気が付いたら自転車にサビが…サビ取り方法や防止策とは?放置するとどうなる?

目次

愛用の自転車、しばらく乗らないでいると赤茶色い“サビ”が発生していた……というのはよくある話です。そのまま放置しておくと金属はサビで腐食し、自転車の安全性の低下にも繋がります。

今回は、サビが生まれる原因に触れた後、自転車への影響、サビ取りの方法、そして、自転車をサビから守る対策について話していきます。

自転車の美しい見た目&快適性を維持して利用したい方、必読の内容です!

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自転車にサビができる主な理由

本項では、自転車にサビができる主な理由について解説していきます。

湿気が多い環境に保管している

サビが発生する1番の原因は、湿気です。

空気中に含まれる水が金属に触れると酸化という化学反応を起こし、金属から赤茶色のサビが生まれるのです。また、海から吹く潮風に含まれる塩分には、金属の酸化を促進させるはたらきがあるため、海岸近くに住んでいる人は要注意です。

このような理由から、空気中の水分量が多く湿気のあるところ、潮風に乗って塩分が飛来するようなところに自転車を長期間置いておくのは、保管する環境としてあまり適していません。

雨や雪にさらされている

空気中に含まれる水分よりも大きな影響を与えるのは、言わずもがな雨や雪などの直接的な水です。もちろん、濡れたからといってすぐにサビてしまうわけではありませんが、濡れた状態で自転車をそのまま放置していると、金属の酸化を促すことになります。

また、降雨に長時間さらされていると自転車の内部にまで水が入り込み、太陽光や風にあたらず、うまく乾燥されない状態に陥ることがあります。

一見すると異変を感じない自転車でも、湿気の温床となった内部からサビが発生し、目に見えないところで金属腐食が進行している……というケースも考えられます。

自転車に乗って走っている最中の雨は仕方ありませんが、必要以上に雨や雪にさらさらないというのは大きなポイントです。

汚れとほこりが溜まっている

泥やほこりなどの汚れを放置していると、そこに水分がくっつき、サビ発生の助長に繋がることもあります。

チェーンやスプロケット(チェーン用の歯車)など走行に欠かせない駆動系パーツは汚れが付着しやすく、大きな影響を受けることになるでしょう。

野外で利用する乗り物なので、汚れること自体を気にする必要はありませんが、目に見える汚れがある場合、定期的に掃除をする必要があります。見た目も美しくなるので一石二鳥です。

傷や塗装が剝がれている

自転車本体の塗装は、カラーを変える、見た目を美しくするというデザインとしての役割の他に、フレーム素材を汚れや水から守り、サビを発生させないという役割もあります。

自転車を倒したりぶつけたりして塗装が剥がれてしまうと、露出した金属面からじわじわとサビが生まれ、広がってしまう恐れがあります。

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自転車のサビを放置しておくとどうなる?

発生したサビをそのまま放置していると、自転車にどのような悪影響を与えるのかみていきましょう。

美しい見た目が損なわれる

整備されている自転車はフレームだけではなく、金属部分も銀色に輝き、とても美しい見た目をしています。

しかし、赤茶色のサビが発生すると、古めかしい、清潔感がない……という印象に一転してしまいます。とくにチェーンやスプロケットのサビはとても目立ち、整備せずに放置している自転車だと思われてしまいます。

見た目が美しいもの、きれいなものを使うと、満足感や幸せな気持ちを味わうことができるので、快適なサイクルライフのためにもサビは極力抑えることをおすすめします。

機能性に問題が生じる

見た目と同じか、それ以上に影響を受けるのが機能性、つまり快適性や安全性など、自転車で走ることに直結した点です。

サビによる腐食は、金属が本来持つ強度を低下させる原因になります。ネジやボルトなどの金属部品は強い力でパーツ同士を結合するのが目的。その部分の強度が低下してしまったら、普通に乗っている分には大丈夫かもしれませんが、万が一のアクシデントは確実に起こりやすくなるでしょう。

また、サビと駆動系パーツ(チェーンなど)の相性は最悪で、走行の快適性に関わります。常に油がさされている状態がベストコンディションとされる駆動系パーツがサビてしまうと、各部がスムーズに動かなくなってしまい、ペダルを回す自分自身に不快感として返ってきます。キーキーという音が鳴ってしまうかもしれません。

自転車の寿命が短くなる

大切に扱えば長く乗ることもできる自転車ですが、何回も買い替えた経験がある人も多いのではないでしょうか?

先に話した“見た目”と“機能性”が失われると、とたんに自転車の寿命は短くなるのです。サビは自転車に巣食う病魔のようなもので、健康寿命を大きく減らしてしまいます。正しい知識をもって日頃から接していれば、自転車は長く楽しめる乗り物になるでしょう。

【軽度のサビ】歯磨き粉と歯ブラシを使ったサビ取り方法

もっとも手軽に用意できるのは、歯磨き粉と歯ブラシです。適量の歯磨き粉をサビた金属にぬり、いらなくなった歯ブラシなどでこすると、泡が少しずつ茶色くなり、サビが落ちていることがわかります。

以下に用意するものや手順を詳しく説明していきます。

用意するもの

  • 歯磨き粉(研磨剤入りのものが効果的)
  • 歯ブラシ
  • 柔らかい布やタオル

手順

①自転車を準備する

自転車を安定した場所に置き、作業しやすいようにしましょう。

②歯磨き粉を塗布する

サビの部分に適量の歯磨き粉を直接塗ります。歯磨き粉は研磨剤が含まれているため、サビ取りに効果的です。

③歯ブラシで擦る

歯ブラシを使って、サビの部分を丁寧に擦ります。円を描くようにして、しっかりとサビを落とすようにします。必要に応じて、少量の水を歯磨き粉に加えて擦りやすくしましょう。

④水で洗い流す

サビが取れたら、水で歯磨き粉を洗い流します。自転車全体が濡れるのを防ぐために、必要な部分だけを洗い流すようにするのがポイントです。

⑤乾燥させる

柔らかい布やタオルを使って、サビを取った部分をしっかりと乾かします。水分が残ると再びサビが発生する可能性があるため、完全に乾燥させることが大切です。

⑥仕上げ

サビが取れた部分には、防錆スプレーやオイルを塗布して、再びサビが発生しないように保護します。

【軽度のサビ】お酢やクエン酸を使ったサビ取り方法

お酢やクエン酸もサビ取り効果があります。

用意するもの

  • 白酢、またはクエン酸
  • スプレーボトル(お酢を使用する場合)
  • 歯ブラシ
  • 柔らかい布やタオル
  • 手袋(手を保護するために)

手順

①自転車を準備する

自転車を安定した場所に置き、作業しやすいようにしましょう。

②お酢、またはクエン酸溶液を塗布する

お酢を塗布する場合は、スプレーボトルでサビの部分にスプレーします。もしスプレーボトルがない場合は、布にお酢を染み込ませて塗布しても構いません。

またクエン酸を塗布する場合は、まずは濃度の高いクエン酸溶液を作ります。水100mlに対して小さじ1/2(2.5g)を混ぜれば完成します。

こちらもお酢同様、スプレーボトルに入れスプレーします。スプレーボトルがない場合は、布にクエン酸溶液を染み込ませて塗布しても問題ありません。

③しばらく放置する

15〜30分ほど放置すると、サビが緩みやすくなります。

④歯ブラシで擦る

⑤水で洗い流し、乾燥させる

【重度のサビ】自転車のサビ取り方法

市販のサビ取り剤を使った自転車のサビ取り方法を説明します。

市販のサビ取り剤は強力で、効果的にサビを除去できるため、時間節約にもつながります。以下の手順を参考にしてください。

用意するもの

  • 市販のサビ取り剤
  • 手袋(保護用)
  • 歯ブラシ
  • 柔らかい布やタオル
  • マスク(必要に応じて)
  • 眼鏡やゴーグル(必要に応じて)

手順

①自転車を準備する

自転車を安定した場所に置き、作業しやすいようにします。

②保護具(手袋やマスクなど)を着用する

手袋を着用し、必要に応じてマスクや眼鏡を着用します。市販のサビ取り剤は強力な化学薬品を含むことがあるため、肌や目を保護するために適切な保護具を使用するようにしましょう。

③サビ取り剤を塗布する

多くのサビ取り剤はジェル状や液体で、直接塗りやすくなっています。商品の説明に従って適量を使用します。

④指定時間放置する

通常、数分から10分程度放置することが多いです。この間にサビ取り剤がサビを溶解します。

⑤歯ブラシで擦る

指定の放置時間が経過したら、歯ブラシを使ってサビの部分を丁寧に擦ります。円を描くようにして、しっかりとサビを落とすように心がけましょう。

⑥水で洗い流す

サビが取れたら、水でサビ取り剤を洗い流します。サビ取り剤が残らないようにしっかりとすすぎます。

⑦乾燥させる

柔らかい布やタオルを使って、サビを取った部分をしっかりと乾かします。水分が残ると再びサビが発生する可能性があるため、完全に乾燥させることがポイントです。

⑧仕上げを行なう

サビが取れた部分には、防錆スプレーやオイルを塗布して、再びサビが発生しないように保護します。

市販のサビ取り剤を使用する際は、必ず商品の説明書に従って正しい方法で使用してください。化学薬品を使用するため、安全に注意し、換気の良い場所で作業を行うようにしましょう。

自転車サビを防ぐ方法

自転車のサビを取る方法を説明しましたが、そもそも自転車をサビさせないことが重要です。少しの工夫や意識によってサビを防ぐことができるので、ぜひ実践してみてください。

自転車カバーをかける

自転車をサビさせない最大の方法は、とにかく雨に濡らさないことです。サビの主な原因である湿気に触れないように注意すれば、自転車のサビを抑えることができます。

自転車を屋外に駐輪する場合は、レインカバーの利用を検討してみましょう。

レインカバーとは、自転車を丸々覆うくらい大きなビニール製カバーで、これをかぶせておけば、降雨量にもよりますが大部分の雨を防ぐことができます。

高価なものでなくてもかまいません。素材や強度に良し悪しはありますが、お試しで使うのであれば100円ショップで販売しているものでも、十分な効果を発揮します。

ただし、レインカバーをかぶせっぱなしで放置しておくのはおすすめできません。内側に湿気がたまり、それがサビの原因になることもあります。雨上がり、カラっと晴れた日にはカバーを外して、自転車を日光や風に当ててあげるといいでしょう。

屋内に保管する

レインカバー以上のサビ対策は、雨や雪などの影響を受けない室内に保管する方法です。それだけで、サビ発生の可能性はほとんどゼロになります。

私自身もそうですが、高級なクロスバイクやロードバイクのようなスポーツ自転車ユーザーの大半は、愛車を室内保管しています。

しかし、それは使用用途が競技やサイクリングなどに限定されたスポーツ自転車ならではです。買い物や通勤・通学など、日常的に利用する一般的な自転車、いわゆるママチャリを室内で保管するのは現実的ではありません。

理想的なのは室内ですが、例えばアパートやマンションのような集合住宅に、共用の屋内駐輪場があればいいでしょう。

そこまでの施設がなくても、簡易的な屋根のついた駐輪場、いわゆるサイクルポートがあれば雨の何割かを防いでくれるので防錆効果は確実にあります。駐輪場が広くて自由に使えるのであれば、自転車が1台すっぽりと入るようなサイクルハウスの購入を検討してみるのもいいかもしれません。

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乾いた布で水分を拭き取る

自転車は外を利用する乗り物なので、走っている最中に雨に打たれてしまうことも当然あり、どれだけ気をつけていても、いずれは濡れてしまう場合もあります。

もし濡れてしまったら、できるだけ早く乾かしてあげることが大切です。

具体的な方法として、まずは濡れた自転車を両手で10cmほど持ち上げて、地面にタイヤから落とします。着地の衝撃を利用して、水滴を落とすのです。左右にゆすってあげるのも効果的です。それから、乾いた布切れで残った水滴を大まかでもいいので拭き取ります。水の粒がなくなれば、あとは日光や風が乾かしてくれます。

注意すべきなのは、実際にサビが生まれる金属部分。とくに水気が残りやすいネジ穴やボルトのくぼみは意識して拭くようにしましょう。

防錆スプレーを吹きかける

サビを防ぐ効力を持った市販商品を使うのもいい対策です。

ノズル付きのスプレータイプなので、ネジやボルトなどの小さな部品にも、ハンドル周辺などの範囲が広いところにも楽に吹きかけることができます。サラサラとした薬品はすぐに乾いて防錆被膜を形成するので、布などで拭き取る必要もなく使いやすい仕様です。

ただし、大雨などで流れ落ちてしまう可能性もあるため、1回だけ吹きかけておわりではなく、時々はスプレーしてあげる必要があります。

オイル(防錆潤滑油など)を活用する

ペダルを回すと駆動するチェーンやスプロケットは、スムーズな走行に直結する大切なパーツ群。ここがサビてしまうと、快適性をいちじるしく損なうことになります。

他の部位よりも金属面が大きいため、サビやすいので注意を払う必要があります。具体的には、市販のチェーンオイルを使うメンテナンス方法がおすすめです。

普段からチェーンに適量のオイルをさしておいてあげましょう。注油することで、スムーズな走行を実現できると同時に、サビの防止にもなるのです。オイルには粘度があり、雨の日に向いているのは粘度が高いタイプのもので、簡単には流れ落ちない耐久力があります。オイルがベトベトしているため汚れがつきやすいというデメリットもあります。

粘度が低い、サラサラとしたオイルはスプレータイプが多いため、注油しやすいのがメリットです。その分、雨で流れ落ちやすいのが欠点。どちらも一長一短なので、好みのものを選びましょう。防錆に大切なのは、普段からのオイルメンテナンスを心がけるということです。

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自転車のサビは工夫次第で防げる!

「自転車を湿気から守ること」と「金属部分に防錆スプレーやチェーンオイルを使うこと」の2点を実行すれば、大抵のサビを防ぐことができます。

これから引っ越しを検討していて自転車を大切にしたい人は、屋内駐輪場やサイクルポート(屋根付き駐輪場)がある物件を探すのがおすすめです。

サビは、自転車の見た目も性能も落としてしまう恐ろしいもの。サビを防ぎ、自転車の健康寿命を延ばして、自転車を有効活用していきましょう!