「セットで買うとお得だからついまとめ買いをしたけど、結果的に出費がかさんでしまった」「スーパーの値引きセールで消費期限が近い肉をまとめ買いしたけど、使い切れるかちょっと自信がない」といった経験は、誰しもあるのではないでしょうか。
まとめ買いは、商品一つひとつの価格が安くなるメリットはありますが、賢く利用しないと出費だけが増えたり、ロスが増えたりするデメリットもあります。
今回は、まとめ買いのメリット・デメリットや賢く活用するコツ、上手に使い切る冷凍保存を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ買いのメリット
まとめ買いとは、必要なものをなるべく一度にまとめて買い物することです。食品や日用品など、日常的に使うものをまとめて買うことで商品単価を抑え、買い物の頻度を減らします。
まとめ買いには、3つのメリットがあります。
<まとめ買いのメリット>
・商品の単価が下がる
・買い物に使う時間と労力を減らせる
・計画的に買い物するようになる
ひとつずつ見ていきましょう。
商品の単価が下がる
ひとつの商品をまとめ買いすると、単価が下がることがあります。これは、単品で販売しているものを複数セットで購入することにより、値引きされる場合などです。ECショップの場合、複数購入して送料の無料ラインに到達すれば、送料負担が不要になるため、結果的に値引きと同じ効果があります。
買い物に使う時間と労力を減らせる
まとめ買いは日常的な買い物の頻度を減らし、買い物にかかる時間や労力を有効に使えます。また、買い物は肉体だけでなく、店頭の商品をチェックしながら家の在庫を確認するなど、意外と思考力を使うものです。こうしたエネルギーも減らせるので、負担軽減につながります。
計画的に買い物するようになる
まとめ買いをすると、計画的に買い物ができるようになります。限られた頻度でまとめて買うスタイルになるため、家にあるものの消費スピードや、収納場所の在庫をチェックする必要があるからです。
これまでまとめ買いをあまり意識してこなかった方には難しく感じるかもしれませんが、生活や家事の動線で、日常的に何を使っているかを意識してみましょう。できれば家事動線上に必要なものが収納されていると、必要なものや量が見える化しやすくなります。
まとめ買いの注意点・デメリット
一方で、まとめ買いにもいくつかのデメリットはあります。ここでは、デメリットと注意点を見ていきましょう。
事前に予定や献立を考えておく必要がある
まとめ買いは、家にある在庫や消費スピードを考えながら、ある程度計画的に購入する必要があります。ときには買いすぎて、使い切れないこともあるでしょう。
特に食材は、消費期限や賞味期限までに使い切れないと傷みやロスにつながるため、買いすぎは禁物です。綿密に計画や献立を立てておく必要はありませんが、自分や家族の予定を把握しておくのがベターでしょう。
保存場所の見直しが必要になる
まとめ買いをすると、どうしても保存場所を見直す必要があります。また保存場所があっても、収納が分かりにくい、あるいは取り出しにくい場合、まとめ買いしても使わない可能性があるからです。
すでに今の保存スペースを大幅に広げるのは難しいため、必要なものとそうでないものを見極めながら、収納方法を工夫する必要があります。
都度買いを完全になくすのは難しい
ここまで工夫しても、都度買いを完全になくすことは非常に難しいです。日常的に使うものだとしても、まとめ買いが向いていないものもあります。
例えば、毎朝食べる食パンは消費期限が3日程度と短いので、まとめ買いにはあまり向きません。そうしたものはまとめ買いせず、必要なときにさっと買い物を済ませるなど、割り切ることも大切です。
まとめ買いに向いているもの・向いていないもの
日常で使うものには、まとめ買いに向いているものとそうでないものがあります。ここでは、日用品、食品それぞれのまとめ買いに向いているものと向いていないものを紹介しています。
自分のライフスタイルと照らし合わせながら、参考にしてみてください。
日用品のまとめ買い
まとめ買いに向いている日用品 | まとめ買いに向いていない日用品 |
---|---|
洗濯用洗剤・柔軟剤 | トイレットペーパー |
浴室用洗剤 | ティッシュペーパー |
食器用洗剤 | ウエットシート |
ゴミ袋、ポリ袋 | 掃除用シート |
シャンプー | ナプキン類 |
コンディショナー | 歯ブラシ |
ボディソープ | キッチン用ラップ |
まとめ買いに向いている日用品:洗剤やゴミ袋など
まとめ買いに向いている日用品には、次のものがあります。
・洗濯用洗剤、柔軟剤
・浴室用洗剤
・食器用洗剤
・ゴミ袋、ポリ袋
・シャンプー、コンディショナー、ボディソープ
洗剤やシャンプー・ソープ類は、毎日使う上に1袋が重たいものが多いため、ネットショッピングなどでまとめ買いしておくのがおすすめです。
また、ゴミ袋はゴミ捨て以外にも季節品の収納や非常時など使い道が多く、さらにまとめ買いしてもそれほどスペースを取らないため、ストックしておくといいでしょう。
料理をする機会が多い人は、ゴミ袋のほかに水切りネットのまとめ買いもおすすめです。一般的な水切りネットはあまり大きめではないので、1日3食分を料理すると2日ほどで一杯になってしまうからです。
水切りネットはただ生ゴミを捨てるだけではなく、柑橘系の絞り機の代わりに使用したり、油こし(オイルポット)として使用したり様々な用途で活用することができますよ。
まとめ買いに向いていない日用品:トイレットペーパーや歯ブラシなど
一方、次のような日用品は、必ずしもまとめ買いする必要はありません。
・トイレットペーパー
・ティッシュペーパー
・ウエットシート
・掃除用シート
・ナプキン類
・歯ブラシ
・キッチン用ラップ
トイレットペーパーやティッシュペーパーは1パックに複数ロット入っているものが一般的なので、1ヶ月程度で使いきれれば、必ずしもまとめ買いする必要はありません。一般的に、ペーパー類はかさばるものが多く、まとめ買いするとどうしても収納スペースを必要としてしまいます。
日用品の使用頻度はそれぞれのライフスタイルによって異なりますが、使い切るまでに1ヶ月以上かかるものは都度買いでも大きな問題はありません。
同様に、歯ブラシやラップ類も1つずつ予備があれば、まとめ買いしなくても問題なく送れるでしょう。
しかし家族構成やライフスタイルによっては、先ほど挙げたトイレットペーパーをまとめ買いした方が良い場合もあります。例えば4人家族で、母・父・娘2人など、使用する機会が多い場合はまとめ買いをしても問題ないと言えます。
また鼻炎持ちでティッシュが手放せない生活を送っている人は、ティッシュペーパーをまとめ買いすべきともいえます。
本項で説明をしているまとめ買いに向いていない日用品はあくまで参考程度に確認し、家族構成やご自身のライフスタイルから「まとめ買いしても問題ないか」を予め考えることが大切です。
食品のまとめ買い
まとめ買いに向いている食品 | まとめ買いに向いていない食品 |
---|---|
缶詰 | 賞味期限・消費期限の短いもの(乳製品、パン類、肉・魚類など) |
麺類(インスタントラーメン、パスタ、そうめんなど) | 日持ちの短い野菜・果物 |
シリアル類(コーンフレーク、オートミールなど) | |
乾物(海苔、春雨など) | |
よく使う調味料(油、醤油、料理酒など) | |
よく飲む飲料(ペットボトル飲料、ティーバッグ類など) |
まとめ買いに向いている食品:缶詰や麺類など
食品の場合、まとめ買いに向いているのは次のものです。
・缶詰
・麺類(インスタントラーメン、パスタ、そうめんなど)
・シリアル類(コーンフレーク、オートミールなど)
・乾物(海苔、春雨など)
・よく使う調味料(油、醤油、料理酒など)
・よく飲む飲料(ペットボトル飲料、ティーバッグ類など)
食品は、保存性の高い加工食品や飲料はまとめ買い向きです。ただし、限られた収納スペースを有効に使うには、よく使うものに絞って買いおきしましょう。よく使う調味料やペットボトル飲料は、重量があるためまとめてストックしておくのが便利です。
また、まとめ買いをしておくと便利なだけでなく、災害時などの備蓄としても活用できるため安心です。日常だけでなく、非日常のことも考えてまとめ買いをするものを選ぶのもいいですね。
まとめ買いに向いていない食品:日持ちの短い野菜や肉・魚類など
次のような食品は、まとめ買いにはあまり向いていません。
・賞味期限・消費期限の短いもの(乳製品、パン類、肉・魚類など)
・日持ちの短い野菜・果物
賞味期限や消費期限が短い食品は、期限を過ぎると鮮度が落ちて食べられなくなる可能性があります。そのため、普段あまり食べないものはまとめ買いしない方が無難でしょう。
また野菜や果物のような生鮮食品も時間とともに鮮度が落ちてしまうため、長期保存するなら冷蔵庫での保管が必要です。
一般的には野菜や肉・魚類などはまとめ買いに向いていない食品にカテゴライズされますが、工夫次第でまとめ買いして保存をすることができますよ。
<乳製品(牛乳)の場合>
・製氷器で冷凍→1〜2ヵ月ほどの保存が可能
<パンの場合>
・1個ずつ密閉して冷凍→2週間ほどの保存が可能
<肉の場合>
・冷凍用保存袋に密閉して急速冷凍→1週間ほどの保存が可能
※調理をする際は必ず火を通すこと
<魚の場合>
・冷凍用保存袋に密閉して急速冷凍→1週間ほどの保存が可能
しかし、鮮度や味がどうしても落ちてしまうので、食中毒などの危険性もあるのでまとめ買いは避ける方が無難です。どうしてもまとめ買いをしたい場合は、調理過程で「必ず火を通す」「しっかり焼く」ことを意識しましょう。
まとめ買いをするときのポイント
まとめ買いをするときは、次の3つのポイントがあります。
<まとめ買いをするときのポイント>
・買い物前に在庫を確認する
・定期的に使うものを買うように心がける
・食材は賞味・消費期限を必ずチェックする
ひとつずつ見ていきましょう。
買い物前に在庫をチェックする
買い物をする前は、必ず家の在庫を確認し、スマホのメモなどを使って入力しておきましょう。
私の場合は、在庫チェック漏れを減らすため、スマートウォッチを活用し、普段の生活で気がついたらその場で音声入力しています。入力したメモを店頭でチェックしたり、スマホと連動させたりしておくと、買い忘れを防ぎやすいです。
定期的に使うものを買うように心がける
まとめ買いは、定期的に使うものを買うようにしましょう。あまり使わないものをまとめ買いしてしまうと、なかなか消費できずに収納スペースが空かず、必要なものが買えないなどのデメリットが生じてしまいます。
またシャンプーを家族ごとに使い分けるなど、同じ用途のものを複数購入する場合は、収納スペースを増やして消費スピードを落とす可能性があります。そのため、複数購入する必要があるかを判断するようにしましょう。
食材の消費・賞味期限は必ず確認する
食材をまとめ買いする場合は、賞味期限や消費期限を必ず確認しましょう。賞味期限は、期限切れでもすぐに食べられなくなるわけではないため、ある程度食べる量や頻度に合わせてまとめ買いできます。
乾物や缶詰、お菓子などの加工食品は賞味期限が記載されているので、よく食べるものは賞味期限をチェックしてみてください。また購入した食品は、収納スペースを1ヶ所にまとめておくと、在庫や賞味期限の確認がしやすいです。
一方、肉や魚などの生鮮食品に記載されている消費期限は、鮮度が落ちるのが早いため、節約という理由だけでまとめ買いするのはおすすめできません。生鮮食品は期限までに使い切れるかを判断する、難しい場合は早めに冷凍保存するなどを考えてから、まとめ買いするようにしましょう。
冷凍生活アドバイザーの私が教える、まとめ買いした生鮮食品の保存と活用法
消費期限の短い生鮮食品を賢くまとめ買いしたい場合は、冷凍術を覚えておくと便利です。冷凍保存するときは、次を押さえておけば、美味しく冷凍保存ができます。
<冷凍保存する際のポイント>
・空気に触れないようにポリ袋で密閉する
・食材が薄く平らになるように密閉する
このポイントを踏まえて、野菜・きのこ、肉、魚それぞれの保存方法を解説します。実際の調理での活用法もお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
野菜・きのこはカットして保存する
野菜やきのこ類は、カットしてそのまま保存できます。皮むきに手間がかかる玉ねぎや、タネ取りが面倒なピーマン、傷みやすいきのこなどは、食べやすい大きさにカットして冷凍しておくと便利です。
葉物野菜はあらかじめ下茹でして食べやすい大きさに切っておくと、汁物などにさっと使えます。冷凍した野菜やきのこは解凍せず、そのまま炒め料理や煮込み料理として調理可能です。
肉・魚はポリ袋に移して保存する
肉や魚は買ってきたまま冷凍せず、食べやすい大きさにカットしてからポリ袋などに移して保存しましょう。トレーのまま冷凍してしまうと、トレー内の空気が霜となって付着して、風味が落ちる原因となります。
また冷凍する際にあらかじめ下味をつけておくと、食材に味がしみこみやすくなるのでおすすめです。調理する際は凍ったままジッパー付き袋などに入れて、水を張ったボウルに漬けて解凍してから使うと、スピーディーに解凍できます。
なお、冷凍した食材は「冷凍してから1ヶ月を目安に使う」ことを心掛けましょう。
まとめ買いをお助けするグッズ3選
最後に、まとめ買いのお助けグッズを3つ紹介します。
<まとめ買いのお助けグッズ>
・半透明プラスチックボックス
・ラベル・マスキングテープ
・ジッパー付き袋
上記のグッズがあれば、まとめ買いした食品や日用品の収納が見やすくなるので、ぜひそろえておきましょう。
半透明プラボックス
半透明のプラスチックボックスは、こまごました加工食品を保存するのに向いています。缶詰類、乾物類、調味料類など、いくつか用意しておくと食材が探しやすいです。中身が見えやすい半透明タイプなので、献立を考えるときにも役立ちます。
ラベル・マスキングテープ
ラベルやマスキングテープは、収納ボックスに貼って中身を書いておくと、まとめ買い後にしまいやすい、使いたいときに探しやすいなどのメリットがあります。また冷凍保存する食品に、食材名や冷凍日を記入しておけば、使い忘れを防ぐのに便利です。
ジッパー付き袋
ジッパー付き袋は、冷凍した食品を入れるのに役立ちます。冷凍時に使うポリ袋は非常に薄いため、そのまま冷凍庫に入れると食品同士がぶつかって穴が開き、解凍時に水分が漏れる可能性があるためです。また、ジッパー付き袋の表面にラベルを貼っておくと、何度も繰り返し使えます。
賢くまとめ買いをしよう
まとめ買いは、賢く活用すれば家計費や時間、労力の節約につながります。しかしながら、ポイントや送料無料ラインといった特典に目がいってしまうと、衝動買いや使い切れないなど逆効果になりかねません。
まとめ買いを上手に取り入れるには、普段から使うものとそうでないものを見極めておくことや、家事動線に合った収納場所を作っておくことが大切です。今回の内容を参考にしながら、自分に合ったまとめ買いの方法や、収納場所を見つけてみてください。