ペットを飼おうと思い立ったとき、「懐いてくれるか不安」「接し方がわからない」など不安や疑問があるかと思います。そこで今回は、人懐っこいおすすめのペットと好かれるための行動・お世話の仕方について解説します。
ペットの種類別に性格や特徴、注意点などを解説するので、初めてペットを飼う方はぜひ参考にしてみてください。懐いてもらえないときの対処法（お世話の仕方）も解説しているため、すでにペットを飼っている方もチェックしてみましょう。
ペットは生き物なので、人間の思うように行動してくれるとは限りません。接し方を理解して、お互いにストレスなく生活できるよう準備しましょう。
懐きやすいペットの条件と特徴、傾向とは？
懐きやすいペットとは、古くから人間と近い環境で生活してきた動物、もしくは家畜として飼われてきた動物です。たとえば、家畜動物として飼育された経験の少ない野生動物は、人間が近づくと自ら離れます。
しかし、犬やウサギなど、人間に飼育されるケースの多い動物は、遺伝的に自ら人に近づく性質（能動的従順性）を持つとされています。一概に「懐きやすいペットとは○○だ」とは言い切れないものの、人間と近い場所で生活してきた動物であれば、懐きやすいと言えるでしょう。
もちろん、動物によって性格・特徴の違いはあるため、飼育環境や飼育方法によって懐き方が左右される可能性もあります。
おすすめの人懐っこいペット
人懐っこいペットの種類を特徴別に紹介します。性格や飼育時の注意点も解説するので、ペットを飼う際は参考にしてみてください。
人懐っこくて一緒に寝ることができるペット
人懐っこく一緒に寝ることもできるペットについて、性格や特徴と併せて紹介します。
イヌ
イヌは環境によって社会性を学び、人と共存できる動物です。生後6〜8週齢に人間と関わりを持つことで、成長後の問題行動を起こしにくいとされています。
また、イヌはオオカミをルーツとする動物です。群れで生活する性質を持ち、安心感を得ようとして人間と一緒に寝る傾向があるとされています。もちろん、犬種によって性格は異なるため、イヌが何を好み、何を嫌がるのか一緒に暮らしながら把握してあげることが大切です。
ただし、子犬のうちから一緒に寝ると、飼い主が離れた際に不安を感じる「分離不安」になる恐れがあります。子犬の頃はサークルやクレートで寝るしつけも行いましょう。
ネコ
ネコはトラやチーターなどのネコ科動物と同様、狩猟動物としての性質が備わっています。単独で狩りをする動物なので、自分の気分で行動を決める性格です。ネコがマイペースと言われる理由は、こうした遺伝的な性質が関係しています。
マイペースな性格ではあるものの、人間と暮らす中で信頼関係を築けます。ネコの方から甘える行動を取る場合は、一緒に寝られるようにもなるでしょう。
信頼関係を築くには、ネコが嫌がる行動を避けることが大切です。過度なスキンシップや大きな音、人の出入りが激しい環境などは避けてください。ネコの方から甘えてくることを待ちましょう。
人懐っこくて甘えん坊なペット
人懐っこく甘えん坊なペットについて、性格や特徴と併せて紹介します。
ウサギ
ウサギは野生において被捕食動物だったため、警戒心が強く繊細です。人間が気が付かない些細な音・臭いにも反応します。飼育の際は、ウサギにストレスがかからない静かで落ち着ける環境を用意しなければなりません。
一緒に暮らしながら人間・環境に慣れると、ウサギは人間に懐きます。人の手を舐めたり、足元を走り回ったり、何らかの感情表現で甘えるようになるでしょう。
ただし、ウサギの性格は個体差があり、必ずしもわかりやすい感情表現を見せるとは限りません。基本的にはマイペースな性格なので、こちらからの過度なスキンシップは控えましょう。
フェレット
フェレットは好奇心旺盛で人懐っこい性格です。人間に慣れてくると、自分から近寄ってきたり、遊びをおねだりしたり、甘える行動を見せてくるでしょう。
ただし、フェレットは環境によって性格・個性も変化します。ケージの中など限られた範囲でしか遊べない環境では、欲求不満になる恐れがあります。
フェレットが自由に遊べるよう配慮しつつ、ストレスのない飼育環境も提供しましょう。
人懐っこくて販売価格が安いペット
人懐っこく販売価格も安いペットについて、特徴や性格も踏まえながら紹介します。
デグー
デグーは群れで行動し、「アンデスの歌うネズミ」と言われるほど高度なコミュニケーション能力を持つ動物です。人間に慣れると懐いてくれるほか、鳴き声で感情も伝えてくれるでしょう。
好奇心旺盛な性格なので、ストレスがかからないよう遊べる環境を提供することが大切です。価格は10,000〜18,000円と、イヌやネコより安価で購入できます。
モルモット
モルモットは穏やかで大人しい性格をしており、ペットを飼うのが初めての人でも飼育しやすい動物です。ただし、臆病で警戒心も強いため、慣れるまでは過度なスキンシップを控えてください。
懐いてくると、飼い主の声に反応して近づいてきたり、餌をおねだりしたり、甘えてくれます。価格は10,000〜18,000円ほどです。
インコ（鳥）
インコは好奇心旺盛で人懐っこい性格です。人間に対する警戒心が薄く、慣れてくると手乗りしてくれます。大きさは種類によって異なり、小さい個体は13㎝ほどですが、大きな個体は50㎝を超えます。
飼育の際は、1日1回部屋の中で放鳥したり、コミュニケーションを取ったり、ストレス発散の機会を設けましょう。化学薬品やアロマオイルなどで不調をきたす恐れもあるため、飼育環境には注意を払ってください。
のびのびと安全に活動できる環境を整え、信頼関係を築くことが大切です。
人懐っこくて臭いが少ないペット
人懐っこく臭いの少ないペットについて、性格や特徴と併せて紹介します。
ハムスター
ハムスターは臆病で警戒心の強い動物です。しかし、人間や飼育環境に慣れると、手に乗って餌を食べてくれるほど懐いてくれます。
また、ハムスターの身体は、他の動物に比べ臭いが強くありません。大きな声で鳴くこともないため、飼いやすいペットと言えるでしょう。
ただし、ハムスターはおしっこの臭いが強く、飼育用ケージはこまめに掃除しなければなりません。放置した食べ残しも臭いを発するので、きれいな環境を整えてあげましょう。
チンチラ
チンチラは警戒心の強い動物ですが、人間に慣れてくると飼い主を仲間と認識して懐いてくれます。自分で撫でてもらう仕草を見せるケースもあります。
体臭も少なく、動物の臭いが苦手な人でも飼いやすいでしょう。ただし、糞尿を放置すると臭いが強くなるので、こまめに飼育用ケージを掃除する必要があります。
また、チンチラは温度変化に弱い動物なので、一定の温度・湿度が保てる環境が欠かせません。ヒーターやエアコンなどで体調管理を徹底してあげましょう。
ペットがなかなか懐かない…というときに試したいこと
ペットがなかなか懐かないと感じたときは、次項で解説する4つのポイントを実践してみましょう。
①自分自身でお世話をする
自分自身でペットを世話することにより、飼い主への愛情を持ってもらえる可能性があります。中でも、イヌなど群れでの生活をルーツとしている動物は、飼い主をリーダーと認識すると懐きやすくなるでしょう。
食事や散歩、遊んでくれる人などペットにとって関わりのある人は、愛着を持つ対象となります。
②一貫性のあるしつけを心がける
一貫性のあるしつけを心がけ、ペットに混乱を与えないよう配慮することも大切です。しつけの一環で叱ることは大切ですが、「今日は別にいいか」など叱らない日・タイミングがあると、ペットは何がOKで何がNGなのか判断できません。
お互いの信頼関係を構築し、懐いてもらうためにも、一貫性を持ってメリハリのあるしつけを行いましょう。
③驚かせる行動を控える
大きな声や急な動作などの驚かせる行動は、ペットにとってストレスとなり、信頼関係をうまく構築できません。声のトーンを一定に保ち、落ち着いた態度で接することにより、ペットに恐怖心や不安感を与えずに済みます。
飼い主へ愛情を持ってもらうためにも、ペットの負担になるような音・行動は避けましょう。
④適度な距離やふれあいを保つ
ペットへの過干渉は、飼い主への苦手意識を持たせる恐れがあるため、適度な距離を保ちながらスキンシップを取りましょう。どの動物も「そっとしておいてほしい」「自分だけで遊びたい」など感情があります。
過度なスキンシップは警戒心を持たれかねないほか、苦手な人間として認識されるかもしれません。大切なのは、ペットを安心させる環境作りと、表情や仕草から気持ちを汲み取ってあげる配慮です。
ペットに懐いてもらうように日頃の行いを見直そう
ペットは種類や個体差によって「好きなこと」「苦手なこと」に差があります。どの動物も同じように接していては、懐いてもらえないかもしれません。
まずは動物の性格・特徴を把握して、適切なスキンシップ方法を理解しましょう。「懐いてもらえない」と感じるときは、日頃の接し方を見直して、どの程度の距離感でスキンシップを取るべきか考える必要があります。
ペットの表情や仕草などを確認しつつ、問題のないスキンシップ方法を探ってみてください。
