仲介手数料が1ヶ月と0.5ヶ月と0円の不動産仲介業者があるけど、なぜこうも違うの?
町には何軒もの不動産仲介業者が並んでいますが、仲介手数料が家賃の0.5ヶ月分とある業者や、手数料0円をうたっている業者もあります。借りる方からしたら手数料は無料の方がいいと思うけど、どうしてこうも違うんでしょうか?
Answer
宅地建物取引業法という法律では、仲介業者が貸借を仲介した際に依頼者から受け取れる金銭、すなわち仲介手数料の合計は、「賃料の1ヶ月分に相当する金額以内に収めなければならない。また、依頼者が承諾した場合を除いて、1ヶ月分の賃料の2分の1までとする」となっています。ここでいう依頼者とは、貸主(大家さん)と借主(お部屋探しをするお客さん)の両方のことを指します。2分の1ということは、仲介業者は本当は貸主と借主の両方からはそれぞれ最大で賃料0.5ヶ月(厳密には消費税10%分を含めた0.55ヶ月、以下同様)分の手数料しか受け取れないことになります。
それなら賃料1ヶ月(厳密には税込みで1.1ヶ月、以下同様)分の仲介手数料を借主から取る業者は違法じゃないの、と思うでしょうが、実際は貸主からは手数料を受け取らない業者が多いのです。また、仲介業者は借主と取引をする前に仲介手数料は家賃の1ヶ月分と伝えており、借主がそこで取引を継続すればその時点で先述の「依頼者が承諾した場合」に該当したとみなして1ヶ月分の手数料を取ることができます。よって、宅建業法に反していることにはなりません。
手数料0.5ヶ月を掲げている業者は、原則通り貸主からも0.5ヶ月分を取って合わせて1ヶ月分としているか、貸主からは受け取らないが集客手段として安さを演出するために敢えてそう設定しているか、など色々な事情が考えられます。
仲介手数料を取らないという業者は主に自社物件を扱う業者、すなわち貸主が業者を兼ねている場合が多いのですが、中には貸主から1ヶ月分の手数料を受け取っている業者もいます。また、UR賃貸専門の業者も手数料を取りません。それはUR賃貸の物件は仲介手数料を取ることを禁止しているためです。
このような様々な事情や思惑によって手数料が違っているのです。