一年の締めくくりである大晦日をどう過ごそうか、迷っている方も多いのではないでしょうか。大切な節目の日に、実はやってはいけないことがあり、知らずに行動すると来年の運気を逃してしまうかもしれません。
そこで今回は、大晦日にやってはいけない行動とその理由を解説します。新しい年を清々しい気持ちで迎えるために、ぜひ参考にしてみてください。
大晦日ってどんな日?
大晦日は、一年の終わりを告げる特別な日です。カレンダーの最終日というだけではなく、新しい年を迎える準備をする大きな節目でもあります。だからこそ、大晦日にやったほうがよいことや避けたほうがよいことがあり、気持ちをリセットして新たな年を迎えるための準備をする時間として、大切にされています。
大晦日の由来と意味
「晦日(みそか)」とは月の終わりの日を指し、「晦(つごもり)」は月が隠れることを意味します。その中で、一年の最終日である12月31日を「大晦日(おおみそか)」と呼ぶようになりました。
古くから日本人にとって大晦日は、その年の穢れや邪気を払い、年神様を迎えるための重要な節目の日とされています。
なぜ「特別な日」なの?
大晦日は、新年に家々を訪れる、年神様を迎えるための準備をする日です。年神様とは、新しい一年の幸福や豊作、家内安全をもたらすとされる神様のことです。大掃除をして家を清めたり、年越しそばを食べて健康や長寿を願ったり、一つひとつの行動に意味があります。
海外では年末に群衆が集まり、花火などで賑やかに祝う習慣もありますが、日本では「一年を締めくくり、新しい年を迎える儀式」として、静かに心身を整えることを重んじてきました。
年越し前に心がけること
大晦日を気持ちよく過ごすためには、家や身の回りを清め、新しい年を迎える準備をすることが大切です。掃除や料理、身だしなみを整えるといった習慣には、新年の幸せや健康を願い、福を呼び込むための意味が込められています。地域や家庭によって異なる風習がありますが、古くからの行事や習わしが今も受け継がれています。
大晦日にやること・行事
大晦日は一年を締めくくり、新しい年へと切り替わる特別な日です。大晦日に行う代表的な習慣や行事には、次のようなものがあります。
大掃除
年末の恒例行事といえば、大掃除です。気持ちよく新年を迎えるために欠かせない準備のひとつで、年神様を迎える重要な儀式でもあります。仕事納めや帰省、来客の準備などで慌ただしい時期ですが、掃き納めは28日までに済ませるのが理想です。一年の汚れや厄を落とすことで、年神様が迷わず訪れると考えられています。
しかし、一度に終わらせようとすると大変です。わが家では12月になると、1日5分だけ1箇所を掃除するようにしています。今日はリビングの窓、次の日はサッシと毎日少しずつ進めるだけでも、年末の大掃除が案外スムーズに運びます。計画的に取り組み、新年を清々しい気持ちで迎えましょう。
年越しそばを食べる
大晦日の夜に欠かせないのが、年越しそばです。この習慣は、江戸時代から広まりました。細く長いそばには「寿命を延ばす」「金運や家運を引き寄せる」「苦労や災いを断ち切る」といった意味が込められており、新年への願いを込めて食べられています。
除夜の鐘・お参りで清める
寺院では、新年を迎える方が多く訪れますが、その象徴となるのが除夜の鐘です。108回鳴らされる鐘の音は、人間の煩悩の数を表すといわれています。
仏教において煩悩は、怒りや執着、嫉妬といった人の心を苦しめるものです。鐘を打つことで煩悩を一つずつ取り除き、最後の108回目を新年に響かせることにより、清らかな気持ちで新しい年を迎えられるとされています。
大晦日にやってはいけないこと【食事編】

意外と知られていないかもしれませんが、大晦日にやってはいけない習わしがあります。まずは、食事編から見ていきましょう。
長時間の煮炊き
大晦日は、火の神様に休んでもらう日でもあるので、長時間火を使うことはよくないとされています。煮物を作る際に出る灰汁(あく)は悪を連想させるため、避けるようにします。
煮しめや昆布巻きなど、手間のかかるおせち料理は余裕をもって行い、大晦日は料理の仕上げをする日にしておくと安心です。
肉料理を食べる
昔は、大晦日に肉や魚など生き物の命を奪う料理を避け、精進料理にならった食事をする習慣がありました。これは、仏教の「殺生をしない」教えに由来しています。一年の締めくくりを清らかに過ごすために、消化のよい食事を心がけていたのです。
現代では食文化が大きく変わり、あまり馴染みがないかもしれませんが、豆知識として覚えておくとよいでしょう。
派手な宴会や食べ過ぎ
新年へのカウントダウンを目前にして、気分が盛り上がる方も多いでしょう。しかし、日本文化において大晦日は、年神様を迎えるための厳かな夜です。派手な音楽や花火などで祝う海外の風習とは異なり、静けさを大切にするのも特徴です。
過度なお祭り騒ぎは、その静けさを乱してしまいかねません。また、食べ過ぎも「苦労を翌年に持ち越す」といわれることがあるため、腹八分目に抑えるのが吉です。
年越しそばを残す
年越しそばには「長寿」や「厄を断ち切る」といった願いが込められています。せっかくの縁起物を途中で残してしまうと、その運を断ち切ってしまうとされるため、残さないことが望ましいとされます。
年越しそばを食べる時間帯は家庭によってさまざまですが、夕食後に食べる場合もあるので、無理のない量にして残さず食べ切りましょう。また、年をまたがないように食べ終えるのもポイントです。
大晦日にやってはいけないこと【行動編】

食事以外でも、大晦日にやってはいけない行動があります。これらの理由を知り意識することで、新年を気持ちよく迎えられるでしょう。
夜の掃除や洗濯
大晦日の夜に、掃除や洗濯をして慌ただしく過ごしていると、お家を訪れようとしている年神様を追い出してしまいます。また、夜の洗濯は騒音トラブルにもつながりやすいため、控えるのが無難です。
慌ただしくならないように、できるだけ大晦日はゆとりをもって過ごせるように心がけましょう。
日をまたぐ入浴
大晦日の入浴は「年湯」と呼ばれます。入浴の際も、夜遅く日付をまたぐタイミングは、避けるのが望ましいとされています。
福を洗い流してしまうと考えられるため、早めに入浴を済ませ、心身を清めておくのがおすすめです。日頃のストレスやモヤモヤを洗い流すつもりで、湯船にゆっくり浸かると心もほどけていきます。
大晦日に正月飾りを飾る
門松やしめ縄などの正月飾りは、家に年神様を迎える大切な目印です。しかし、大晦日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起がよくないとされます。
できれば28日までに準備を済ませるのが理想ですが、忙しくて難しい場合は大晦日を避け、30日に飾るのがおすすめです。なお、29日は五音の響きから「二重苦」ともいわれるため、その日も避けましょう。
爪切り・散髪
爪切りや散髪は、神様や運との縁を断つといわれています。特に大晦日の夜は、避けたい時期です。夜爪(よづめ)という言い伝えもあり、夜に爪を切ると寿命が短くなると、忌み嫌われてきました。小さい頃、親から教わったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
特別な節目となる大晦日は、特に縁起を意識して、爪や髪の手入れは控えるのがよいでしょう。
怒る・泣く
大晦日に怒ったり泣いたりすると、その感情が新年まで持ち越されるといわれています。次の年への橋渡しをする日は、晴れやかに過ごしたいものです。負の感情を手放し、穏やかに過ごすことが運気をアップさせる第一歩です。
物の貸し借り
大晦日にものを貸したり借りたりすることは、借金やトラブルのもとになりかねません。気がかりなことがあると、どんなに小さなことでも心がざわついてしまうため、日頃から前もって身の回りを整えておくことも大切です。
大晦日の過ごし方!おすすめ5選
では、大晦日はどのように過ごすのがよいでしょうか。せっかくなら慌ただしさに流されず、自分や家族が心地よく過ごせる時間にしたいものです。ここでは、私自身の経験も交えながら、おすすめの過ごし方を5選紹介します。
おせちの仕込みをする
おせち料理は、新しい年の無病息災や家内安全を願って食べられる、伝統的な料理です。その一方で、日持ちのする料理が多いため、お正月にキッチンに立たなくてもいいように、ゆっくり休むためのものでもあります。
大晦日は、長時間の火元を使うことは避けたい日とされるため、仕込みの仕上げや盛り付け、配膳などの準備をするのがおすすめです。

IHコンロは火を使わないので、小さなお子さんがいる家庭でも安心です。私自身、以前オール電化の賃貸へ引っ越したときに、その便利さを実感しました。加熱面がフラットなので、お手入れが格段とラクになり、タイマー機能のおかげで、焦げつきや吹きこぼれのストレスも減りました。慌ただしい日々の家事にこそ、IHコンロの快適さは強い味方になります。

さらに、カウンターキッチンだと、調理中も家族と会話を楽しめるのが嬉しいポイントです。賑やかに話がはずむリビングから離れてひとりでキッチンに立つよりも、対面して家族と会話を楽しみながら、盛り付けや準備を進められます。
年越しそばをゆっくり作って食べる
大晦日の定番といえば、年越しそばです。「長寿」や「厄を断ち切る」といった願いが込められた年越しそばを、今年を振り返ったり、来年の抱負を語り合ったりしながら食べるのも、素敵な時間の過ごし方です。
年越しそばを食べる時間帯に決まったルールはないので、大晦日であればいつ食べても構いません。わが家では、日付が変わる直前に食べるスタイルでしたが、準備に追われてバタバタしてしまい、年越しそばを味わう余裕がありませんでした。それ以来、夕食を腹八分に抑えた後に、少し時間を空けてゆっくりいただくようにしています。
あたたかいお風呂で心と体を整える
冬の寒さが深まるこの季節は、湯船でしっかり体を温めましょう。冷えは万病のもとです。体が芯から温まると、心までリフレッシュできます。
あたたかいお風呂には追い焚き機能が欠かせませんが、追い焚き機能がない賃貸に住んでいた頃は、冬にすぐ湯冷めしてしまうのが困りものでした。家族の入浴時間がずれるたびに、たし湯をして湯加減の調整するため、光熱費がかさむという悩みもあります。できるだけ、家族との入浴タイミングをあわせる工夫もしましたが、時間に縛られるのはやはり不便でした。
追い焚き機能があれば、家族の入浴時間がずれても快適に過ごせるので、便利です。体が芯から温まると心も落ち着き、新しい年を迎える準備が整いやすくなります。
年越しカウントダウンを楽しむ
家族や友人と一緒に、年越しの瞬間を楽しむのも大晦日ならではです。テレビ番組やカウントダウンライブ、オンライン配信など、過ごし方はさまざまです。テレビを囲みながら家族で団らんするささやかな時間が、わが家にとっては、年末らしさを味わえるひとときでもあります。
その際に欠かせないのが、インターネット環境です。回線が不安定だと、オンライン視聴中に映像が途切れてしまうため、盛り上がりが半減してしまいます。快適なインターネット環境で、最高の瞬間をストレスフリーで楽しみましょう。
静かに過ごし早寝早起きする
年越しを賑やかに祝う家庭もあれば、心を整えて静かに新年を迎えようとする方もいます。大晦日に早く寝るのは「縁起が悪い」とされる場合もありますが、さまざまなライフスタイルがある中で、無理に夜更かしをする必要はありません。
新しい一年を健やかにスタートするために、体をゆっくり休めて元旦をスッキリ迎えるという心構えも、大晦日の過ごし方のひとつです。自分に合ったペースで過ごすのが一番でしょう。
大晦日のタブーを理解して、気持ちよく新年を迎えよう!
大晦日を身が引き締まる思いで一年を振り返る方もいれば、新年に向けて明るい未来を思い描く方もいます。「大晦日にやってはいけないこと」を知っておくと、心や住まいの準備をスムーズに整えやすくなり、新年をよりよい形でスタートできます。
頑張って特別なことをしようとしなくても、心地よく穏やかに大晦日を過ごすことを心に留めておくとよいでしょう。大晦日ならではの習慣を知り、その中から自分らしい過ごし方を取り入れて、新しい一年を気持ちよく迎えてみてください。





