象になるため、モダンなインテリアをお好みの方におすすめです。
すだれを活用する

和のインテリアがお好みの方は、すだれを取り入れてみてはいかがでしょうか。すだれは、自然素材ならではの素朴な素材感、気軽に取り入れやすいリーズナブルさが魅力です。
一般的に知られる天津すだれだけでなく、最近では和モダンなデザインのすだれも多数登場しています。また、アルミ素材など軽量化で取り入れやすいアイテムもあるため、テイストの好みや用途に合わせて選んでみてください。
目隠し効果のあるフェンスを設置する
外からの視線を遮るために取り入れられる目隠しフェンスは、開放感を演出するフェンスとは違い、すき間がまったくない、またはすき間がごく狭いタイプが多いエクステリアです。
フェンスだけで設置する方法もありますが、ブロック塀の上に設置される場合もあります。
植栽や観葉植物などで目隠しをする

外からの視線をカットするために、窓の近くに植栽で目隠しをする方法があります。緑が視界に入ることで景観のよさを感じられるなど、自然な目隠しができるというメリットがあります。落下などの心配がないよう対策をすれば、窓辺に観葉植物を置くのもよいでしょう。
屋外にオーニングなどを設置する

窓の外に、日よけとなる「オーニング」を設置できる場合は、目隠しとしても活用できます。夏の強い日差しや西日などの直射日光を遮るため、一石二鳥です。
バルコニーシェードを取り入れる
外からの視線を遮りながら、風通しを確保できるバルコニーシェードは、特にバルコニーの掃き出し窓からの視線が気になる場合に活躍します。
色やデザイン、機能性などもさまざまなタイプがあるため、お好みのバルコニーシェードをホームセンターなどで探してみてはいかがでしょうか。
窓に貼るだけ簡単!外から見えにくくなる「窓ガラスフィルム」の選び方

ここでは、外から見えにくくなる窓ガラスフィルムの種類と特徴を解説します。窓ガラスフィルムは、主に下記の3種類があります。
<窓ガラスフィルムの種類>
・水貼りタイプ
・すりガラスタイプ
・マジックミラータイプ
それぞれの特徴を見ていきましょう。
外からの見えにくさ
ガラスフィルムの種類別に、外からの見えにくさについて特徴を見ていきましょう。
【種類別の特徴】
窓ガラスフィルムの種類 | 外からの見えにくさ |
---|---|
水貼りタイプ | ×見えやすい |
すりガラスタイプ | 〇若干見えにくい |
マジックミラータイプ | ◎見えにくい |
水貼りタイプは透明度の高い製品が多く、プライバシー保護の観点からは物足りなさを感じるかもしれません。柄入りを選ぶと、視界を遮る効果に期待できます。
すりガラスタイプは透明度が低く、水貼りタイプより外から見えにくくなります。デザインにより性能に差があるため、購入前はどの程度の透明度かの確認が必要です。
マジックミラータイプは表面が鏡のように反射するため、外部からの視線をカットする効果に期待できます。ただし、完全に視線を遮ることは難しいため、カーテンなどと併用するとよいでしょう。
貼りやすさ
窓ガラスフィルムの種類別に、貼りやすさについて特徴を見ていきましょう。
【種類別の特徴】
窓ガラスフィルムの種類 | 貼りやすさ |
---|---|
水貼りタイプ | ◎貼りやすい |
すりガラスタイプ | 〇貼りにくい製品もある |
マジックミラータイプ | △難しさを感じる |
水貼りタイプは水を使ってフィルムを貼り付けるため、作業は比較的簡単です。一方、すりガラスタイプは粘着剤が使用された製品もあり、貼り直しができない可能性もあります。
また、マジックミラータイプは、気泡や水分が入ると粗が目立ちやすく、上手に貼りにくいと感じられるかもしれません。窓ガラスフィルムを貼る際は貼り付け作業に失敗しないよう、製品付属の取り扱い説明書をよく読み、正しい手順で作業を行いましょう。
遮光性
いずれも、遮光タイプを選ぶことで遮光性がアップします。特にマジックミラータイプは、光を反射吸収するタイプも多く、UV対策として取り入れられることもあります。
窓ガラスフィルムの種類別に、遮光性について特徴を見ていきましょう。
【種類別の特徴】
窓ガラスフィルムの種類 | 遮光性 |
---|---|
水貼りタイプ | 〇製品によっては遮光性が高い |
すりガラスタイプ | △多少は期待できる |
マジックミラータイプ | △多少は期待できる |
水貼りタイプの場合、種類によっては全面が黒く着色され、遮光率100%(ほとんど光を通さない)の製品もあります。ただし、窓からの景色を見るために透明度の高いフィルムを購入すると、遮光性が低くなる場合があるため製品の取り扱い説明をよく確認してから購入しましょう。
すりガラスタイプ・マジックミラータイプはその性質上、高い遮光性に期待できません。すりガラス・マジックミラーは、あくまでも外部からの視界を遮る目的で取り入れられます。そのため、ある程度の日光が部屋の中に差し込むことを考慮しておきましょう。
ただし製品によっては遮光性を高め、日差しのまぶしさを軽減する効果がある場合もあります。購入時は、遮光率(数値が高いほど光が入りづらい)の高さも参考に製品を検討しましょう。
耐久性
水張りタイプは貼りやすい反面、剥がれやすさも考慮しなければなりません。比較的剥がれにくいとされるすりガラスタイプは、一般的に耐久性が高いと言われています。また、マジックミラータイプも日光や湿気などに比較的強いと言われているため、耐久性が期待できます。
窓ガラスフィルムの種類別に、耐久性について特徴を見ていきましょう。
【種類別の特徴】
窓ガラスフィルムの種類 | 耐久性 |
---|---|
水貼りタイプ | ◎約10年 |
すりガラスタイプ | ◎約10年 |
マジックミラータイプ | ◎約10年 |
どの窓ガラスフィルムも、耐用年数の目安は約10年です。ただし、あくまでも目安であり、使用環境によっては早期に交換しなければなりません。
劣化の早まる使用環境は、次のとおりです。
<劣化が早まる可能性のある使用環境>
・強い日差しが常に差し込む
・結露しやすい(湿気の抜けにくい場所)
上記のような条件が揃うことで、窓ガラスフィルムの粘着力や色が落ちやすくなり、早期交換が必要になることがあります。こまめな換気を行ったり、熱をこもらせないようにしたりなど、使用環境に合わせて取り入れ方を工夫しましょう。
デザイン
水張りタイプ、すりガラスタイプともに、無地だけでなくデザイン性のあるタイプも展開されています。石や木などの素材をモチーフにした柄、ストライプや幾何学柄、ステンドグラス調のものなど、バリエーションは豊かです。マジックミラータイプは無地が多く、シンプルなインテリアによく合います。
それでは、窓ガラスフィルムの種類別に、デザインについて特徴を見ていきましょう。
【種類別の特徴】
窓ガラスフィルムの種類 | デザイン |
---|---|
水貼りタイプ | ◎デザイン性の高い製品もある |
すりガラスタイプ | ◎デザイン性の高い製品もある |
マジックミラータイプ | △無地のタイプが多い |
水貼りタイプ・すりガラスタイプいずれも、花柄や格子柄など無地以外のデザイン性のあるタイプも販売されています。
一方、マジックミラータイプは文字通り鏡のような形状になっているため、デザイン性の面では少し物足りなさを感じてしまうでしょう。機能性を重視する場合に検討してみましょう。
外から見えなくなる窓ガラスフィルムを選ぶなら「すりガラスタイプ」がおすすめ

外からの視線を遮るために「窓ガラスフィルム」を取り入れる場合は、すりガラスタイプを選ぶとよいでしょう。
すりガラスタイプの窓ガラスフィルムは、光をほどよく取り込みながら目隠しをするのに向いています。シンプルなテクスチャーで、インテリアのテイストにかかわらず貼れるため、デザインで悩む手間が省けますよ。
【注意】窓ガラスフィルム使用前に「規約」や「原状回復」について必ず確認しよう

気軽に目隠しができる窓ガラスフィルムですが、賃貸住宅で使用する際は注意が必要です。事前に管理組合に問い合わせたり、管理規約を確認したりと、使用可能かを確認しておきましょう。
また、窓ガラスフィルムを自身で貼ることは比較的簡単ですが、技術がなければ窓ガラスに傷を付けずにきれいに剥がすことは難しく、原状回復できなくなる場合もあります。ご自分で判断できない場合は、専門業者に相談するのもひとつの方法です。
窓ガラスフィルムの貼り方

ここからは、窓ガラスフィルムを実際に貼る際に必要な道具、貼り方のポイントをご紹介します。5STEPで完了するため、DIYをしたいという方はぜひ参考にしてみてください。
なお、ここに挙げた方法は、貼り方の一例です。使用する道具や窓の状態などによっても貼り方は異なるため、DIYをされる際は自己責任のもと慎重に行いましょう。不安な場合は、専門業者に相談するなど、プロに任せるのもひとつの方法です。
必要な道具
窓ガラスフィルムを貼る際には、以下の道具をそろえましょう。
<窓ガラスフィルム>
・養生用シート(不要になったタオルなどを用意しておくのも◎)
・霧吹き(水に中性洗剤を少量まぜたもの)
・ガラススクレーパー、スキージーなど
・布やキッチンタオルなど
・はさみやカッター
・鉛筆
・メジャー、定規
・セロテープ
・ゴムヘラ
「水で貼るタイプ」の窓ガラスフィルムの貼り方とポイント
事前準備として、水に中性洗剤を少量まぜたものを霧吹きに入れ、窓に吹きかけます。ガラススクレーパーで汚れを落とし、スキージーで水を切りましょう。乾いた布やキッチンペーパーなどで、水や汚れをしっかりと拭き取ります。
STEP1. 窓のサイズを測る
窓のサイズを測り、ガラスフィルムに少し余裕を持たせて印を付けます。
STEP2. 窓ガラスフィルムをカッターで切る
窓ガラスのサイズよりも3~5cm程度大きめを意識して、ガラスフィルムをカッターで切ります。定規を当ててカッターを使用すると、真っ直ぐに切ることができます。
STEP3. 貼る部分に霧吹きをかける
窓ガラスに霧吹きをかけます。水がしたたるくらいに、たっぷりと吹きかけるのがポイントです。ガラスフィルムの透明のフィルムをゆっくりと剥がします。セロハンテープを角に貼って、ゆっくりと引っ張ればきれいに剥がせます。
剥がした後にしわができないように注意しながら、フィルムの接着面にもスプレーしておきまましょう。
STEP4. 上から下に向かってゆっくり貼っていく
ガラス面にフィルムを貼り付け、上から下へ向かってゆっくりと貼っていきます。フィルム表面にも霧吹きを吹きかけ、ゴムヘラなどを使用して上から下へ、中央から横方向斜め方向などに向かって貼り付けていきます。
STEP5. 窓からはみ出たフィルムを切り取る
窓からガラスフィルムがはみ出るため、ヘラなどで切りしろを固定してカッターでカットします。ヘラで空気や水をフィルムから押し出して、水分をきれいに拭き取れば完成です。
外から見えない工夫をして、のびのびと過ごそう

今回は、外から家の中が見えないようにする方法、窓ガラスフィルムの貼り方などをご紹介しました。
今回挙げた方法以外にも、防犯面により配慮する場合は、通行人から見えにくい2階以上の物件や女性限定の物件、オートロック付き物件を選ぶなども対策のひとつになります。
すぐに引越しが難しい、今の家で防犯対策をしたいという場合は、今回ご紹介した外から見えない工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。きっとこれまで以上に、自宅でのびのびと過ごせるはずです。