時代によって流行があるように、賃貸物件の内装にも流行があります。バブル期に建築された建物では、重厚感がある内外装が多く用いられており、床や建具は濃い木調の仕様が見受けられました。
昨今では濃い色よりも淡い色が注目されるようになっており、なかでも以前は見ることのなかった白色の床を目にする機会も多くなってきています。白色の床は清潔感があり、明るい印象を部屋にもたらすため、多くの人に人気の条件となっています。
そこで今回は、「白い床のお部屋」について解説します。探し方のコツ・メリットやデメリット・白い床が見つからないときの対策など、白い床の部屋で、新しい生活を始める方法を徹底紹介します。賃貸物件だからこそ、憧れの白い床のお部屋を体験してみてください。
白い床の賃貸物件の探し方

まずは、白い床のお部屋に住みたいと思ったとき、どのようにすれば希望の賃貸物件に出会えるのか、その探し方を紹介します。
ポータルサイトに掲載されている写真を頼りに探す
お部屋探しの主流はインターネットです。そこで、ポータルサイトに掲載されている写真を頼りに探す方法があります。
ポータルサイトでは1室あたり約20枚の室内写真が掲載されるため、床色のみならず建具やキッチンの色合いも確認できます。お持ちの家具や好みのインテリアとの相性も確認できるため、具体的なイメージをしやすいでしょう。
不動産会社にリクエストする
お部屋探しのことはプロに任せるのが一番です。そのため、不動産会社に白い床のお部屋を紹介してほしいとリクエストするのも良い方法です。
不動産会社であれば、商圏にある賃貸物件のデータがある程度揃っており、室内写真なども整えられていることがほとんどです。現在空室になっているお部屋はもちろんのこと、新しく退去の予定が出たお部屋についても床色がわかることがあるため、情報が市場に出る前に掘り出し物が見つかるかもしれません。
賃貸物件の管理会社に聞いてみる
賃貸仲介の不動産会社ではなく、賃貸物件を管理している管理会社にリクエストするのも有効な手段です。
なぜなら、管理会社は室内の仕様をより詳しく把握しているほか、入退去の情報をもっとも早く知る立場にあるからです。賃貸物件では、看板などで管理会社が記されていることがほとんどです。気になる賃貸物件がシリーズマンションであるときは、管理会社に直接問い合わせしてみるのもよいでしょう。
ハウスメーカーや建築会社に直接聞いてみる
気になる賃貸物件が大手のハウスメーカーやデベロッパーによる施工であるときは、建築会社へ問い合わせすることで希望のお部屋が見つかる可能性があります。
建築会社では自社で建築した資料が揃っているため、室内の仕様は把握できています。さらに今後建築される予定の案件も知っているため、建築前に賃貸物件の情報を得ることができるかもしれません。(ただし公開可能な情報のみに限るため、未公開情報の開示を強要するのはやめましょう)
DIY型賃貸を探してみる
DIY型賃貸とは、借主が自らリフォーム・リノベーションを施すことを前提にした賃貸借契約のことです。
希望のお部屋がないなら自分で作る…少々手の混んだ話に聞こえるかもしれません。しかし、貸主には改装費用が不要となるメリットが、借主には自由に部屋を改装できるメリットがあり、賃貸と購入の良いところを組み合わせたハイブリッドな契約形態なのです。
※出典:国土交通省「DIY型賃貸のすすめ」
まだまだ数は少ないですが、こういった方法を用いても白い床のお部屋を見つけることが可能です。
DIYで賃貸物件を白い床にするのは可能?
賃貸物件で、借主自らがDIYしたりリフォームして白い床にすることはできるのでしょうか?ここでは、借主がDIYするケースについて考えてみましょう。
なお、本項で説明するDIYとは、上述するDIY型賃貸とは異なるものです。一般の賃貸借契約では内装や設備仕様を借主が勝手に変更することは認められていませんので、ご注意ください。
まずは家主さんや管理会社に確認・相談する
賃貸物件をDIYしてよいかどうかは、原則として家主さんや管理会社の判断に委ねられます。そのため、どうしても床を白くしたいと考えるときは、かならず家主さんや管理会社へ事前に確認をしてください。
あとあとのトラブルを防ぐためにも絶対に事前の打合せを忘れないようにしましょう。
原状回復は必要になることを理解する
借主自らが工事をしたときは、原則として退去時に原状回復する義務が発生します。事前に許可を得たからといって、原状回復義務が免責されるわけではありません。
家主さんや管理会社と事前に打ち合わせをするときは、かならず原状回復に関する内容についても確認しておきましょう。
接着剤や釘を使わない床材を利用する
白い床にDIYをするときは、痕が残る可能性が高い接着剤や釘を使わない、置くだけのマットタイプや賃貸でも原状回復しやすいタイプの床材を利用することをおすすめします。なぜなら、床は原状回復のなかでもとりわけ高額になりやすい箇所だからです。
これら簡易なタイプのDIYを施すメリットはたくさんあります。
・原状回復費用がかからない、もしくは安価で済む
・階下への騒音が激減する
・もとの床に傷や汚れがつかない
白い床に憧れがある人のみならず、騒音問題や床に傷や汚れがつくことを心配している人はぜひ参考にしてください。
無理にDIYせず白いラグやマットを敷くだけでもお部屋のイメージは変わる
白い床は清潔感にあふれ部屋が明るく見えますが、DIYで全面を白くせずとも白いラグやマットで部分的に白くするだけでも印象がかなり変わります。そのため、DIYをあきらめ、インテリアで白っぽいお部屋にする方法もアリです。
私が仕事で入居されている人のお部屋を伺ってみると、DIYを施している人はほとんどいません。一方で、リビングスペースや洋室にラグやマットを設置している人はたくさんいらっしゃいます。
DIYは高額な費用がかかるほか、原状回復を見据えて対応する必要があります。どうしても白い床に憧れがある人は、こういった簡易的なところから始めてみてはいかがでしょうか。
白い床(フローリング)のメリット

白色の床材を利用した居室には、さまざまなメリットが存在しています。ここでは、白い床の持つ効果について解説していきます。
清潔感が感じられやすい
白い床は、その色合いから清潔さを印象づけます。床材が濃い色であると汚れや埃が目立ちにくいため、掃除もおろそかになりがちです。しかし、白い床では汚れや埃が目立つため、こまめに掃除する人も多いようです。
カジュアルな印象を与える
濃い床色は重厚感を表すため、対極の白い床色はカジュアルな印象を与えます。若い女性にホワイトコーデが人気であることからも、若さや軽さを演出してくれる床色といえるでしょう。
部屋が広く見える
白い床色のお部屋は、実際の面積よりも広く見えることがあります。これは白色の持つ「膨張色」という特徴によるものです。
膨張色とは、明るい色のものが大きく見える効果のこと。碁石のサイズは白よりも黒の方が直径が0.3mm、厚さが0.6mm大きく作られています。これは、同じ大きさで作ると白色の碁石が大きく見えるからだそうです。
白色の部屋が広く見えるのにはこのような理由があるのです。
部屋が明るく見える
白い床色のお部屋は部屋全体が明るく映ります。なぜなら、白色は光をもっとも反射させる色だからです。
外壁が白色の建物では太陽光を反射させるため、建物内部の温度が上がりにくいという効果があるとされています。このことからも、白色がいかに明るく映るかがわかるでしょう。
白い床(フローリング)の注意点
白色の床材を利用している賃貸物件では、知っておくべきデメリットがあります。ここでは、白い床で注意しておくポイントを解説しますので、住んでから後悔しないためにもかならずチェックしておいてください。
傷や汚れが目立つ
白い床材は綺麗である反面、やはり傷や汚れが目立つ傾向にあります。実際に白い床を選んだ人のほとんどが、傷や汚れが気になることを挙げています。綺麗な色の裏返しとして、このようなデメリットがあることを踏まえて物件探しをしてみてください。
こまめな清掃が必要
白い床ではどんな小さな埃や髪の毛も目立ってしまいます。そのため、白い床の綺麗さを維持する必要があることから掃除を頻繁にすることが求められます。白色が持つ綺麗さや清潔さゆえの悩みといえるでしょう。
まぶしく感じることがある
白色は光を反射する色であるため、太陽光が差し込んできたとき、まぶしさを強く感じることがあるかもしれません。遮光カーテンの利用や、照明を間接照明にするなどの対策が必要でしょう。
白い床に合うインテリアスタイル

お気に入りの白い床のお部屋が見つかったら、白い床に合うインテリアにもこだわりたいもの。白い床にマッチするインテリアスタイルを紹介します。ぜひ、インテリアのコーディネートや家具購入の参考にしてみてください。
モノトーンインテリア
モノトーンインテリアとは、白、黒、グレーをあしらったシンプルで洗練されたインテリアスタイルです。しかし、モノトーンだけでコーディネートしては、せっかくの白い床やお気に入りのインテリアが「映え」ません。
素材感を際立たせ、アクセントカラーや照明を効果的に使うことで、無機質になりすぎず、温かみのある空間に仕上げることができます。
モノトーンインテリアは、シンプルながらも奥深い魅力を持つインテリアスタイルです。流行に左右されないため飽きにくく、長く楽しむことができます。ぜひお試しください。
▼参考記事
モノトーンインテリアで大人空間の部屋づくり!コーディネート実例と収納アイデアも
ラスティックスタイル
自然由来の素材を活かしたラスティックスタイルのインテリアも白い床との相性は抜群です。
素材に重きを置いたラスティックスタイルと無機質な白い床は、対極にありミスマッチを想像するかもしれません。しかし、白い床に置かれたラスティックスタイルのインテリアは、むしろその素材感を主張させます。
結果として、白い床の持つ清潔感とラスティックスタイルの持つ温かみを融合させることができ、クールでありながら温かい部屋を作ることができます。
▼参考記事
「ラスティックスタイル」とは?お部屋を作るポイントと特徴、インテリア・グッズ
明るい雰囲気の部屋作り
曇りがちな日でも明るい部屋で過ごしたいと考える人には、白い床がピッタリです。白い床には部屋を明るく見せる効果があることはもちろんですが、インテリアを工夫することでその効果を助長させることができるからです。
白い床の部屋をより明るく見せるポイントは以下のとおりです。
・インテリアカラーも明るいものにする
・家具をロータイプのものに変える
・自然素材や観賞植物を取り入れる
・間接照明、ダウンライト、スポットライトなどで調光を調整する
白い床の部屋で明るく快適に過ごすためには、家具やインテリアの色・素材感・照明などが重要です。これらのポイントを参考に、白い部屋を活かした素敵な空間を作ってみてください。
▼参考記事
暗い部屋を明るい空間に変えるためのアイデア8選と、内見時にチェックするポイント
賃貸なら色んな部屋が選べる!白い床にこだわりがあるなら探し方を工夫してみよう
今回は白い床の探し方やそのメリット・デメリットについて解説しました。
賃貸物件では部屋の構造を変えることはできません。しかし、アイデア次第で白い床に近い雰囲気を出すこともできます。例えば、白いカーペットやラグを敷いたり、DIYで床を白い素材に貼り替えるのも一つの方法です。また、家具やインテリアの色使いを工夫することで、お部屋全体の印象を明るく清潔に見せることも可能です。
もしDIYに自信がないという場合は、不動産会社に相談してみましょう。リノベーション済みの物件の中には、白い床のお部屋があるかもしれません。あるいは、賃貸でもDIYが可能な物件を紹介してくれる場合もあります。
白い床のお部屋は、お部屋を明るく清潔に見せてくれるだけでなく、インテリアコーディネートを楽しむこともできます。この機会に床の色にも目を向けてお部屋探しを楽しんでください。