現代の転職市場において、ジョブホッパーとキャリアビルダーはキャリアアプローチが異なります。ジョブホッパーは、異なる業界や職種で頻繁に働き、多様な経験を追求することです。一方のキャリアビルダーは、一つの領域に専念し、深い専門性を築いていくことを目指します。
ジョブホッパーは多様性や柔軟性を強調し、経験から得たスキルをポジティブにアピールすることが転職市場で成功するための鍵です。また、キャリアビルダーは専門性と深い知識を強みにし、その分野での実績や成果を示すことが求められます。両者ともに、転職の際には前向きな転職理由を述べ、自身の成長や貢献意欲をアピールすることが効果的です。
今回は、私がそんなジョブホッパーになった理由やそもそもの特徴、転職市場での活かし方などを含めた、「ジョブホッパー」という生き方を詳しくご紹介しましょう。また、転職において成功する秘訣についても説明します。
ジョブホッパーとは?
ジョブホッパーとは、比較的短期間で、複数の異なる職場や仕事を経験する人のことです。ジョブホッパーは、キャリアを豊かにするために異なる業界や職種に挑戦し、新しいスキルや経験を積極的に求める傾向があります。一つの組織やポジションに長期間とどまらず、幅広い職歴を構築し、多様なビジネス環境で自己成長を促進することが特徴です。
キャリアビルダーとの違い
キャリアビルダーは、ジョブホッパー同様に複数の企業を経験しますが、長期的かつ計画的なアプローチで専門キャリアを構築する人を指します。
一つの職種や業界に深く専念し、経験やスキルを着実に積み重ねて、キャリアのうえで昇進や成長を追求するのが特徴です。キャリアビルダーの重視するものは、安定性や専門性です。組織や業界において、専門的な知識や専門技能を発展させることに焦点を当てる傾向があります。
専門性を追求するキャリアビルダーに対し、多様なスキルや経験値を求めていくのがジョブホッパーです。両者は、転職においての目的がまったく異なります。
10社経験したジョブホッパーの私が得た3つのこと
私の10社の転職経験から得たものは、大きく分けて3つです。
・多様なスキルが身につく
・状況判断能力が高くなる
・人脈が広くなる
これらのスキルをどのように獲得したのか、またどのように活かしていくのかを詳しくお伝えします。
多様なスキルが身につく
ジョブホッパーは異なる業界や職種で経験を積むため、広範で多様なスキルを獲得できます。業務効率化のためにどこか改善ポイントはないか、足りないスキルは何かを考えることで、自然と自己成長につながるのです。
例えば、マーケティング、プロジェクト管理、庶務などの異なる職務を経て、柔軟性や適応力を高めました。これらのスキルは、新しい職場での即戦力として評価され、企業の多様なニーズに対応できる自身の強みとなります。
状況判断能力が高くなる
異なる業界のビジネスモデルや文化に何度も触れることで、その状況に適応する力を身につけてきました。そのため、新たな状況におかれたとしても、素早く適切な判断をすることが可能です。これは、不確実性の高い新規事業開発でのリーダーシップや課題解決において、重要なキーとなっています。
さまざまな経験値を積み重ねてきたからこそ、不確実な状況でも状況予測が可能になります。転職回数を繰り返し、何度も新たな環境に身を置くことは、自然と判断材料を集めることにつながっているのです。
人脈が広くなる
複数の企業での経験から、私は幅広い人脈を築きました。異なる業界や職種での交流を通じて得た関係は、転職市場での有力なリソースとなります。仕事を通じてさまざまなプロフェッショナルとつながることで、新たなキャリア機会やビジネスチャンス、市場を学ぶ機会が得られるのです。
これにより、ジョブホッパーは異なるバックグラウンドを持つ人々との協力や連携が得意となり、組織の中でも縦横のつながりを構築できます。単純に転職のための伝手ができるだけでなく、自分自身のこれからのキャリアを築くうえでの重要なリソースにもつながるのです。
私がジョブホッパーになったきっかけ
私は、家族の看病をきっかけにジョブホッパーになりました。大学卒業後、広告の企画営業をしていた会社を、家族の看病をするためにわずか3ヶ月で退職しました。1年間の看病の後、就職活動をしてもリーマンショック後のため、まったく仕事がありませんでした。
まずはアルバイトで経験を積み、派遣社員として事務スキルを習得しました。定時退社という派遣社員の特性をフル活用して、夜間学校でWEBデザインを学び、PCスキルや事務スキルを獲得していきました。
思いもよらずジョブホッパーとしてキャリアアップしていきましたが、今は自分自身のスキルや知識量に満足し、さらに意欲的なキャリアの道を模索しています。これまでの経験から、多様な業界と職種において重要なスキルを習得し、自分自身の専門性を高められました。
次のステップとして、これらのスキルを活かし、より影響力のあるポジションを目指しています。自分自身の成長はもちろん、チームや組織の成長にも貢献できるような仕事を求めて、新たな挑戦を楽しみにしています。
世間一般で言われている「転職経験が多いジョブホッパーは不利」って本当?
「転職経験が多いジョブホッパーは不利」と聞いたことはありませんか?企業サイドはどのような観点で、ジョブホッパーをマイナスにとらえているのでしょうか。
安定性の不足
ジョブホッパーは、短期間で職場を変えるという観点から、雇用主からは組織に対する安定感や長期的なコミットメントが不足していると見られる可能性があります。嫌なことや辛いことから逃げるタイプの人間、と判断される確率が高いのです。
採用後は、ずっと長く勤めてほしいと考えている企業にとって、ジョブホッパーであることはネガティブにとらえられがちです。
組織適応力の疑念
頻繁な転職は、新しい環境に適応する能力や組織文化への適応力がないのでは、という印象を与えます。スキルがあったとしても、職場になじまない社員や文化を理解しない社員は、企業にとってはマイナスです。
チームや組織の士気やチームワークを重視する企業は、環境への適応力を求めていることを理解しましょう。
社員教育・投資のリスク
社員の育成・教育は、企業にとってかなりのコストがかかります。企業が多大なコストをかけて社員を育成するのは、成長後に企業活動に寄与してもらうためです。
ジョブホッパーの場合、その投資を回収する前に転職するのではないかと、不安を与える可能性があります。ジョブホッパーは、企業に育ててもらうのではなく、これまで培った能力で企業に貢献することを強く意識することが大切です。
ジョブホッパーで苦労したこと
ジョブホッパーで苦労したことは、なんといっても書類選考に落ちやすいことです。職歴が多いというだけで足切りをする企業は、多数あります。そのため、職務経歴書に必ず「どんな能力を身につけたか」「その能力をどのように活かせるのか」を細かく記載するようにしました。
結果として、面接に進む企業の担当者の方は職務経歴書を読み込み、面接中熱心に私の話を聞いてくれるようになり、自分の希望するポジションに合った転職活動がしやすくなりました。
どこでも受かるわけではない、人となりを深く見られる前に足切りされる、という状況は非常に苦労しますが、最終的にはクオリティの高い転職活動につながっていました。
ジョブホッパーが転職を成功させるためのポイント
ジョブホッパーにとって、転職はキャリアの多様性と成長に向けた新たなフェーズの始まりです。異なる業界や職種での経験が豊富なジョブホッパーは、独自の価値があります。ジョブホッパーとしての多様性を強みに変えた前向きなアプローチと、戦略的なキャリアプランがジョブホッパーの転職成功の秘訣です。
ジョブホッパーの持つ多様性や柔軟性は、新しい企業でのイノベーションにつながる可能性を秘めています。ジョブホッパーが転職するうえで、絶対に押さえるべきポイントを見ていきましょう。
前向きな転職理由を記載する
過去の転職が組織の成長への貢献、新たな挑戦や学びを求めた結果であることを強調しましょう。ネガティブな理由や、何かから逃げるための転職理由は、採用企業にとってマイナスイメージです。「この人は、何かあればすぐに退職するのではないか」というイメージを与えてしまいます。
候補者がポジティブな意欲を持ち、自ら進んでキャリアを構築していると感じたなら、複数の企業を渡り歩いていることがプラスイメージへ切り替わります。受け身で築いていきたキャリアではなく、攻めの姿勢で獲得してきたキャリアであることを採用企業へアピールしましょう。
自分自身が求めているものを正確に提示する
転職希望者が、自身の目標や価値観を明確に伝えることで、雇用主は企業文化や求められるスキルとの適合度を正確に判断できます。しっかりとお互いの意思確認を事前にしておくことで、採用後のミスマッチを防ぐことが可能です。
自分の求める最適な条件の企業へ就職するためにも、自身の目標や価値観は明確に伝えましょう。自身の目標や価値観は、これまでの自身のキャリアと照らし合わせて、一貫性も重要です。
これまで自身は何を求めてキャリアを築いてきたのか、何を求めてこの企業にエントリーしたのかが一本の線でつながるよう、事前に自己整理しておきましょう。
在籍中は一つ以上のスキルを必ず身につける
現職でのスキル向上は、過去の短期間の転職歴を補強し、将来の雇用主に対して「経験だけでなく、成長も追い求めている」というイメージを与えます。新しいスキルの取得は、変化に対する適応能力をアピールするポイントにもなるのです。在籍中に身につけたスキルは、転職が必要なステップアップであったことの裏付けになります。
何となく日々の業務をこなすのではなく、何を身につけているのか、今足りないものは何かを日頃から意識しておきましょう。
自分の強みと弱みを把握する
自己分析に基づく強みと弱みの明確な把握は、採用面接だけでなく、企業や職種選びでも役立ちます。強みを把握し、自身が最も輝けるフィールドはどこなのか、どこで戦うべきなのかを把握することで、効率的な就職活動が可能になるでしょう。
採用企業は候補者が自らの強みを活かし、どのように自社に貢献してくれるのかイメージしやすくなります。
ジョブホッパーの私がスキルを身につけるためにしていること
ジョブホッパーである私は、常にキャリアプランを意識しています。それは、どこかの企業に所属していたとしても、スタンスはまったく変わりません。明日、自分の勤めている企業が倒産したとしても、生き残れるように力を身につけておかなければならないと考えているからです。
私は、日々最新情報を追求し、著名なビジネスリーダーの知見に学ぶことに焦点を当てています。
インターネットなどで常に最新情報を収集する
私はインターネットを活用して、常に最新情報を収集し、市場の動向や新たなビジネストレンドにアンテナをはっています。これにより、求人市場や業界の変化に迅速かつ適切に対応でき、自身のスキルセットを常にアップデートすることが可能です。
また、企業の最新動向や要件に敏感に反応することで、転職先での適応力や戦略的アプローチを高められます。最新市場はどうなっているのか、これから求められるスキルは何かを意識して情報収集することは、自身の市場価値を高めることにも役立つのです。
著名なビジネスマンのSNSをチェックする
著名なビジネスマンのSNSを追跡することで、成功事例や経験から学び、リーダーシップや戦略的思考能力の獲得につなげます。業界のトレンドや成功パターンを把握し、自身のキャリア戦略に活かせるのです。
署名なビジネスマンは、社会情勢やニュースをどのようにとらえているのか、それを踏まえて自身はどのように考えるか、常に考えることで論理的思考能力を獲得できます。上司や社会的地位の高い人と話すときも、戦力になりえる人材であることをアピールできるでしょう。
ジョブホッパーに向いている賃貸物件の条件
常に自己進化できる環境を求めるジョブホッパーには、どのような物件が向いているのでしょうか?ジョブホッパーの特性に照らし合わせながら、見ていきましょう。
日々の情報収集に欠かせないインターネット無料
SNSやメディアなどから常に新しい情報を収集するためには、インターネットが欠かせません。インターネット使用料無料物件であれば、利用料金がかからず、手続きの手間も不要なので、快適にインターネットを利用できます。
複数の駅にアクセスしやすい物件
ジョブホッパーの特徴は、短期間で所属会社が変わることです。勤務先が変わるたびに、引越しをするのは大変でしょう。勤務先が変わってもある程度対応できるように、複数の駅にアクセスしやすい物件がおすすめです。
収入の不安定さをカバーできる更新料無料
ジョブホッパーは何度も勤務先が変わるため、収入が不安定になりがちです。更新料無料の物件であれば、住居の負荷が減り、収入の不安定さをカバーできます。
ジョブホッパーはとらえ方次第で最強の武器となる
ジョブホッパーは柔軟性と多様な経験を有し、異なる業界や職種でのキャリア構築が最強の武器となります。変化に富んだ経歴は適応能力の高さを示し、新しい環境での即戦力となるからです。
多彩なスキルと広いネットワークを持つジョブホッパーは、企業に新しいアイデアと視点をもたらし、イノベーションと成果に貢献できる存在です。
戦略的にキャリアを構築し、市場価値の高いジョブホッパーを目指しましょう。