クエン酸を使って効果的にお掃除しよう!場所別汚れの落とし方と、落とせるもの・落とせないものとは?

目次

クエン酸は掃除に役立つことは知っていても、実際にどのような場面に活用できるのか、効果的な使い方がわからないという方もいるでしょう。クエン酸を上手に掃除に取り入れるには、正しい方法と注意点を知っておく必要があります。

今回は、クエン酸を使った掃除のコツや、場所別の掃除方法を詳しく解説します。クエン酸を上手に活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

クエン酸とは?

クエン酸とは、レモンやライムなどの柑橘類の果実に多く含まれる有機酸の一種です。食品添加物として広く使用されているほか、その酸性の性質を利用して「ナチュラルクリーニング」のアイテムとしても注目されています。最近ではドラッグストアや100円ショップなど、身近なところで手軽に手に入る、便利な洗剤です。

まずは、クエン酸で落とせる汚れ・落としにくい汚れについてみていきましょう。

クエン酸で落とせる汚れの種類

酸性であるクエン酸は、主に次のようなアルカリ性の汚れを落とす際に効果を発揮します。

・水垢

・石鹸カス

・尿石

アルカリ性の汚れを中和することで、汚れを浮き上がらせ、落としやすくするのです。

また、クエン酸にはアルカリ性の臭いに対する消臭効果もあります。魚の匂いが気になる焼きグリルや部屋に残ったタバコ臭、トイレのアンモニア臭の消臭にも役立つでしょう。

このように、クエン酸は、水まわりやトイレの掃除をはじめ、家中の掃除に活用できる便利な洗剤なのです。

クエン酸では落とせない・落としにくい汚れの種類

クエン酸には苦手な汚れもあります。以下のような酸性の汚れを落とすのには向いていません。

・油汚れ

・皮脂汚れ

・カビ など

油汚れや皮脂汚れは酸性の性質を持った汚れであり、同じく酸性の性質を持つクエン酸で落とすのは困難です。また、クエン酸の除菌効果は弱いため、カビへの効果は期待できません。

クエン酸の使い方

ここからは、クエン酸の使い方について見ていきましょう。

クエン酸水

クエン酸を最も手軽に使える掃除方法が、水に溶かしてクエン酸水として使用する方法です。

スプレーボトルに水200mlとクエン酸小さじ1/2杯を入れ、よく溶かします。汚れの気になる箇所に直接吹きつけて5分から10分ほど放置し、スポンジでこするだけです。

クエン酸水は、市販されているスプレータイプのものも便利です。

クエン酸水パック

頑固な汚れには、クエン酸水パックがおすすめです。

クエン酸水を含ませたキッチンペーパーを貼り、5分から10分間パックします。汚れが中和され緩むので、軽い力で落ちやすくなります。汚れが落ちたら、成分が残らないよう、最後に水でしっかりと洗い流しましょう。洗い流せない場所の場合は、濡らした雑巾で水拭きし、最後に乾拭きをして水分を除去します。

クエン酸+重曹

クエン酸と重曹を合わせる使い方もあります。

掃除をしたい場所に重曹を満遍なくふりかけ、そのうえにクエン酸水をスプレーすると、化学反応により炭酸ガスが発生します。泡がおさまったら、水でしっかり洗い流しましょう。発泡により、排水管の詰まりや汚れの掃除に効果を発揮します。

クエン酸が使える場所と汚れの落とし方

クエン酸は、家のさまざまな場所の掃除に役立ちます。ここからは、クエン酸が効果的な掃除場所と、使い方を紹介します。

キッチン

まずは、クエン酸を使ってキッチンを掃除する方法について紹介します。

シンクや蛇口

シンクや蛇口についた水アカには、クエン酸水が効果的です。

水アカの気になる部分にクエン酸水をスプレーし、スポンジでこすります。その後水で流すか、水拭きをしてクエン酸を落としましょう。落ちにくい頑固な水アカがある場合には、濡らしたキッチンペーパーを貼り付けてクエン酸をスプレーし、30分程度放置します。時間が経ったら、キッチンペーパーを剥がしてこすり、しっかりと水で流します。

ステンレス製の蛇口や取手など光らせたい部分は、最後にマイクロファイバークロスで拭き取ると拭き跡が残らず、きれいに仕上がります。

調理器具の焦げやサビ

調理器具の焦げやサビにもクエン酸が役立ちます。

焦げやサビが気になる調理用具を、水1リットルに対してクエン酸を大さじ1〜2杯分溶かしたクエン酸水に浸します。クエン酸の濃さは汚れの程度に応じて調節してください。ぬるま湯を使用するとさらに効果が高くなります。取り除きたい焦げやサビの部分を数時間〜一晩つけ置きし、スポンジでこすり、洗い流します。

なお、焦げやサビの程度や種類によっては、クエン酸できれいに落ちないこともあります。様子を見ながら行いましょう。

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お風呂

お風呂では、水アカや石鹸カスなどの汚れ落としにクエン酸が活躍します。

お風呂の鏡は水アカ汚れが目立ちやすい場所です。クエン酸水をスプレーし、ラップやキッチンペーパーを貼り付けて馴染ませます。10分程度放置したら、剥がしたラップやペーパーでこすりましょう。水でしっかりと流し、マイクロファイバークロスで水滴を拭き取ります。

なお、鏡にコーティング加工が施されいている鏡は、加工が剥がれる可能性があるため十分注意しながら使用しましょう。

壁や床

お風呂場の壁や床は、水アカや石鹸カスによる汚れが蓄積しやすい場所です。汚れが溜まると黒ずみが目立ってくることもあるでしょう。

水垢汚れが気になる箇所にクエン酸水をスプレーし、ラップやキッチンペーパーでパックします。30分〜数時間放置したら、ブラシやスポンジで擦り、水で洗い流します。

頑固な汚れだと、クエン酸水だけでは一度にキレイに落ちないかもしれません。その場合は、繰り返し掃除をするか、水アカ専用の強力な洗剤を使用して一度キレイに落とすとよいでしょう。

排水溝

お風呂の排水口は汚れが溜まりやすい場所です。毎日汚れを取り、こまめに掃除をすることが大切です。

排水溝の掃除の際には、まず外せる部品をすべて外し、ブラシでこすります。重曹の粉を排水溝にふりかけ、その上からクエン酸の粉末をまぶしましょう。さらに、その上にコップ1杯分ほどのぬるま湯をかけ、5分から10分程度放置します。落ちていない汚れはスポンジやブラシでこすり、最後にお湯を流して終了です。

浴槽や洗面器などの小物

浴槽や洗面器などの小物も、水アカや石鹸カスが溜まりやすい場所です。

小物類は、つけ置き洗いがおすすめです。浴槽にお湯を溜めて、クエン酸を1カップほど入れます。クエン酸が溶けたら、小物類をつけておきます。汚れをしっかり取りたい場合は、一晩ほどつけておくとよいでしょう。翌朝スポンジやブラシでこすり洗いをします。

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トイレ

クエン酸は、トイレ掃除にも効果的です。尿石汚れやアンモニア臭が気になる場合に活用しましょう。

便器の尿石

クエン酸は、便器の尿石汚れに効果的です。

尿石とは、尿に含まれている尿素やたんぱく質などの成分が、細菌の働きにより変化し、便器内に付着したものです。一度頑固な尿石が付着すると、軽く擦ったり水で流す程度では除去できません。アルカリ性の尿石汚れは、クエン酸による酸の力で浮かせてから落としましょう。

汚れの気になる部分にトイレットペーパーをかぶせ、上からクエン酸水をスプレーします。10〜30分ほど放置したら、ブラシでこすり洗いをします。

なお、クエン酸は優しい成分なので、長期間放置された頑固な尿石は落とせないかもしれません。その場合は、尿石専用の洗剤を使用するとよいでしょう。

便器内の水垢

便器や手洗い器の水アカ掃除にも、クエン酸水が効果的です。水アカが気になる部分にクエン酸水をスプレーし、10分ほど放置してからスポンジでこすったり、雑巾で拭き掃除をします。

水アカは、蓄積すればするほど取りにくい頑固な汚れに変化します。こまめに掃除をすることで水アカの蓄積を予防すれば、掃除自体も楽になるのです。

壁や床

トイレの壁や床には、想像以上に尿が飛び散っています。クエン酸水を床や壁全体にスプレーし、雑巾で拭き取りましょう。クエン酸にはアンモニア臭を抑える効果もあるので、臭いが取れてスッキリとするでしょう。

ただし、トイレの壁が漆喰や紙など、水に弱い素材でできている場合には、クエン酸水は使えません。

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リビング

クエン酸には、消臭効果があるため、リビングでは布製品の消臭に役立ちます。また、観葉植物の掃除にもクエン酸があると便利です。

クッション・カーテンの消臭

クエン酸には消臭効果があるため、タバコのにおいをはじめとするリビングの気になるにおいの消臭に役立ちます。

まず、掃除機でカーテンやクッションのほこりを優しく取ります。そのあとで、においの気になる部分にクエン酸水をスプレーしましょう。クエン酸水にお気に入りのエッセンシャルオイルをプラスすると、消臭と同時に香りも楽しめます。

なお、クエン酸水は酸性であるため、素材によっては塗料が剥がれたり、シミがついてしまう可能性があります。必ず目立たない部分で試してから全体にスプレーするようにしてください。

観葉植物の葉っぱの埃

観葉植物の葉についたホコリの除去には、クエン酸水がおすすめです。20倍程度に希釈したクエン酸水をスプレーボトルに入れ、葉っぱに吹きかけ、タオルで優しく拭き取るだけです。クエン酸水を使うとホコリやヤニが落ちるだけでなく、ツヤ出し効果も期待できます。防虫効果もあるため、観葉植物を長く楽しみたい方におすすめです。

家電

クエン酸は、さまざまな電化製品の掃除にも活躍します。今回は、次の家電の掃除方法について紹介します。

・電気ケトル

・加湿器

・炊飯器

・食洗機

なお、クエン酸で家電を掃除をする際には、必ず取り扱い説明書を確認し、機器を傷めないよう注意してください。

電気ケトル

電気ケトルを使用していると、徐々に水アカが溜まっていきます。ケトルの底の部分に白い斑点ができていたら、それは水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどが固まり、結晶化したものです。

掃除をするには、ポット1杯分の水にクエン酸大さじ1杯程度を入れ、沸騰させましょう。沸騰したらそのまま1、2時間ほどつけ置きし、お湯を捨てて何度か洗い流せば完了です。

加湿器

加湿器は毎回水を使用するため、水アカが溜まりやすい場所です。水アカ掃除には、クエン酸を使用しましょう。

タンクやフィルターなどのパーツを外し、ホコリがついている場合は掃除機で吸ったり、拭き取ったりします。水3Lにクエン酸20gの割合で混ぜたクエン酸水をバケツに入れ、取り外した部品をつけ置きます。2〜3時間つけ置きし、その後水ですすぎましょう。フィルターを洗ったあとは、しっかりと乾かしてから設置します。

月に1〜2回程度、この掃除を行うと加湿器の汚れが蓄積しにくくなるためおすすめです。

炊飯器

炊飯器もクエン酸で掃除すると、嫌なにおいがスッキリします。

炊飯器の内釜に水を入れ、クエン酸大さじ1杯ほど溶かし、早炊きモードで炊飯します。炊飯が終われば電源を切り、冷めてから釜をゆすぎます。掃除直後は汚れが緩んでいるため、外せるパーツは外し、中性洗剤で洗いましょう。

食洗機

一見手間がかかりそうな食洗機の掃除ですが、クエン酸を使用すれば簡単です。

食器が入っていない状態で、食洗機の洗剤投入口にクエン酸を大さじ3杯分ほど入れます。食洗機の「洗浄モード」を選択し、洗浄します。洗浄終了後、汚れが気になる部分があればスポンジでこすりましょう。こまめに洗浄することで、清潔を保てます。

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クエン酸を使うときの注意点

クエン酸は安全で便利な洗剤ですが、使い方を間違えるとうまく効果を得られなかったり、危険なガスが発生したりすることもあります。ここからは、クエン酸を使用する際に注意するポイントを解説します。

絶対に塩素系の洗剤と混ぜないようにする

クエン酸を塩素系漂白剤と混ぜると、有毒なガスが発生します。誤って吸い込むと命の危険があるため、絶対に併用しないようにしましょう。

塩素系の洗剤には、たとえば市販のカビ取り剤やキッチンハイターなどが挙げられます。これらは水回りでは比較的よく使用する洗剤であるため、うっかり混ざらないよう、掃除の際には細心の注意を払いましょう。

使える素材かどうかを確認する

クエン酸は酸性洗剤です。天然の大理石や金属に使用すると、サビや変色の原因となることがあります。素材を傷めないか不安な場合には、水で薄めたクエン酸水を目立たないところに塗布し、変色や劣化がないか確認しましょう。

長い時間、つけ置きをしない

クエン酸は天然素材であり、洗浄効果もゆるやかであるため、一定時間パックやつけ置きをしてから洗い流すシーンも多くなります。しかし、長時間パックやつけ置きをすると素材を傷める可能性があります。

パックやつけ置きをする場合には、こまめに汚れの落ち具合を確認し、必要以上に長い時間置かないように注意しましょう。また、掃除後はクエン酸の成分が素材に残らないよう、しっかりと洗い流しましょう。

必ず密閉できる容器で保管する

クエン酸の粉末は湿気に弱い性質を持っています。湿気を吸うとカビが発生したり、固まって使いにくくなったりしてしまいます。保管の際には、必ず密閉できる容器に入れておきましょう。

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お部屋をクエン酸でキレイにしよう

今回は、クエン酸を使った掃除の魅力と、場所別の効果的な使い方を紹介しました。

クエン酸は、水アカや石鹸カスなどのアルカリ性の汚れを簡単に落としたり、部屋の嫌なニオイを取り除けたりとさまざまな場面で活躍する洗剤です。上手にクエン酸を使うためには、ただやみくもに使うのではなく、場所や汚れの種類に合わせた使い方を知ることが大切です。今回紹介した方法を参考に、ぜひ楽しく掃除をしてみてください。