現在、日本では高齢化社会が進んでおり、多死社会を迎えています。最近では「終活」というワードも周知されてきており、準備を進めたいと思われる人も多いのではないでしょうか。
今回は終活で押さえておきたいポイントに加えて、エンディングノートの作成や所有資産の整理など、具体的に行う終活リストを挙げています。終活を効率よく進めるために、何から始めたらよいのかがわかるので、最後まで一読いただけると幸いです。
▢ | エンディングノートの作成 |
---|---|
▢ | 健康の維持 |
▢ | 所有資産の確認 |
▢ | 保険内容の見直し |
▢ | 不用品の破棄 |
▢ | 友人の連絡先などを洗い出す |
▢ | デジタルデータの整理 |
▢ | IDやパスワードを紙で残す |
▢ | 葬儀屋の手配 |
▢ | 遺言書の作成 |
▢ | リビングウィルの作成 |
▢ | サービスの解約 |
▢ | 自分史を書いておく |
終活とは
終活とは、自分の死後に遺族が困らないために、人生の終わりに向けて準備を行うことです。自分の最期を意識したときに、できる準備をしておくことで残された人生をよく生きられます。
体が動くうち、モチベーションがあるときに行うことが大切です。終活を行うポイントを次項にまとめましたので、参考にしてみてください。
終活を行う際のポイント
終活を行う際のポイントは、以下の3つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
・人生の終着点から逆算して考える
・思い立ったら始めるようにする
・楽しみながらできるように工夫する
人生の終着点から逆算して考える
医師から余命を宣告されたときや高齢になったときに、自分の最期を意識し始めることが多くあります。あとどの程度の時間があるのかを考えて行うことで、少しずつやるべきことが思い浮かぶようになります。
最後の時期を考えることはネガティブのように思われますが、終活準備にはとても大切です。しっかりと向き合って、これからの生活について考えていきましょう。
思い立ったら始めるようにする
終活を始める時期は、早いに越したことはありません。早く始めれば、その分考える時間が多くなったり、やりたいことができる時間を作ったりすることが可能です。人生を計画的に生きられるため、人生の質(生活の質)を向上させられます。
楽しみながらできるように工夫する
自分でテンションが上がるような工夫をすることがおすすめです。例としては、エンディングノートにお気に入りのものを選ぶ、文房具を新しいものにする、友人の連絡先を整理しながら楽しかったときのことを思い出すなどがあります。
それでは実際に、終活でやることのリストを1つずつ見ていきましょう。
終活のやることリスト①:エンディングノートの作成
エンディングノートは、終活の話題とともに聞いたことがあるのではないでしょうか。エンディングノートは終活をする際に、設計図となるものです。とくに決まった書式はありませんので、市販のエンディングノートの中から好きなものを選びましょう。
終活のやることリスト②:健康の維持
終活を行うときに大切なことは、健康第一です。健康でなければ、自分で行いたいこともできません。健康を維持するために、食生活や運動習慣、睡眠状況、精神状態などは、自分で維持管理を優先していくことをおすすめします。
また健康状態がよければ、広い間取りの自宅に住まわれている高齢者の人でも、居住ができる物件に引っ越しをすることが可能です。最近ではバリアフリーの住宅も増えてきて、無理なく生活をすることで健康維持にもつながります。
終活のやることリスト③:所有資産の確認
自分の所有財産の確認は、とても大切です。通帳の残高だけでなく、持ち家の資産価値や骨董品、証券、積立金、使用していない通帳の確認なども必要になります。老後や介護が必要になった場合の老後資金も確認しておきましょう。
また資産があり、家族に相続したいと思っても、相続税によって満額を相続できなくなってしまいます。そのため、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、小分けにして相続対策の予定を立てましょう。
終活のやることリスト④:保険内容の見直し
保険には、生命保険などさまざまなものがあります。必要であれば、支払先を変えたり、不要な保険ははずしたりと見直しをすることがおすすめです。葬儀のときの資金や遺族に残しておきたい資金などの相談も、ファイナンシャルプランナーなどの専門家と相談してみましょう。
保険の内容によっては、解約すると違約金が発生するものもあるため、しっかりと担当者と確認しながら行うことが重要です。
終活のやることリスト⑤:不用品の廃棄
不用品の廃棄において、本人にとっては必要なものでも、家族から見ると不要なものと認識されてしまう場合があります。そのため、きちんと自分で不用品の整理をしておくと、家族間のトラブルを避けることが可能です。
不用品を処分しておけば、介護施設に入所する際に必要なものが選定しやすくなり、家族の負担が少なくなります。これから引っ越しをされる場合には、ゴミ捨て場や自治体でのゴミ捨て方法を確認しておくと、不用品の廃棄が労力をかけずに行えるでしょう。
終活のやることリスト⑥:友人の連絡先などを洗い出す
これまで培ってきた人間関係はさまざまあると思いますが、携帯の中にある連絡帳や自治会、会社の連絡先などをすべて確認してみましょう。その中でもとくに必要な人はそのままにしますが、これから関わらないような人は、別の帳面やクラウド上の保管場所に移しておきましょう。
終活のやることリスト⑦:デジタルデータの整理
最近では、写真や大切な書類などの保管をクラウド上にしたり、パソコン、USBなどに保存したりすることも多いと思います。どのデータがどこにあるのかをわかるようにしておきましょう。1つの場所にファイルわけをして、整理することがおすすめです。
パソコンやITに不安がある人は、詳しい人と一緒に行うことをおすすめします。やり人を覚えてしまえば、クラウド上にアップすることは難しくありません。
終活のやることリスト⑧:IDやパスワードを紙で残す
前述したように、クラウド上に保管する場合には、IDやパスワードが必要です。頭の中に記憶していても、亡くなってしまったら誰にもわからなくなってしまいます。紙にIDやパスワードを記載したものを残しておきますが、特定の人にしかわからない場所にかくしておくようにしましょう。
終活のやることリスト⑨:葬儀屋の手配
亡くなる前に葬儀屋の相談をするのは抵抗があると思いますが、終活が一般的になったため、葬儀業者も事前相談を受け付けるところが増えています。家族が事前に相談するよりも、自分で葬儀の形式などを決めておくと、心配が少なくなるでしょう。
事前相談して金額が大まかでも決まっている場合、葬儀費用を支払う口座に預貯金を準備しておくと、家族に経済的な負担をかけずに葬儀を行えます。またどの墓に入るか、御骨をどうするかなども話しておけば、スムーズに葬儀から納骨まで行うことが可能です。
終活のやることリスト⑩:リビングウィルの作成
リビングウィルは認知症になった場合など、自分で判断ができなくなったときに備えて作成しておくものです。自分がどのように最期を迎えたいのかなど意思表示をしておくことで、家族や医療従事者、介助者などに自分の希望を伝えられます。
終活のやることリスト⑪:遺言書の作成
遺言書には、さまざまなメリットがあります。きちんと自筆で書く自筆証書遺言や、公証役場で公証人が作成する公正証書遺言などがあります。公正証書遺言であれば無効になるリスクが少なく、安心して残しておくことが可能です。
自筆証書遺言でも効力はありますが、さまざまな決まりごとがあるため、しっかりと調べてから作成するようにしましょう。せっかく準備した遺言書が効力ないものになると、意味がありません。
また遺言書の場所を子どもや弁護士、信頼できる友人などに伝えておくことをおすすめします。万が一の逝去時でも、スムーズな受け渡しができるでしょう。
終活のやることリスト⑫:サービスの解約
社会にはさまざまなサービスがあり、多くの場合には契約を結んで利用していることでしょう。契約内容を確認して、本人が逝去した場合に自然解約されるものであればいいですが、逝去しても料金が発生するものもあります。
本人でしか解約できない場合もあるため、利用していないサービスがあれば、解約できるときに解約しておきましょう。とくに、携帯のサブスクリプションなどには注意が必要です。
終活のやることリスト⑬:自分史を書いておく
自分史は余裕があればで良いですが、自分の歴史を振り返ることで大切なことが見えてくる場合もあります。楽しい記憶は鮮明に覚えているものです。自分史を作るとポジティブな気持ちになり、これまでのつながりに感謝できます。
終末期ケア専門士が伝えたい、終活で見落としがちなポイント
筆者が終末期ケア専門士として、看取りや終末期のケアをしてきた中で、本人やご家族が見落としていたことは多々あります。とくに聞かれるのが、下記のような後悔です。
・会いたい人に会っておけばよかった
・仕事よりも家族の時間を大切にするべきだった
・家の整理をきちんとしておけば子どもに迷惑をかけなかった
・感謝の気持ちと謝罪の気持ちは伝えられるうちに伝えればよかった
このような気持ちは終活を早い段階から進めておけば、少し軽減されるのではないかと思います。冒頭にも述べましたが、終活は早く始めるに越したことはありません。
とくに財産の管理は遺言書に載せられることが多いですが、リビングウィルや自分の葬儀の手配は見落としがちな点です。いつか準備しようと思っているだけでなく、思い立ったらすぐ行動しましょう。
終活やることリストを作成して実践してみよう
エンディングノートを作成し始めると、次第にやるべきことが見えてきます。ぜひ実際にエンディングノートを購入し、実践してみましょう。これからの人生の質が大きく変わってきます。